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スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】

ストールやスカーフ使いが気になる、この秋。照れくさくない、いつもと変わらぬトーンで楽しむ秘訣は“適当さ”にあると、辻さん。素敵に見せるために必要なのは上手に巻くためのテクニックではなく、ちょっとしたマインド。かしこまらずに、もっと気楽に。辻さんが得意とする"色合わせ"のお話とともにお届けする、巻きものと仲よくなるための方法。

辻直子●つじ なおこ

コンサバティブを鮮やかな色使いのコーディネートで人気のスタイリスト。9月にウィム ガゼット、ラ トータリテ、ル タロンでコラボアイテムが発売予定。近況はインスタグラム(@naoko.ts)でチェック。

柄on柄も、トラデ ィショナルなテイスト同士ならうまくいく

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_1

「似たようなニットワンピースを持っていて、今年はストライプのミニスカーフとチェック柄ジャケッ トをミックスした、こんな着方をしたいなって。柄on柄も、トラディショナルなテイスト同士ならうくいきます」。ワンピースも無難な色を選びがちだけど「赤のほうがジャケットが目立ちすぎず、スタイリングも面白くなると思うんです」。スカーフ(65×4)¥9000/ヴェルメイユ パー イエナ 日本橋店(メゾン エフ パリ)ジャケット¥58000・ワンピース¥30000/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店(ユナイテッドアローズ)バッグ¥13800/ショールーム セッション(ヤーキ)

ボリュームのあるニットにはテンションを合わせるように、ふわっと巻いて、ふわっと結ぶ

冬は素材のバリエーションが豊富だから、モヘア、コーデュロイ、いろんな素材を重ねていくスタイリングを楽しみたいですよね。淡いカラーのワントーンのスタイリングも、それだけで表情がぐっと豊かになります。モヘアのニットはボリューム感があるので、モヘアに合わせて、ふわっと巻いて結ぶとニュアンスがきれいに整います。そして、大切なのはスカーフが線対称にならないように、中心をずらして少し斜めに巻くこと。仰々しさのない、気さくな印象に仕上がるんです。

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_2

「冬にもやわらかい、気持ちのいいトー ンの色物を着たい」と、辻さん。セットアップ感覚で合わせたグリーンに、朱赤のスカーフをやさしくきかせて。
スカーフ(64.5×64.5)¥16000(ピエール ルイ マシア)・ブローチ¥15000(ヴェルメイユ パー イエナ)/ヴェルメイユ パー イエナ 日本橋店 ニット¥62000・パンツ¥55000/コロネット(フォルテ フォルテ)バッグ¥57000/メゾン イエナ(ア バケーション)靴¥70000/ エディット フォールル(ロシャス)

私にとって、 主役は、あくまで服。名脇役が「まきもの」なんです

「私が今、いちばん気になるマインドは’90年代初めごろのスタイル。赤いスカートの色合いに似合ピンクのニットに、ネイビーのコートを重ねて。そこにマスタードカラーのストールを足したのは、 それが私の頭の中にあるカラーパレットだから。主役はあくまでも、服。まきものは脇役でいい。これを巻いたらもっとスタイリングが楽しくなる……、そんな感覚で取り入れると特別じゃない"さりげない"見え方をするはず。結び方のポイントは、とにかくラフに。そうすれば、のぞかせる柄によって見え方も変わってくる。そこが面白いんです。結びやすくニュアンスの出しやすい、柔らかい素材がおすすめです。

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_3

「流すようにたらす。そんな使い方もできる大判ストールはいちばん活躍するサイズ。首にかけてから、ゆるっとひと巻き。線対称にならないよう"適当"さを大切に」。
ストール(190×65)¥37000/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店(ピエール ルイ マシア)ジャケット¥96000/トーガ 原宿店(トーガ プルラ)カットソー ¥24000・スカート¥61000/ポステレガント バッグ¥115463/スマイソン 靴¥129000/エスケーパーズ(ルパート サンダーソン)

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_4

「レトロな色使いが楽しい」。スカーフ(69×69)(ポーチつき)¥62963/ゴヤール ジャパン(ゴヤール)

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_5

「髪に結んだスカーフが、華やかな柄のロングドレスをこなれた雰囲気に」。トライアングルスカーフ(57×88)¥23148 /スマイソン ワンピース¥109000/ロンハーマン(ロック)

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_6

「巻きものを合わせたときは、パンプスはトゥーマッチ。ストレッチブーツでほんのり意外性を」。ブーツ 各¥14000/ル タロン プリュ 有楽町マルイ店(ル タロ ン+Naoko Tsuji)

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_7

「大きなチャームのネックレスと重ねても」。トライアングルスカーフ(57×88)¥23148/スマイソン チェーン ¥27000・チャームK¥11000・R¥15000・3¥11000/シジェーム ギンザ(ルル フロスト)  

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_8

「柄ではなく色合いで選んで」。トライアングルスカーフ(90×130)¥30556/スマイソン

スタイリスト辻直子さんの【“適当”がちょうどいい、巻きもの】_9

帯状のスカーフはたらして使っても。スカーフ( 226×20.5)¥42000/エミリオ・プッチ ジャパン(エ ミリオ・プッチ)ジャケット¥38000・パンツ¥22000/ メゾン イエナ(イエナ)

巻きものを身につけるときは 気張らず“当たり前”に見せたい

今シーズンは’90sテイストや、レトロな色使いに惹かれているんです。今回取り上げた巻きものも、そんな気分を反映した色合いに。巻きものは悪目立ちせず、身につけていることが"当たり前"に見せたいアイテム。色柄があるとつい一点投入的にスタイリングしがちですが、巻きものはきかせすぎるとコンサバになりすぎてしまったり、特別に見えたりする。
せっかく巻いて出かけたのに、急に気恥ずかしくなったりするのはきっと、その見え方のせいじゃないかなって思います。
たとえば、私だったら、巻きものの色柄が強いときは、服や小物に色をさらに重ねてみる。服がダークトーンのときは、コントラストがつきすぎないように同じトーンでまとめるか淡いカラーの巻きものを合わせるなど、巻きものだけがフォーカスされないようにするのがポイント。
色を重ねるスタイリングは、難しいと感じるかもしれませんが誰しも自然と心惹かれるカラーパレットを持っているはず。
部屋に飾る花や、旅先で目にした風景やアートでも。気がつくと手に取っている色合わせって、ありませんか? 
私の頭の中にも今まで目にした素敵な色合いがスライドのように残っていて、無意識の中でスタイリングに生かされている気がします。
自分の好きなカラーパレットを、もっと信じてみて。
セオリーではなく感覚に素直に色を重ねて、引いたりしながら心地よい着地点を見つけていけばいいんです。
そして、意外と大事なのが、きちんと巻かないこと。鮮やかな柄も適当に巻くから気張って見えない。巻くのが難しいなら胸元にたらすだけでも大丈夫。そのくらい、しれっと力を抜いて楽しんで。
そのうちに、気がつけば巻きものと仲よくなれているはず。難しいことは考えず、適当に。
それぐらいでちょうどいいんです。

撮影/阿部裕介〈YARD〉 ヘア&メイク/平元敬一 スタイリスト/辻 直子 モデル/矢野未希子 取材・文/櫻井裕美 構成/内海七恵〈BAILA〉 ※( )内の数字は(縦×横)で単位は㎝です ※BAILA2019年10月号掲載

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