初登場からもうすぐ3年、3度目のカバーを務める佐藤晴美の魅力をひもとく二つのスペシャル企画。“毎号共感しながらじっくり読む”とBAILA愛を語る彼女。そのはつらつとしたキャラクターが、きっと夢中にさせるはず!
Tシャツとリップと、晴美のごきげんな夏
トレンドも女性像も自由に楽しむ!
永遠のステディアイテムのTシャツに、この夏はどんな唇を合わせる? 晴美と一緒に、旬なベストバランスを探ろう。
ショート丈Tシャツにマットな赤リップ
HARUMI says...
スタンダードな白Tは、旬なシルエットにアップデートするだけで気分まで変わりますよね。ショート丈のラフな雰囲気を生かすボーイッシュなスタイリングに、レディな赤リップがすごく新鮮!
今年定番の白Tを買い足すなら、ショート丈を新たな選択肢に。どんなボトムにも合わせやすいけれど、素足を出して夏感を満喫するのもおすすめ。ベージュでまとめれば、子どもっぽさも回避可能。Tシャツ¥18700/サードマガジン(コーベルト) ショートパンツ¥28600/ドローイング ナンバーズ 新宿店(ドローイング ナンバーズ) キャップ¥6820/ジャーナル スタンダード レサージュ 丸の内店(クーパーズタウン) バッグ¥13200/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店(ジャミレイ) 靴¥34100/デ・プレ
use it
クロップトされたカジュアルな白Tには、赤リップでレディなスパイスを。マットタイプを選び、輪郭をぼかすように内側から塗布すると気負わずにつけこなしやすい。
奥行きのあるディープなレッド。ルージュ アリュール ヴェルヴェット 54 ¥5500/シャネル
潤いも抱えたしっとりマット。ラスティング フィニッシュ マシュマロエアリー リップスティック 003 ¥1540/リンメル
黄みのある鮮やかレッド。リップ マエストロ サテン 12 ¥5500/アルマーニ ビューティ
ボーダーTシャツに青みピンクリップ
HARUMI says...
ボーダーってついカジュアルに着がちだけれど、主役感のあるスカートに派手なピンクリップを合わせると、こんなドレスアップできるなんて! なんでもない日常が、スペシャルになりそう♡
ほっこりにもマリン風にもしない、新たな着こなしを提案。細ピッチのコンパクトなボーダーTを選んだら、今季豊富に登場しているボリュームスカートを投入して、テンション高めな派手甘スタイリングに。コーディネート自体はシンプルだから、挑戦しやすいはず。Tシャツ¥10450/エイチ ビューティ&ユース スカート¥39600/アルアバイル(バウム・ウンド・ヘルガーデン) バッグ¥14850/デ・プレ(ディミヌティーボ) ピアス¥105600/マディソンブルー ブレスレット¥59400/エスケーパーズオンライン(ソフィー ブハイ)
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可愛さよりも、モード見えするピンク使いがカギに。ベルベット質感かつ青みピンクを、輪郭をシャープに取りながら薄膜に塗り広げて。
目の覚める鮮やかさ。ヴァレンティノ リキロッソ 302R ¥5500/ヴァレンティノ ビューティ(7/28発売)
コクのあるフューシャピンク。エアーマット リップカラー 03 478 ¥4070/ナーズ ジャパン
なめらかで乾燥しにくいつけ心地。ルージュ クレーム マット 119 ¥5500/クレ・ド・ポー ボーテ
ロゴTシャツにミルキーコーラルリップ
HARUMI says...
インパクトのあるロゴTに、あえて女性らしさのあるコーラルリップの気負わなさが心地よくて。ツヤ感もあるのに、甘すぎなくてナチュラル。プライベートで塗る色にも、いちばん近いです。
スタイリングをくずす際に活躍するロゴTは、メンズっぽい大きめサイズを選ぶのが重要。そのカジュアルさを肩かけしたジャケットで引き締めるバランス感が、こなれ見えのコツ。Tシャツ¥15400/ミューズ ドゥ ドゥーズィエム クラス 六本木店(デニミスト) デニムパンツ¥28600/ガリャルダガランテ 青山店(ガリャルダガランテ) ジャケット¥74800/カオス表参道(カオス) 靴¥36300/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店(ロランス) ピアス¥176000・リング(中指)¥99000(ボロロ)・(小指)¥72600(ソフィー ブハイ)/エスケーパーズオンライン
use it
みずみずしいツヤ感を引き出しクリアに発色させるため、手持ちのコンシーラーでかるく唇の赤みをオフしてから、直塗りでたっぷりとオン。
水面のように輝く繊細なラメ入り。ルージュ エルメス ルージュ ア レーヴル ブリヤン 06 ¥10010/エルメスジャポン(限定色)
とろける感触で色ツヤがじわり。ルナソル プランプメロウリップス EX19 ¥4400/カネボウ化粧品(限定色)
ツヤ感高まるテンダーコーラル。ディオール アディクト リップ マキシマイザー 042 ¥4620/パルファン・クリスチャン・ディオール(限定色)
ニュアンス色Tシャツに透けブラウンリップ
HARUMI says...
アイボリーのTシャツにピンクを合わせてブラウンリップをさすバランスは、大人だからこそ楽しめると思う。やわらかなトーンのなかに内面の強さがにじみ出るのって、理想的な女性像!
実は白よりも肌になじみやすく、オン・オフともに合わせやすいのがアイボリー。肩ひじ張らないムードで、派手色と組み合わせても品よくまとまる。Tシャツ¥10120/カオス表参道(カオス) パンツ¥41800/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店(ウーア) バッグ¥63800/スティーブン アラン シンジュク(エーティーピーアトリエ) カーディガン¥20900/アルアバイル 靴¥195800/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ) ネックレス¥75900・ブレスレット¥78100/エスケーパーズオンライン(ソフィー ブハイ)
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夏の日差しに映えるシアーブラウンを選択し、数回ティッシュオフしながら重ね塗りを。厚みは増しながらも、透明感と軽やかさをキープできる
濃密なココアブラウンのツヤ膜を形成。ルージュ ヴォリュプテ キャンディグレーズ 14 ¥4950/イヴ・サンローラン・ボーテ
オレンジ混じりのテラコッタカラー。b idol つやぷるリップR 05 ¥1540/かならぼ
赤みのひそむ大胆なブラウン。ザ リップスティック シアー L 102 ¥3520/アディクション ビューティ(限定色)
撮影/土屋文護〈TRON〉(人)、橋口恵佑(物) ヘア&メイク/河嶋 希〈io〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/佐藤晴美 取材・原文/森山和子 ※BAILA2023年7月号掲載
佐藤晴美のプライベート“大切な3つのこと”
“だから、自分を好きでいることができる”
現場に颯爽と現れ、明るい笑顔で盛り上げつつ、まじめな性格も見え隠れ♡ そんな彼女を形づくったこれまでの軌跡と現在地を3つのキーワードで深掘り!
体を動かして心も整える。そうやって進化し続けたい
進化する喜びを知ったのはダンスと出会えたから
躍動感のあるポージングとはじける笑顔がトレードマーク。「ヘルシー」という形容詞がこれほどしっくりくるモデルはほかにいない。晴美さんが日常的に取り入れている運動はピラティスとパーソナルトレーニング、そしてダンス。「この3軸が今の私にちょうどいい」というけれど、体を動かすのは物理的な“体の変化”だけが目的ではない。
「運動は自分を好きでいるためのひとつの手段。体を動かして『今日も自分に勝った!』って思えたら、自分を更新できているってこと。私は自分を信じていたいし、自信を持っていたいし、常に進化をしていたい。人によって方法は様々だと思うけど、私の場合は、運動でアップデートを味わうことが心のバランスにつながっています」
地元・山形で過ごした少女時代はヘルシーというより「超野生児(笑)」。鉄棒やブランコでアクロバティックに遊び、かけっこは常に1位。陸上競技会に出場すれば県で1位になってしまうほど、運動では負け知らずだった。
「お父さんは野球、お母さんはバレーボール、お姉ちゃんはバドミントンの実業団選手だったくらい佐藤家は運動神経抜群で。全国レベルのお姉ちゃんを相手に、家の庭で本気でバドミントンの打ち合いをしてました(笑)」
後にダンス&ボーカルグループのパフォーマーとしてデビューする晴美さんがダンスに出会ったのは小学2年生。お母さんに連れられて近所のスクールに通い始めたのだ。ところが周りはイケイケのへそ出し&ポニーテールのおしゃれな子たちばかり。肌を露出したくないナイキのロンT姿の晴美さんは、完全に気後れしてしまった。
「みんなダンスも上手だし、最初はマジで無理すぎて『行きたくない!』って駄々をこねていました」
火をつけたのは、お母さんの言葉。「『◯◯ちゃんはもう向かってるよ。あんた負けだよ』って(笑)。スポ根だから気合の入れ方がうまいんですよ。差をつけられることが嫌だったし、絶対に負けたくなかった。スクールに通ううちに徐々に踊れるようになっていったし、身近にライバルを見つけたり、常に目標を設定して練習していたら、いつの間にか力がついていきました」
体を動かすことで自分を表現し、結果を残すことで自分を塗り替えていく。ライバルを超えるために悔し涙を流すほど努力してきた晴美さんは、結局、自分と闘ってきたのだ。進化を求めるマインドはその頃に培ったもの。
「だからね、なんか無理なんです。体を動かさないと(笑)。ただ、たまたま出会ったのがダンスだっただけで、きっとバスケでもバドミントンでもトランポリンでも将棋でも、結果は一緒だったと思うんです。できなかったことができるようになる嬉しさは、どんなことでも味わえたと思うから」
“負けたくない。幼い頃はライバルに。今は自分に”
コンプレックスをチャームポイントにできた
約20年間ダンスに向き合ってきた経験は、もちろん、現在のモデルの仕事にもしっかりと生かされている。
「内面的なパッションをダイナミックな動きで表現することができるのは、きっとダンスをしてきたから。もともとはビビりだし緊張しいな性格だから、昔なら自由に動くことに躊躇してしまっていたと思います。でもダンスの現場って、急に『自由に踊ってみて』とか『自由に4つポーズ取ってみて』と言われることも多くて。そこで『それ変だよ』とか『もっと練習しな』って言われるめっちゃ恥ずかしい経験をたくさんしてきました(笑)。だからかな。とりあえず『これはどうかな?』ってチャレンジできる。場数を踏んできたからこそ、臆せずに動けるのかもしれません」
ほれぼれするほどのスタイルを誇る彼女のチャームポイントは、しっかりある肩幅。オフショルダーやキャミソールなどの洋服がきれいにキマる。
「もともとはコンプレックスだったんです。でも肩幅が大きく見えてしまっていた原因は巻き肩だったから。ピラティスやパーソナルトレーニングで肩甲骨を重点的にトレーニングしたら、ストンと肩が落ちてすごくきれいに見えるようになりました。最初はどう動かすのかさえ全然わからなくて、ジムからイライラしながら帰る日も(笑)。でも何回かチャレンジするうちに『あ!』と希望が見える瞬間があって。気づけるまでちゃんと続けられた自分偉いじゃんって思えたし、支えてくれたトレーナーさんがいてくれたことも『なんてありがたいんだ! 超最高!!』って思えた。コンプレックスを好きになれたことは、すごく自信になりました」
仕事で踊ることはなくなったものの、ダンスは今でも月イチペースで続けている。インスタグラムで見つけたダンスの先生にアポを取り、はじめましてでレッスンを受けることも。
「今はうまくなりたいと思って続けているわけじゃないんです。でもモデルの仕事がうまくいかないときとか、人とのコミュニケーションに失敗しちゃったときとか、気持ちを切り替える手段として絶対に必要で。ダンスとともに歩んできた人生だったから、踊っていないとダメ。原点だから切り離せないんです。言い換えるなら、人生においてすごく濃密な時間を過ごした元カレ的な存在(笑)。もう恋をすることはないけれど、一生大切な人って感じです」
ここまで聞いていると、マネのできないアスリート並みのストイックさを感じてしまうけれど、晴美さんだって「無理」なときはある。疲れて気分が乗らないときはジムを休んで3000円の足ツボに駆け込んだり、お気に入りのエステで体をほぐしたり、大好きな温泉につかったり。半年に一度はロサンゼルスやハワイへ旅行をして、自分を甘やかすことも忘れない。
「自分が求めていない方向には頑張れないから、いちいち『楽しんでる?』『ムリしてない?』『誰かの意見に左右されてない?』って、立ち止まって考えるんです。むやみやたらに前に進んでいては未来が閉ざされてしまいそうだし、心から楽しいと思えることで進化できないと私らしくない。この先も常に、ドキドキ、ワクワクできているか自分の心に問いかけていきたいです」
トップス¥6500・レギンス¥12800/ルルレモン ピアス¥18700/フラッパーズ(シンパシー オブ ソウル スタイル)
自分のため、みんなのため。笑顔の連鎖を起こしたい
笑顔でいると絶対いいことが起きる
「笑いの連鎖は絶対にあって、自分が笑っていたら必ず周りも笑顔になるの。ポジティブに笑っている人のエネルギーは無敵。笑顔に勝てるものは何もないんだから。これ私の鉄則!」
落ち込んでいるときこそ、笑って抜け出す
「ネガティブなときは冷静になれないので、落ち込んでいるときこそ無理やり笑います。グイッと笑顔に持っていくだけで頭がクリアになるし、ポジティブに整理できる気がするから。あとは友達や親に相談。SOSを出したときに助けてくれる人がいるってだけで超幸せだと思えるから。たった一人じゃ笑顔になれない。いろんな人に助けられてると思います」
笑いジワだってきっと魅力になる
「シワもその人の魅力だし個性だから、気にせずガハッて笑う人が好き。むしろシワができたって最高じゃんって思います。いつかシワが気になったら……そのときに考えます(笑)」
大切な人たちの笑顔に救われることも
「ふとした瞬間に思い出すのは、爆笑している友達や家族の顔。つい1週間前なんか、いとこから送られてきた何てことない佐藤家の団欒動画を見て、夜中に泣いちゃった(笑)。みんながゲラゲラ笑ってるたった18秒の動画に、なんだか胸がいっぱいになっちゃって。大切な人たちが健康で、笑ってくれている。それだけでこんなにも幸せな気持ちになれるんだと思ったし、何かあったら私も、みんなのことを救いたいって思えたんだ!」
サービス精神は旺盛! みんなを笑顔にしたいから
「子どもの頃からサービス精神は旺盛。教室の端っこでラップを披露したり、ふざけたダンスをして友達を笑わせてました。好きな子に見られて後悔したことも(笑)。モデルの現場で笑顔をつくるときは、スタッフと会話をしている感覚。みんなが笑いやすい環境をつくってくれるから、そのサインを絶対にキャッチするようにしています」
ワンピース¥111100/ユナイテッドアローズ 原宿本店(リトコフスカ) ピアス¥50600/マリハ ネックレス/晴美さん私物
モデルに熱中しているからこそ、いいものを愛していきたい
モデルを始めてからは、はやっているという理由だけで洋服を買うことがあまりなくなりました。今回はいたセリーヌのデニムは、グループでの活動を終えた数日後に買ったもの。モデルの仕事を頑張ろうと決めていたから、第二の人生のスタートにふさわしい質のいいものを身につけたくて。大人の第一歩として思い切って迎え入れました。「それどこの?」と聞かれたときに、エピソードも含めて花が咲く。いいものを身につけると、本当にいいことが舞い降りてくるんですよね。L.A.のセレクトショップで見つけたクロシェガウンは、甘めのデザインにひと目ぼれ。旅先で買うにはちょっと高かったけれど、今では着るたびにL.A.のにおいや思い出もよみがえってくるんです。ボッテガ・ヴェネタのバッグも、リカちゃん人形が履いていそうなマノロブラニクの靴も、私にとっては全部にドラマがある。人生とリンクする物語を、これからもたくさんつくっていきたいです。
1.旅の思い出も、好きも詰まったガウン
2.節目に出会った運命のデニム
3.一緒に歴史を重ねたいバッグ
4.会話に花が咲くアイコンバッグ
5.大人の服に合う可愛い足もと
シングルピアス各¥18700/イレーヴ 中に着たタンクトップ/スタイリスト私物 その他/晴美さん私物
撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/佐藤佳菜子 取材・原文/松山 梢 撮影協力/加藤やよい〈Pilates studio Secret〉 ※BAILA2023年7月号掲載