2021年にローンチしたランジェリーブランド「ESS by(エス バイ)」のプロデューサーを務める長谷川京子さん。
ブランドフィソロフィーに「Self -Love」を掲げ、「自分の身体を愛おしく感じられるようなランジェリー」を提案し続ける彼女が、“自愛”に目覚めたきっかけとは。年齢とともに変化する、身体と心に向き合う秘訣をお聞きしました。

【長谷川京子さんインタビュー】
「“自愛”と親和性が高い、ハートに触れるランジェリーを作る」
──長谷川さんはこれまで洋服のプロデュースなどもされてきましたが、ランジェリーをプロデュースするおもしろさはどんなところにあるのでしょうか?
「直接肌に触れるランジェリーは、ハート(心臓)の上に触れるという意味でも私が伝えたい“自愛”のメッセージと親和性があります。ファッションアイテムよりも着心地が重視されるので、プロデュースする難しさもありますが、プロダクトに想いを込めやすいと思ったんです。」
──レースなどの装飾がない、シンプルなデザインが特徴的ですね。
「いろいろなものを削ぎ落とした、肌にピタッとなじむシームレスなデザインが好きなんです。シースルーの服に合わせて透け感を楽しんでもらってもいいし、Tシャツやカットソーなどボーイッシュなアイテムにも合わせやすい。ファッションとのリンクを楽しんでもらえるランジェリーにしました。」
──10月に発売した新商品は、ブランド初のノンワイヤーブラとノーマルショーツですね。
「ブランドをローンチして最初に作ったのが、胸をきれいに演出できるワイヤー入りのブラジャーでした。身体のラインを生かしたファッションを楽しみたいときもあるけれど、ときにはもうちょっと肩の力を抜いてリラックスしたいときもありますよね。
TPOや気分に合わせてランジェリーを変えられたらいいなと思い、ノンワイヤーブラを手がけることにしたんです。今回は立体的な3D設計を採用しているので、胸を美しくホールドできるのに、時間がたっても横に離れていかない、本当に優れものです。
ノーマルショーツに関しては、お客さまからのお声がたくさんあったので作ってみることに。私自身は基本的にタンガをはいていますが、ノーマルショーツでもヒップの形がきれいに見えるよう、数え切れないくらい試作を繰り返してカットラインにこだわりました。
身につけたときの機能性はもちろんですが、目で見てワクワクできることも大切にしていること。デザインの美しさにも徹底的にこだわっています。」

【長谷川さん衣装】ジャケット¥284900・パンツ¥137500/サカス ピーアール(Séfr) ブーツ¥151800/ジェイエムウエストン 青山店(J.M. WESTON) ネックレス¥5346000/チェリッシュ インク(Sophie Bille Brahe) タンクトップ/スタイリスト私物
「ボリュームのある胸が嫌で、20代は下着をつけなかった」
──長谷川さんはこれまでランジェリー選びで悩んだ経験や、体型に対するコンプレックスを抱いた経験はありますか?
「実は20代の頃はあまりブラジャーをつけずに生活していました。なぜかというと胸にボリュームがあったので、ブラジャーをして持ち上げると顔まわりが太って見えてしまう気がしてすごく嫌だったから。ニップレスだけで過ごすことも多かったですね。
30代は2度の出産を経験。出産で胸が大きくなり、授乳で小さくなるという変化を2度繰り返したら、胸のハリが元に戻らなくなってしまって。そこから年齢を重ねていくうちに、胸の位置が下がったり、離れてきたり、形が変わっていきました。
二人の子どもの手が離れるようになった40代であらためて自分と向き合ったときに、“今のまま進んでいっちゃっていいの?”と考えるようになったんです。
自分の女性性を大事にするために今からでもやれることをやってみようと思い、実験的に矯正ブラをつけてみたりしたことも。その経験が、美しいシルエットと着心地のよさを追求した、今のランジェリー作りにつながりました。」
──ブランドでは2回目となる一般公募のモデルオーディションを実施。たくさんの方の“自愛”に触れられたと思いますが、そこで新しく発見したことは?
「コロナ禍を経て、世の中的にも“自愛”の考えが広がってスタンダードになってきていると思うんです。1度目のオーディションのときよりも、エントリーしていただいたみなさんの考えがクリアに、同じ方向を向くものになってきている感じがしました。
とはいえ、自愛はひとつの答えに辿り着くことじゃないとも思っています。自愛に重きを置くとけっこう、沼というか(笑)。私自身も40代で自分を見つめ直すようになりましたが、身体も心もどんどん変わっていくので、その都度対処して、そのときなりの答えを出していかなきゃいけない。考え続けることが自愛なのかもしれません。」

不安になることはもう、毎日(笑)
──長谷川さんは自信に満ちているように見えます。そんな長谷川さんも、何かに不安になることがありますか?
「もちろんあります。もう、毎日(笑)。なぜか自信があるように見られるけれど、なかなか人の心ってわからないものですよね。
不安な気持ちになったら一度呼吸を落ち着けて、頭であれこれ考えるのではなく心に気持ちを落とすようにしています。あとは夜寝る前に、3つ楽しかったことや嬉しかったことを思い返してみたり。そうすると、嫌なことがあった日も案外幸せだったと思えるんです。」
──そのときの気分に流されるままでなく、思い込みや自己暗示も必要かもしれませんね。
「そう、思い込みが未来を作ると私は信じています。自分の思考がよくないと悪いことを呼び起こしちゃう気がするので、自分の機嫌は自分で取らないと。人に委ねても、誰も自分の機嫌を取ってくれませんから。」
──友人やパートナーに過度な期待をしたり、自己評価を他人に任せてしまう場面もある気がします。
「もちろん誰かに認められたり褒められたりすることはすごく嬉しいけど、自分の達成感のほうがもっと嬉しいんですよ。自分の中に不安や不満があったら、どれだけパートナーに愛されていても全然満たされません。結局は自分。機嫌を取ったり、褒めてあげることを積み重ねていれば、外から何か攻撃を受けたとしても自分を守れると思うんです。」

12月5日に発売したホリデーシーズンの新色を手に取る長谷川さん
年齢と経験を積み重ねれば、説得力はついてくる
──女性が装うことや身体の美しさが、他者の視線のためのものだった時期もあったと思います。長谷川さんは20代からモデルとして活躍されてきましたが、若さや美しさといった単純なラベリングをされて違和感を覚えた経験はありますか?
「20代の頃はありましたよ。私の中には男勝りな一面があるのに、かわいいキャラクターを求められていると感じることも多かったです。だから20代はすごく“舐められたくない”と思っていました。
30歳になったときに“これで舐められなくなる!”と思えて、すごく嬉しかったことを覚えています。実際に舐められなくなったかどうかはわからないけれど(笑)、他者からのラベリングに抗って、舐められないように頑張ってきたことはよかったと思っています。」
──年齢と経験を経たから40代だからこそ、想いやメッセージを発信しやすくなったとも言えますか?
「それはあるかもしれません。この年齢になると、説得力が勝手についてきてくれますから。20代は仕事においても人生においても経験値が足りなかったし、30代でもまだまだだった。無理をしなくてもみなさんが私の想いに共感して賛同してくれるのは、これまで歩んできた過程があったからだと思っています。」
長谷川京子さんが手掛ける「ESS by(エスバイ)」最新コレクションは“高揚感”ある赤
「ESS by(エスバイ)」からこの秋新たに登場したのが、ノンワイヤーながら立体的な3D設計のカップでバストをホールド、美しく見せてくれるブラ「ノンワイヤー スムース ホールド ブラ」と、ペアのノーマルショーツ「スムース ライン ショーツ」。
インタビュー内でも長谷川さんが製作秘話を語ってくれた、こだわりのつまった新作は、「リラックスして過ごしたい」そんな気分にぴったりのランジェリー。さらに12月には、冬らしく上品な深みのあるバーガンディーカラーが加わった。

(c)ESS by
ノンワイヤー スムース ホールド ブラ

¥8580(税込) B70 ~F70の全13サイズ。写真のバーガンディーのほかブラック、ディープグリーンを展開。

¥2640(税込) M、Lの2サイズ。写真のバーガンディーのほかブラック、ディープグリーンを展開。
バーガンディーカラーの発売に際して、長谷川さんは、赤いランジェリーは「身につけるだけで、自分の内側から女性性が湧き起こるような感覚」があるとコメント。リラックス感と高揚感を兼ね備えた新作で、新しい年を迎えてみては。
1978年7月22日生まれ、千葉県出身。「CanCan」の専属モデルとして活躍後、2000年に女優デビュー。ドラマ「Mの悲劇」、「ドラゴン桜」、「おいしいプロポーズ」、「華麗なる一族」、「ミストレス〜女たちの秘密」など出演作多数。2020年にはYouTubeチャンネルを開設し、料理やファッション、美の秘訣など、飾らない日常を発信している。2021年5月にランジェリーブランド「ESS by(エス バイ)」をローンチ。プライベートでは二人の子供の母親でもある。
【お問い合わせ先】
サカス ピーアール 03-6447-2762
ジェイエムウエストン 青山店 03-6805-1691
チェリッシュ インク 080-3206-5821
撮影/中田陽子 スタイリスト/CHIE ATSUMI(ota office) ヘア&メイク/美舟(SIGNO) 取材・文/松山梢