海外ドラマに詳しいライター・今 祥枝と編集・ぴらが、働く女性におすすめのドラマをピックアップ! 今回は、アリッサ・ナッティングの同名小説をドラマ化した「メイド・フォー・ラブ」をご紹介。夫が開発したチップを妻の脳に埋め込み、すべての感覚をパートナーと共有する世界、あなたはどう思う?
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今 さて、突然ですが質問です。愛し合っているからといって、アプリで予定や位置情報など行動をすべて共有するのって、どう思う?
編集ぴら(以下ぴら) 私は嫌ですね〜。特にやましいことはないのですが、なんとなく管理されて、自由意思が制限されている感じがして。
今 同感!「メイド・フォー・ラブ」の主人公ヘイゼルも、愛ゆえにとんでもないアプリを開発し、モラハラ夫と化したIT企業社長バイロンから、自由を求めて逃亡する。
ぴら シニカルな笑いが満載で、ちょっとしたひと言がシュールで面白い! けど、バイロンが開発した新商品で脳にチップを埋め込み、すべての感覚をパートナーと共有する世界は怖すぎます……。
今 主演のクリスティン・ミリオティが大好きで、彼女のあっけらかんとした乾いた笑いのセンスが素晴らしくてするっと見てしまう。一方で、IT長者の夫と根なし草だったヘイゼルのパワーバランスが大きくくずれた関係は、難しいものがあるよね。
ぴら 「僕はすべてをわかっている」という態度の男性に、ヘイゼルのように向上心の強い女性が惹かれるというのは、現実でもある話だよなあと。自分の正解が強すぎる人間と対等かつ安定した関係を築くのは、相当大変なことだと思いました。
今 この手のテクノロジー×恋愛ドラマが、最近目立ちます。
ぴら 突拍子もない設定に見えて、実際に今の社会はこのドラマのような世界にじわりじわりと近づいていますよね。テクノロジーや夫婦、親子関係から格差社会まで、今どきの問題をポップに突いてくるのが、この作品の魅力だと思います!
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「メイド・フォー・ラブ」
アリッサ・ナッティングの同名小説のドラマ化。巨大IT企業社長のバイロンが構築した“ハブ”と呼ばれるバーチャルリアリティ空間内で、夫と暮らす社長夫人ヘイゼル。脳と脳をつなげるチップで、愛するカップルがすべてを共有する新商品を開発する夫の束縛から、脱出を試みる。『パーム・スプリングス』のクリスティン・ミリオティと、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のビリー・マグヌッセンが夫婦を熱演。
Huluでシーズン1(全8話)が独占配信中
イラスト/ユリコフ・カワヒロ ※BAILA2022年9月号掲載 ※配信情報は記事掲載時点のもので、変更になっている場合や、配信が終了している場合があります。