料理を作っていて、〝味が薄い〟〝何かもうひと味足りない…〟と感じたら、どうするのが正解? そこで鍵になるのがうまみ成分。料理を美味しく仕上げるために知っておきたい、“うまみ“の話を、スープレシピで大人気のAtsushiさんに教えてもらいました。
◾️料理を美味しくする「うまみ」とは?
「うまみとは、食材に含まれるイノシン酸、グルタミン酸、グアニル酸などといった味にコクや深みを生み出す成分のことです。たとえば、かつおだしやコンソメにはイノシン酸が、こんぶだしやナンプラーにはグルタミン酸が、干ししいたけはグアニル酸という旨み成分が含まれています。実は、このうまみ成分は、2種類以上組み合わせると、相乗効果でおいしさが飛躍的に上がるという特徴があります。具を炒めたり、長時間煮込んだりしなくても、美味しく仕上がる秘訣がこの“掛け算”なんです」(Atsushiさん)
◾️塩を足すより、“うまみをかける”?
料理を美味しくする秘訣、うまみの掛け算ってどういうこと? 「料理の味が薄いな、もうひと味足りないなと思ったとき、単純に塩を加えると味が平面的になってしまいますが、もう一種類、別のうまみ成分を加えると、味わいが格段にアップするんです。実際に、イノシン酸とグルタミン酸をかけ合わせたら、単独の場合より7倍も美味しさがアップするというデータもあるそうです。ですから、寄せ鍋のだしも、こんぶだしだけにするより、かつおだしも組み合わせたほうが美味しくなるんですよ。他にも、例えば肉じゃがなら、もともと肉やかつおだしなどのイノシン酸が含まれているので、味が薄いと感じたら、グルタミン酸を含むナンプラーをほんの少し加えると味に深みが出るんです。この法則を知っておけば、塩を使いすぎなくて済み、減塩にもなります。どの食材にどんなうまみ成分が含まれているかざっくりでいいので頭に入れて、料理に活用してみてください」(Atsushiさん)。うまみ成分が多く含まれる調味料・食材は、以下をチェック!
◇三大うまみ成分と、含まれている食材・調味料
<イノシン酸>がたっぷり! 代表的な食材&調味料
かつおだし 鶏ガラスープ コンソメスープ
豚肉 鶏肉 鮭 えび ツナ ほたて
ミックスシーフード しらす
干し桜えび ちくわ etc.
<グルタミン酸>がたっぷり! 代表的な食材&調味料
こんぶだし 鶏ガラスープ ナンプラー
オイスターソース とろろ昆布
パルメザンチーズ クリームチーズ
アンチョビ 海苔 卵 しょうゆ 味噌
キムチ 納豆 にんにく あさり
ミックスビーンズ ミニトマト
玉ねぎ 長ねぎ 青ねぎ ごぼう
しめじ マッシュルーム
ブロッコリー アスパラガス コーン
セロリ etc.
<グアニル酸>たっぷり! 代表的な食材&調味料
干ししいたけ 加熱したえのきだけ
ドライトマト 鶏ガラスープ etc.
Atsushiさん
ファッション&ライフスタイルプロデューサー。ディーゼル、D&G、ヴェルサーチのPRを経て、フリーランス として独立。野菜ソムリエプロ、漢方養生指導士初級、タイ古式マッサージの資格も持つ。おいしくてキレイになれるスープレシピがモデルやタレントの間で評判に。『#モデルがこっそり作っている魔法の楽やせレンチンスープ』(宝島社)などのレシピ本は累計18万部を突破。最新の著書、『やせる!キレイになる!ベジたんスープ50』(小学館)も話題。ナチュラルスキンケアブランド「abotanical」や、アパレルブランド「abella」のプロデュース、テレビ、ラジオ、雑誌、イベントなど幅広く活躍中。@atsushi_416
写真提供/BAILA編集部 取材・文/和田美穂 企画/菅井麻衣子