脇役になりがちな焼き菓子を主役に
一般的なケーキ屋さんに行くと、どうしても焼き菓子は店の端っこにあって脇役といったイメージだけど、こちらではNO。店内に広がる甘くて香ばしい香りは、全てここで手作りされる焼き菓子からのもの。「Atelier Rosette(アトリエ ロゼット)」は、タルトやマフィン、マドレーヌなどのベイク=焼き菓子だけの専門店なんです。
店主の松浦真弓さんは「毎日のおやつやちょっとした手土産に、お茶の時間に溶け込むような焼き菓子を紹介したくて」と、2013年にお店をオープンしました。中にはモンモランシーやファーブルトンといった、マイナーだけど味わい深いフランスの伝統的な地方菓子も。
おいしさの原点は妥協しない素材選びから
他には、ドライフルーツではなく果物の酸味や旨みが残る“セミドライ”のフルーツを使ったり、洋酒の風味を効かせたり、ちょっと大人なアレンジも好評です。セミドライフルーツは、ワインとも相性がいいんだとか。
「芯が強くて長く愛される」お菓子を
上から右回りに
「タルト オ フリュイ」¥470 カスタードとアーモンドプードルにゴールドレーズンを混ぜ込んだタルト生地に、セミドライのフィグ、プルーン、アプリコットなどを贅沢にトッピング。翌日以降食べるのがおすすめ。
「マドレーヌ」¥330 珍しいホールで焼くタイプのマドレーヌ。どっしりと重たい食感で、リンデンフラワーのはちみつと焦がした発酵バターの風味がしっかり。リピーターが多いのも納得です。
「モンモランシー」¥390 モンモランシーはパリ郊外にあるサクランボの産地名。洋酒漬けのチェリーとチョコチップが入ったダックワーズ風の生地は軽めだけど食べごたえあり。ピスタチオとセミドライラズベリーのトッピングが華やか。
「ファーブルトン」¥350 フランス・ブルターニュ地方の焼き菓子。見た目はちょっと不格好ですが、ネチッとした食感とどこか懐かしいやさしい味がクセになります。これは賞味期限は当日中です。
全部試食しましたが(!)、改めて焼き菓子のおいしさに開眼。袋詰めの焼き菓子でもおいしいものはたくさんありますが、やはりその日に作られる出来たては格別!タルトはしっかり焼き込んだ香ばしさとサクサク食感がたまりません♪
…とは言うものの「タルト オ フリュイなど、フルーツのケーキなどは翌日になると果汁が生地になじみ、焼き立てとはまた違った味わいが楽しめますよ」と、松浦さん。賞味期限が短い生ケーキにはない楽しみ方です。ジャムもまた、熟成させるほどに味が育っておいしいそう。
12月はもちろんクリスマスケーキも登場。断然、予約がおすすめです!
住所:神戸市灘区宮山町2-3-21
営業時間:11:00〜16:00 日曜休&不定休
☎078(856)9076
取材/天見真里子 写真/佐藤純子