対面での対応が難しくなっている今、取引先など社外の方とのやりとりも電話やメール、zoomなどオンラインツールがメインに。今後もよいお付き合いを継続させるにはいったいどんな対応をするべきなのか、頭を悩ませている読者も多いようです。どんな対応、どんな言動、どんな行動が信頼を得るポイントになるのか。会わずとも「デキる!」と思わせる極意を探ってみたいと思います。
教えてくれたのは…
竹之内幸子先生
株式会社Woomax代表取締役。大学卒業後、石油会社に入社。中小企業でアカウンティング業務を経験後、営業支援コンサルタントとして全国300社のクライアントの課題解決に携わる。2012年に女性活躍推進研修やコンサルティングを行う(株)Woomax 設立。ダイバーシティを推進すべく、女性活躍におけるサポート活動を幅広く行っている。著書に『思い通りの人生に変わる 女子のための仕事術』(ダイヤモンド社)など。
Q1 電話で「デキる!」と思わせるには何をすれば?
緊張しがちなはじめての電話や留守電の残し方で印象をよくするにはどんなことをすればよい?
A 見知らぬ番号で通知が行く場面では、まず安心感を与えることが重要!
「携帯から携帯へかける際には、いつもより注意が必要。はじめて電話するときは①いきなり自分の用件を話さない。②相手の時間都合を聴く。③長々と自己紹介しない。を心がけてください。仲介者がいるときは、『○○さんのご紹介でご連絡させて頂きました△△です』などと先に伝えることで安心感を覚えてもらえます。また、込み入った話しの場合は事前にメールをしておけば相手も要件が分かり話しがスムーズ。電話後はフォローのメールを入れれば完璧です。留守電に入れる際は『○○と申します。△△さんのお電話でよろしいでしょうか』と名乗り、『☆☆の件でご連絡いたしました』と要件を端的に伝える。『〇時頃にあらためてお電話させていただきます』あるいは『お手すきの時に折り返しお電話いただけたら幸いです』とネクストアクションを伝えます」(竹之内先生)
Q2 個人の携帯にかける電話は何時までOK?
ダイレクトに連絡が入ってしまう携帯への電話。失礼のない時間帯って?
A 基本は対会社と同じく営業時間内
「印象を悪くさせる要因のひとつによく上がるのが、電話をかける時間帯。テレワークになると就業時間の感覚が失われがちになり、ランチタイムや早朝・夜間に電話をかけてしまう人も。携帯電話であっても相手の営業時間に合わせるのが基本です。緊急性のない限り9:30前の早朝や19:00以降の電話は避けるようにしましょう」(竹之内先生)
Q3 確実に読んでもらえて、優先順位が高くなるメールを送るには?
メールを送ったものの、相手からの返事がなかなか来なくてやきもき…。そんな心のざわつきを無くすためにも相手の心に刺さるメールのコツを知りたい!
A 内容が分かるタイトル名+相手を気遣う一文の合わせ技で印象UP!
「送ったメールを埋もれさせないようにするには、まず、タイトルにひと工夫。『【○日○時までにご返信ください】☆☆☆プロジェクトお見積りの件』など内容の重要度がタイトルですぐに分かれば優先順位が一気に上がります。さらに、本文でひと工夫。『お子さんの学校再開にむけて準備がお忙しい頃でしょうか?』といった相手の状況をイメージした問いかけや『貴社の新商品をさっそく購入しました!大人の味でとても美味しくてファンになりました』など、ユーザー視点の感想を入れるのも一案。ほんの一行、相手を思う言葉を加えるだけで温かさを加えることができます。タイトルでインパクト、中身でほっこり。ぜひ実践してみてください」(竹之内先生)
Q4 画面越しで「感じがいい人」として印象づけるには?
取引先と画面を使ったオンラインでの打ち合わせが行われることに。慣れないせいで緊張してしまい、相手と会話が被るなどいつもギクシャク…。何とか克服して好印象を抱かせたい!
A 正面からの笑顔と大きなリアクションで余裕を感じさせて
「大切なのは、笑顔とリアクション。相手の発言に大きくうなずいたり、拍手をしたりなど、リアクションはハッキリと大げさなくらいがちょうどよいです。表情も大切ですが見落としがちなのが目線。オンラインだとどうしても画面に映る相手や自分の顔、あるいは手もとの資料に目が行ってしまい視線が合いづらい点も。カメラが正面の位置にくるように調整し、会話の途中でカメラに笑顔を向けるなど意識して行ってみてください。何はともあれ、オンラインも慣れがいちばんの近道。笑顔の作り方、相づちの打ち方など鏡を使って練習を。余裕ができれば、会話がかぶったときに笑顔で『○○さん、どうぞ!』と言うことも、相手がなかなか話しを終わらせない時も笑顔で『次の予定がありますので○時で失礼します』と切り抜けられるようになりますよ」(竹之内先生)
◆まとめ
不慣れが緊張を生み、その緊張感が相手に伝わると不信感を芽生えさせてしまう。そんな負のループを生まないために必要なのは、慣れとちょっとしたコツ。電話では要件を手短に伝え、メールでフォローをする。メールでは相手を気遣う一文を添える。オンラインでの打ち合わせは笑顔とリアクションで温度感を伝える。距離のあるやりとりだからこそ、安心感と温度感を相手に届けることが大切になってきます。それができれば、“常識のある人”から“感じのいい人”へ印象が変わり、やがて“仕事のデキる人”へと見事、昇格間違いなしです!
イラスト/いらすとや 取材・文/堀 朋子 構成/田畑紫陽子〈BAILA〉