働く女性の4つのお悩み
子どもがいて残業できない女性社員の仕事を肩代わりするのは、独身女性。「しょうがないな」という気持ちの一方で、貧乏くじを引かされている気がしてしまいます。(26歳・化粧品広報)
これは、会社のシステムの問題。そのせいで仕事量が多くなって、きつい状況ならば、上司に相談してしかるべき対策をとってもらうべきです。子どもがいる女性に矛先を向けては、社会はいつまでも変わりません(東京新聞記者 望月衣塑子さん)
現在妊娠中で、出産後も働くつもり。でも、夫は結婚するまで自宅暮らしで、家事は一切やってこなかったので、どこまで協力してくれるか心配。(34歳・WEBデザイナー)
うちの夫は、独身のときに一人暮らしをしていましたが、当時は、それほど家事をしていませんでした。でも今は、子どもの健康を考え、栄養バランスのよい食事を作ってくれるように。それほど子どもの存在は大きいもの。彼も、父親になったら変わるかもしれませんよ。それに、子どもの成長を間近で見るのは男性にとっても楽しいはず。そんなふうに子育ての喜びを共有してほしいですね。(東京新聞記者 望月衣塑子さん)
どんなに忙しくても、仕事を振られると引き受けてしまいがち。男性優位の会社なので、断ると、「やっぱり女は使えない」と思われそうで。(30歳・建設総務)
女性は裏読みしがちですが、断ったからといって、評価が下がるわけではありません。特に男性上司の場合、大切なのは誰がやるかではなく、完遂するか。引き受けておきながらできないほうが致命的です。ただし、断るときは「これはできませんが、これはできます」という言い方に。誠実だと信頼されるうえに、やりたい仕事が回ってくるかも。(姫野友美さん)
疲れて仕事から帰り、座る暇もなく夕飯の支度をし、子どもを寝かしつけ、洗濯物をたたみ…。そんな私の横で、夫は、「あ~、疲れた」とソファでだらだら。少しは手伝ってほしいのに(怒)(31歳・公務員)
男性に、「私の気持ちを察して」は通用しません。妻が忙しく立ち働いていることに気づいていない可能性だってあります。なので、「ゴミを下まで出して」「お皿を洗剤で洗って」などと、はっきり口に出し、具体的に希望を伝えるのが有効。自分の子どもに、"家事はすべて母親がやるもの"と刷り込ませないためにも、分担してもらいましょう。(姫野友美さん)
東京新聞記者 望月衣塑子さん
県警や東京地検特捜部担当を経て、社会部記者に。森友・加計疑惑やセクハラ問題などで政府を追及。著書に『権力と新聞の大問題』(集英社新書)ほか。2児の母。近著『新聞記者』(角川新書 800円)新聞記者を目指した理由から、圧力にひるむことなく、真実を追究する姿勢まで。理不尽と闘う女性を勇気づける一冊。
心療内科医 姫野友美さん
ひめのともみクリニック院長。著書、『女の勘 男の鈍感』(KADOKAWA)や、「主治医が見つかる診療所」(テレビ東京)レギュラー出演など、メディアでも活躍する。近著『こころのクセを変えるコツ』(大和出版 950円)自分の考え方のクセを知り、それを直せば、気持ちが変わり、行動も変わる。心が楽になる認知療法を、わかりやすく指南。