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フリーアナウンサー・宇垣美里さんの心を刺激する、とっておきの3冊とは?【読書から広がる学び】

学び方にはいろんな種類があるものの、いちばん手軽にスタートできるのは読書。読書家としても知られるフリーアナウンサーの宇垣美里さん。悩んでいるときは文章を読むことで感情を整理することができるのだそう。そんな宇垣さんおすすめの3冊はこちら!

一行の言葉が、私を満たし、未来へと導いてくれる

宇垣美里さん
宇垣美里さん

フリーアナウンサー

宇垣美里さん


うがき みさと●2014年TBSテレビに入社。退社後はフリーアナウンサーとして活躍。テレビやCM出演のほか、執筆活動も行う。近著に『今日もマンガを読んでいる』がある。

何度も繰り返し読むことで心の成長を確かめることも

「自宅でも外出先でも、いつも何かしらの本を読んでいます」という宇垣さん。忙しい日々の中でも4~5冊、並行して読み進めるのがルーティンなのだとか。

『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』は、現代女性が社会の中で自分らしく生きるために必要な知恵を、教えてくれる一冊。語り口もライトで、読むと元気が出ます。私は自分の違和感や意見を、なるべく表現したいタイプなのですが、話しても通じ合えない相手には『説明しなくていい』という戦い方もあると知りました(笑)」

第二次世界大戦中、強制収容所に連行されたユダヤ人男性の記録が描かれた『夜と霧』。これは宇垣さんが何度も読み、そのたびに学びを得ている本。

「最初に読んだのは中学生の頃。ホロコーストという、人類が犯した最大級の罪の渦中にいながら、自分自身の心の状態を淡々と描いているさまに心がえぐられるようでした。周囲の状況も合わせて、人はこんなにも残酷になれるのか、と」

あらためて読み直し、こんな思いも。

「著者が、離れ離れになってしまった妻を思うシーンがあります。彼女はそばにいないのだけれど、その存在自体が、著者の生きる希望になっている。人を愛するとは、こういうことだと学びました」

近年、歯切れのいい文体と独自の視点で人気があるのが、文筆家・岡田育さんのエッセイ。宇垣さんもファンだとか。

「その中でも最新刊の『我は、おばさん』は、古今東西、いろんなエンタメ作品に出てくる大人の女性に焦点を当て、“おばさん”を再定義した論考集。私は今30歳で、まだ甥や姪がいない立場。“おばさん”と言われる機会は少ないのですが、それでも20代の頃に比べると『おばさんとは何だ?』『どういうおばさんになっていきたいのか?』と考える機会が増えました。たとえ心ない表現で『30代? 終わったね』的なことを言われても『知ったこっちゃない』って感じですが(笑)、自分の価値が若さだけだったらつまらないなとも感じていて。この本はそんな私に、多様なおばさん像を教えてくれました。優等生じゃなくてもいいし、奔放な心を保っていてもいい。妻や母という枠を超えた“おばさん”という立ち位置はとても魅力的だなと。今のこの年齢で出会えて、いい学びを得られた一冊でした」

仕事柄、周りに本をおすすめする機会も多い宇垣さん。活字の魅力とは?

「人間の感情も含めて、モヤモヤとしたものの正体を知りたいタイプなんです。悩んでるときに言語化された一行を読むと『ああ、今の気持ちって、こういうことだったんだ!』と、刺さることが多くて。漫画や映画などのメディアも大好きですが、一行の文章で絡まっていた心がほぐれたり、美しさや感情を具体的に教えてもらえる、というのが本の力だと思います。だから私は素敵な言葉を人生の滋養にしたいし、本から刺激を受けたいですね」

宇垣美里さん

宇垣美里さんの心を刺激する3冊

『私たちには ことばが必要だ フェミニストは黙らない』

『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』
イ・ミンギョン著 すんみ、小山内園子訳 
タバブックス
気鋭の韓国人フェミニストが描く女性への応援エッセイ。「言われた言葉への返し方が具体的。己を守るために実戦で使える本です」(宇垣美里さん)

『夜と霧 新版』

『夜と霧 新版』
ヴィクトール・E・フランクル著  池田香代子訳 
みすず書房
ユダヤ人精神科医が綴る強制収容所での凄絶体験。「著者の文章が感情的になりすぎず、冷静なところが、逆に読み手にしみわたってきます」(宇垣美里さん)

『我は、おばさん』

『我は、おばさん』
岡田育著 
集英社
創作上の「おばさん」をあらゆる角度から検証した一冊。「カッコいい年の取り方をしている!と思える人が、いっぱい登場します」(宇垣美里さん)

ワンピース¥46200/ボウルズ(ハイク) イヤカフ¥2680/ロードス(ヘンカ)

撮影/花村克彦 ヘア&メイク/AYA〈LA DONNA〉 スタイリスト/石田 綾 取材・原文/石井絵里 ※BAILA2022年2月号掲載

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