2025年2月10日の誕生日で30歳になる川口春奈さん。好きを貫くブレないマインドと、好奇心に従順なやわらかな感性で磨いてきたおしゃれとは。洗練されたファッションセンスの持ち主である川口さんに、30代に着たい服を聞きました。
目次
着たい服
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ワンピース¥70400/オーラリー チョーカー¥105600/エスケーパーズ アナザーワールド(ソフィー ブハイ) リング¥34100/エルディ スト ショールーム(バー ジュエリー)
Q 30歳の記念に自分へプレゼントしたいファッションアイテムは?
A 時計。背景にある歴史やストーリーにすごく惹かれるんです。だからこそ、自分にとっても何かの節目だったり、意味のあるタイミングで迎え入れたいと思っています。いつでも買えるものじゃないからこそモチベーションになるし、その時計に見合う自分になりたいって思えるんです。
Q 30代も変わらずに着たいアイテムは?
A デニム、スニーカー、白T、スウェット、セットアップ。これまではあまり柄ものを選ばなかったけど、最近はチェック柄が好きになりました。ちょっと抜け感が欲しいときは、チェックのシャツをオーバーめにざっくり羽織るのがお気に入りです。
Q 30代だからこそ着たいアイテムは?
A 特にファッションと年齢を結びつけることはないのですが、年々シンプルでカジュアルになっている気がします。洋服はもちろん時計もジュエリーも、流行にとらわれないものを長く、大切に身につけていきたいです。
Q 最近になって似合うようになったと思う服は?
A 客観的に自分を見ることは難しいけど、パステルみたいな淡い色よりははっきりした色がもともと好きだし、着ていてよりしっくりくるようになりました。
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ニット¥46200/アカネ ウツノミヤ パンツ¥15400/リーバイ・ストラウス ジャパン(リーバイス®) ネックレス¥49000・リング(右手)¥44000・(左手)¥58900/トムウッド 青山店(トムウッド) 靴¥104500/ジェイエムウエストン 青山店(ジェイエムウエストン)
Q 川口さんのスタイルとは?いつ、どんなタイミングで見つけましたか?
A 肩ひじ張らないカジュアル。小学生の頃から「コレとコレを組み合わせたい」みたいなこだわりはなんとなくありました。でもあれですよ、スポーツブランドのジャージとかでしたけどね(笑)。ピタッとしたフォルムのスカートよりメンズっぽいカーゴパンツとかが好きだったし、物心ついたときには今と変わらないスタイルだったかも。
Q 気合を入れる日に着てみたい服は?
A サイズ感がゆったりしたハンサムなセットアップは気になります。フォーマルな場所に着ていきたいですね。そこに時計などメンズっぽいアイテムを落とし込んで、自分らしいスタイルを楽しみたい。
Q 30代のファッションは特にどこに力を入れたい?
A 人間的な魅力がないと服に“着られちゃう”気がしていて。シンプルな服が好きだからこそ、人生経験を積み重ねて人としての深みと奥行きを増していきたいです。
Q 40、50代にはどんな服を着ていたい?
A 変わらずデニムに白T!
したいこと
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ジャケット¥119900・パンツ¥79200/マメ クロゴウチ オンラインストア(マメ クロゴウチ) タンクトップ¥22000/マディソンブルー ベルト¥12100/リトルリーグ インク(エブール) リング¥56100/RHC ロンハーマン(キキ ディータレ) 靴¥192500/セルジオ ロッシ カスタマーサービス(セルジオ ロッシ)
Q 30代にプライベートで行きたい国は?
A いっぱいあるけど……今は北欧に行きたいです。一度も行ったことがない未知のエリア。サウナも家具も好きだし、食事もどんな感じなのか気になる!
Q もし移住するなら国内?海外?
A 海外は想像つかないから国内。窓を開けたときに見える景色がコンクリートだらけの都会よりは、電線が少なくて緑がいっぱいあるところがいいな。
Q 20代でやり残したことは?
A なし! 心残りはありません。
Q 20代とともに卒業したい習慣は?
A 寝る前のルーティン。ベッドでスマホをいじったり、そりゃよくないよねって習慣は直したいです。眠りがすごく浅くて1時間に1回は目が覚めてしまうほど。朝まで一度も起きずに眠れたことがほぼないんです。30代はさらに体力が必要になるから、いい睡眠のためのルーティンを取り入れたい。
Q 20代に点数をつけるなら?100点満点中何点?
A 後悔はないからそんなに酷評ではないけれど、かといって100点満点ともいえないし……。80点くらいかな!
Q 30代で新たにできるようになりたいことは?
A お料理。凝ったものを作りたいというよりは、ご飯、お味噌汁、ぬか漬け、焼き魚……みたいな、昔おばあちゃんが用意してくれたようなごはんを毎日継続して作れるようになることが理想。きっとおばあちゃんの暮らしの中には、その習慣が当たり前のようにあったはずで。どうしても仕事に波があるから毎日準備をするのは難しいけど、私もなるべく近づきたいと思っています。
Q 20代で手にした宝物は?
A これまで挑戦した仕事と、そこで出会った人たち。
Q 20代で頑張ったことで、自分を褒めてあげたいことは?
A いろんな仕事をとにかく全力でやり切ったこと。プライベートの時間がなくなっても、多少無理してでも、必死に走り抜けてきた経験は一生残ると思います。
Q 20代で食べた忘れられないグルメは?
A 地元の民宿で食べたイカのお刺し身や鯛の昆布締め。知り合いのおじちゃんとおばちゃんが営んでいる宿なのですが、目の前の海で釣れたばかりのお魚をすぐにさばいて調理してもらえる贅沢さにめっちゃテンションが上がりました!
Q 30歳になる今、好きな食べ物トップ3は?
A タイ料理、韓国料理、お寿司。
Q 人生のベストカルチャーは?
A 加藤ミリヤさんの曲。特に好きな曲は「UGLY」です。生き方も好きだし、学生時代はファッションを真似したりも。女性としていっぱい影響を受けました。
Q 人生で大切にしている言葉は?
A 「生きてるだけで丸もうけ」。「なるようになる!」みたいな言葉も好きです。
Q 30代でさらに磨きたい、自分の長所は?
A 感受性。感情は豊かなほうだし、常に愛情深い人でいたいと思っています。さらに経験を重ねてお芝居に生かしていきたい。
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Q 続けてきてよかったと思う習慣は?
A 昔は仕事が遅くなると疲れてそのまま寝ちゃうことがあったけど、この10年はメイク落としと保湿を忘れずに。酔っ払っていても絶対しているのがすごい(笑)。
Q 仕事関係なく自由な髪型にできるとしたら、どんなスタイルにしたい?
A 坊主! もう今すぐにでもしたいです。ずっと前から憧れていたけど、最近、XGのCOCONAちゃんのかっこよさを見て、坊主熱が再燃したところ♡
Q もし転職するならフリーランスと会社員、どっちを選ぶ?
A 絶対にフリーランス! 性に合ってると思う。
Q 役を受けるときのこだわりは?
A 基本的に好き嫌いせず多ジャンルに挑戦してきたほうだけど、「私以外の人がやったほうが魅力的に伝わるだろうな」とか、「これは自分じゃなくてもいいんじゃないかな」と思うものは一旦考えるかもしれません。「今の自分だからこそできる」と責任を持って思えることは、作品をよくするためにも必要な気がします。
Q 撮影中に30歳を迎える新ドラマは、どんな作品ですか?
A 松村北斗さんと共演する「アンサンブル」というドラマで弁護士を演じます。演じる役も私と同じ30歳。キャリアとプライベートの両立に直面したり、今の年齢でしか表現できないことも描かれるので、読者の方にも共感していただけると思います。
これまでと今、これから
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Q 30年を振り返り、今、どんなことを感じますか?
A 長かった……(笑)。仕事を始めたのが早かったから、周りからは「春奈ちゃんってまだ29歳なの?」といわれることも多くて。それは自分でも感じていました。これまでを振り返ると、若気の至り的なものも含めて「あれでよかった」と思います。経験したすべての出来事が今をつくってくれているし、たくさんの人と出会わせてくれたと思うから。
これまでのキャリアでいちばん印象的だったお仕事は、25歳のときに出演したNHK大河ドラマ「麒麟がくる」。私が演じることになった状況やタイミングにすごく責任を感じた作品だったし、結果的に本当にいろんな方に応援していただき、知っていただけるターニングポイントだったと思います。
プライベートの私を見てほしいとか、素の私を評価してもらいたいというエゴはまったくないけれど、お仕事のフィルターを通した自分を見てほしいという思いはすごくあります。だって、一つひとつの作品に愛情も情熱も時間もかけて取り組んでいるから。それに、私が仕事に向き合うことができているのは、スタッフさんや家族、友達など、いろんな人が支えてくれているおかげ。だからこそ「作品をひとりでも多くの人に観てもらいたい、何かを感じてもらいたい」という思いは常に持っています。
これまでは3年後、5年後、10年後の目標を立てたり、人生設計を細かく思い描いたりしたことはなくて、基本的には目の前のやるべきことに必死でした。なぜなら先のことを考えると思いやられるから(笑)。1年以上先のお仕事なども決まっていたので、そこまで自分がちゃんと頑張れているかなというプレッシャーが大きかったんです。
どんな職業も同じだと思うけど、お仕事は楽しいことばかりじゃないし、ベストなコンディションじゃなかったり、周囲の言葉に心を乱されることもありました。それでも続けてこられたのは……根性(笑)。あとは求められていることにこたえたいっていう気持ちが強かったからだと思います。自分ひとりの個人的な感情で物事を決められない仕事だからこそ、なかなかできない経験もさせてもらえたと思います。「これはできない」と決めつけず、いろんなお仕事に挑戦してきたことは財産。12歳から大人に交じって濃密な時間を過ごしてきたから、今は「やっと30代になれる!」という気持ちが強いです。
Q たどり着いた現在地は、どんな場所ですか?
A 修行が終わって、ここからが“本番”ってイメージかな。かといって、これまでが練習だったってわけじゃないんですけどね(笑)。きっと人生は一生修行だと思うけど、30代は20代よりもさらに演じられる役柄の幅が広がる期待感があるんです。先生役とかお母さん役とか、今まであまり演じてこなかった役にも挑戦できる気がしています。
とはいえ、表現することや伝えることの大変さは何年経験を積んでも感じます。誰かと比べることはないけれど、やっぱりいまだに難しい。だからといって考えて考えて表現するよりも、直感や感性を信じてナチュラルに演じることは昔も今も変わりません。そうしないと自分のよさが出ないと思うし、自分がやる意味もないと思うから。ドラマ「9ボーダー」みたいに、そのときの私だからこそ伝えられる作品があると信じています。
今の私を構成しているのは、仕事が50%、そして友達と家族が25%ずつ。もともと友達もすごく人数が限られているけれど、無理に増やしたいとは思っていません。家族に関しては、年齢を重ねるほど「親との時間ってめっちゃ尊いじゃん」と思うようになっていて。姉たちもそれぞれ仕事や子育てで忙しいから、みんなで集まってなにげないおしゃべりをする時間の大切さを感じます。毎日連絡を取り合うし、ごはんに行くときは私が号令をかけるんです。ただ、私の仕事に関してはあまり深い話はしません。家族も作品を観てくれてはいると思うし、たまに舞台挨拶に招待することはあるけれど、基本的には「あなたが元気でいてくれたらそれでいい」というスタンス。そうやって愛情深く見守ってくれている家族の存在が、仕事をする上でだいぶ大きな原動力になっています。
Q 30代をどう過ごしていきたいですか?
A 俳優以外のお仕事をする可能性もあるんじゃないかな。食べることが大好きだし、農業にも興味があります。人間にとって毎日食事をとることは絶対に必要ですからね。実はちょっと前まで、おにぎり屋さんをやってみたいと思っていたんです。自分で朝に作ることも多くて、お気に入りのお米を土鍋で炊くくらいこだわりがあるんです。うちには炊飯器がないけれど、土鍋ならたった30分で炊けるし、美味しいし、保温はできないけどすごく便利。最近はおにぎりに焼きたらこやじゃこを入れるのが好きで、自分やマネージャーさんのために現場に持っていくこともあるし、お昼に作った豚キムチを翌朝のおにぎりの具にしたりもしました。
普段は飽き性だけど、ハマるととことん突き詰める凝り性の一面もあるから、大好きな食に関することだけでなく、何かしらものづくりをすることも全然あり得ると思います。
もちろん、俳優のお仕事も好きだから変わらずに頑張っていきたい。お芝居とはいえ、やっぱり演じる人が歩んできた人生がキャラクターににじみ出るじゃないですか。キャリアや経験、年齢を重ねることで人としての深みが出ると思うし、仕事はもちろんプライベートでした経験の一つひとつが奥行きになる。そういう意味で自分はまだまだ青いなって思うから、早く年を重ねていきたいし、俳優としていろんなチャレンジをしていきたいです。
Q 30代、ワクワクしてますか?
A はい! すごく楽しみだし、不安はあまりないかな。30代は自分が好きなものが明確になって、時間や心の余裕もできるイメージ。仕事でもプライベートでも、大切な人たちと変わらずにいい時間を過ごしていきたいです。
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ワンピース¥70400・靴¥121000/オーラリー チョーカー¥105600/エスケーパーズ アナザーワールド(ソフィー ブハイ) リング(人さし指)¥24200・(中指)¥34100/エルディ スト ショールーム(バー ジュエリー)
川口春奈さんの最新作に注目!
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「アンサンブル」
出演/川口春奈、松村北斗ほか
日本テレビ系土曜22時〜
無駄なことを嫌い、コスパ・タイパを好む現実主義の弁護士・小山瀬奈(川口春奈)と、新人弁護士の真戸原優(松村北斗)がバディを組み、様々な恋愛トラブル裁判に挑んでいくリーガルラブストーリー。
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川口春奈
1995年2月10日生まれ、長崎県出身。モデルを経て2009年に俳優デビュー。ドラマ「silent」「ハヤブサ消防団」「9ボーダー」など話題作に多数出演。現在は映画『聖☆おにいさん THE MOVIE〜ホーリーメンVS悪魔軍団〜』が公開中。
撮影/伊藤彰紀〈aosora〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/百々千晴 取材・原文/松山 梢 ※BAILA2025年2・3月合併号掲載