大ヒットした実写映画の記憶も新しい『るろうに剣心』。舞台は、幕末の動乱を経た明治11年の東京下町、廃刀令がしかれたあとの世界。過去に“人斬り抜刀斎”として京都で暗躍し、現在は不殺(ころさず)の“流浪人(るろうに)”として生きる緋村剣心が主人公の物語です。


もしかしたら原作は未読、という方もいらっしゃるかもしれません。『るろ剣』の魅力は、主人公・緋村剣心(ひむら けんしん)のかっこよさはいわずもがなですが、「敵キャラの造形&生き様のかっこよさ」にもあり!
そこで、無料試し読みつきの秋マン!に便乗(?)し、5巻までに登場する超・個人的な「ぐっとくる魅力的な敵キャラ」を勝手に発表!
第3位★武田観柳(たけだ かんりゅう) 初登場:2巻 第十五幕

実写映画(2012年公開)では香川照之さんの怪演も話題になったキャラクター、武田観柳。
ビジュアルが「白スーツにめがね」と分かりやすく金の亡者。
見るからに卑怯者で、どこがかっこいいの?と思われるかもしれませんが…
この武田観柳、表の顔は青年実業家だけれど、裏の顔は武器商人なんですね。
ずばり、このキャラのかっこいいポイントは使う「武器の名前」!
そんな強引な……という感じではありますが、観柳を通して「回転式機関砲(ガトリングガン)」
……何か分からんけどかっこいい!!と興奮した人は多いのでは!?(私だけ?)
ワザはないが武器はある。ズルいけどインパクトは強烈。
もっと言うとこの「ズルイけど強い」という点、何をもってズルイとするかを含めて、
刀の時代が終わりつつある明治初期における「日本刀 vs 西洋の武器」「生身の実力 vs 金や権力」といった
大きな構図を背負っているとも言えるのではないでしょうか。
この観柳、いやな奴~~と思いきや、現在ジャンプSQ.にて連載中の
『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』にも登場するという胸アツ展開となっています。
なんでまた!?と思われた方はぜひ全巻読破して北海道編へワープ!
第2位★般若(はんにゃ) 初登場:3巻 第十六幕

江戸城を守る隠密「御庭番衆(おにわばんしゅう)」のひとり、般若。
ビジュアルからして
・イカツイ般若のお面
・忍装束から伸びる両腕の縞模様
と、一筋縄ではいかない感が満々です。
般若は刀ではなく拳で闘う拳法家という点でもなかなか異色。
かっこいいポイントは、主人公・剣心が一瞬で「出来る……!」と察する「手練れ感」です。
対峙しただけでお互いに実力が分かるシーン、しびれます!!
御庭番衆を束ねるお頭・四乃森蒼紫(←同じく2巻から出てくる重要キャラ)に忠誠を尽くす般若。
その理由は、このかぶっているお面にまつわる壮絶な過去にあり……。
般若については語り出すと止まらないうえに多大なるネタバレになってしまうので、
ぜひ本編を読んでその生き様を目に焼き付けて!
第1位★鵜堂刃衛(うどう じんえ) 初登場:2巻 第九幕

第1位は、2巻の最初の方に登場する刃衛です。
トレードマークの大きな黒い傘もさることながら、
・黒目と白目が反転しているビジュアル
・「うふふ」、斬りつけたあとの「この感触…いいね」といった不気味な台詞
・人を斬ることを楽しむ殺人鬼
とマッド感が半端なく、いかにも敵役というたたずまいです。
2巻のメインである剣心vs刃衛のたたかいは、いわば「人斬り対決」。
明治の世になってからは人を守るために逆刃刀(刃と峰を逆さにした斬れない刀)をふるっている剣心に対して、
刃衛は快楽のために人を斬り続けている殺人鬼。
少年漫画なんだから「人を守る剣」のほうが強いって話でしょ? と思いきやもっとシビアで、
そこに「人斬りとしてのキャリア(経験)の差」が出てしまうことを剣心自身も危惧しているんです。
そしてまさにその人斬りキャリアとセンスにより、刃衛は
「大切な人を傷つけられたとき、怒りにより剣心が“るろうに(流浪人)”から“抜刀斎”へ立ち戻る」ことを素早く見抜きます。
さらに自分の「最強無比の抜刀斎を殺してみたい」という欲望のために、剣心の“急所”を的確につく……。
この「剣心」と「抜刀斎」との境界というのは『るろうに剣心』という作品をずっと貫くテーマ。
刃衛は最初にそこを突いてきた敵といえます。
かっこいいポイントは、敢えて言えば「美学」でしょうか。(詳細は2巻を!)
ちなみにこの鵜堂刃衛、実写映画では吉川晃司さんが演じています。
配役が発表されたときは「あのKOJI KIKKAWAが…!?」と驚きましたが
(すみません、刃衛はもうちょっと不健康なイメージだったので…笑)
観てみると、刃衛の「只者ではない感」がめちゃめちゃ出ていて納得してしまいました。
もしかすると美学を体現する人という点で吉川さんだったんでしょうか……!?
最初に「敵キャラの魅力」とは書きましたが、
誰が敵で、誰が味方か。
「正しさ」とは、「強さ」とは何なのか、
ということを考えさせられるのが『るろうに剣心』という作品。
幕末から明治という、生きてきくうえでの価値観が大きく揺れ動いた時代において、
「信念を貫く」キャラクターたちの姿に何度読んでも心打たれます。
今の世の中も、これまでの価値観が覆るほどの変化の時代。未読のかたも、すでに何度も読んでいるかたも、
読むと2021年ならではの発見や、思いがけない共感ポイントが見つかるかもしれません!

編集
たま子
6年ぶりにBAILA編集部にカムバック。甘いものと泡に目がない高糖質派だけどおしゃれはシンプル寄り。本誌ではファッションと美容を担当。
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試し読みは2021年10月18日(月)~2021年10月31日(日)まで