様々な価値観、重ねてきた経験、垣間見えるプライベート…30代から40代の働く女性のバッグとその中身を通して「生き方・働き方」を学ぼう。今回は取材したのは、株式会社「陽と人(ひとびと)」代表の小林味愛さん。子育てをしながら福島と東京の2拠点で働く彼女の荷物は実にコンパクト。ライフスタイルを犠牲にすることなく仕事を楽しむ秘訣がここに!
公務員→コンサルティングを経て、 福島と東京の2拠点を結ぶ起業
小林味愛さん(35歳)/株式会社「陽と人」代表
起業して5年。福島の農家の人々の言葉が子育てしながら働くきっかけに
福島県国見町と東京都立川市の2拠点で地域商社「陽と人」を経営する小林さん。
「コロナの影響と、第2子出産も控え、しばらく東京での在宅勤務が中心に。それまではPCや書類を持ち歩いていましたが、思い切ってバッグを小さくし、持ち物を断捨離してすっきり」。
公務員やコンサルを経て、起業へ至る動機は常に「人の役に立ちたい」という思いから。
「結婚していましたが、起業当時は遠距離に。国見町の農家さんと一緒に仕事をしながら『子育ては大変だし、子どもはいらない』と話していたら『じゃあ何のために働いてるの? 子どもは育てるんじゃなくて、育つもんだよ』。それならいいな、と、目からウロコでした」。
第1子、第2子ともに、夫が1年間の育休を取り、経営者の仕事は休まず続ける。「年を重ねたら次世代に会社を委ね、45歳以降は別の働き方を考えたいと思っています」
WORK&LIFESTYLE history
23歳:国家公務員I種(当時)に合格、大学卒業後は衆議院調査局へ入局。経済産業省への出向を経て、5年間を国家公務員として過ごす
25歳:結婚
27歳:コンサルティング会社へ転職。全国各地の地域活性化事業に携わる
30歳:勤務先を退社。’17年8月、福島県国見町にて株式会社「陽と人」を設立。福島と東京の2拠点生活に。地域資源を活用した商品の企画・販売事業をスタート
31歳:第1子出産
32歳:会社設立時から研究を重ねてきたフェムケアブランドをローンチ
35歳:第9回環境省グッドライフアワード特別賞、2021年度ふるさと名品オブ・ザ・イヤー地方創生賞などを受賞
MY BAG:chi.wata レザーリュック
在宅勤務が増えたことで、A4サイズのトートから、コンパクトなレザーリュックにチェンジ。バッグの中身もすっきりした。
自社で開発したフェムケアグッズは普段から愛用
会社の拠点である福島県国見町は柿の産地。柿の果皮を原料に使ったデリケートゾーン用のミストとクリームは開発に2年をかけた
友人の手作りポーチにコスメやハンカチを
スタバの紙袋をアップサイクルしたポーチにマスクスプレーとリップ、ハンカチとペンを収納
財布とキーケースは断捨離してコンパクトに
印伝のキーケースと、高円寺に工房を構える「chi.wata」のミニ財布
通話専用のガラケーとiPadがあればどこでもオフィス
外出先での仕事はキーボードつきのiPad miniで完結。スマホは持ったことがなく、通話に特化したガラケーを長年愛用
撮影/木村 敦 取材・原文/久保田梓美 ※BAILA2022年6月号掲載