こんにちは!会社員、スーパーバイラーズとして活動する傍ら、漫画が好きが高じて漫画情報サービス「アル」などにて執筆している漫画ライターのちゃんめいです。
すっかり日も短くなり夜が長くなってきた今日この頃……。
今回は、「BAILA×秋マン!」に特別に参加させていただき、秋の夜長におすすめな『サマータイムレンダ』という漫画をご紹介いたします!
「影」を見た者は死ぬ、ひと夏のSFサスペンス
物語は、主人公・網代慎平(あじろ しんぺい)が幼馴染である潮(うしお)の訃報を聞き、彼女の葬儀に参列するために2年ぶりに生まれ育った故郷「日都ヶ島(ひとがしま)」に戻るところから始まります。
潮の死因は海の事故だと聞いていた慎平ですが、葬儀に居合わせた友人から他殺の可能性が浮上していることを聞かされます。そんな中、突如として近隣の島民一家全員が姿を消す事件が発生。そして、時を同じくして慎平は島に伝わる不吉な噂を耳にします。それは”自分にそっくりな「影」を見た者は死ぬ”というものでした。
潮の死、そして日都ヶ島を襲う不可解な事件の背後にある「影」の存在とは……?ひと夏の小さな離島を舞台に、慎平はタイムリープを繰り返しながら「影」の真相に迫ります。
作中に漂う緊張感と唯一無二の魅力
1話目からあっと言わせる展開で読者を惹きつける『サマータイムレンダ』。慎平が追う「影」は人間のコピーを作り、その相手を殺害して入れ替わるという特殊能力を持っているのですが、この設定によって慎平の周りにいる家族や友人、隣人たちが「影(偽物)」かもしれないという緊張感が作中に常に漂い、ページをめくる手が止まらなくなります!
また、本作は漫画のジャンルとしてはSFサスペンスに括られますが、読み進めるにつれてホラー、ミステリー、青春、恋愛……と様々な要素が絡み合い、特定のジャンルに囚われない唯一無二の魅力を発揮しています。
単行本に散りばめられた伏線に注目
そして、『サマータイムレンダ』で特に注目してほしいのは、作中に散りばめれた伏線。慎平は「影」の真相に迫る最中、とある出来事をトリガーにタイムリープするのですが、このタイムリープによって作中の世界観や物語の伏線が徐々に明らかになっていくのです。これまで見てきた景色や真実だと思っていた物事が一変する……。この大どんでん返しの展開は圧巻です。
さらに、単行本に収録されている「記録」という名のおまけページにも要注目。
なんてことないお祭りの写真のように見えますが、この写真を撮っているのは一体誰なのでしょうか?実はこの写真には壮大な伏線が仕込まれているので、読み飛ばさずにじっくりとご覧ください。
本編だけではなく、単行本まるまる一冊に伏線が散りばめられた『サマータイムレンダ』。ラストを見たらもう一度読みたくなると言っても過言ではない本作、ぜひ秋の夜長にじっくりと読んでみては?
【試し読みはこちら】
試し読みは2021年10月18日(月)~2021年10月31日(日)まで