日本語吹き替え版だと、時間がないときや作業をしているときなど、ながら見できるのがいいところ。名作から最新作まで日本語吹き替えで楽しめる韓国ドラマを厳選してご紹介!
※記事発信時点での情報のため、最新情報は公式サイト等でご確認ください
韓ドラマニアのライターがおすすめ!

ライター
KAORU
Kカルチャー・旅・お酒・漫画・音楽・スポーツ観戦好きのライター。ドハマりしたK沼が旅沼に直結し、年数回は海外へ。2025年はソウル、シアトル、ソウルへ。10月25日の台湾LGBTプライドパレード「臺灣同志遊行」にも参加予定。

ライター
YUKI
K-POPアイドル、俳優にインタビューを行うフリーランスライター。TOPIK6級取得。
CONTENTS
- 出演者が超豪華!青春ロマンス時代劇『花郎<ファラン>』
- 男装女子、初恋、三角関係……! あらゆる要素が詰まったロマンス時代劇『恋慕』
- 軍服に身を包んだチョン・ヘインにメロメロ♡ 『D.P. -脱走兵追跡官-』
- いまを生きる20代の夢と友情と恋愛をリアルに描いた『青春の記録』
- “沼男”のループから逃れられない⁉ ラブロマンス『わかっていても』
- “身代わりのお見合い”から始まるオフィスラブコメディ♡『社内お見合い』
- “アイドル×一般人”のロマンスは、夢のように美しく、ヒリヒリするほどにリアル『イ・ドゥナ!』
- エモさ際立つミステリーロマンス『いつかの君に』で“愛”を知ろう!
- 『スタートアップ: 夢の扉』で仕事に恋にパワーをチャージ!
- 想像を超える展開の連続!『イカゲーム』シーズン2
- 友情・恋・社会風刺に、Kゾンビまで堪能できるゾンビアクションスリラー『今、私たちの学校は...』
- パク・ソジュン好き必見! 新機軸を打ち出したクリーチャースリラー『京城クリーチャー』
- バスタオル必携! 人生賛歌ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』
- 青春は永遠? 夢を奪われた若者たちの成長と初恋を描く『二十五、二十一』
- 「やめられない、とまらない」を地で行くダークヒューマンドラマ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
- 華やかで刺激的!『セレブリティ』でインフルエンサーの世界をのぞき見
- 自分の夫と友人を結婚させる!? 最悪な人生をやり直すストーリーが痛快!『私の夫と結婚して』
- 最高視聴率27.3%!『愛の不時着』超えのロマンチックコメディ『涙の女王』
- 唐揚げになった娘を救え!ぶっとんだ設定&名優たちの演技力に魅せられる『タッカンジョン』
- チェ・ウシクとソン・ソックの神がかり的共演を見逃さないで!『殺人者のパラドックス』
- 胸が熱くなる青春スポーツロマンス『時速493キロの恋』
- 観るだけで元気になる! 笑いも胸キュンも保証する『損するのは嫌だから』
- イム・シワンの怪演にゾゾッ! 『スマホを落としただけなのに』
- 警察官の卵の凸凹コンビが大活躍する痛快アクション・エンターテインメント『ミッドナイト・ランナー』
- コン・ユとソ・ヒョンジンが初共演!奇妙な結婚生活を描いた『トランク』
- 型破りな外科医とその弟子たちによる重症外傷センター再建奮闘記『トラウマコード』
- 済州島の鮮やかな四季を通して描く人生ドラマ『おつかれさま』
- 心のデトックスに! 新米医師の奮闘を描く『いつかは賢いレジデント生活』
- パク・ボゴムが不正はびこる世の中をアッパーカット! 痛快アクションドラマ『グッドボーイ』
- かわいさに癒され、応援したくなる!『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
- スカッとする“サイダー”な展開がやみつきに!『梨泰院クラス』
- 余命わずかな男が愛する人をかっさらい、ルーツ探しの旅へ! 『Mr.プランクトン』
- 韓ドラらしいアレンジが見どころ! 『コンフィデンスマンKR』
- 「弱さを抱えて生きる意味」を改めて問う『弱いヒーロー』シリーズ
- 時代劇×タイムスリップの間違いないおもしろさ『暴君のシェフ』
- 幼なじみの女性2人の感情と人生を描き切った愛憎劇『ウンジュンとサンヨン』
- 弱さや矛盾を抱えた不完全なヒーローたちが愛おしい!『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』
出演者が超豪華!青春ロマンス時代劇『花郎<ファラン>』

『花郎<ファラン>』
全24話
出演:パク・ソジュン、パク・ヒョンシク、コ・アラ、ミンホ(SHINee)、BTS・Vほか
Licensed by KBS Media Ltd.© 2016 HWARANG SPC. All rights reserved
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配信情報:Netflix、U-NEXT、Hulu、Prime Video、ディズニープラスほか
あらすじ
舞台は三国時代の新羅。賎民の村で暮らすムミョン(パク・ソジュン)は、家族を捜したいという親友のマンムン(イ・グァンス)と都に潜入する。ところが、マンムンが正体を隠して生きる若き王の顔を偶然見てしまい、王の護衛によって殺されてしまう。一方、摂政を務める只召(チソ)太后は、息子である王の命を狙う者たちをけん制するために王の親衛隊「花郎(ファラン)」を新設する。見目麗しい名家の貴公子たちが選抜されるなか、ムミョンはマンムンの本名であるソヌの名前を借りて、マンムンの家族を守るために花郎に入ることを決意する。そして、真興(チヌン)王(パク・ヒョンシク)もまた、母から王権を奪還すべくジディという偽名で花郎になるのだった。
ここが見どころ!
パク・ソジュン、パク・ヒョンシク、SHINee・ミンホ、BTS・V……。今思うと豪華すぎるトップスターたちが一堂に会した夢のようなドラマ、それが今回紹介する『花郎<ファラン>』です。2016年に放送され、次世代ホープが集結した眼福ドラマとして話題を呼んでから来年で10年を迎えますが(時の流れの速さよ!)、現在でもロマンス時代劇の名作として必ず名前が挙がるドラマです。

Licensed by KBS Media Ltd.© 2016 HWARANG SPC. All rights reserved
パク・ソジュンとパク・ヒョンシクが並ぶだけでも華やかなのに、ほかの花郎役にはSHINeeのミンホやBTSのVも! 特に、Vは花郎の末っ子ハンソン役で演技に初挑戦。当時20歳で、実年齢でもキャスト最年少だったVのあどけなさの残るフレッシュな演技は必見です。パク・ソジュン、パク・ヒョンシク、Vは本作での共演をきっかけに意気投合し、かの有名な“ウガウガファミリー”結成へ繋がったとのことなので、ファンの方々はそういった視点からも楽しめそう!
賤民出身という身分の壁を乗り越えて頭角を現すワイルドなソヌ(パク・ソジュン)、高貴なオーラを放つジディ(パク・ヒョンシク)、女性たちの心を振り回すプレイボーイのスホ(ミンホ)、天真爛漫なハンソン(V)と個性豊かな花郎たちは、「この中に好きなタイプが一人はいるはずだ」という声がどこかから聞こえてきそうなくらい“イケメンの隣にイケメン”状態。今や世界から注目を集めるスターたちが同じフレームに収まる贅沢さを存分に味わいながら、難易度の高い胸下の長さのロングヘアも見事に似合ってしまう彼らの美しさに酔いしれてみてはいかがでしょうか♡。

Licensed by KBS Media Ltd.© 2016 HWARANG SPC. All rights reserved
そして、ストーリーを盛り上げるのがマンムンの妹のアロ(Ara)をめぐって繰り広げられるソヌとジディの恋争い。不器用ながらも優しくて、アロを全力で守ろうとするソヌ。猛アプローチを重ねるちょっと俺様気質のジディ。どちらも魅力的で甲乙つけがたいのですが、誠に僭越ながら申し上げますと、筆者は二番手男子であるジディ派でして。ソヌとアロが結ばれるハッピーエンドに免じて(?)、ここでは少しだけジディの魅力を語らせてください……!
まず心を掴まれたのは、その美貌。民の暮らしにまぎれているのが不思議なくらい気品にあふれていて、ストレートのロングヘアが神秘的に感じられるほど美しい! イケメンよりも美青年という言葉がより似合う凛とした佇まいに終始うっとり見惚れてしまったという方も多いのではないでしょうか。王だと名乗ることができない悔しさや孤独を抱える“陰”の部分さえも美しく、気高さとのギャップにも胸がギュッとなるんですよねぇ。

Licensed by KBS Media Ltd.© 2016 HWARANG SPC. All rights reserved
また、花郎たちの成長物語も大きな見どころ。貴族出身で英才教育を受けてきた花郎たちはプライドが高く、しょうもないことですぐに喧嘩して、怒られてばかり。しかし、それぞれが血筋によって分けられる階級や決められた運命を歩まないといけないプレッシャーといった葛藤を秘めていて、衝突を繰り返しながら次第に仲間として友情を深めていきます。
ソヌ×ジディのケミを筆頭に、犬猿の仲のスホ×パンリュ(ト・ジハン)、ソヌ×彼に懐くハンソンと、ロマンスパートに負けず劣らずケミのオンパレードになっていて、熱く爽やかな花郎たちのケミに癒されること間違いなし。彼らが一人前に成長していく姿は胸アツですよ!
DVD情報

『花郎<ファラン>』
出演:パク・ソジュン、パク・ヒョンシク、コ・アラ、ミンホ(SHINee)、BTS・Vほか
コンパクトBlu-ray BOX & DVD BOX 発売中
発売・販売元:ポニーキャニオン
Licensed by KBS Media Ltd.© 2016 HWARANG SPC. All rights reserved
男装女子、初恋、三角関係……! あらゆる要素が詰まったロマンス時代劇『恋慕』

『恋慕』
全20話
出演:パク・ウンビン、ロウン、ナム・ユンスほか
Netflixシリーズ「恋慕」独占配信中
あらすじ
王の孫として生まれた双子のフィとタミ(パク・ウンビン)。当時は双子が禁じられていたため、女児のタミは死んだことにされて山寺で育てられた。しかし、フィの死により、タミは男装をして王位継承者として生きる運命を背負うことに。自分の正体や秘めた恋心を誰にも明かせないまま、フィとなったタミは波乱の人生を歩んでいく。数年後、学問の師として新しくやって来たのは、初恋相手のジウン(ロウン)だった。タミは正体がバレることを避けるため、あの手この手でジウンを宮廷から追い出そうとするが……。
ここが見どころ!
冬から春へと移り変わるこの季節は、わくわくしたり、春愁という言葉があるように訳もなく切なくなったりと、普段よりエモーショナルになりませんか? そんな時は、どっぷり感情移入できるドラマを観て、思う存分感傷に浸るのも悪くない! ということで、今回は、春気分を高めてくれる色鮮やかな韓服も目の保養になるロマンス時代劇『恋慕』(ヨンモ)の魅力を紹介します。

男装女子や女装男子、王と顔や名前が同じ者が王になりすますといったテーマは、これまでにも数々の時代劇で描かれ、どの作品も高い人気を博してきました。本作も亡き双子の兄に変装して生きる男装女子が主人公ですが、女性が世子(王子)、さらには王になるという点が斬新なドラマです。
正体を隠して生きる主人公の過酷な運命、初恋相手との運命のいたずらのような再会、三角関係またはそれ以上にもなる切ない恋模様、最大の敵が身内というドロドロな権力争い……とメインとなる要素がてんこ盛り。きっと作る側としてもすぐに本章をスタートしたいであろうところを、本作は序章となる幼少期のエピソードだけで2話まで進みます。1話の後半に成人キャラクターが登場する手法はよくありますが、まさかW主演のどちらもが2話の終盤まで出てこないとは。それだけストーリーに自信があるということですし、実際に幼少期をじっくり描いてくれたおかげで没入度が何倍にも高まりました。

もう、フィ様がかっこいいのなんのって。ジウン(ロウン)のピンチに颯爽と現れて助けてくれて、転びそうになったところを抱きかかえてくれる姿に、こちらも「フィ様! 恋慕(お慕い)しておりますー!」モードになっちゃいます。どれくらいイケメンかというと、女性であるフィ様の、女性用の韓服姿に違和感を覚えるほど。見た目の華奢さを感じさせないくらい声や表情、オーラで世子を見事に演じています。
ジウンに自分が初恋相手のタミだと打ち明けることも、恋心を伝えることもできないもどかしさ。ジウンや周囲の人を傷つけないためには、ジウンを遠ざけないといけない世子という立場ゆえの苦しみ。ラブコメチックな胸キュンモーメントにくすっとさせられたかと思えば、切ない展開の連続に胸が締め付けられ、どうか2人を引き離さないでくれと懇願しながら見守るという。情緒が大変なことになっちゃうのですが、感情のすべての引き出しを『恋慕』にゆだねてお楽しみください。

フィがタミだと知らないジウンは、勉強を教える司書として仕えるうちに、その人柄に惹かれていきます。ソフトな雰囲気のジウンがクールなフィを慕い、うっとりしたりドキドキしたりするさまは、もはや恋する乙女のよう。まるでヒロインのようにキュートなロウンのラブコメ演技が見どころです。
男の俺が男を好きになるなんておかしい! と戸惑うよりも、叶わぬ恋をしてしまったことに思い悩むジウン。性別関係なくフィのことを愛する真っ直ぐさが清々しく、物語が進むにつれて頼もしくなっていく成長とギャップは沼落ち不可避。190cmの長身から繰り出される殺陣も見応え抜群です。
普段は韓ドラを日本語吹き替え版で観ているという人も、告白シーンはぜひ韓国語音声に切り替えて、ロウンの「恋慕(ヨンモ)しております」を耳でもじっくりお楽しみください。ときめきが増し増しになりますよ♡。

ジウンと正反対の魅力で視聴者をメロメロにさせるのが、フィの従兄弟のヒョン役を演じるナム・ユンス。『人間レッスン』、『今日のウェブトゥーン』などに出演し、最近は『大都市の愛し方』でも注目を集めている若手俳優です。
フィの秘密を知りながらも、彼女を守るために知らないふりをして見守るヒョン。友人のジウンにフィをとられてしまい、兄は王位を狙って謀反を起こすなど、いろいろなことの板挟みになって闇落ちしてもおかしくないのに、最後までフィの味方でいてくれる正義感の強いヒョンも本当に素敵です。一歩引いたところから相手の幸せを願うというヒョンなりの愛し方が切なすぎて、フィとジウンを応援しているのにヒョンにも幸せになってほしくて、ヒョンのことを思うと胸が苦しくなるくらいに感情移入してしまいました。
フィと祖父、ジウンと父、ヒョンと兄を通じて描かれる避けられない運命の物語も見応えたっぷりで、最終話は始まりから終わりまで涙が止まらない状態に。観終わってからもしばらく引きずってしまうくらい余韻の残る作品となっていますので、イッキ見したくなっちゃう面白さだけれど、あえて毎週末に少しずつ見進めてゆっくり味わうという楽しみ方もおすすめです。
Netflixで見られる!
『恋慕』
全20話
Netflixシリーズ「恋慕」独占配信中
軍服に身を包んだチョン・ヘインにメロメロ♡ 『D.P. -脱走兵追跡官-』

ジュノ(写真左/チョン・へイン)とホヨル(ク・ギョファン)は入隊中ですが、脱走兵を追うため、時々シャバに出動
『D.P. -脱走兵追跡官-』シーズン1~2
全12話(各シーズン6話)
出演:チョン・ヘイン、ク・ギョファン、キム・ソンギュン、ソン・ソック、チ・ジニ、キム・ジヒョンほか
Netflixシリーズ「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン1~2独占配信中
あらすじ
2014年に兵役で入隊したアン・ジュノ(チョン・へイン)は、上官のパク・ボムグ(キム・ソンギュン)の指示で、脱走兵を捕まえる「D.P.」に任命される。元D.P.の上等兵ハン・ホヨル(ク・ギョファン)と組んで逃亡する脱走兵に関わるうち、ジュノは過酷な軍隊の闇に直面する。若き民間人に課される容赦のない強制=軍の責務。人間の尊厳を無視した“絶対服従”の命令が罪なき兵士らを地獄に突き落としている事実。過酷な現実から逃げることは、果たして罪なのか……。
ここが見どころ

はあ……。さすがチョン・へイン様。陰のある役でも美しい!
みなさん、こんにちは!
この『D.P. -脱走兵追跡官-』は徴兵制の闇を描くという、軍隊モノとしてもめずらしい作品。重めのテーマながら、チョン・ヘイン(代表作『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』)&ク・ギョファンによるバディものとしてのおかしみと、心に重くのしかかるような悲しみの連打で魅せる展開がすばらしく、2021年のシーズン1では“韓国のゴールデングローブ賞”とも呼ばれる百想芸術大賞で賞を総なめに。2年後の2023年に配信したシーズン2で、さらに人気を得たという名作。これだけでも十分観る価値のある作品なのですが、今だからこそ観てほしい理由があるんです。

「軍隊生活」と書いて「理不尽」と読む、徴兵制の現実よ……。
視聴前は、テーマがテーマだけに「共感しにくいかも」と思っていたんですが、全然違いました。軍人も一般社会で暮らす私たちも、さほど変わらない! 「おなじ人間だもの!」ということが、良くも悪くもリアルに描かれていました……。
ぶっきらぼうな性格の中に優しさと芯の強さを持っている青年アン・ジュノは、兵役義務で入隊後、軍の脱走兵を追跡する部隊「D.P.」に配属されます。そこでハン・ホヨルとバディを組んで、軍事基地から脱走した兵士たちそれぞれが抱える過酷な問題と厳しい現実を知ることになるのですが……。これがまあ、同情せざるを得ないくらいのしんどい理由でして。
そう、「いじめ」と「パワハラ」。それも生半可なものじゃありません。軍隊という特殊な環境の中で、罪の意識もなく、対象を叩きつぶすことで憂さ晴らしをする加害者。保身のために傍観者になる者。そして、理由もなくいじめのやり玉にあげられる者……。人間の尊厳を保てなくなるほどのいじめやパワハラが横行している時、実際にいじめを行った者だけが加害者かと言えば、そうではないですよね。“傍観”することも、さらに被害者を苦しめるのです。

一体何があったのか……。それは本編で確かめてみて。
原作(ウェブトゥーン)を手掛けたキム・ボトン氏は、今回脚本にも参加しておりまして、彼自身が「D.P」出身なんだそう。作品から軍隊生活の厳しい現実がひしひしと伝わってきます。「義務を守ることの意味とは何なのか」「何が善で、何が悪なのか」。答えの出せない大きな問いを視聴者に投げかけるのですが、それこそが、今観るべき理由のひとつ。世界が混沌としている今こそ、常識をう呑みにせず、“自分で考える”ことの大切さを教えてくれているのではないでしょうか。

軍隊内での2人。やっぱりいい感じ♪
拘束すべき対象者が最悪の結末を迎えて落ち込んでいたジュノ。その原因になった先輩も、脱走兵を追い込んだ人間も、本当にどうしようもないヤツばかりで、観ているこっちもフラストレーションが溜まってしょうもない、第1話。しかし、2話からは重苦しい空気を、秒でエアリーにする天使・ホヨルが登場! 彼の出現によって、グッと物語がおもしろくなるんです!
ホヨルはジュノのD.P.でのバディで三枚目担当。そして健全で真っ当な人間性の持ち主なのでした。脳筋、タテ社会で辟易する軍隊生活においても、威張らず、人をおとしめず、常にユーモラスな言動で対応するホヨルが素敵すぎて。堅物なジュノに力抜いていこうな、となだめつつ、彼のイケメンぶりをダシに使って、イジりつつも、おさえるべきところは、きっちりとおさえる先輩ぶりに拍手! そしてイヤな先輩にジュノを殴れと指示されても、ビンタしたフリをしてやりすごすところ(音に合わせてジュノも「チェソンハムニダ!(申し訳ございません)」と合いの手)、腹を抱えて笑わせていただきました、本当に大好き!

左がジソプ、右がボムグ。まるで恋が生まれた瞬間のようなショットですね♡
お次のブロマンスカップルは、ジュノ&ホヨルの上司にあたる2人です。パク・ボムグ中士(キム・ソンギュン)は、長いものには巻かれろ的な一面もあるけれど、内心は上官たちのやり方に納得できないものを持っていて、ここぞ、という時には部下を守る気概のある男。もうひとりは、ボムグの上官として赴任してきたイム・ジソプ准尉(ソン・ソック)。極悪非道でも、傍若無人でもないけれど、保身のために危ない橋は決して渡らず、進級のためには上官に媚を売る。ただし、部下には有無を言わせない強引さが「ウチの会社にもいるわ……」と想像できて、とってもリアル。
序盤では、お互いにキリッと敬礼をしながらも、心の中は真っ黒、という神経戦を繰り広げていた2人ですが、無能な上官のせいで最低最悪な事件が起きたために仲間意識が芽生え、中盤以降は、こっちのブロマンスも花盛り!

シーズン1の2人からは想像もできないイチャコラぶり!
Netflixで見られる!
『D.P. -脱走兵追跡官-』シーズン1~2
全12話(各シーズン6話)
出演:チョン・ヘイン、ク・ギョファン、キム・ソンギュン、ソン・ソック、チ・ジニ、キム・ジヒョンほか
Netflixシリーズ「D.P. -脱走兵追跡官-」シーズン1~2独占配信中
いまを生きる20代の夢と友情と恋愛をリアルに描いた『青春の記録』

グラビア取材中のヘジュン(パク・ボゴム、写真左)と、ヘヒョ(ビョン・ウソク、写真右)。
『青春の記録』
全16話
出演:パク・ボゴム、パク・ソダム、ピョン・ウソクほか
Netflixシリーズ「青春の記録」独占配信中
あらすじ
俳優としての成功を夢見るヘジュン(パク・ボゴム)とヘヒョ(ピョン・ウソク)。そして、メイクアップアーティストの卵のジョンハ(パク・ソダム)。生まれや家柄が重要視される芸能界で、自らの力だけで夢に挑む若者たちの青春を描く。
ここが見どころ
韓国では“国民の彼氏”と呼ばれ、幅広い世代から愛されている人気俳優パク・ボゴム。
日本でも『恋のスケッチ~応答せよ1988~』や『雲が描いた月明かり』、『ボーイフレンド』の大ヒットで高い認知度を誇る彼の入隊前最後のドラマ出演作が本作です(2022年に除隊済み)。
モデルから俳優への転向を目指す青年の夢と恋と友情、そして家族についてのリアルな日常が綴られた、まさに“青春の記録”のようなドラマです!
ここから、見どころについて説明していきますね。
(ネタバレあります)

モデルや役者の仕事と並行して、飲食店のバイトに勤しむヘジュン(パク・ボゴム)。その姿もスタイリッシュ!
主人公ヘジュンは元モデル。俳優に転向するも、なかなか芽が出ず、アルバイトを掛け持ちしていました。事務所の代表からは出演料を払ってもらえず、家族からは「ルックスだけじゃ食べていけない、実直に生きろ」と言われ、実家が裕福な幼なじみ兼親友のヘヒョと自分を比べて、惨めな気持ちで過ごす日々。さらに、26歳という年齢で、兵役入隊期限も差し迫っていて……。
そんながけっぷちの状況で参加したファッションショーで、同い年のヘアメイクアシスタントのジョンハと出会い、意気投合。
その後、様々な出来事にぶつかりつつも、ヘジュンは成長していきます。

真剣にメイクを施すジョンハ(パク・ソダム)。
自分の力で夢を成し遂げようとするジョンハの姿は、ヘジュンとそっくり。だからこそ、2人は親近感を覚え、刺激を与え合う仲間となり、同じような業界で苦労をしながらもひたむきに努力する存在として心の支えになっていくのでしょう。
2人が一緒にいるシーンの描写は、一度でも夢を追いかけたことがある人なら胸に刺さるほどリアルでピュア。個人的には、誰にも頼らず、寄りかからず、自らの人生の舵取りをジョンハ自身がする姿にぐっときました。
ヘジュンとへヒョは、漢南洞(韓国ソウルの高級住宅エリア)に暮らす幼なじみ。同じタイミングでモデル業をスタートさせましたが、いまは実家が裕福なヘヒョが先んじています。何かにつけ、周囲から比較される2人。ヘジュンもヘヒョも「自分たちは親友であって、目標ではない」とピシャリと言い返します。幼なじみ同士、お互いを認め合っている姿がいい!

居酒屋で一杯中のヘジュン(パク・ボゴム、写真右)とヘヒョ(ビョン・ウソク、写真左)。
もう1人、小学生の頃からの仲間でカメラマンのジヌもいるのですが、この3人が集まる感じがエモいんです。26歳にもなれば、それぞれ職場や実家で上手くいかないこと、イヤなことってありますよね。しかし、小学生の頃から慣れ親しんだ地元の公園に行けば、いつのまにやらなじみの顔が集まって、“いつもの空気”を纏いはじめるんです。
冗談を言い合ながら、バスケをしたり、酒を酌み交わしたり。謎の追いかけっこまではじめる始末(笑)。大人の世界では言動に結果や利益を求められるけれど、この3人なら、あの頃のまま、無邪気なままでいられる。その感じが切々と伝わってきて、うるっとします。
とはいえ、物語が進むにつれ、3人の置かれている状況も大きく変化するのですが……。
どう変化するのかは、本編で確かめてください。
Netflixで見られる!
『青春の記憶』
全17話
Netflixシリーズ「青春の記録」独占配信中
“沼男”のループから逃れられない⁉ ラブロマンス『わかっていても』

ジェオン(ソン・ガン)とナビ(ハン・ソヒ)。出会って小一時間でこの距離!
『わかっていても』
全10話
出演: ソン・ガン、ハン・ソヒ、チェ・ジョンヒョプほか
Netflixシリーズ「わかっていても」独占配信中
あらすじ
美術大学で彫刻学科を専攻をしている大学生ユ・ナビ(ハン・ソヒ)は、恋人の浮気現場を目撃したことで別れを選択する。失意の中、バーでひとり飲んでいたナビは、完璧なビジュアルと人当りもよいパク・ジェオン(ソン・ガン)と意気投合。彼の部屋へと誘われたものの、女性の気配を感じてその場から立ち去るのだった。しかし後日、学科の飲み会でジェオンと再会する。ジェオンが同じ学科に復学したばかりの後輩だと知ったナビは、警戒しつつも彼に惹かれていくのだが……。
ここが見どころ
春ですね。みなさん恋してますか⁉ それとも恋を求めていますか? もしや過去の恋、引きずっていますか……?
いま挙げた項目のいずれかにあてはまる方にぜひ観てほしいのが今回紹介する『わかっていても』です。
早速、“わかっていても”沼ってしまうポイントを説明します!

製作室での逢瀬を楽しむジェオンとナビ。美大生ならではのデートシーンですね。
主演は“Netflixの息子”と呼ばれるビジュアルマスターのソン・ガンと、『サウンドトラック #1』や先頃シーズン2が配信された『京城クリーチャー』で存在感を見せつけているハン・ソヒ。この2人だけでも、ビジュアル測定器が存在するなら振り切れるんじゃないかという強めのカードですが、さらにナビの幼馴染で彼女に尽くしまくるヤン・ドヒョン役にチェ・ジョンヒョプが起用されているという鉄壁の布陣。妖艶なソン・ガンだけでなく、癒し系じゃがいも男子ことチェ・ジョンヒョプも配置するという大盤振る舞い! 「咳をしても一人」という自由律俳句の先駆者・尾崎放哉の作品を髣髴とさせる「どっちに転がっても沼」という感想を抱くことでしょう。

ナビの腕に絵(という名の呪縛)を描き入れる魔性の男ジェオン。
本作は浮気ばっかりする年上彼氏と別れてハートブレイク中の美大生ナビが規格外のイケメン・ジェオンと知り合い、ダメ男回避どころか、ダメ男遍歴の上書き(しかも大幅修正)をしてしまう物語です。
しかし、誰もナビを責めることはできません。ナビとジェオンの2人だけのシーンのきらめき度の解像度が違うんです。恋愛フィルターがかかった4K使用なんですよっ! 出会ったバーの照明の具合、音もなく降り積もる雪、風に舞い散る桜の花びら。ほぼゼロ距離にあるジェオンの憂いを帯びた目。セクシーな声。ほしい言葉はくれないけれど、ぬくもりは与えてくれる魅力的な唇。ハマったらいけない相手だとわかっていても、「もしかしたら……」と期待せずにはいられない圧倒的な美がそこにあるのです。絶世のイケメン・ジェオンという男に、一体誰が惹かれないでいられようか、いやない、ないんです!

わかっていてもあらがえない2人のやりとり、ぜひ沼ってくださいませ♡
本作は大学生の群像劇なので、観る人によっては友人たちの恋愛模様に、より共感する人がいるかも。彼らのテーマは「友情から生まれた恋」。マッチングアプリや合コンで出会いを求めるも、遠回りしながら身近な友人の大切さに気づくんです。そして、「告白して親友を失ったらどうしよう」とか「想いを受け止めてもらえなかったら……」と思い悩む、というところまではよくある話ですが、本作ならではというか、いいなあと思うのは、想い人が異性・同性に関係なく描かれているところ。相手が誰であっても好きになったら心は弾むし、葛藤が生まれるという、ごくごく当たり前のことを何気ない場面とセリフで気づかせてくれるのでした。
また、ナビたち仲間が彼女たちをするっと受け入れ、祝福する様子もすごく自然でよかったです♡
Netflixで見られる!
『わかっていても』
全10話
出演: ソン・ガン、ハン・ソヒ、チェ・ジョンヒョプほか
Netflixシリーズ「わかっていても」独占配信中
“身代わりのお見合い”から始まるオフィスラブコメディ♡『社内お見合い』

『社内お見合い』
全12話
出演:アン・ヒョソプ、キム・セジョンほか
Netflixシリーズ「社内お見合い」独占配信中
あらすじ
「GOフード」の若きCEOのカン・テム(アン・ヒョソプ)は、創業者である祖父から結婚をせかされ、仕方なくお見合いをすることに。一方、平凡な会社員シン・ハリ(キム・セジョン)は、親友の財閥令嬢から自分の代わりに縁談を壊してほしいと頼まれる。ド派手な格好に生意気な性格の女性を演じて破談を試みるハリだったが、お見合い相手に現れたのは会社の社長・テムだった。
ここが見どころ!
原作は、総視聴回数3億回以上の大ヒット同名ウェブ小説&ウェブ漫画。容姿端麗で完璧なスペックを持つテムは、ワーカーホリックで恋愛への興味ゼロ。次々とお見合いを設定する祖父を止めるために、破天荒な財閥令嬢(を装っている)ハリに偽装カップルの契約を持ち掛けます。
偽装恋愛から始まるイケメン御曹司&部下の恋という、まさに韓国ラブコメの鉄板!!!近年は“かっこいい韓国ドラマ”が盛り上がっていたこともあり、久しぶりに“慣れ親しんだ韓国ドラマ”と再会した気分になりました。(どちらもそれぞれ魅力があって最高)
ラブコメの定番シーンがこれでもかと登場するのですが、コメディタッチな表現で笑いの要素たっぷりに仕上げているのが本作の魅力。脱げたスリッパがテムに当たってしまい顔を見られないように逃げるハリをテムがダッシュで追いかけたり(会社の中なのに(笑))、キム・ミンギュ&ソル・イナが演じるサブカップルが出会うシーンはハートが弾けるCGで一目ぼれを表現したりと、全体的な雰囲気がとにかくポップ。恋愛ドラマは甘すぎるという人もライトに楽しめると思います。

黄色い傘の下で見つめ合うハリとテム。
もう一つ新鮮なのが、展開の速さ。もう爆速です! 漫画を一気読みするような感覚で話が進んでいくから、もどかしさにモヤモヤする暇もありません(笑)。誤解からのすれ違いや三角関係といったラブコメの醍醐味はそのままに、間延びしない軽快なテンポのおかげで1時間があっという間! 面白さ&スピード感が韓国の若い視聴者に刺さり、初回4.9%でスタートした視聴率は最高11.6%を記録する大ヒット作となりました。
そして、なんといっても主演の2人のケミが抜群♡。テム役を演じたアン・ヒョソプは、『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズ、最新作『いつかの君に』といった話題作に立て続けに出演している若手トップ俳優。ハリ役を『悪霊狩猟団:カウンターズ』シリーズ、日本のドラマ『重版出来!』の韓国リメイク版『今日のウェブトゥーン』などに出演し、ソロ歌手兼俳優として活躍するI.O.I出身のキム・セジョンが演じています。
原作漫画から飛び出してきたかのような2人のビジュアルはもちろんのこと、ハリの正体を知ってわざと意地悪をするテムと、正体がバレていないと思って会社員と偽装恋人の二重生活をするハリのやりとりが愉快。アン・ヒョソプもキム・セジョンも本作がラブコメ初挑戦でしたが、振り切った演技でときめきと笑いを届けてくれます。
理性的なテムがハリに惹かれていくツンデレっぷりは沼落ち必至。テムに似ているという始祖鳥(恐竜)のCGもいいスパイスになっているのでご注目ください(笑)。
Netflixで見られる!
『社内お見合い』
全12話
Netflixシリーズ「社内お見合い」独占配信中
“アイドル×一般人”のロマンスは、夢のように美しく、ヒリヒリするほどにリアル『イ・ドゥナ!』

『イ・ドゥナ!』
全9話
主演:スジ、ヤン・セジョン
Netflixシリーズ「イ・ドゥナ!」独占配信中
あらすじ
アイドルとして人気絶頂だったイ・ドゥナ(スジ)は、突然引退を選択。大学に復学したドゥナはシェアハウスで暮らし始める。同じ大学に通うイ・ウォンジュン(ヤン・セジョン)も、ドゥナと同じシェアハウスに引っ越すことに。最初は勘違いやすれ違いでウォンジュンに不信感を持っていたドゥナも、彼の純粋さに気付き、次第に心惹かれていく。
数々の困難に立ち向かいながらも、想いを深めていく2人の恋を、切なくも美しく描く。

自室にいても、警戒心をあらわにするドゥナ

シェアハウスの入居時のウォンジュン。人柄の良さが伝わってくる
ここが見どころ!

ドゥナとウォンジュン、初対面のシーン
『イ・ドゥナ!』は、韓国の人気ウェブトゥーン(Web漫画)が原作。
まるで原作から飛び出てきたようなルックスに加え、確かな演技力で“国民の初恋”と呼ばれている元miss Aメンバーでトップ女優のスジ。そして、2016年のデビュー時から抜きんでた高い演技力で"怪物新人"と呼ばれた実力派俳優ヤン・セジョン。このふたりが主演を務めているのですが……、期待以上の純愛ロマンスでした!

ひとり佇む、物憂げなドゥナ。

自分が着ている服が、ドゥナが所属していたアイドルグループ「ドリームスウィート」のグッズだと知らないウォンジュン。これが誤解を生むことに。
人気ガールズグループ「ドリームスウィート」のセンターだったイ・ドゥナは突然引退を宣言し、大学生として復学。その後、とあるシェアハウスに一人引きこもるように暮らしているところ、平凡で真面目な大学生ウォンジュンが、同ハウスの2階に引っ越してくる。たまたま、友人からのプレゼントである、“ドリームスウィート”グッズを着たウォンジュンを見かけたドゥナは、彼をサセンペン(芸能人を執拗に追いかける迷惑ファン)だと誤解して……。
物語は“アイドル×一般人の夢のロマンス”という、とってもシンプルなストーリー。無駄な要素は一切入れ込まず、2人の心情を200%盛り込んだ“映像ファースト”なシーンの数々に、根こそぎハートを持っていかれます。(特に“キス職人”、ヤン・セジョンによるキスシーンは尊すぎます!)
感情の揺れ、気持ちの高まり、心の共鳴、押し寄せる不安……。互いを求めてやまない愛が彼らにもたらした心情は切なくも美しく、そしてどこか懐かしい。それは、2人の姿が、誰しもが一度は経験し、成長とともに忘れてしまった感情を呼び覚ますからなのかもしれません。
また、ドゥナの魔性の眼差しにも、ご注目を。

好意的な眼差しでウォンジュンを射抜くドゥナ
しかも、普段のドゥナは流行りの“姫カット”で、煙草の煙をけだるげにくゆらせるというアンニュイな雰囲気を纏いつつ、上から目線で“ツン”な態度なのに……。そうかと思えば、今にも泣き出しそうな瞳で相手の目を射つつ、肩を震わせて……。ドゥナの饒舌すぎる眼差しに心揺さぶられない人はいないはず。

ここぞという時の照明の使い方が本当に絶妙
それまで生きてきた世界がまったく異なるふたりが出会ったことで生まれた、愛と青春の日々。
この物語には、焦らし・焦らされ、嫉妬と不安という恋愛のスパイスに翻弄されながらも成長するカップルの、ヒリヒリするような恋のリアルが詰まっていました。
アイドルと平凡な学生のふたりは、一体、どんな未来を選ぶのか。その結末はご自身でチェックしてみてください。
Netflixで見られる!
『イ・ドゥナ!』
全9話
Netflixシリーズ「イ・ドゥナ!」独占配信中
エモさ際立つミステリーロマンス『いつかの君に』で“愛”を知ろう!

『いつかの君に』
全12話
主演:アン・ヒョソプ、チョン・ヨビン、カン・フン
Netflixシリーズ『いつかの君に』独占配信中
あらすじ
1年前、飛行機事故に巻き込まれた恋人ヨンジュン(アン・ヒョソプ)を忘れられないジュニ(チョン・ヨビン)。36歳の誕生日、自身に届けられた謎のカセットテープを再生した瞬間、1998年へとタイムスリップ! そこで別の時間帯を生きる、18歳の女子高生ミンジュとして目覚めてしまう。
そして、ジュニ(見た目はミンジュ)は、ヨンジュンと同じ顔をしたシホンと、彼の親友インギュ(カン・フン)と出会う。学校やミンジュのおじが経営するレコード店などで交流を深めていく3人は、次第に三角関係に発展。過去と現代、自分とジュニ、そしてシホンとヨンジュンの関係とは……。

ここが見どころ!
マレーシア、韓国、香港、日本などでも放送され、その世界観に沼オチする人が続出した、台湾発の大ヒットタイムスリップドラマ『時をかける愛』の韓国リメイク版です。
韓国版でも、恋人との死別からのタイムスリップ、時空を超えた後の同級生の三角関係というラブストーリー、さらに殺人というミステリー要素が、“メビウスの輪”のように複雑に絡み合います。
「タイムリープの理由は?」「事件の謎は?」「ジュニとヨンジュンのロマンスはどうなるの?」など、ドキドキ・ワクワク・ハラハラな疑問が無限ループ!

複雑な設定とストーリーのため、何度も“巻き戻し”(←重要ワードです!)して観てしまうので完走まではかなり時間はかかると思いますが、そのたびに新発見があり、そして「ゆるぎない愛とは何か」について深く考えることができる作品です。
Netflixで見られる!
『いつかの君に』
全12話
Netflixシリーズ「いつかの君に」独占配信中
『スタートアップ: 夢の扉』で仕事に恋にパワーをチャージ!

『スタートアップ: 夢の扉』
全16話
主演:スジ、ナム・ジュヒョク
Netflixシリーズ「スタートアップ:夢の扉」独占配信中
あらすじ
祖母と二人で暮らしてきたダルミ(スジ)。幼い頃に両親の離婚によって姉と離れ離れになり、ナム・ドサン(ナム・ジュヒョク)という少年と子供の頃に交わした文通が心の支えになっていた。それから15年後、韓国のシリコンバレーといわれる「サンドボックス」の講演会で財閥令嬢となった姉と再会するダルミ。対抗意識から会ったこともないドサンと起業をすると嘘をついてしまい……。

姉の会社が主催する交流会にドサンと出席すると宣言してしまう。
ここが見どころ!
成功を夢見る若者たちがスタートアップに飛び込んで困難に立ち向かいながら成長していく姿を描く。爽快感のある物語で“明日も頑張ろう”と思わせてくれる青春ドラマ。
“国民の初恋”の異名をとり、最近は『イ・ドゥナ!』で演じたあざとかわいいドゥナ役で再び視聴者をとりこにしたスジと、『まぶしくて ―私たちの輝く時間―』『二十五、二十一』などに出演し、繊細な演技に定評のあるナム・ジュヒョクがW主演。コロナ禍真っただ中だった2020年に配信され、おうち時間を盛り上げてくれると日本でも注目を集めました。

ダルミと起業を目指すことになるドサン。
お仕事とラブストーリーのバランスが絶妙なところも本作の魅力。「サンドボックス」で信頼できる仲間と出会い、時にすれ違いながらも力を合わせて数々の困難を乗り越えていく様は、熱くて、爽やか。どんなピンチにも果敢に前向きに立ち向かっていくダルミがかっこよく、内気な理系男子から実力・自信ともにめきめきと成長するドサンも頼もしく、ポジティブな気持ちにさせてくれます。
最終話まで主人公たちを応援しながら楽しめる『スタートアップ: 夢の扉』。モチベーションを上げたい時におすすめの作品です。
Netflixで見られる!
『スタートアップ: 夢の扉』
全16話
Netflixシリーズ「スタートアップ: 夢の扉」独占配信中
想像を超える展開の連続!『イカゲーム』シーズン2

『イカゲーム』シーズン2
全7話
出演:イ・ジョンジェ、イ・ビョンホン、ウィ・ハジュン、コン・ユほか
Netflixシリーズ「イカゲーム」シーズン1&シーズン2:独占配信中
あらすじ
イカゲームで優勝してから3年後。ギフン(イ・ジョンジェ)は黒幕を暴いて残酷なゲームを終わらせようと、スカウトマンの“めんこ男”(コン・ユ)を探していた。しかし、ギフンの努力が実を結ぼうとした時、運営組織を倒す道のりは想像をはるかに超えて危険であることが判明する。一方、失踪した兄イノ(イ・ビョンホン)を探してイカゲーム会場に潜入するも銃で撃たれてしまった元刑事・ジュノ(ウィ・ハジュン)は、奇跡的に一命を取りとめ、イカゲームが行われる島を独自に突き止めようとしていた。それぞれの目的のために手を組むことにしたギフンとジュノ。そして、ギフンはゲームを終わらせるために再びイカゲームに参加することを決意する。
ここが見どころ!
① 情けない男からヒーローへ?ギフンの新しい魅力が開花

456億ウォンを黒幕を暴くためだけに使い、ほぼ手つかずのまま残していたところが“根っこはいい人”なギフンらしい。
50歳近くにもなって母親からお金をもらい、ダメだとわかっていてもギャンブルをやめられないケチで情けない男だったギフン。知力や体力に優れているわけでもなく、イカゲームも“勝ち上がった”というより“勝ってしまった”といったほうがしっくりくる人物でした。そんなギフンが、2回目のイカゲームでは、自分の手で悪夢のようなゲームに終止符を打つという強い信念を持ってリーダーシップを発揮します。短く整えられた髪やその精悍な顔つきはまるで別人のようです。
シーズン1は、イカゲームで生き残ろうとするギフンを自分もイカゲームに参加したような気持ちで応援していましたが、シーズン2はそこに正義感と使命感に満ちたギフンが黒幕に立ち向かう復讐系ドラマとしての視点も加わり、面白さが倍増! “ダメ男だけどなんだかんだ運がよくていいやつ”から“勇敢な主人公”として帰ってきたギフンの活躍に注目です。
② 新ゲーム&新ルール追加でよりスリリングに

新ゲームも韓国の昔ながらの遊びをモチーフにしている。
シーズン2も「だるまさんがころんだ」からゲームがスタートします。不気味な女の子のロボット「ヨンヒ人形」も続投です。
動いたら即死のルールを知っているギフンはプレイヤーたちに「止まれ!」と呼びかけ、前回よりも多くのプレイヤーを生存させることに成功します。しかし、「カルメ焼きの型抜き」だと思っていた第2ゲームにまさかの変化が! ギフンはプレイヤーたちの命を守りながらゲームを終わらせることができるのか?ギフンも視聴者も予測できない新ゲームの数々が、ストーリーにさらなるスリルと緊張感を与えています。

説得したり、裏切ったり、投票シーンは毎回手に汗握る展開に。
シーズン2では、各ゲームの後に生存者がゲームを継続するか否かを決めることができる“投票システム”が登場。シーズン1でも第1ゲーム終了後に投票する機会が与えられましたが、今回はそれが義務となって毎回行われ、棄権が過半数を超えた場合はそれまでの賞金を生存者全員で山分けすることができます。
一見、プレイヤーに有利なルールに思えますが、「今の賞金でいいから生きて帰りたい」という人たちと、「命がけで勝ったんだからもっと多くの賞金が欲しい」という人たちで意見が真っ二つに。ファン・ドンヒョク監督は「全世界で分断や葛藤、憎悪が激化しているように思う。宗教や理念、出身、性別、人種によって集団がどのように分断し対立するのかについて表現してみたかった」とシーズン2の核となる要素に投票システムを挙げており、選択肢が与えられたことによって生じるプレイヤー間の対立も重要な見どころとなっています。
新キャストには『ミセン~未生~』のイム・シワン、『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』のパク・ソンフン、『椿の花咲く頃』のカン・ハヌル、『セレブリティ』のパク・ギュヨン、『Sweet Home-俺と世界の絶望-』のイ・ジヌク、元BIGBANGのT.O.Pことチェ・スンヒョンなど豪華俳優陣が集結。個性豊かなキャラクターたちが抱えるさまざまな事情、極限状態で繰り広げられる人間模様にも注目を。
③ フロントマンとの対決

イ・ジョンジェとイ・ビョンホンの競演にしびれる!
シーズン1の最後で仮面を取り、視聴者を驚かせたイ・ビョンホン。イ・ジョンジェとの直接的な共演シーンがなかったため、シーズン2に期待していた人も多いのではないでしょうか。シーズン2では、その期待をはるかに超える形でギフンとフロントマンの対決が描かれ、イ・ジョンジェとイ・ビョンホンのヒリヒリする演技バトルを拝むことができます!
なぜ昔イカゲームに参加したのか、どうしてフロントマンをしているのかなど、まだまだ謎は多いのですが、ギフンを翻弄するイ・ビョンホンの演技がもうすごくて。静かな緊張感が漂うギフンとフロントマンのやり取りにハラハラが止まりません!
Netflixで見られる!
『イカゲーム』シーズン2
全7話
Netflixシリーズ「イカゲーム」シーズン1&シーズン2独占配信中
友情・恋・社会風刺に、Kゾンビまで堪能できるゾンビアクションスリラー『今、私たちの学校は...』

『今、私たちの学校は...』
全12話
出演:パク・ジフ、ユン・チャニョン、チョ・イヒョン、パク・ソロモン、イ・ユミ、ユ・インスほか
Netflixシリーズ『今、私たちの学校は...』独占配信中
あらすじ
突然、謎のゾンビウイルスが蔓延したヒョサン高校。女子高生オンジョ(パク・ジフ)は、幼なじみチョンサン(ユン・チャンヨン)たちとともに、ゾンビと戦いながら、命からがら教室へと逃げこむ。途中、同級生のナムラ(チョ・イヒョン)やスヒョク(パク・ソロモン)が籠城する教室に合流。だが、仲間の裏切りに遭う。
教師は頼りにならないうえ、警察も助けてくれない絶望的な状況の中、校内に取り残された生徒たちは、生き残りをかけ、壮絶な闘いをくり広げる。そしてゾンビの恐怖は学校から市区域、さらには国全体へと広まっていき……。
ここが見どころ!
韓国と言えば、映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』、ドラマ『キングダム』、『Sweet Home -俺と世界の絶望-』といった、良質なゾンビスリラー作品が数多く生まれています。
今回紹介する『今、私たちの学校は...』は、ゾンビスリラーのいいところを救い上げ、さらに恋愛、友情、家族の情愛、社会風刺まで盛り込んだ最高のエンタメ作品に仕上げられたシリーズ作品。すでにシーズン2の制作も発表(配信日未定)されており、すでに観た方はもちろんのこと、未視聴の方は、お楽しみ倍増が約束された作品なんです。

その発端は教師イ・ビョンチャン(キム・ビョンチョル)の科学室から
一寸先の展開すら予測できないスリル、キレのあるアクション、学校→市街地→国全体と大きく移り変わるスケール感! さらに、“人間VSゾンビ”、“人間 VS人間”の物理的&精神的対決の見事な演出によって高まった「そこでこうくるか!」という中毒性も手伝って、一度観はじめたら、最終話(全12話)まで興奮がノンストップ!
一気観どころか、シリーズ周回ループに突入したという猛者も少なくありません(まさに自分ですが)。
俊敏な動きや、そのおどろおどろしい見た目に定評のあるK(韓国)ゾンビにビビり散らかしながらも周回視聴を果たした自分が感じた魅力ポイントはこちら。

ゾンビから逃げる途中で見つけたビデオカメラに、自らの動画を残すオンジョ。

チャンヨン覚醒! ギター片手に大切な人たちを守り始める
本作は学生たちがゾンビと生き残りをかけて戦うサバイバルスリラーですが、“きゅん”も描かれています! 恋愛モードでの主役は、幼なじみのオンジョ(パク・ジフ)とチョンサン(ユン・チャンヨン)、委員長のナムラ(チョ・イヒョン)と元不良のスヒョク(パク・ソロモン)です。
消防官の父親と2人暮らしのオンジョと、彼女の家の隣に住むチョンサンは、オンジョを慕うピュアな地味男子。序盤はオンジョの尻に敷かれて頼りなかったチョンサンがゾンビ出現後は急成長。危険もいとわずにオンジョや仲間を助け、より魅力的に。そんなチョンサンを見て、自分の本当の気持ちに気づくオンジョ。その恋心の過程に、きゅん!
一方、ナムラ&スヒョクが絆を深めていく描写も最高です。ずっと周囲に心を開かなかった優等生のナムラが、ゾンビパニック以降、スヒョクに少しずつ感情をあらわに。その様子は、なかなか懐かなかった猫が、少しずつ素を見せてきて、ある日突然、甘えてくる感じに似ていて、きゅん! ナムラ&スヒョクのキスシーンは屈指の美しさです。この場面は17テイク(パク・ソロモン談)も撮ったそうで、そのエピソードを思い出しながらループ視聴するのもアリです。

死を恐れ、自分を正当化するために過ちを犯し、孤立するナヨン役を演じたのは、『イカゲーム』でジヨン役を演じた、イ・ユミ。

授業中の平和な場面。ゾンビパニックの前と後のギャップがすごい
「何度も見ると細かい伏線に気づくでしょう」(イ・ジェギュ監督)という言葉どおり、登場人物たちの何気ない言動が、後々重要なモチーフとなる伏線に何度も驚かされます。
また、舞台となる4階建ての校舎(全長100mも!)は、大型セットで用意。そのカフェテリアで生徒たちが初めてゾンビと対峙するシーンは、なんとワンテイク(カット割りなしで長回しで撮影)! 突然現れたゾンビの群れに、200名もの生徒が食堂で逃げ惑うシーンは圧巻。
演出だけでなく、いじめや貧困格差、光州事件(1980年)、セウォル号沈没事故(2014年)を想起させる描写、コロナ禍の現在の状況との類似点など、全編を通して織り込まれた社会風刺にもうなってしまいます。ゾンビの出現という甚大な災害が発生しても、強者の救助が優先され、弱者は置きざりにされる。学校には救助隊も警察もやってこないし、非感染エリアに助けを求める老人と幼女は生たまごがぶつけられ……。必死で戦う子ども(弱者)と、安全な場所から静かに見下ろす大人(権力者)の構図の描き方が秀逸すぎて、胸が痛みます。
なぜ胸が痛むのか。それはきっと、ドラマの世界が、私たちの生きる現実世界とリンクしているから。「若者たちは生き延びることができるの?」「大人たちは彼らを助けるの?」は、そのまま、自分たちに問われているようで、何度も観てしまうのかも。
観れば観るほどに新しい発見がある本作、ぜひご視聴くださいませ。
Netflixで見られる!
『今、私たちの学校は...』
全12話
Netflixシリーズ『今、私たちの学校は...』独占配信中
パク・ソジュン好き必見! 新機軸を打ち出したクリーチャースリラー『京城クリーチャー』

『京城クリーチャー』シーズン1
全10話
主演:パク・ソジュン、ハン・ソヒ
Netflixシリーズ『京城クリーチャー』独占配信中
あらすじ
ときは1945年の春。京城(読み:キョンソン/植民地時代のソウルの呼称)にある謎めいた病院を舞台に、質屋を営むチャン・テサン(パク・ソジュン)と探偵ユン・チェオク(ハン・ソヒ)が手を組み、人間の欲望によって生みだされた怪物や、怪物より貪欲な人間に立ち向かう姿を描いたクリーチャースリラー。
ここが見どころ!
今回紹介するのは、人気俳優パク・ソジュンの最新作『京城クリーチャー』です。
『梨泰院クラス』以来、3年ぶりの主演作というだけでも注目度が高かったのに、人気女優ハン・ソヒとの共演、『ストーブリーグ』(2019年)のチョン・ドンユン監督と、『浪漫ドクター キム・サブ』(2016年)シリーズの脚本家カン・ウンギョンがタッグを組んだということで、話題になった本作。

傷だらけのテサンを見つめるチェオク
「時代劇とクリーチャーを掛け合わせた新機軸の注目作」ですが、パク・ソジュン本人曰く、本作は「あの時代を生きていた人々の様子を描いている」とのこと。
クリーチャーや軍の非道さに目が行きがちですが、本編をよくよく観てみると、過酷な時代を生きる人々の慟哭だけでなく、友情や愛といった感情も垣間見ることができます。
「戦時下で生きること」は、過去のことではなく、現代を生きる我々にとっても、もはや地続きのことと言えるでしょう。だからこそ続きが気になる……と思っていたら、年明けの1月5日に、2024年内でのシーズン2配信を発表!
主演はパク・ソジュンとハン・ソヒが続投し、舞台はシーズン1(1945年)の78年後(2024年)の世界とのこと。78年後の“今を生きる人々の姿”がどう描かれるのか、今から期待大です!
レトロなパク・ソジュンも素敵でしたが、現代の姿も楽しみですね♡
Netflixで見られる!
『京城クリーチャー』シーズン1
全10話
Netflixシリーズ『京城クリーチャー』独占配信中
バスタオル必携! 人生賛歌ドラマ『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』

写真左からチョ・サング(イ・ジェフン)、ハン・グル(タン・ジュンサン)、家族同然の隣人ユン・ナム(ホン・スンヒ)。
『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』
全10話
出演:イ・ジェフン、タン・ジュンサン、ホン・スンヒ、チ・ジニほか
Netflixシリーズ「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」独占配信中
あらすじ
父ハン・ジョンウ(チ・ジニ)と息子グル(タン・ジュンサン)は、遺品を整理し、故人の想いを遺族に届ける遺品整理業の"MOVE TO HEAVEN"を親子で営んでいた。ある日、病を抱えていたジョンウが急死。アスペルガー症候群の息子を心配したジョンウは、生前に後見人として弟チョ・サング(イ・ジェフン)を指名しており、サングとグルはひとつ屋根の下、一緒に暮らすことに。最初は遺産目当てだったサングだが、"MOVE TO HEAVEN"で働き、グルとともに過ごすことで、少しずつ心情に変化が表れる。
ここが見どころ
秋の声が聞こえてきましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
自分はややセンチメンタルモードになっておりまして、「泣ける話が観たいな……」と思い、本作をピックアップした次第です。
本作は、父ジョンウを失くして一人ぼっちになったアスペルガー症候群の青年グルと、父の弟で、寄る辺なく生きるチンピラボクサーの叔父サング。孤独な2人が家族になっていくまでを描いた物語です。この作品の何がいいって、主人公親子であるジョンウ&グルの親子、ジョンウ&サングの兄弟関係に号泣必至なうえ、各話で登場する故人や遺族のお話も涙なくしてはみれない、グッとくるエピソードが満載なところ。しかも、それがたったの全10話で観れるんです! 週末にサクッと完走できるボリュームはありがたいですよね。
「次は何を観ようかな?」という方は、本作をチェックしてください。観終わったあと、自分を取り巻く世界が違って見えてくるはずですよ。
それでは、本作のみどころを紹介します。
タイトル“ムーブ・トゥ・ヘブン”に込められた意味に涙
本作のタイトルは『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』。実は、劇中の遺品整理会社の社名が「MOVE TO HEAVEN」なんです。
遺品整理を業者に頼むということが何を意味するのかというと、片付けてくれるような身内がいないか、家族と疎遠になっている孤独死が原因であるケースがほとんど。毎話、誰かが亡くなるのですが(みんな、善良ないち市民なのに!)、「MOVE TO HEAVEN」の人々は彼らを軽んじることはありません。故人が亡くなる直前まで住んでいた場所を清掃しながら、ていねいに遺品を整理します。その姿は清掃業などではなく、慈愛に満ちた引越し業者。故人が天国へ行けるよう、最後の引越しのお手伝いをするんだというグル親子の姿勢が胸に刺さります。
作業の始まりと終わりには故人への祈りを捧げ、作業時にはできる限り、マスクや手袋は可能な限り使わない彼ら。(衛生的にどうなのかということはひとまず置いておいて)良い意味で淡々と丁寧に遺品を回収していく姿は、まさに「故人の最後の引っ越し」のようで、静謐な時間が流れるのでした。

遺品整理の仕事を始める前に故人への哀悼の意を表する、息子グル(タン・ジュンサン)と父ジョンウ(チ・ジニ)。
それらをより感動的にしているのは、アスペルガー症候群のグルの視点で描かれる作業中のシーン。ドローンで撮影したかのように俯瞰で街の景色を映したり、故人の遺品や、そこから浮かび上がる生前の故人の記憶に降り注ぐ光の描写が、まるで“天国への階段”を想起させるほどに、まばゆく輝いているのでした。さらに、グルの携帯音楽プレーヤーから流れるクラシック音楽も、故人に捧げられた鎮魂歌のようで。
「どんな人生であっても、故人は尊重されるべきである」
「故人の想いは、伝えるべき人に伝えられる」
そんな強い思いが伝わってきました。

遺族に遺品を渡そうと努力するグルと、そんな甥っ子を見守るサング。
基本的にマジメで感動的な物語ですが、2話以降、笑いの要素が増えます!
1話は、世界一やさしい父ジョンウと、そんな故人の想いを大切にしていた父の姿を見ていたグルが驚異的な記憶力で遺品から想いを読み解いて遺族に伝えていくという感じで話が進むのですが、2話以降のグルの相棒は、ジョンウの弟サングにバトンタッチ。このサングがかなりのクセ者。ムショ上がりで、兄の遺産狙いでグルと暮らしはじめたチンピラボクサーなんですよ(言い方!)。

サングの腕に傷を見つけては治療しようとするグルのワンコっぷりと、最初は嫌がっていたのに、途中からまんざらでもなくなってくるサングに萌え♡
食べたら食べっぱなし。飲んだら飲みっぱなしで、不規則極まりない日常を送る肉体派のサング(ボクサーのはしくれなので、いい体してます)。一方、家の中のモノがちょっと動いたり、変わっているだけで「アンデヨ!(ダメです!)」とパニックに陥るグル。アスペルガー症候群特有の強いこだわりを持つ彼は、規則正しく清潔好きで、絶対に自分のペースを変えられないんですね。
さらに、闇ボクサーのサングは、しょっちゅうケガをこさえて帰ってくるのですが、グルはケガを見逃しません。過去の顧客や父親のことを思い出して「手当しないと死んじゃう!」と不安になって、治療をしようとサングをかまい倒すんです(涙)。
グルの素直な心に感化され、亡き兄の愛情を知ることで、トラウマを乗り越えていくサングの心の変化にも号泣(何度目……)。
毎話、泣かされるので、ハンカチの予備をご用意ください。

グルの父であり、サングの兄、ジョンウの慈悲深きご尊顔……。
グルの出自エピソードであったり、グル親子と付き合いのある廃品回収業を営むおじさんが脱北者だったり、実際に韓国で起きた、過去最大級の三豊百貨店崩落事故(『応答せよ1994』や『ただ愛する仲』でも取り上げられていましたね……)にまつわるエピソードが盛り込まれていたりと、韓国の社会問題と、それらによって人生を変えられてしまった人々の様子も。
この作品を通して、どんな困難に直面しても「愛する想い」は消えないし、「大事な人を愛し、大切にしていく」ことで、故人と残された人々の人生は、より強く輝くのだと感じました。
喜怒哀楽を、人生という五線譜の上に載せて奏でる人生賛歌。
そんなメロディが聴こえてくるような本作を、秋の夜長のお供にしてみては?
Netflixで見られる!
『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』
全10話
Netflixシリーズ「ムーブ・トゥ・ヘブン: 私は遺品整理士です」独占配信中
青春は永遠? 夢を奪われた若者たちの成長と初恋を描く『二十五、二十一』

『二十五、二十一』
全16話
出演:キム・テリ、ナム・ジュヒョクほか
Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
あらすじ
アジア通貨危機で韓国が深刻な経済不況に陥っていた1998年。予算を減らされたことでフェンシング部が廃部になってしまったナ・ヒド(キム・テリ)は、フェンシングを続けるために憧れの選手コ・ユリムが通う高校に転校する。同じ頃、ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)は、裕福な家庭に育つも不況の影響で父の会社が倒産し、大学を中退してアルバイトを掛け持ちしながら生計を立てていた。時代に夢を奪われた2人は、18歳と22歳で初めて名前を呼び合い、お互いを励ましながら支え合う関係になっていく。
ここが見どころ!
皆さんは、放送終了から時間が経っても忘れられないドラマやキャラクターはいますか?
韓国ではロスのことを「후유증(読み:フユチュン、意味:後遺症)」のほかに「앓이(読み:アリ、意味:患う)」と言います。「후유증」は作品そのものをさす時に使われる一方で、「앓이」には特定の人物を意味するニュアンスが含まれ、主に登場人物や俳優の名前につけて「〇〇앓이」と表現します。
私にとっては、今回ご紹介する『二十五、二十一』のペク・イジン(ナム・ジュヒョク)がまさにその一人。今でも振り返るたびに胸がギュッとなるほど“患っている”キャラクターです。前述の通り表現するなら、“ペク・イジン앓이”というわけです。

本作で多くの視聴者をとりこにしたナム・ジュヒョク。韓国のポータルサイト「NAVER」でも「ペク・イジン앓이」の記事が大量にヒット!
1997年、韓国はアジア通貨危機や財閥の倒産などの煽りを受けて経済危機に陥り、「国際通貨基金(IMF)」の救済を受けることになります。本作で登場する「IMF」とはこのことです。1998年には2万社あまりの企業が倒産したと言い、物語はこの時代を舞台に描かれます。
イジンは名門大学に真っ赤なオープンカーで通うお坊ちゃまでしたが、父親の会社が倒産してしまい、22歳で小さな部屋を借りて一人暮らしすることに。
若くして夢も希望も失くしてしまったイジンが引っ越した町で出会うのが、夢に向かって突き進む18歳のナ・ヒド。IMFのせいでフェンシング部が潰れちゃったけど、最年少金メダリストのコ・ユリム(宇宙少女・ボナ)がいる高校に転校しちゃえばいいじゃん!と逆境を逆手に取るポジティブで明るい女の子です。

憧れのコ・ユリムが練習しているところをこっそりのぞき見するヒド。
2人はイジンがアルバイトでヒドの家に新聞を配達した時に出会い、偶然の再会が重なって仲を深めていきます。
父の破産で多くの人が苦しんでいることから「どんな瞬間も僕は絶対に幸せにならない」と十字架を背負っていたイジンの心を「これから私と遊ぶ時だけこっそり幸せになるの」とヒドが溶かし、イジンは母親と折り合いが悪く孤独を抱えるヒドの癒しの存在となって絆を育む過程がこの上なくピュア。4歳差だけど年上男子×年下女子ではなく、対等な目線でお互いを高め合っていく2人が美しくて、どこかはかなくて、胸が熱くなります。

韓国では年上の男性を「オッパ」と呼びますが、ヒドは「ペク・イジン」と名前で呼ぶところから2人の少し特殊な信頼関係が感じられます。
オッパだけどオッパ扱いされないペク・イジンですが、めちゃめちゃオッパなんですよ!!
フェンシングに打ち込むヒドを「誰よりも負けた経験で階段を積み上げてきた。ほしいものを手に入れろ」「ヒドには一瞬でも無駄な経験はさせたくない。幸せな経験だけしてほしい」と全肯定して応援してくれる頼もしさ。しかも、ヒドを見つめる眼差しが穏やかで優しくて、めちゃめちゃ甘い。この眼差し、(ときめきすぎて)有罪です。
クリーンな魅力と超絶ハンサムなのに素朴さも兼ね備えるリアコ感から、“現実彼氏”の異名を持つナム・ジュヒョクの演技力とのシナジーが最高で、あなたもきっと「あれ、私の初恋ってペク・イジンだったかな?」と記憶操作されてしまうはず。

役作りのために約半年間、ほぼ毎日フェンシングのレッスンに通ったそう。
未来を向いて高め合ってきた2人ですが、大人になるとその関係は少しずつ変わっていきます。イジンはTV局の記者、ヒドは国家代表選手となり、それぞれ多忙を極める中で、相手に負担をかけたくないイジンと喜びも苦しみもすべて分かち合いたいヒドはすれ違うようになり……。リスペクトし支え合う気持ちはあの時のままでも、人生のチャプターが変わってしまった。そのことに2人は気づいてしまった。青春が終わってしまったんですね。
お互いに思い合っているのにうまくいかない。頑張るほど遠くなっていく。そんな変化が切なくて切なくて……。2人が結ばれるまでが丁寧に描かれるおかげでどっぷり感情移入できちゃうので、まるで自分が経験したかのように胸が張り裂けそうになります。
夢に恋に友情に全力だったキラキラと眩しい時期は一瞬で過ぎ去ってしまうからこそ青春なのであり、永遠に続かなくてもその一瞬があったことは永遠に変わらない。そして、それは人生の宝物になる。本作は、そんなメッセージを伝えてくれているのだと思います。
青春の終わりを迎えたイジンとヒドがどのような道を選ぶのか。青春真っただ中の人も、青春が過ぎ去った人も、自分の思い出と重ねながら一緒にときめき、苦しみ、共感できる『二十五、二十一』。書いていたらまたペク・イジン앓이を発症しちゃいました。N回目の視聴、いってきます。
Netflixで見られる!
『二十五、二十一』
全16話
Netflixシリーズ「二十五、二十一」独占配信中
「やめられない、とまらない」を地で行くダークヒューマンドラマ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』

すぐキレるチョン・ジェジュン(パク・ソンフン)の襟足は長い。
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
全16話
出演:ソン・へギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨン、パク・ソンフンほか
Netflixシリーズ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」独占配信中
あらすじ
ムン・ドンウン(ソン・へギョ)は高校時代、裕福な家の娘パク・ヨンジン(イム・ジヨン)を中心とした特定の同級生らから壮絶ないじめを受けていた。ヨンジンの母親は育児放棄の状態で、先生に訴えても逆に暴力を受ける始末。その後、ドンウンは高校を退学。ヨンジンへの憎しみを抱え、働きながら勉強し大学に合格する。ある日、栄養失調で倒れたドンウンは病院で研修医のチュ・ヨジョン(イ・ドヒョン)と出会い、囲碁を教えてもらうことに。そして教師になったドンウンはヨンジンへの復讐を開始する。

ソン・ヘギョ演じるムン・ドンウンの体に残るおびただしい傷。絶句。
ここが見どころ!
高校時代に苛烈ないじめに遭って身体と心に消えない傷を負ったドンウンが、18年後、傷を負わせた同級生たちに復讐の牙をむく、という物語です。
本作でダークヒロイン・ドンウンに扮するのがソン・ヘギョ。大ヒット作『太陽の末裔 Love Under The Sun』(韓国では最高視聴率41.6%! すごっ!)などに主演して“ラブロマンスの女王”の名をほしいままにしてきた彼女が、今作では笑顔を完全に封印。虚無と言ってもいいほどの無表情で加害者たちを地獄へと突き落としていきます。

終始このような表情のドンウン。「笑うと目的が果たせなくなりそうで」
復讐のエッジの効いた容赦のなさは、いじめの凄惨さに比例しています。
ドンウンの高校時代、同級生の男女5人組に苛烈ないじめを受けていました。暴言・嫌がらせ、体中を殴る蹴るは序の口。高熱のヘアアイロンで火傷させるまでにエスカレート。いじめどころか犯罪レベルの所業なのに、加害者たちは学校や警察、そしてドンウンの親にまで手を回して、被害者であるドンウンの訴えを財力と権力にモノを言わせて封じ込めるのでした……。

大人になったヨンジンの表面の顔はお天気キャスター。
しかも、その後の加害者たちはお天気キャスターになって建設会社の社長と結婚したり、親のゴルフ場を引き継いだり、画家デビューしたり、CAになったりと、キラキラ陽キャライフを満喫。一方ドンウンは、18年もの間、夢も希望も失って、長袖の下に無数の傷跡を隠しながら苦難の道を孤独に歩き続けてきたわけですから、復讐に余念なし。
そんなドンウンの目的はたったひとつ。“加害者連中に社会的な死を与えること”。ゴミ箱を漁ってでも弱みを掴んで、加害者同士の対立を煽って、彼らが大切にしているものをひとつ、すべて取り上げていきます(震)。
「目には目を、歯には歯を、骨折には骨折を、傷には傷をもって償う。
そんなの、あまりにもフェアプレーでは? 皆さん」
魂に刻み込まれた復讐心に則って、ビシッと宣戦布告するドンウンにしびれます!
“クズ・オブ・クズ”のパク・ソンフンにも注目!

ドンウンを脅すジェジュン。
敵役のタチが悪いほど、復讐劇は深まるもの。
実際、パク・ソンフンの演技があまりに自然すぎて、役名のチョン・ジェジュンが本名だと思われることもあったとか。
それでは、ジェジュンは、どんなキャラクターだったのでしょうか。
ドンウンをいじめる5人のうちのひとり。裕福な家庭に生まれ、ブティックを経営していたり、親からゴルフ場の経営を任されるなど、金銭的に不自由したことのない人物。しかし、少しでも気に入らないことがあるとすぐキレて、相手を殴るという救いようのない金持ちのドラ息子なのでした。
さらにいじめ仲間のパク・ヨンジン(イム・ジヨン)とも肉体関係を持っているわ、三十代になっても同級生をパシらせるわ、CAやお店のスタッフをアゴでこき使うわの典型的な利己的横暴男。ちょっと思い返してみても、いいところがひとつも見つからないくらいのクズ・オブ・クズでした!

ヨンジンとジェジュンの関係性にも注目を
これまた大ヒット作である『涙の女王』のウンソンを演じた時は、孤高の成り上がり覇者にしか出せないキリッとした雰囲気が感じられたパク・ソンフン。しかし、本作のジェジュンは、労なくして親のお金&仕事&人脈で社会サバイブしていているせいか、全体的に退廃的な空気を纏っていました。そんな2人に共通するのは、愛する人の心を手に入れることができないという、悲しみと切なさ。愛憎入り乱れ過ぎて、周囲の人間すら巻き込んでの七転八倒からの“切なさたたえターン”は、パク・ソンフンにしかできない演技です。
Netflixで見られる!
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
全16話
出演:ソン・へギョ、イ・ドヒョン、オム・ジヨン、パク・ソンフンほか
Netflixシリーズ「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」独占配信中
華やかで刺激的!『セレブリティ』でインフルエンサーの世界をのぞき見

『セレブリティ』
全12話
出演:パク・ギュヨン、カン・ミニョク、イ・チョンア
Netflixシリーズ「セレブリティ」独占配信中
あらすじ
ある日、死んだはずのメガインフルエンサー、ソ・アリ(パク・ギュヨン)が突如配信を開始する。韓国中を騒然とさせた彼女は、自らの成功と転落をめぐる秘密を暴露すると宣言する。

化粧品の訪問販売員からソーシャルメディアの世界に飛び込んだアリを待ち受けていたものとは?
ここが見どころ!
イベントに招待されたり、高級ブランドからプレゼントを貰ったり。スマホの画面越しに見るンフルエンサーたちの毎日はキラキラと華やか。けれど、その裏は?
本作は、フォロワー数が富となり権力となるインフルエンサーたちの内幕を描いたドラマ。主人公ソ・アリは裕福な家庭に育つも、今は化粧品の訪問販売員として平凡な人生を歩んでいました。いわゆる“映え”には興味がなく、SNSとは無縁なアリでしたが、何気なくアカウントを作ったところ瞬く間に人気者に。アリはSNSの魅力に取りつかれていきます。

ドラマ序盤から髪を掴み合う喧嘩シーンが登場。
パーティーで髪を引っ張り合う喧嘩をしちゃうし、相手の服にワインだってぶちまけちゃうし、インフルエンサーたちのぶっ飛んだ行動は驚きの連続。もちろんドラマなので現実はそんなことないだろうけれど、“こういうこともあるのかなあ”なんて思ってしまうシーンもあったり。
ハラハラしながら、そしてツッコミながら夢中になってしまうので、週末に見始めることをおすすめします(笑)。
Netflixで見られる!
『セレブリティ』
全12話
Netflixシリーズ「セレブリティ」独占配信中
自分の夫と友人を結婚させる!? 最悪な人生をやり直すストーリーが痛快!『私の夫と結婚して』

© Studio Dragon by CJ ENM
Amazon Original 『私の夫と結婚して』
全16話
出演:パク・ミニョン、ナ・イヌほか
Prime Videoで独占配信中
あらすじ
末期がんを患うカン・ジウォン(パク・ミニョン)は、ある日、自宅で夫と親友の不倫現場を目撃する。2人に殺されたジウォンは、突然10年前の過去にタイムスリップし、2度目の人生で運命を変えようと奮闘する。
ここが見どころ!
韓国ドラマにあまり詳しくないという人でも、『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018)は観たことがあるのではないでしょうか。バリバリ働いて、優秀で、美しくてかわいいヒロインの敏腕秘書ミソに心を掴まれた人も多いはず。
2024年元日にスタートし、今年最初の話題作となった『私の夫と結婚して』は、そのミソを演じたパク・ミニョンの最新主演ドラマ。もう、それだけで見始める理由は十分でしょう。「ラブコメの女王」「視聴率女王」の異名をとる我らが(?)パク・ミニョン様が、またもやヒット作を生み出してくれちゃいました!

© Studio Dragon by CJ ENM
夫ミンファン(イ・イギョン)から金を無心され、姑から嫁いびりを受けるジウォンにとって、学生時代からの親友スミン(ソン・ハユン)は唯一の味方でした。ところが、ミンファンとスミンは不倫していた挙句、ジウォンにかけた保険金を狙っていました。しかも、わざとジウォンの病の発見を遅らせていたという最低最悪ぶり!
2人に裏切られ、命を落とすジウォンでしたが、気づくと結婚前の10年前にタイムスリップ。最悪な人生の結末を避けるために、自分を裏切ったミンファンとスミンを結婚させて、運命を変えることを決意します。
なんと、パク・ミニョンは、余命宣告されたジウォンを演じるために37kgまで減量したそう。「いつまでこのようにキャラクターに対する情熱を注ぐことができるのか疑問もあった。最後に大きな力を振り絞って死ぬ気でやってみました」と制作発表会で語ったパク・ミニョンの言葉から、役者魂と本作にかける強い思いが感じられました。

前世のシーンの撮影後は2週間かけて体重を戻したそう。© Studio Dragon by CJ ENM
最初の人生で学んだことを活かして、2度目の人生を切り開いていくジウォン。復讐というテーマこそあるものの、ドロドロの愛憎劇とは一味違う、ポジティブなエネルギーも共存しているのが本作の魅力。裏切り者たちに仕返ししながら、優しいがゆえに人の言いなりになってきた自分とも決別し、自分らしく生きようとするジウォンを応援したくなります。

一つずつ運命を変えていく姿が痛快!© Studio Dragon by CJ ENM
ジウォンの2度目の人生において重要な人物になるのが、上司のユ・ジヒョク部長(ナ・イヌ)。1回目の人生ではほとんど関わりがなかったはずなのに、タイムスリップした後は何かとジウォンのピンチに登場して……。

会社の後継者であることを隠し、部長として働くジヒョク(ナ・イヌ)。© Studio Dragon by CJ ENM
お察しのとおり(?)、ジヒョクはジウォンに想いを寄せているのですが、それがジウォンの2度目の人生にどう影響するのか。最初の人生で起きた出来事は次の人生でも必ず起きる中で、ジウォンはミンファンとの結婚を回避できるのか。転生&復讐&ロマンスが融合した刺激的なストーリーは、一度見始めたら止まらなくなること間違いなしです!
Prime Videoで見られる!
Amazon Original『私の夫と結婚して』
全16話
Prime Videoで独占配信中
最高視聴率27.3%!『愛の不時着』超えのロマンチックコメディ『涙の女王』

『涙の女王』
全16話
出演:キム・スヒョン、キム・ジウォン、パク・ソンフンほか
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
あらすじ
ソウル大学法学部出身の弁護士ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)。実家が地元の名士で“スーパーマーケットの王子”とも呼ばれる彼は、財閥クィーンズグループの3代目で、クィーンズデパートの社長ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と結婚する。財閥家の婿となったヒョヌは皆が羨む“逆玉の輿”だが、結婚3年目を迎えた夫婦仲は最悪。冷淡な性格のヘインにも財閥の尻ぬぐいをする生活にも限界を感じ、離婚を決意する。そんな折、ヘインが余命3カ月であることが発覚。ヒョヌは計画を変更し、遺産を受け取るために愛妻家を演じることを思いつく。一方、ヘインの大学時代の友人で投資家のユン・ウンソン(パク・ソンウン)は韓国に戻り、クィーンズグループに接近する。ウンソンの登場によりヒョヌ&ヘイン夫婦の関係にも変化が……。
ここが見どころ!
本作は、昨今の韓国ブームの起爆剤となった『愛の不時着』を手掛けた作家パク・ジウンの新作であり、韓国で『愛の不時着』の視聴率を超えた大大大大大ヒットドラマ。下半期放送予定のドラマを含めても2024年トップ3に入ること間違いなし。4月28日に最終回を迎えたので、イッキ見派も今からスタートしちゃってください!

オマージュが話題となったヒョヌ&ヘインの結婚式。
W主演を務めるのは、『サイコだけど大丈夫』のキム・スヒョンと『私の解放日誌』のキム・ジウォン。
キム・スヒョンは『ある日~真実のベール』以来、約3年ぶりの連ドラ出演となり、パク・ジウン作家の作品に出演するのは『星から来たあなた』、『プロデューサー』に続いて3度目。歴代の2作品も大ヒットを記録している名作であり、韓ドラ好きにはたまらない最強タッグなのです。(『星から来たあなた』のド・ミンジュンが大好きなので両手を合わせて感謝しました)
一方、キム・ジウォンも『相続者たち』、『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』などで人気を博す俳優。『太陽の末裔Love Under The Sun』のクールなボブヘアのエリート軍医の、あの子です。
社会現象を巻き起こしてきた大ヒットドラマの俳優陣&作家が集まった本作は、「あっ!」となる粋な演出が盛りだくさん。ドラマ冒頭で描かれるヒョヌとヘインの挙式シーンは、『愛の不時着』から誕生したビッグカップルであるヒョンビン&ソン・イェジン夫婦の結婚式をオマージュ。景色のいい屋外の式場であること、花のアーチなど一瞬でピンとくる演出となっています。

財閥3世のホン・ヘイン(キム・ジウォン)。
“デパート業界の女王”と呼ばれるヘインは、内にも外にも敵の多い環境の中で後継者最有力候補まで登り詰めた強さを持つ女性。美貌も実力も名声も兼ね備えたヘインの根拠のあるプライドの高さは清々しく、「ヘイン姫」と呼びたくなるヒロインです。
そんなヘインは、ヒョヌへの態度も冷たいうえに、財閥一族の婿となり肩身の狭い思いをしている夫を気遣うこともなく、なんなら家族の集まりにわざと遅れて呼ぶという自己中っぷり。そりゃ夫婦の愛も冷めるわ……と思ってしまいますが、実はヒョヌのことを大切に想っていて、集まりに遅れて呼んだのも意地悪な家族からヒョヌを守るため。ヒョヌに横柄な態度をとる弟を裏で懲らしめるなど陰で盾となってあげているのですが、それがヒョヌに伝わっていないという不器用さが愛らしい。

クイーンズグループ法務取締役兼、クイーンズデパートの法務チーム長のヒョヌ(キム・スヒョン)。
離婚したいけれど財閥家からの報復に怯えていたヒョヌは、ヘインが余命僅かだと知り、3ヵ月我慢すれば円満に別れられるとニヤリ。さらに、ヘインが結婚前に「ヒョヌに遺産を渡さない」という遺言書を書いていたことを知り、遺書を書き換えてもらおうと愛しているフリをするのですが、ここでキム・スヒョンのコメディ演技が炸裂! ヘインが息をしているか確かめようと顔を近づけたところ、寝ていたヘインが目を覚まして思わずキスで誤魔化したり、会議中にヘインが咳込んだだけで「救急車を呼んでください!」と指示したり。ヘインの病状について説明を受けるシーンでも、言葉は心から妻を心配している夫だけど、顔には「治られてしまっては困る」と書いてあって、オーバーでチグハグなヒョヌがおかしくてかわいい!!
そうしているうちに、だんだんとヘインへの愛が復活していくヒョヌ。そんな自分を否定しつつも、ヘインのピンチには必ず駆けつけちゃうんだからかっこいい。商談のチャンスを掴みに出席したパーティーで、参加者たちがほぼパートナー同伴だと知ったヘインが少し自信をなくしていると、さくっと裁判に勝訴して一番大事な場面ですっと横に現れたり、ヘインを襲おうとするイノシシを一発で仕留めたりだとか、かっこいいモードのヒョヌはまさにスーパーマン。ドラマを見ながら何度「ペク・ヒョヌー!!!!」と叫んだことか。
そして、ドラマのタイトルにあるように、本作は涙の演技もすごいんです。全16話でキム・スヒョンが涙を流したシーンは計40回(!)にも及び、くすっと笑える涙から、ヘインへの深い愛情が滲む涙、泣き叫ぶ姿などなど、キム・スヒョンの多彩な泣きの演技はさすが。主演2人の演技に引き込まれて、おもしろいのに涙が止まらない状態に。

ヘインに異常なまでの執着を見せるウンソン(パク・ソンフン)。
本作は悪役たちの演技も輝きまくり。『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』のチョン・ジェジュン役でおなじみのパク・ソンフンが今回もド級の悪役を熱演しています。
アメリカ・ウォール街で実績を積んで戻ってきたユン・ウンソン。パーティー会場でヒョヌと初対面にもかかわらず「僕たちいい関係だったんでね」と挑発するなど、序盤から嫌~なオーラ全開。仕事に絡めてヘインの横をキープするわ、え?図々しくないですか? とツッコミたくなるくらいクィーンズグループ邸宅に入ってくるわ、夫婦だけでなく財閥一族を蝕むような不気味さは鳥肌もの。
学生時代からずっとヘインが好きだった……みたいな、一途な2番手男子なわけがありません。巨大な企みを持って夫婦仲を壊そうとするウンソンにイライラ!いや、イッッッッッッライラ!!一方で、獲物を定めるようなギロリとしたウンソンの目つきは、ゾクッと背筋が凍るほど。こんなに嫌いになれるのも、パク・ソンフンの演技力の賜物にほかなりません。打ち上げのフォトセッションで「ウンソンを憎んでも、僕のことは憎まないでください」と語るのも納得の悪役ぶりを見せてくれたパク・ソンフン。彼のおかげで物語がさらに盛り上がったのは間違いありません。
Netflixで見られる!
『涙の女王』
全16話
Netflixシリーズ「涙の女王」独占配信中
唐揚げになった娘を救え!ぶっとんだ設定&名優たちの演技力に魅せられる『タッカンジョン』

『タッカンジョン』
全10話
出演:リュ・スンリョン、アン・ジェホン、キム・ユジョンほか
Netflixシリーズ「タッカンジョン」独占配信中
あらすじ
チェ・ソンマン(リュ・スンリョン)が経営する「モドゥン機械」に届いた不思議な機械によって、ソンマンの一人娘チェ・ミナ(キム・ユジョン)がタッカンジョンに変身してしまう。ソンマンはミナを人間の姿に戻す方法を探るため、部下のコ・ベクジュン(アン・ジェホン)と奇妙な大冒険に乗り出す。
ここが見どころ!
本作は、韓国の同名ウェブ漫画を原作としたミステリーコメディ。韓国で観客動員数1,600万人を突破したメガヒット映画『エクストリーム・ジョブ』(2019)のイ・ビョンホン監督が脚本・演出を務めました。
ドラマのタイトルでもある「タッカンジョン」は、韓国でおやつとして昔から親しまれてきた「甘辛タレを絡めた鶏のから揚げ」のこと。謎の機械に足を踏み入れた愛娘が人間からタッカンジョンに姿を変えてしまうという、なんともぶっ飛んだストーリーです。

タッカンジョンを差し入れに来たミナ(キム・ユジョン)。疲労回復の機械だと思って入るが……。

信じられないと思いますが、ミナです。
愛する娘を取り戻すために奮闘するソンマン役には、リュ・スンリョン。前述の『エクストリーム…』で潜入捜査の一環としてチキン屋を経営することになる主人公を演じており、今作でイ・ビョンホン監督と夢の再タッグ!彼がチキン関連のキャラクターを演じるのはこれで3度目(!)。韓国のバラエティ番組で「鳥類専門俳優です」と自己紹介するなど、本人もチキンとの親和性を楽しんでいるようです(ハマり役が新種すぎる)。

娘ミナ(タッカンジョン)を大事そうに抱えるソンマン(リュ・スンリョン)。
ミナに想いを寄せるソンマンの部下ベクジュンを演じるのは、『マスクガール』(2023)での怪演が記憶に新しいアン・ジェホン。イ・ビョンホン監督の初ドラマ『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』(2019)に出演しており、彼も再タッグ。この3人が集まったというだけで、面白さは保証されたも同然です。

いつも同じコーデのベクジュン(アン・ジェホン)。作詞作曲が趣味。
ミナがタッカンジョンに変わる瞬間を目撃していたベクジュン。最初は信じなかったソンマンも、彼の深刻な表情を見て状況を飲み込み、2人は内密に人間に戻す方法を模索することに。しかし、一口サイズであるせいで普通のタッカンジョンと混ざってしまったり、食べられそうになってしまったりと次から次へとハプニングが勃発! そのたびに必死の形相で「ミナ~!!!」と叫び、全力でタッカンジョンを守るソンマンたち。シュールな描写がくすっと笑いを誘います。
軽快なコメディパートが続く一方で、謎の機械を届けた人が死んだことが発覚したり、キーマンである研究者が失踪したりと、どこか不気味な空気も漂っていてハラハラ。笑いと緊張が交差する展開は、まさに甘辛いタッカンジョンのようです。

失踪していた研究者と、その甥が現れて……。

人気タッカンジョン屋の店員たちも参戦!?
物語は後半に行くにつれ、さらにカオスになっていきます。「なんのこっちゃ」な展開が続くのですが、ユーモアの中に「現代社会を風刺している?」と思わせるようなシリアスな面もあり、観賞前と観賞後の印象が大きく異なる作品でした。
イ・ビョンホン監督作品の魅力である、独特なセリフの掛け合いも健在。1話30分ちょっとでサクサク進むので、最初は軽く楽しみながら、2回目はセリフの掛け合いやさまざまなドラマ・映画のオマージュを味わいながら、3回目は本作に込められたメッセージを考えながら……と見直したくなる作品です。
Netflixで見られる!
『タッカンジョン』
全10話
Netflixシリーズ「タッカンジョン」独占配信中
チェ・ウシクとソン・ソックの神がかり的共演を見逃さないで!『殺人者のパラドックス』

バイト中のタン(チェ・ウシク)。全身からにじみ出る、やる気のなさが自然!
『殺人者のパラドックス』
全8話
出演:チェ・ウシク、ソン・ソック、イ・ヒジュン、キム・ヨハンほか
Netflixシリーズ「殺人者のパラドックス」独占配信中
あらすじ
平凡な毎日に飽き飽きしている大学生のイ・タン(チェ・ウシク)。授業も真面目に受けず、ゲームに明け暮れ、コンビニのバイトも遅刻気味でやる気はない。ただなんとなく生きる毎日にうんざりしていたある日、タンは、ひょんなことから人を殺めてしまう。事件を担当していた刑事のチャン・ナンガム(ソン・ソック)は、被害者に関する驚くべき情報を得て……。
ここが見どころ!
連日の猛暑、まいっちゃいますよね……。そんな時は、涼しいお部屋で韓国ドラマを視聴するのが一番!
今回紹介するクライムサスペンス『殺人者のパラドックス』は、全8話とコンパクトながらも、息を飲む展開の連続に、時間と暑さを忘れること請け合いの作品です。
本作はダブル主演。無気力な大学生から殺人者へと変貌を遂げるタンを演じたのは、米アカデミー賞で4冠に輝いた映画『パラサイト 半地下の家族』で、ソン・ガンホの息子役を演じた演技派俳優チェ・ウシク。タンを追う刑事ナンガム役には『D.P. -脱走兵追跡官-』や『私の解放日誌』などで注目された遅咲きの個性派俳優ソン・ソックが。唯一無二の魅力を持つ俳優2人の演技対決の見どころに迫ります!
(ネタバレあります)

タン(写真左)の元へ聞き込みにきた刑事ナンガム(ソン・ソック)。背中だけでデキる刑事ってわかる。
「こんなに冴えない主人公でいいのか」と思うほど、主人公の大学生タン(チェ・ウシク)は卑屈で無気力。そんなタンは、ある日男性に暴力を振るわれ、反撃したところうっかり殺してしまう。パニックになった後、深い罪悪感に苛まれるタンですが、幸か不幸か殺害した人物は凶悪な犯罪者でした。そんなことが何件か続いた後、タンは自分に悪人を見極める能力があると気付くのでした。そんな中、犯罪への嗅覚が鋭い刑事ナンガムに目を付けられ……。
驚くべきはタンの能力。彼が起こす殺人は、すべて証拠が消えてしまうんです。作品タイトルの“パラドックス(逆説)”が意味する通り、指紋を残しても、現場に凶器を置き忘れても、なんならタンが自首しようとしたって捕まらない。
恐るべきこのチート能力と無害そうな見た目が、次第に彼自身と周囲の者たちの運命を狂わせていきます。途中から登場する、タンのバディのノ・ビン(キム・ヨハン)と、猟奇的な元刑事ソン・チョン(イ・ヒジュン)、そして、ナンガムの運命は絡み合って、もつれ合って。特に中盤からは、まるでリュージュに乗せられたかのように、先が見えないまま最終回まで駆け抜ける! 見事に張られた伏線によって「え、そういうことだったの⁉」と納得できるので、最後の最後まで観てくださいね。

人生が変わった運命の日。ここからタンは殺人者として覚醒していく。
回を重ねるたび、キャラクターの性格が変貌していきます。
殺人を犯した当初は恐れおののき、悔いてばかりいたタンは、次第に積極的に殺人を犯す人間へと変わっていく。そして、悪と善の境目にいるような矛盾したキャラクターを演じるチェ・ウシクの顔つきも、何かに取り憑かれたようになって、キリリと引き締まってくるんです。
観ていくとわかると思うのですが、序盤と中盤、そして終盤のタンは、まるで別人で震えます……。

ガム風船を膨らましながらタンに事情を聞く、刑事ナンガム。カッコいい♡
一方、そんなタンの前に現れるの刑事が、ソン・ソック演じるナンガムだ。ガタイが良くて、カンのいい、いかにも有能な刑事の役は彼にピッタリ。
最初は、一匹狼的な暴走系刑事だと思っていたのですが、アウトローどころか、警察という組織の一員として、人間味溢れる人柄がクローズアップされていきます。
執拗で高圧的な捜査の裏に秘められた苦悩。それも、目線や息づかいだけで、その辛さや苦しみを表現するソン・ソックの絶品演技に圧倒されます。クライマックスで、長年の呪縛から解き放たれ、新たな選択をするナンガムの変貌ぶりにもご注目を。
しかし、このナンガム、ワイルドなヒゲ姿で、たたずまいは大人の魅力たっぷりなのに、時折見せる笑顔はとってもキュート♡ このギャップは反則です!

現場を調査するナンガム。何をしても、だだもれてくる色気。
実は主演の2人以外にも、物語を盛り立てる重要なキャラクターが。この人たちもとんでもなく演技が上手いんです!
先程もお話しましたが、中盤から登場するイ・ヒジュンが演じたソン・チョンと言う元刑事のキャラクターも強烈。“後半の裏主人公”といってもいいくらい、記憶に残るというか、トラウマになりそうな悪役で、終始ドン引き(ほめてます)。「罪悪感って知ってます?」と問いただしたくなるくらい、サクサクと人を殺していくチョンの狂気に戦慄。それなのに目が離せないというか、気が付いたら、チョンを目で追っている自分に、また戦慄……。

ナンガムが銃口を向けているのは誰なのか。本編でチェックを。
ほかにも、殺される人物がほぼ犯罪者、それもクズ・オブ・クズばかりという設定だったり、「正義とは何ぞや」「断罪とは何ぞや」といった答えのない問いかけがあったり、殺人シーンで突然スローになったり。タンの見る悪夢の中で、殺した相手が突然踊り出したり、生首状態で語りかけてくるなど、不穏でシュールな幻覚の数々が、物語にスパイスを添えていて素晴らしいです♡
Netflixで見られる!
『殺人者のパラドックス』
全8話
Netflixシリーズ「殺人者のパラドックス」独占配信中
胸が熱くなる青春スポーツロマンス『時速493キロの恋』

『時速493キロの恋』
全16話
出演:チェ・ジョンヒョプ、パク・ジュヒョン、キム・ムジュン、パク・ジヒョンほか
ディズニープラス スターで全話独占配信中
© 2024 Disney and its related entities
あらすじ
バドミントン用品販売店を経営する親の影響でバドミントン選手となったパク・テジュン(チェ・ジョンヒョプ)。彼にとってバドミントンは“職業”に過ぎなかった。ある日、かつて天才少女と呼ばれながらも、こつぜんと姿を消したパク・テヤン(パク・ジュヒョン)が復帰する。同じ実業団チーム・ユニスに所属することになったテジュンとテヤンは、男女混合ダブルスのパートナーになる。
ここが見どころ!
『Eye Love You』でヒョプ様ことチェ・ジョンヒョプにハマり、彼の過去の出演作を遡って観たという人も多いのではないでしょうか。
今回紹介する『時速493キロの恋』は、チェ・ジョンヒョプの初主演ドラマ。こんなピュアで優しい人が現実にいたらいいのに!と思わせる好青年キャラが似合うチェ・ジョンヒョプですが、本作で演じたテジュン役は、その魅力+等身大の“リアコ感”がたまらないんです!
ちなみに、時速493キロとは、2013年にマレーシア選手が樹立した当時のスマッシュ世界最速記録。韓国語の原題は『君に行く速度493キロ』で、“あなたへの愛の速度はこれほどに速い”という意味が込められています。

選手の怪我よりも試合を優先する監督に嫌気がさし、所属していたチームを辞めるテジュン(チェ・ジョンヒョプ)。
非公式記録ながらスマッシュの世界最高速度493kmを打つほどの才能がありつつも、バドミントンはお金を稼ぐ手段と割り切って実業団選手をしているテジュン。その背景には、幼い頃からスター選手の姉と比べられて寂しい思いをしてきた影響がありました。
テジュンは25歳。この年齢って変わろうと思えば変われるけど、学生の時ほど身軽じゃないし、仕事や未来に対するモヤモヤを感じるようになってくる頃じゃないですか。そんな25歳のリアルをチェ・ジョンヒョプが自然な演技で表現していて、本気になることをやめてしまったテジュンのちょっと斜に構えているところや冷めた感じが、彼のはまり役である好感度100%の好青年キャラとは一味違って、また魅力的。近所にいそうな親近感が(絶対にいないけど)テジュンのリアコ属性を押し上げています。
そんなテジュンですが、「私にはあんたの才能が見える」と自分の実力を真っすぐ認めてくれたパク・テヤン(パク・ジュヒョン)にぐっと心を掴まれちゃいます。不愛想なのに恋に落ちるポイントがピュアなところもまたかわいい……!

テヤン(パク・ジュヒョン)は約190万円という安すぎる契約金と引き換えに現役復帰のチャンスを掴む。
テヤンは、“韓国バドミントン界の未来”と期待された有望株。ある事件によってコートを離れますが、競技を諦めきれず、3年のブランクを経て現役に復帰します。演じるのは、『人間レッスン』のパク・ジュヒョン。
テジュンとテヤンは幼い頃に出会っていて、テヤンがバドミントンを始めたのは彼女の才能を見抜いたテジュンがきっかけだったというビハインドも韓ドラ好きにはたまりません。飲み屋でテヤンと偶然再会したテジュンが「12歳の時から応援してた」と言い、引退してコーチにでもなろうと考えているテジュンに、今度はテヤンが「私も12歳からあんたのこと応援してたよ」と簡単に辞めようとするなと言うんですよ。ドラマ序盤に登場する何気ないセリフからすでに爽やかで熱い! きらきらとした清らかさが疲れた現代人(私)の心に恵みの雨のように降り注いで、うるおいで満たしてくれます。

劇中ではテジュン、テヤンとバチバチですが、実年齢ではみんなの弟ポジションなキム・ムジュン(1998年生まれ)。
そして、本作には『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)で話題のキム・ムジュンもメインキャストとして出演しています。彼が演じるのは、ユニスのエース兼国家代表選手で、人気もプライドも高い気難しいスター選手のユク・ジョンファン。テヤンの過去の事件と関りがあり、最初はかなりツンケンしていていけ好かないんですが、天才肌に見えて誰よりも努力していたり、ある人を一途に思い続けていたりと、回を追うごとに魅力が増していきます。サブカップルとしてロマンス演技もあるので、キム・ムジュンファンも必見です!
チェ・ジョンヒョプとは『わかっていても』でも共演したほか、今年は同じTBS系で日本のドラマに挑戦した共通点があり、キム・ムジュンのInstagramにチェ・ジョンヒョプが「応援してます。がんばってください。(ブラックペアンの)初回放送おめでとう」と書き込んで祝福し、キム・ムジュンが「ありがとうございます。がんばります。笑うと福が来ます」と返信するという微笑ましいやり取りがありました。2人とも日本語をハングルに変換して書いていてかわいいので、SNSも覗いてみてください♡。
そのほか、『ユミの細胞たち』のパク・ジヒョン、『ヒエラルキー』のイ・チェミンなど、注目の若手俳優が出演しています。チェ・ジョンヒョプが「ラケットの握り方から練習した」と語るバドミントンシーンも見応え抜群。パリ五輪と高校野球でスポーツ熱が高まった8月の締めくくりに、爽快感たっぷりのスポーツロマンスはいかがでしょうか。
Disney+(ディズニープラス)で見られる!
『時速493キロの恋』
全16話
ディズニープラス スターで全話独占配信中
© 2024 Disney and its related entities
観るだけで元気になる! 笑いも胸キュンも保証する『損するのは嫌だから』

Amazon Original『損するのは嫌だから』
全12話
出演:シン・ミナ、キム・ヨンデ、イ・サンイ、ハン・ジヒョンほか
Prime Videoで独占配信中
あらすじ
損をすることが何よりも嫌いなソン・ヘヨン(シン・ミナ)。会社の同僚である元カレの結婚式で二股をかけられていたことを知り、ご祝儀を損してしまう。さらに、ヘヨンが働く「クルビ教育」は子供がいる家庭をターゲットにしているため、スピード出世が狙える社内アイデア公募も、手厚い会社の福利厚生も、既婚者のほうが圧倒的に有利。独身という理由で損することに納得できないヘヨンは、行きつけのコンビニ店員キム・ジウク(キム・ヨンデ)に新郎のアルバイトを持ちかける。
ここが見どころ!
ラブコメクイーンと名高いシン・ミナと『ペントハウス』『流れ星』などで話題の若手俳優キム・ヨンデによるラブコメディ。実年齢12歳差の2人がカップルを演じることで放送前から話題を呼び、放送が始まると「見始めたら止まらない」「ほっこりしてキュンキュンする」「一生観ていたい」と“沼る”視聴者が続出しました。16話構成が多い韓国ドラマの中では短めの全12話なので、そのおもしろさにドハマりしつつ、寝不足にならない範囲でイッキ見が可能です!
まず、注目したいのがヒロインの名前。韓国語で「損害」は「ソンヘ」、「0(ゼロ)」は「ヨン」と発音します。つまり、ソン・ヘヨンという名前は「損害ゼロ」というダブルミーニングになっているんです。また、ヘヨンはジウクを「ピョン」と呼びますが、韓国語で「コンビニ」は「ピョンウィジョム」、「夫」は「ナムピョン」、そして「味方」は「ピョン」。すべて「ピョン」という音が共通しているんです。こうした言葉遊びも韓ドラの魅力のひとつですよね。
そして、これは私の予想ですが、ジウクはヘヨンを「ソンニム(お客様)」と呼んでいて、ヘヨンの苗字は「ソン」。韓国では相手を苗字だけで呼ぶ風習はないけれど、音だけで考えると「ソン様」にもなり、コンビニ以外の場所で呼んでも怪しまれない“愛称っぽさ”が出るような仕掛けになっているんじゃないかなと思いました。
それでは、本題へ!
「ラブコメクイーン」という修飾語が存在するように、ラブコメはヒロインをいかに魅力的に描くかが視聴者の心を掴むうえで重要なポイントだと思うのですが、打算的なヘヨンを見ていて嫌な気持ちにならないのは、相手にも損をさせたくないという優しさが根底にあるから。
偽の結婚式を挙げるというぶっ飛んだところはあるものの、誰かを蹴落として利益を得ようとするのではなく、損しないために頑張っているだけ。だから、ヘヨンが損だと不満を抱くポイントは「言われてみればたしかにな……」と共感できることなんですよね。両親が保護が必要な子どもたちを受け入れる里親をしていて、自分に注がれるはずだった愛情や関心が里子たちに向けられていると感じて育ったことがヘヨンの性格に影響しているのですが、優しい両親に似た愛情深さが滲み出ていてすんなりと感情移入することができます。

ヘヨンのオフィスルックもかわいくて終始眼福!
損が大嫌いなヘヨンに対して、ジウクは“聖人君子”と呼ばれるほど他人に被害を与えることが嫌いな男。一度は“1日新郎”のアルバイトを断るも、ヘヨンのアルバイト募集が悪用されかけていることに気づき、仕方なく新郎役を引き受けることに。結婚式だけを挙げて終わるはずが、ある事情からヘヨンの会社に入社せねばならなくなり、今度は偽装夫婦を演じるのですが……。

2017年にデビューしたキム・ヨンデは、中学生の頃からシン・ミナのファンだったそう!
ヘヨンが33歳、ジウクは26歳。7歳差の年下男子だけど、柔和で落ち着いた雰囲気をまとい、ヘヨンの隣を守り続けるジウクが頼もしい。クールとイノセントが共存するキム・ヨンデの魅力が引き立っていて、また新たなはまり役に出合ったのではないでしょうか……! ジウクの助け舟に乗りながら豊かな人生経験を武器にトラブルと向き合い、恋愛に関しても「私たちのことだけを考えられる時に交際を始めたい」とはっきり伝える大人の余裕があるヘヨンもかっこよく、心地よい安心感に癒されるラブコメに仕上がっています。
もちろん、年の差恋愛の醍醐味であるかわいい年下男子×一枚上手な年上女子の胸キュンモーメントもしっかりたっぷり登場しますのでご安心を。仏頂面だったジウクが後半に進むにつれて甘さ全開になるギャップは、沼落ち不可避どころか、助走をつけて沼に飛び込みたくなるはず。第5話からヘヨンを見つめるジウクの眼差しが優しくなったな~と変化を感じていたのですが、後にその理由が明かされるので、ぜひ注目しながら楽しんでいただきたいです。

ナム・ジャヨン。ヨン・ボラのペンネームで成人小説の作家をしている。

ポク・キュヒョン。「クルビ教育」のCEO。母がヨン・ボラの読者であることにショックを受ける。
サブカップルもこれまた魅力的。ヘヨンの両親の里子で、ヘヨンの同居人のジャヨンを演じるのは、『ペントハウス』でキム・ヨンデと双子役を演じたハン・ジヒョン。相手役のキュヒョンを『海街チャチャチャ』でシン・ミナに片思いするPD役を演じたイ・サンイが務めています。それぞれがメインカップルと共演歴がある俳優が起用されているなんて、韓ドラファンとしてアガらずにはいられないポイント!
また、ハン・ジヒョンとイ・サンイは、同じくPrime Videoで配信中のスピンオフドラマ『社長のお品書き』でも共演しています。ジャヨンが自身の作品の主人公になり、小説の中のキャラクターのカン・ハジュンと恋に落ちるロマンスファンタジーに仕上がっているので、そちらもぜひチェックを。
本編に話を戻しまして、ジャヨンとキュヒョンは作家とアンチとして出会うのですが、本作では誹謗中傷の書き込みといった現代社会のさまざまな問題も描かれます。その一方で、シリアスなシーンにも必ずコミカルな要素が盛り込まれていて、ぐっと集中した次の瞬間には爆笑させられるという緩急が絶妙。特に、イ・サンイとヘヨンの元カレ役のソン・ウォンソクの活躍が素晴らしく、あなたたちがいてくれてよかった~! と心の中で何度も感謝しました。
2024年に観たドラマの中でいちばん笑い、シン・ミナのキュートな魅力に、キム・ヨンデの年下男子のメロさに癒された『損するのは嫌だから』。コミカルなシーンは笑い声をこらえるのが不可能なレベルなので、外で観る時は周りに人がいないか確認することをおすすめします(笑)。
Prime Videoで見られる!
『損するのは嫌だから』
全12話
Prime Videoで独占配信中
イム・シワンの怪演にゾゾッ! 『スマホを落としただけなのに』

終始こんな感じなんですよ、ジュニョン(イム・シワン)って。綺麗なのに怖い。
『スマホを落としただけなのに』
映画
出演:チョン・ウヒ、イム・シワンほか
Netflix映画『スマホを落としただけなのに』独占配信中
あらすじ
帰宅途中に大事なスマホを紛失してしまった、平凡な会社員ナミ(チョン・ウヒ)。スマホを拾ったジュニョン(イム・シワン)は、スパイウェアをインストールしてナミに届ける。その日からジュニョンはナミの日常生活を監視し始める。居場所から趣味、好み、仕事、お金、SNSに至るまで、全ての情報を知り得た上でナミに近づいていく。
一方、連続殺人事件を捜査しているジマン(キム・ヒウォン)は、事件現場で、数年前に家出した息子ジュニョンの痕跡を発見。最悪の結末を想定しながら、秘密裏にジュニョンの居場所を探るのだが……。

拾ったナミのスマホをまるで自分のスマホを見ているかのようにのぞくジュニョン(イム・シワン)。怖い!
ここが見どころ!
みなさん、2024年12月26日が何の日か知っていますか?
そう、世界的ヒットを記録した『イカゲーム』のシーズン2配信の日です!
今回、取り上げる作品の主人公は、『イカゲーム』シーズン2に新規参戦する俳優のイム・シワン。ボーイズグループZE:Aのメンバーとして2010年にデビューし、現在はドラマや映画に活躍の場を広げ、好青年から狂気キャラまで幅広い演技力で存在感を高めている彼。本作では、自らの罪深さを露ほども気にしていないどころか、それを楽しむかのような悪役ぶりを見せつけ、ヒロインと視聴者を翻弄するジュニョン役を怪演し、視聴者をお茶の間から極寒の地獄へと突き落としてくれています!
そんなわけで、みどころをポイントを紹介しますね。

スマホを落としてから身に覚えのないトラブル起きに見舞われ、次第に孤立するナミ(チャン・ウヒ)。
キャッシュレスが定番となった現在、スマホを落としたら何にもできないし、万が一、悪意を持った人間に拾われたら、個人情報を抜き取られて詐欺事件へと発展する可能性も否めませんよね。
そんな身近な恐怖を緻密に描いたのが、映画『スマホを落としただけなのに』。元々は日本でヒットした同作品を韓国がリメイク。といっても、「スマホを落とす→危ない人物に拾われて、ヒロインが大変なことに」という大まかな設定は同じですが、それ以外は全く異なるストーリーです。
たとえば、日本版で軸となるのは「被害者カップルの恋愛」や「幼少期のトラウマ」。本作の場合、起こるハプニングすべてがオリジナル。スマホを通じて、何もかもが監視されているヒロインの描写は、巧妙&リアルすぎて不気味としか思えません……。スリリングなかつ容赦のない展開にゾゾッ!

身分を偽ってナミに近づくジュニョンと、彼を訝しげに見つめるナミ。
韓国版では、イム・シワン演じるジュニョンが、正体を隠しながら主人公・ナミに近づき、彼女の人間関係をひとつひとつ壊して、孤独にしたところで牙をむく……のですが、もう最初から犯人が明かされます(笑)。「犯人を明かしちゃったらつまらないじゃない!」とぷんすかモードに入る方もいるかもしれませんが、安心してください。この描写がのちに、ボディーブローのようにジワジワと効いてきます。終盤に埋め込まれた地雷のようなどんでん返しによって、犯人を知っているにも関わらず、背中がゾワ~とすることでしょう。
イム・シワンのイメージを花言葉風に言うと「清廉潔白」「善良な市民」。端正なルックスに謙虚さまで持ち合わせたミスター・パーフェクトなんですけれど、そんな彼からにじみ出る美しさは気高さまで感じるほど。そんなイム・シワンが犯人を演じるのですから、ああ怖い、もう怖い、そら怖い。サイコなキャラクターは、往々にして「ぎゃはは!」「あははは!」といった奇声を上げるイメージがあるのですが、本作のジュニョンは、そんなありきたりのサイコパスではありません。静かに狂っているのです。落ち着き払った様子で、優雅な笑みを浮かべながら、ナミをエスコートでもするかのごとく、やさしく、ジワジワと孤立させ、追い詰めていきます。

暗闇でナミのスマホをチェックするジュニョンが無表情すぎて怖い!
日本だと、ヒロインは受け身、守られるというパターンが多いですよね。その原則にのっとり、日本版では、監禁されたヒロインが救出されて、一件落着という流れ。しかし、韓国版では警察の捜査に協力したヒロイン父娘が殺されそうになりつつも、最終的には犯人に立ち向かっていくのです。
イム・シワンのサイコパス演技で、前半はすっかり忘れておりましたが、相手の女優はあのチョン・ウヒ。「ガンをつける」演技をさせたら、右に出る者はいない“ガンくれ猛者”ですよ!(彼女の仕事ぶりが気になる方は、映画『哭声/コクソン』や『悪の偶像』をチェックしてみてください。とにかく圧がすごい!)
チョン・ウヒVS イム・シワンのサイコパスというか恐怖対決ともいえるラストのシーンは、本当に見ごたえありです!

ナミとその親友ウンジュ(キム・イェウォン)。そして彼女も……。
いかがでしたか? あまりにも身近な「スマホ」からはじまるサスペンスには、「もしかして自分のスマホも……」と思わずにいられない、足元から忍び寄る恐ろしさを感じますよね。個人的には「スマホが怖い」とか「スマホと距離を置こう」という気分より、ナミのスマホを見ながら恍惚とした表情を浮かべるジュニョンが思い出されて、「自分は彼のような表情になってはいないだろうか」と、慌てて表情管理をし始めてしまった自分にゾッとしました……。
『イカゲーム』シーズン2配信まであと少し。刺激不足の夜には、サイコパスなイム・シワンを注入するのはいかがでしょうか。
Netflixで見られる!
『スマホを落としただけなのに』
出演:チョン・ウヒ、イム・シワンほか
Netflix映画『スマホを落としただけなのに』独占配信中
警察官の卵の凸凹コンビが大活躍する痛快アクション・エンターテインメント『ミッドナイト・ランナー』

『ミッドナイト・ランナー』
韓国公開:2017年
日本公開:2018年
出演:パク・ソジュン、カン・ハヌルほか
DVD&Blu-ray 発売中!
発売元:クロックワークス
販売元:TCエンタテインメント
© 2017 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
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配信情報:U-NEXT、Hulu、Prime Video
あらすじ
警察大学で勉強し始めて2年になる熱血学生、行動派のギジュン(パク・ソジュン)と頭脳派のヒヨル(カン・ハヌル)。親友の2人は外出先で偶然、拉致現場を目撃する。学校で学んだとおり警察に通報するも証拠が足りず捜査は一向に進まない。ギジュンとヒヨルはしびれを切らし、自分たちで被害者を救い出そうと奔走する。しかし、まだ現場経験のない彼らは予測不能な状況に出くわすこととなり…。
ここが見どころ!
劇場公開から約7年が経過した今もシーズン2を望む声が後を絶たない映画『ミッドナイト・ランナー』。2020年に放送された日本テレビ系ドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』の原作でもあります。
ストーリーは、警察学校の学生が若さと情熱を武器に拉致事件の捜査に乗り出すというもの。さっそく鑑賞ポイントを紹介していきます!

ヒヨル役のカン・ハヌル(左)、ギジュン役のパク・ソジュン(右)。
2017年の公開当時、パク・ソジュンは28歳。カン・ハヌルは27歳。両者ともすでに次世代ホープとして活躍していましたが、その後、パク・ソジュンは『梨泰院クラス』(2020)で世界的に大ブレイクし、映画『マーベルズ』(2023)でハリウッドに進出。カン・ハヌルも『椿の花咲く頃』(2019)、映画『ラブリセット 30日後、離婚します』(2023)などで活躍を続け、12月26日配信開始のNetflix『イカゲーム』シーズン2への参加も決定。『イカゲーム』では軍隊の中で最も過酷と言われる海兵隊出身のプレイヤーを演じるとのことで、どんな演技を見せてくれるのか期待が高まっています。
本作は、今や韓国を超えて世界から注目を集める俳優に成長した2人が、めきめきと頭角を表し始めていた20代に息を合わせた作品。そして、2人が演じるのは正義感あふれる警察官の卵ということで、熱くてフレッシュな魅力が弾けています!

「霜降りの韓牛を奢る!」というヒヨルの言葉に釣られたも同然のギジュン。
入学の最終テストである山を走る訓練で足を挫いたヒヨル。助けを求めるもみんなから見捨てられてしまいますが、ギジュンがゴールまで背負ってくれたことから2人の友情が始まります。
家計の負担にならないようにと学費無料の警察学校を選んだ母親想いのギジュンと、超英才たちが集まるエリート高校から警察学校に行ったら面白いんじゃない?と少し変わった価値観を持つヒヨル。正反対に見えてなんだかんだ馬が合う2人は警察学校で2年を過ごし、授業や厳しい寄宿舎生活にマンネリを感じていました。今年のクリスマスこそは女の子と過ごしたいとナイトクラブに行くのですが、遊び慣れてないしとにかくモテない。パク・ソジュンもカン・ハヌルも多くのファンをときめかせる魅力満点な俳優なのに、劇中ではしっかりダサい青年になっていて、モテない演技もうまいんだ!というかモテない演技とかあるんだ!と驚かされました。
ギジュンはいわゆる“脳筋キャラ”でピュアなかわいさがあり、ヒヨルは頭脳派だけどギジュンと同じ“熱さ”を持っていて、人間味あふれる凸凹コンビがとっても魅力的。キャラクターの設定年齢は20歳くらいだと思われますが、若者ならではの言葉遣いで繰り広げられる軽妙な掛け合いが見どころで、ナンパ用の笑顔を練習するシーンは何度見ても笑ってしまいます。パク・ソジュンもカン・ハヌルも今は30代半ばなので、ここまで若者っぽさがあふれる演技が観られるのは貴重かも。
ちなみに、断髪式でギジュンとヒヨルの髪を切る先輩役を演じているのは、『梨泰院クラス』でセロイの仲間スングォン役を演じたリュ・ギョンス。本作がパク・ソジュンとの初共演でした。

10年後のギジュン×ヒヨルの姿も見てみたい。
拉致された女性を自力で探すうちに、想像を絶する極悪犯罪に巻き込まれていくギジュンとヒヨル。犯罪シーン自体は少ないものの、犯罪組織が女性を拉致する目的がなんとも非人道的で……。クライム・サスペンスとしてもしっかりとした重みがあり、中盤から一気に疾走感が加速して目が離せなくなります。
ただなんとなく警察学校に入りモチベーションを失っていた彼らが、未熟ながら自分たちの力で事件を解決しようと奔走するうちに「警察官になりたい」という自覚と覚悟を持つようになる姿はとても感動的。指導官のヤン教授役が“国民的お父さん”ことソン・ドンイルさんなのがまた最高で、規則を破って無茶な行動をしたギジュンとヒヨルの処遇を審議するシーンは胸がグッと熱くなります。
ちょっとおバカな凸凹コンビのコメディ、夢を見つけて成長していく青春モノ、極悪犯罪に立ち向かうクライム&アクション、このすべてが見事なバランスで同時に成立していて、108分があっという間。平日の夜でもさくっと観れちゃうスピード感です。
キャリア組のヒヨルと現場で活躍するギジュンが再びタッグを組み、あの頃の情熱を思い出す……なんて続編もぜひ作ってほしい!
DVD&Blu-ray 発売中
『ミッドナイト・ランナー』
発売元:クロックワークス
販売元:TCエンタテインメント
© 2017 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.
U-NEXTで見られる!
『ミッドナイト・ランナー』
韓国公開:2017年
日本公開:2018年
U-NEXTで配信中
コン・ユとソ・ヒョンジンが初共演!奇妙な結婚生活を描いた『トランク』

『トランク』
全8話
出演:コン・ユ、ソ・ヒョンジンほか
Netflixシリーズ「トランク」独占配信中
あらすじ
音楽プロデューサーのジョンウォン(コン・ユ)は、元妻ソヨン(チョン・ユンハ)から復縁の条件として別の女性と1年間契約結婚することを提案され、非公然のマッチングサービス会社・NMからやってきたインジ(ソ・ヒョンジン)と偽装夫婦となる。少しずつお互いを知っていくジョンウォンとインジだが、湖のほとりで5,000万ウォン(約500万円)以上する限定盤のトランクが発見されたことにより、ある事件の渦中に巻き込まれていく。
ここが見どころ!
偽装結婚から始まるラブストーリーは韓ドラのお決まりとも言えるテーマですが、2024年11月29日に公開された『トランク』はちょっと違います。再婚相手は期間限定の結婚をあっせんする組織で妻を職業としている女性で、その再婚を提案し相手をマッチングしたのが元妻。さらに元妻も同じマッチングサービスを使って別の男性と再婚するという、胸キュンとはかけ離れた偽装結婚なんです。
W主演を務めるのは『トッケビ ~君がくれた愛しい日々~』などのコン・ユと、『浪漫ドクター キム・サブ』、『なぜオ・スジェなのか』などのソ・ヒョンジン。映画『ワンドゥギ』で知られる作家キム・リョリョン氏の同名小説を原作に、『大丈夫、愛だ』、『私たちのブルース』のキム・ギュテ監督が演出を、『花郎<ファラン>』のパク・ウニョン氏が脚本を手掛けています。

元妻ソヨンから“罰と休暇”という名目でインジとの再婚を迫られるジョンウォン。
コン・ユが演じるジョンウォンは、美術館のような大豪邸に住む超セレブの音楽プロデューサー。父親がとんでもない富豪だったため裕福に育ったいわゆる御曹司なのですが、その父親の家庭内暴力のせいで心に慢性的な闇を抱えていて、睡眠薬がないと眠れず、お互いに別の人と1年間再婚したら復縁するという無茶苦茶な条件も受け入れるしかないほど元妻ソヨンに精神的に依存しています。
コン・ユといえば、代表作である『トッケビ ~君がくれた愛しい日々~』が韓国で放送されてから8年以上になるわけですが、映画『トガニ 幼き瞳の告発』や『新感染 ファイナル・エクスプレス』、『82年生まれ、キム・ジヨン』、『イカゲーム』とさまざまなコン・ユを観ていても、筆者の中ではやはり『トッケビ』のアジョシのような、穏やかで優しくて、ちょっと茶目っ気もあるキャラクターが一番に思い浮かぶんですよね。バラエティなどで見せる素の姿も好奇心旺盛でキュートなイメージがありますし。だからこそ、常に不安そうで寂しそうで余裕がない“病んでいるやさぐれ御曹司”のジョンウォンを演じている姿は新鮮。パブリックイメージとは異なるコン・ユの新境地が見られる作品だと感じました。

韓国国内に3個しかない高級トランクを所有しているインジ。
配信されてすぐにイッキ見したのですが、それほど楽しみに待っていたのはコン・ユの相手役がソ・ヒョンジンだから。『僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~』では月イチで姿が変わってしまうお騒がせトップ女優役を愛嬌たっぷりに演じ、『なぜオ・スジェなのか』では冷徹なカリスマ弁護士役を演じてイメージを一新したように、さまざまな役をこなす豊かな表現力にくわえ、耳に一音ずつはっきりと入ってくる明瞭なセリフ回しの大ファンでして。本作でも持ち前のセリフ回しがジョンウォンに突き放されるような態度をとられても淡々と妻としての業務をこなすインジというキャラクターに説得力を与えています。

巨大な階段とシャンデリアが印象的なジョンウォンの豪邸。
そんなインジにも心の闇が。5年前、結婚直前に婚約者が失踪、ストーカー被害にも遭っていました。結婚とは何か、真実の愛とは何かを見失ったインジは、期間限定の契約妻としてこれまでに4回結婚し、5回目でジョンウォンと夫婦に。「結婚はうんざり」と言いながらさまざまな事情で結婚を必要とする人たちの妻となり、自分の荷物はトランク1つ分だけなのに元婚約者の家はそのまま残しているインジ。いわゆる“普通の結婚”を求めていた過去の自分に対する懺悔や、やり場のない怒り、悲しみを抱えているように見え、彼女も出口の見えない闇を彷徨っているのだと感じました。

湖で発見されたトランクの中身とは?
物語は、銃声が聞こえたという湖でインジのトランクと同じ型のトランクが発見されたところから始まります。その後男性の遺体も発見され、警察は殺人事件として捜査を開始。事件が発覚した現在と5ヵ月前のジョンウォンとインジの結婚生活が交差して描かれる複雑さや、状況を説明するようなセリフを削ぎ落した演出は、まるで小説を読んでいるかのよう。主演の2人も「見る視点によってさまざまな解釈が出てくるだろう」(コン・ユ)、「行間を読むべきところが多い」(ソ・ヒョンジン)と語っており、静けさの中に緊張感が漂うストーリーが斬新で魅力的。腰を据えて観たくなる難しさがクセになります。

離婚後もジョンウォンを支配しようとするソヨン。

インジにつきまとうオム・テソン。
自ら離婚しておきながらジョンウォンの家に隠しカメラを仕掛けて監視しているソヨン、再び動き出したインジのストーカーのオム・テソンと、登場人物全員が怪しくてクセあり。湖で発見された遺体は誰なのか、トランクはインジのものなのか。ラストまで「犯人はあの人か? いや、この人かも?」とハラハラさせられる展開が続いて目が離せません。

奇妙な結婚生活の結末は?
ミステリーを絡めながら嫉妬、憎しみ、支配欲、依存とさまざまな愛の形を描いた本作。お互いの傷を癒しながら本当の愛を知っていくジョンウォンとインジが美しく、尊かったです。マッチングアプリが普及したこの時代に配偶者を派遣するマッチングサービス会社が登場する設定もおもしろく、予想していなかった結末に思わず涙が。視聴者に余白を与える独特な雰囲気をぜひ楽しんでください。
Netflixで見られる!
『トランク』
全8話
Netflixシリーズ「トランク」独占配信中
型破りな外科医とその弟子たちによる重症外傷センター再建奮闘記『トラウマコード』

重症患者を診るペク・ガンヒョク教授(チュ・ジフン)。
『トラウマコード』
全8話
出演:チュ・ジフン、チュ・ヨンウ、ハヨン、ユン・ギョンホ、チョン・ジェグァンほか
Netflixシリーズ「トラウマコード」独占配信中
あらすじ
患者を生かした分だけ赤字になってしまう、名門・ハングク大学病院の重症外傷センターに、国境なき医師団の元メンバーで、紛争地域で活躍した経歴を持つ天才外科医のペク・ガンヒョク(チュ・ジフン)が着任する。ストレートで荒っぽい性格だが、的確かつ確実な医療スキルで、名ばかりだった重症外傷センターを型破りな救命チームへと育て上げていく。
ここが見どころ!
2024年末から主演ドラマ『愛は一本橋で』や『照明店の客人たち』が連続配信され、大活躍しているチュ・ジフンですが、2025年の春になっても爆走中! 今回紹介するのは、彼の主演最新作となる医療ドラマ『トラウマコード』。重症患者を専門に扱う重症外傷センターの活躍を描くメディカルヒーロー劇です。
早速見どころを紹介していきたいと思います!

第1話の冒頭がこの姿(笑)。この後、チュ・ジフンは、バイクを駆って駆って駆りまくるアクションで魅せます。外科医だけど。医療ドラマだけど!
こちらは人気WEB小説を映像化した作品。原作を読んでいた自分は配信を本当に楽しみにしておりました。感想としては、シンクロ率100%! 魅力度1000%!! 主人公の天才外科医ペク・ガンヒョク役にチュ・ジフンをキャスティングした方を拝み倒したいくらい、かぶりつきで全8話を完走できました。その理由は、チュ・ジフン演じるペク・ガンヒョクが想像の斜め上をいくスーパーヒーローだったからです……!
第1話の冒頭から戦闘機が飛び交い、バイク(トライアンフ・スピード・トリプル1050。しかも初代リスペクトの丸目1灯仕様なのがカッコいい!)で戦地を駆け巡っています。銃撃戦とカーチェイスの緊迫感に「これってアクションドラマだっけ?」と一瞬、勘違いしちゃうくらいの本格的なアクションシーンがフルスロットルで展開します。
そして舞台は韓国へ。黒のスーツをビシッと着こなしたペク教授が颯爽と現れ、「重症外傷センター」(日本でいうところの救命救急センター)の着任の挨拶を「マトモに機能していないから、潰しに来た」と、一刀両断するやいなや、スーツを着たまま、運ばれてきた患者を見事な手さばきで緊急手術。「つべこべ言わずに目の前の患者を助けろや」的な俺様スピーチを言い放ったあと、患者の経過を見るために訪れた重症外傷センターで反社関係者と間違われ、ICUから締め出されるも、手術用の手袋をはめながら“ドヤ顔”をキメるペク教授。“キュートな悪ガキ顔”にメロメロです♡

会見するペク教授。白衣もスーツも決まってます♡
見た目はクールで紳士的。しかし、口を開けばお下品な言葉をこれでもかと連発(笑)。部下も上司も、権力者すら関係なく、ヒヤヒヤするほど感情をストレートに表現するのですが、全く憎めないんです。むしろ、「おちゃめさんめ!」と言いたくなるあの感じ。それは多分、ペク教授のすべての言動はすべて“患者の命を救う”という信念に基づいて行われているから。医師としての正確な技術と、強い使命感&責任感を持って患者に向き合う彼の強い信念があればこそ!
それでいて冒頭から本格アクションも披露してしまう外科医など、これまでの韓国医療ドラマの主人公にいたでしょうか、いやいません。マジでカッコいいです。
ちなみに、本作のタイトルにもなっている「トラウマコード」とは、重症外傷患者への迅速な対応を目的に病院が構築するシステムのこと。本作では、多くの患者を救うために不可欠なこのシステムが機能していない大学病院の重症外傷チームを、紛争地域の最前線で多数の人命を救っていた天才外科医が立て直していくところから、このタイトルになったのだろうと思われます(原作小説のタイトルは『重症外傷センター:ゴールデンアワー』)。なお、重症外傷センターは英語で「Trauma Center」と書きます。

ネームプレートも心機一転し、重症外傷センターの門出を祝うチームメンバーたち。プレートには「Trauma Center」の文字が。
ペク教授と、一番弟子となる医師ヤン・ジェウォン(チュ・ヨンウ)との絶妙なコンビネーションも、大きな見どころのひとつ。
このジェウォンという人物は大学を首席で卒業したエリート。さらにルックス良し、性格良しという、肛門外科きっての超優秀なフェロー。担当教授からの覚えもめでたく、将来はスローな医師生活を謳歌するはずが、あれよあれよと重症外傷センターに取り込まれ、振り回されることに。ペク教授の着任当日、たまたま当直担当だったせいで、彼から“肛門”というあだ名をつけられ、なかなか本名で呼んでもらえないという不遇な境遇に陥るのでした。

重症外傷センター内で緊急事態発生! 一体何が起きたのかは本編で確認を!
素直でまっすぐなジェウォンを演じるチュ・ヨンウは、1999年生まれの25歳。年末年始で大ヒットした時代劇『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』で、ヒロインのイム・ジヨンを相手に、“愛する人を守るキャラクター”を熱演して、一躍スターダムにのし上がった若手俳優です。そこから間を置かず、本作に出演。性格が好く、医師としての夢にあふれるジェウォンのイメージに、ぴったりとハマッていますね♡
また、チュ・ヨンウはともにモデルだった両親の遺伝子を受け継ぎ、美しく整った顔立ちはもちろん、186cmという高身長でスタイルも抜群。モデル出身のチュ・ジフンとの相性もよく、背の高い2人が肩を並べる姿はただただ眼福。手術室に入っていくシーンや、白衣を翻しながらERに駆け込む場面は病院内のはずなのにファッション誌と見まごうクオリティ。かと思えば、漫才やコントのようなコミカルなやりとりもあって、ハイスペックイケメン師弟の一挙一動から目が離せません!

事故現場で指導するペク教授。教科書では学べない現場経験を積み、弟子のジェウォンは成長していきます。
ここでは、作品を支える魅力的な重症外傷センターのスタッフたちを紹介します。
患者の安全を守るため、果敢にもペク教授を「ヤ○ザ」呼ばわりして力づく追い出し、ペク教授から「暴力団」という物騒なあだ名をもらってしまうチョン・ジャンミ看護師。教授のあだ名センスはともかく、明るく快活、気は強いけど責任感が強く、誰よりも患者のことを考えている真摯な方。
そんなジャンミを演じているのは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』『イ・ドゥナ!』など、話題作に立て続けに出演しているハヨン。これまで多かった清純なイメージから一転、患者のためなら上司をたしなめるのもいとわない男前キャラを演じているのが新鮮! ジャンミと高身長師弟とのやりとりも見ものです。

ジェウォンが重症外傷センターに合流したのは、ジャンミのお手柄によるところも。いい意味で人たらしというか策士。
全8話で各話50分ほどなので、週末にさくっと爽快感が味わえるはず。それに、まだまだ映像化されていないエピソードも残っているのでシーズン2の可能性も!? ますます期待が高まります!
そして、今回紹介した重症外傷センターの登場人物以外にも、作品にケミストリーをもたらす魅力的なキャラクターがたくさん出てくるので、みなさんもお気に入りのキャラクターを探して本作を楽しんでみてくださいね。
Netflixで見られる!

爆発火災の現場にも駆けつけるペク教授。患者を救うという信念には常に危険が付きまとう。
『トラウマコード』
全8話
出演:チュ・ジフン、チュ・ヨンウ、ハヨン、ユン・ギョンホ、チョン・ジェグァンほか
Netflixシリーズ「トラウマコード」独占配信中
済州島の鮮やかな四季を通して描く人生ドラマ『おつかれさま』

済州島を脱出中のグァンシク(パク・ボゴム)とエスン(IU)。
『おつかれさま』
全16話
出演:IU、パク・ボゴム、ムン・ソリ、パク・ヘジュン、キム・ヨンリム、ナ・ムニほか
Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中!
あらすじ
1960年代の済州島、賢くしっかり者のオ・エスン(IU)は輝く未来を夢見ていた。しかし、貧しい海女の娘は非力で、野望はただの夢に。幼なじみのヤン・グァンシク(パク・ボゴム)は、そんなエスンを献身的に支え、愛し続ける。貧しいエスンをよく思わない彼の家族に2人は引き離されるのだが……。
ここが見どころ!

女性初の漁協組合会長になったエスン。
本作は、1960年代の済州島(チェジュ)島で生まれた聡明なエスンと、鉄のように意志の固いグァンシクによる山あり谷ありの一代記を四季で表現したヒューマンドラマ。製作費は600億ウォン(!)、主演はIUとパク・ボゴムということで前評判が高かった本作。配信されるやいなや“愛”と“情”という普遍的なテーマとあたたかな物語を通じて、共感と感動を呼び起こし、世界各国で大ヒット。5/5に行われた『第61回百想芸術大賞 with GUCCI』でも作品賞や脚本賞など四冠を達成! まだ5月ですが、早くも“2025年を代表する最高の人生ドラマ”になるであろう本作のみどころをお伝えします。
※本記事はネタバレがありますので、ご注意ください。

エスン(IU)とグァンシク(パク・ボゴム)は、小さなときからの幼なじみ。
1960年代の済州(チェジュ)島に生まれたエスン。幼い頃に父を亡くしたエスンは父の生家で暮らしているのですが、ヒモ夫(オ・ジョンセ)と再婚して海女となり、ヒモ夫との2人の子と暮らす母グァンネ(ヨム・ヘラン)の家をたびたび訪れます。というのも、家では叔父にいじめられており(エスンだけイシモチを食べさせてもらえないとか、雑用させられるとか、完全に使用人扱い)、大好きな母と暮らしたいというのが願いなわけで。しかし、エスン母は心を鬼にしてエスンを家に帰らせます。そう、自分の家よりも裕福な家の方がエスンにとっては幸せだと思って……。
1960~70年代、エスンが生きる小さな集落では、「女は家族の食事を作り、海女になって家計を助けるのがあたりまえ」「女が公務員になったってどうしようもない」という価値観しかありませんでした。そんな理不尽な社会で搾取され続けてきた母グァンネは、娘の未来を案じ「海女にはなるな」「おまえは自由に生きろ」といい続け、エスン10歳の時、肺を患って急死してしまうのでした。

エスン母役のヨム・ヘラン。娘のために学校へ乗り込む
そして物語は、エスンとグァンシクの高校時代の逃避行から結婚、出産、そして子どもたちを交えながら、挫折と再起を行き来し、2人は愛の旋律を奏でていきます。その旋律は、オーケストラのように壮大でも、優美などでもなく。想像もつかないような貧しさの中で少しずつ前に進む日々。だからこそ、大切な者同士の慈しみ合いが描き出す人生の旋律は、どんなドラマチックな映画の主題歌よりも切実に胸に響くのです。
また、本作の重要なポイントのひとつに、母性とはまた別の“母親”の描き方があります。私たちの世代が今の“自由”を得るまでに、母親たちが何を奪われ、どんな人生を強いられてきたのか。そして、“与えられた人生”の中で、何をよりどころにして生きてきたのか。母親たちによる魂のブルース、しっかりとかみ締めてみてください。

満開の菜の花畑でキスするグァンシクとエスン。初ポッポは「鼻の下キス」というおぼこさがよき!
「一途な愛」「夫婦の愛」「子を想う親の愛」「隣人愛」など、愛の形は様々ですが、特に印象的だったのがグァンシク(パク・ボゴム/中年以降はパク・ヘジュン)の愛し方です。このグァンシク、10歳で出会って以来、死ぬその瞬間までエスン(IU/中年以降はムン・ソリ)を思い続ける一途な男なんです……!
無口で不器用だけど、とことん優しくて素朴。エスンの小言の嵐を受け止める鉄の精神力を持っているグァンシクに既視感があるなぁと思ったら、パク・ボゴムの出世作『恋のスケッチ 応答せよ1988』で演じたチェ・テクにそっくり! “素朴で純粋無垢。一途にひとりの女性を思い続けながら、ふと瞬間にドキッとさせる男”を演じさせたらパク・ボゴムの右に出るものはいません。ワンコのようなキラキラした瞳と、ワイルドな狼の一面を併せ持ち、一度決めたら迷いなくやり切る行動力のカッコよさは反則。彼を目にした人は皆恋に落ちてしまいますから。
10年間、エスンの代わりにキャベツを売り、魚を贈り届けたグァンシクのエスンへの思いは熱くて硬い鉄のごとし! エスンが「大統領になる」と言えば「じゃあ僕は大統領夫人になる」と答え、陸上部のコーチに「お前の人生の8割はエスンなのか?」と聞かれ、「10割」と即答♡ そして、すったもんだがありながらも初恋を実らせて夫婦となり、人生が終わるその瞬間まで彼女を愛し続ける姿に「こんな人間がいるの!?」と魂が震えました……。

左からエスン、長女クムミョン、グァンシク、長男ウンミョン。そしてエスンのおなかの中には“ドンミョン”が。
そして、各話のエンドロールにも愛に満ちた一文が。
「PRODUCTION BABIES」という文字の次に、ドラマの撮影期間中に妊娠していたスタッフのおなかの中にいる子供の胎児ネームが記され、そこにはこんな言葉が添えられているんです。
「同じ空 同じ星 同じ心に刻まれている」(1~4話)
「私たちの思いが こだまして いつか届きますように」(5~8話)
「お前たちは ただ走ればいい 元気よく」(9〜12話)
「無理ならバックしてこい いつでも待っているから」(13〜16話)
誰かが誰かを大切に思い、助け、生きる世界の優しさに涙が……。
“良い人たち”は思うより多く、案外身近にいるのかもしれません。その存在になかなか気づけないでいるのは、人生には困難と後悔が多く、生きることに精一杯だから。「それでも生きるしかない」と腹をくくってまわりを見渡せば、さり気なく自分を支えてくれる人っているんですよね。今いる場所で助けられて、感謝して。そして、いつの日にか誰かの助けになれば、人生はそれでいいんじゃないかと。
本作の韓国語タイトルは「폭싹 속았수다(読み:ポクサッ ソガッスダ)」。これは、済州島の方言では「本当におつかれさまでした」ですが、標準語では「すっかりだまされた」、という意味なんだそう(笑)。
皆様、『おつかれさま』が描く人生賛歌に、すっかりだまされてください!
Netflixで見られる!
『おつかれさま』
全16話
出演:IU、パク・ボゴム、ムン・ソリ、パク・ヘジュン、キム・ヨンリム、ナ・ムニほか
Netflixシリーズ『おつかれさま』独占配信中!
心のデトックスに! 新米医師の奮闘を描く『いつかは賢いレジデント生活』

『いつかは賢いレジデント生活』
全12話
出演:コ・ユンジョン、シン・シア、カン・ユソク、ハン・イェジほか
Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」独占配信中
あらすじ
クリニックを辞めてニートをしていたオ・イヨン(コ・ユンジョン)は、借金返済を迫られ、過去にインターンをしていたユルジェ病院にしぶしぶ復帰する。ピョ・ナムギョン(シン・シア)、オム・ジェイル(カン・ユソク)、キム・サビ(ハン・イェジ)と同期となり、命の誕生と悲しい別れが交差する産婦人科でのレジデント生活が幕を開ける。
ここが見どころ!
本作は、2020年にスタートし、シーズン2まで制作されている大ヒットドラマ『賢い医師生活』のスピンオフ作品。当初、『涙の女王』の後続枠として2024年5月に放送される予定でしたが、韓国でレジデントが集団辞職するなどの大規模な医療ストライキが勃発。本作も混乱の余波を受け、2度の放送延期を経て待望の放送・配信となりました。
シリーズものって途中から見るにはハードルが高いものですが、本家をまだ観ていないという人もご安心を。ソウルの総合病院「ユルジェ病院」で働くベテラン医師5人組の日常を描いた本家の雰囲気を受け継ぎつつ、本作はユルジェ病院の分院に舞台を移し、産婦人科のレジデント(研修医)たちの成長を描く独立したストーリーになっています。

左からハン・イェジ、シン・シア、コ・ユンジョン、カン・ユソク
新米医師が主人公ということで、メインキャストもフレッシュな顔ぶれが勢ぞろい。
不愛想で覇気がないオ・イヨンを演じるのは、『還魂2』『ムービング』などで存在感を放ち、主演級俳優に急成長中のコ・ユンジョン。イヨンの高校の同級生で、おしゃれや恋愛への関心も高いピョ・ナムギョン役に、映画『THE WITCH/魔女 -増殖-』で一躍注目を浴び、本作が連ドラデビューとなるシン・シア。元アイドルという異色の経歴を持つ愛嬌たっぷりなムードメーカーのオム・ジェイル役に、『おつかれさま』でのエスンの息子役が記憶に新しいカン・ユソク。医学部も国家試験も1位の超秀才キム・サビ役を演じたハン・イェジは、なんと本作でデビュー。
“本家の生みの親”で、本作のクリエイターを務めるシン・ウォンホ監督は、「最初から自分の職業に強い使命感を持っている人は少ない。毎日仕事をこなす中で哲学を見つけていく姿を描きたかった」と語っています。チャンスが巡ってきてもイヨンが「いえ、大丈夫です」と断るのは、やる気だけじゃなく自信がなかったのかもしれないし、思ってもみなかったタスクの連続に「こんなはずじゃないのに!」と不満が溜まるナムギョンも、頑張っているけれど実力がついてこないジェイルも、模範解答が正解とは限らないということを学んでいくサビも。絶対的安心感がある「99ズ」こと本家のメインキャラクターたちとは違い、イヨンたちは未熟なところが多く叱られてばかり。それこそが本作の魅力で、99ズも新人の頃はこうだったのかなと想像し、時には自分と重ねながら応援したくなります。
最初はお互いに無関心だったイヨンたちが、同期から仲間になっていく過程も見どころ。向上心の高さゆえに嫉妬したり、教授のいざこざに巻き込まれて意思に反して喧嘩しちゃったりするけれど、一致団結して命と向き合う姿に胸が熱くなります。
そこに誕生と別れの物語も絡んできて、温かさや優しさ、時には切なさに涙が止まらない状態に。本家もほぼ毎話ホロリと来ていたのですが、今回はもう泣きっぱなしでした。ドラマティックな展開に泣かされるタイプの作品だったら途中で疲れてしまうけれど、チムジルバン(サウナ)でサラサラの汗を流すように涙が溢れてくるのが本シリーズの持ち味。観終わった後、目は真っ赤で鼻ズビズビだけど心はすっきり。各話1時間強で、いつも50分くらいは泣いてたかもしれません。(泣きすぎ)
そして、人気カップルを多く生んだ本家同様、胸キュン要素もあります。イヨンとラブラインになるのは、レジデント4年目で指導係のク・ドウォン(チョン・ジュンウォン)。イヨンたちのミスをフォローしてくれて、嫌な先輩からさりげなく助けてくれて、ダメなところはきちんと指摘してくれる。イケメン枠ではないはずなのに、頼もしすぎてイケメンに見えてくるんです。そんな沼キャラで視聴者をときめかせたチョン・ジュンウォンは、芸歴10年目の37歳。さまざまな映画・ドラマで培った確かな演技力と、本作で見せたリアルな彼氏感で今後はさらに活躍していきそう!
見どころを語り出したらキリがないのですが、もう2点だけ!
まずはOST。SEVENTEENのドギョム、Stray Kidsからはリノ、スンミン、I.N、aespaのウィンター、IVEのユジン、EXOのディオ、i-dleのミンニらが参加しています。K-POPアイドルがOSTに参加するようになって久しいですが、これほどまでに旬なメンバーを集めることができるのは、本シリーズが幅広い世代から愛されているからこそ。若い世代が盛り上げるという点がドラマと共通していて、何とも粋です。
そして、我らが愛する本家キャラクターたちの豪華カメオ出演。イクジュン(チョン・ジョンソク)、ソンファ(チョン・ミド)、ジュンワン(チョン・ギョンホ)、ジョンウォン(ユ・ヨンソク)、ソッキョン(キム・デミョン)の99ズは、カメオ出演に加えて、おなじみのバンド「ミドとパラソル」としてOSTにも参加! そのほか、チュ・ミナ先生(この呼び方で慣れてしまった)を演じたアン・ウンジン、ギョウル役のシン・ヒョンビン、イクスン役のクァク・ソニョン……と、まだまだほかにも! シン・ウォンホ監督と『恋のスケッチ~応答せよ1988~』で縁のあるラ・ミランが第1話に登場して盛り上げてくれるし、関連バラエティ番組を手掛けたナPDと、さらにはシン・ウォンホ監督まで(笑)。シリーズファンとしては、毎回誰が出てくるんだろうというワクワク感も満載なのです。
そして、先輩たちが後ろから次世代をサポートするのはドラマの中だけじゃありません。演出は今回が初の連ドラとなるイ・ミンス監督が手掛け、本家でアシスタントをしていたキム・ソンヒ作家が脚本を担当しています。本家のシン・ウォンホ監督×イ・ウンジョン作家はクリエイターとして参加し、親のような気持ちで見守っていたとのこと。いいなあ、この感じ。
ストーリーからキャスト、OSTに制作陣まで、とにかくフレッシュだったスピンオフ。本家に関してはシーズン2終了時に「シーズン3の予定はない」という報道がありましたが、これからもしぶとく続編を祈りつつ(10年後でもいいから! )、レジデント4人が99ズのように立派な医師として活躍する未来も観てみたいです。
Netflixで見られる!
『いつかは賢いレジデント生活』全12話
Netflixシリーズ「いつかは賢いレジデント生活」独占配信中
パク・ボゴムが不正はびこる世の中をアッパーカット! 痛快アクションドラマ『グッドボーイ』

一体、どれだけの人がパク・ボゴムとボクシングの親和性の高さに気づいていたのか…。
『グッドボーイ』
全16話
出演:パク・ボゴム、キム・ソヒョン、オ・ジョンセ、イ・サンイ、ホ・ソンテ、テ・ウォンソクなど
韓国ドラマ『グッドボーイ』Prime Videoで独占配信中
あらすじ
11年ぶりに復活した国家代表特別枠での警官採用。国際大会のメダリスト、彼らは当時英雄だった。しかし、熱い聖火が消えた今、年金の中断、生活苦、不慮の事故といった厳しい現実が彼らを襲う。そんな事情を抱えながらも、彼らは凶悪犯罪に立ち向かうべく、特殊専門担当チームに結集する。警察内での冷笑や差別にも屈さず、選手時代の意地と根性とそれぞれの特技を生かして、不正に満ちた事件に挑みはじめる。
失われた栄光を取り戻し、新たな“英雄”として奮闘する元アスリートたちの熱き戦いの火ぶたが今、切って落とされる。
ここが見どころ
本作を観て思い出したのは、「友情、努力、勝利」という、某週刊少年マンガの三大原則。仲間同士の友情を深め合い、努力を重ね、そして勝利を目指しながら、人間の絆を見せつけてくれる心震える物語でした。

特別捜査チームの面々。
『グッドボーイ』の中心人物は、特別採用によって警察官となった元アスリートたち。主人公のドンジュ(パク・ボゴム)は、拳で戦う元ボクシング選手。W主演の元射撃選手ハンナ(キム・ソヒョン)は、銃を手足のように使いこなす。元フェンシング選手のジョンヒョン(イ・サンイ)は落ちている棒きれをたちまち剣に変える腕前を持つ。元レスリング選手のマンシク(ホ・ソンテ)と元円盤投げ選手のジェホン(テ・ウォンソク)は、人並みはずれたパワーで相手をねじ伏せる。
そんな個性際立つメンバーで特別捜査チームを結成することになるのですが、後半になるにつれ、痛快さが右肩上がりに。全16回のミニシリーズなのに、トンネル爆破や大人数の乱闘シーンがこれでもかと出てきて、制作費が心配になるほど(笑)。それだけ、悪党と戦うシーンがスカッと爽快、拳を握りしめて応援したくなるのでした。途中、ボロボロになりながらも助け合い、互いの絆を深めていくチームメンバーたちの姿が、映画『アベンジャーズ』ならぬ“グッドベンジャーズ”ようで、とてもカッコよかったです。

愛情にあふれるドンジュ
「いるだけで空気が浄化される」「ワンコのような無垢な瞳が素敵」など、爽やかなイメージで多くの視聴者に愛されてきたパク・ボゴムですが、本作では新しい姿を見せてくれています。
今回演じるドンジュは、元金メダリストの元ボクシング選手でありながら、毎回フルボッコにされる役です(笑)。警察の特殊チームで犯罪者と攻防を繰り広げ、体中から噴き出す汗や血、赤黒く腫れた顔、服だって泥だらけで、かつてスポットライトを浴びていた男とは思えない薄汚れっぷり。しかし、破れかぶれ感はなく、真っ白な炎のような凛とした闘志が宿っていて、カッコいい!(痛そうだけど) なぜなら、彼が拳を振るのは「誰かを守るため」だから。腐り切った世の中……いや、むしろ泥水のような汚れちまった社会だからこそ、清廉潔白なドンジュの存在が際立つのです。
無法者にボコボコに殴られても。
かつての師に裏切られても。
大切な人を喪っても。
ひたすら正義を貫くドンジュがまぶしい!

ちょっと線が太くなりましたよね? 本作のために半年かけて肉体改造したパク・ボゴム。
このドンジュという人物は、青春モノにありがちなステレオタイプの熱血キャラではないんですね。過去の栄光と挫折、希望と諦め、そして孤独と責任というアンビバレンツな感情が入り乱れた繊細で荒々しい人物。いいヤツだけどまっすぐで不器用なドンジュの“正義のブルドーザー”として巨悪に突き進む無鉄砲キャラに、最初は「えぇ……」と引いていたのですが、回を追うにつれ心に沁みてくるんですよ。
多分それは、パク・ボゴムが人生の悲哀を全身で語っているから。
スポーツ選手の挫折と再起、社会の矛盾、自己の再生といった人生テーマを、パク・ボゴムは後ろ姿、腕や唇の震え、荒々しい拳に、悔しさをにじませた瞳。ふとした瞬間に垣間見せる表情の変化など、「セリフは添え物」と言わんばかりの演技で魅せてくれました。
若かりし頃はメダル、そして今は犯罪者を追いつつ、自らを貫く正義を追いかけているドンジュ。その泥臭くもひたむきな姿こそが万人共通の“青春”であり、誰もが成し遂げたい理想の人生ドラマなのではないでしょうか。

どんなに打ちのめされても。ドンジュの瞳は一点の曇りもない。
余談ですが、パク・ボゴム演じるドンジュは、二十世紀を代表する韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)と同じ名前。脚本家は彼の詩集からインスピレーションを得たように思います。有名かつ心に刺さる一文を紹介しますね。
“死ぬ日まで天を仰ぎ
一点の恥じ入ることもないことを、”
「序詩」――『尹東柱詩集 空と風と星と詩』(岩波書店)
いやはやカッコいい。この詩集を読んだあとに本作を視聴すると、作品の解像度が増すことでしょう。
Prime Videoで見られる!

満開の菜の花畑でキスするグァンシクとエスン。初ポッポは「鼻の下キス」というおぼこさがよき!
『グッドボーイ』
全16話
出演:パク・ボゴム、キム・ソヒョン、オ・ジョンセ、イ・サンイ、ホ・ソンテ、テ・ウォンソクなど
韓国ドラマ『グッドボーイ』Prime Videoで独占配信中
かわいさに癒され、応援したくなる!『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』

『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
全16話
出演:パク・ウンビン、カン・テオ、カン・ギヨンほか
Netflixシリーズ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」独占配信中
あらすじ
一流法律事務所で働き始めた新米弁護士のウ・ヨンウ(パク・ウンビン)。自閉スペクトラム症とIQ164の天才的な頭脳を持ち、さまざまな壁に挑みながら一人前の弁護士として成長していく。
ここが見どころ!

邦題にもあるように、ウ・ヨンウは天才肌。回転ドアを通り抜けられなかったり、ペットボトルの蓋を開けられなかったり、感覚過敏だったりと苦手なことが多いですが、5歳で刑法を丸暗記し、ロースクールを首席で卒業、司法試験もほぼ満点で合格する天才的な頭脳を持っています。
出勤初日の朝、鏡の前で父がこの日のために用意してくれた新しい服をあてて、感情と表情をまとめた表から「うれしい」を指さしてニッコリと笑顔を浮かべるヨンウ。混雑する通勤電車では防音用のヘッドホンをつけて不安を和らげるヨンウ。「どちらから読んでもウ・ヨンウです。キツツキ、トマト、スイス……」という名前にちなんだ風変わりな自己紹介も。ヨンウのかわいさに癒されると同時に、彼女のマイルールや自閉スペクトラム症を抱えながら生きる努力が伝わってきて、がんばれ! と応援したくなる主人公なんです。
演じるのは、子役出身で『ストーブリーグ』『恋慕』など数多くのドラマで活躍するパク・ウンビン。緻密な役作りと抜群の演技力に定評がある彼女ですが、本作は「自信がない」と何度もオファーを断ったそう。しかし、製作陣は、責任感の強いパク・ウンビンにしか演じられないと待ち続け、最初のオファーから1年後にキャスティングが実現しました。

リーガルドラマでもある本作は、ヨンウの能力が最大限に発揮されるお仕事シーンも見どころ。天性の記憶力はもちろんのこと、いわゆる“普通”の弁護士ではないヨンウだからこそ可能な、“当たり前”にとらわれない着眼点で案件の本質を見抜き、依頼人たちを救っていきます。
でも、ただ無双するだけじゃないんです。ヨンウが活躍できるのは、“ほどよいところで折り合いをつければいいだろう”という妥協を一切しないからこそ。依頼人の話を細かすぎるくらいに聞いて、常に全身全霊で依頼人と向き合うヨンウが頼もしくてかっこいい!

また、依頼人に脱北者の母、知的障がいのある女性、激化する学歴社会から子どもを解放しようとする誘拐犯などを登場させ、差別や偏見といった社会問題を描いているところも本作が高く評価されているポイント。特に、重度の自閉スペクトラム症の男性を弁護する第3話は、ヨンウや被告人が生きるうえで避けられない厳しい現実にフォーカスした名作回となっています。
ヨンウの奮闘を感動物語で終わらせるのではなく、さまざまな事情を抱えるマイノリティたちのリアルにも目を向けた構成が、Netflixの非英語テレビ部門世界1位を記録する大ヒットに繋がったのでしょう。

そして、ヨンウを取り巻く仲間たちもこれまた魅力的。訴訟チームのスタッフのイ・ジュノを演じたカン・テオは、本作で大ブレイク。ヨンウを優しくサポートするジュノとはロマンスも展開され、少しずつ近づいていく2人の恋模様がほっこりとしたときめきを届けてくれます。
ヨンウの上司となるシニア弁護士のチョン・ミョンソクも、最初こそ“普通じゃない弁護士”のヨンウを雇うことに否定的でしたが、その実力を見てすぐに反省をし、ヨンウを受け入れるいい人。過剰に優しくすることもなく、フラットな目線でヨンウを導く理想の上司です。演じたカン・ギヨンはコメディ演技に定評があり、ヨンウ×ミョンソクのクスッとくる掛け合いも見どころです。

最後に、気になる続編に関する情報を。2023年6月に韓国で「脚本家のムン・ジウォン氏がシーズン2の執筆契約を結んだ」との報道ありましたが、最近韓国メディアのインタビューに応じたパク・ウンビンは「シーズン2は、シーズン1を超えるという確信ができてから」と答えており、もう少し時間が必要そう。しかし、パク・ウンビンが1年かけて出演を決意したように、俳優も制作陣も誠実で、慎重に丁寧にドラマを作り上げていくところが本作の最大の魅力。
いつまでも待つので、一人前の弁護士になったヨンウの物語を見せてほしいです!
Netflixで見られる!
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』
全16話
Netflixシリーズ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」独占配信中
スカッとする“サイダー”な展開がやみつきに!『梨泰院クラス』

『梨泰院クラス』
全16話
出演:パク・ソジュン、キム・ダミ、ユ・ジェミョンほか
Netflixシリーズ「梨泰院クラス」独占配信中
あらすじ
父の仕事の都合で田舎町に引っ越してきた高校3年生のパク・セロイ(パク・ソジュン)は、転校初日に権力を振りかざして弱い者いじめをするチャン・グンウォン(アン・ボヒョン)を見かける。グンウォンは、セロイの父も務める国内最大飲食チェーン・長家(チャンガ)の御曹司。誰もが見て見ぬふりをしていたが、正義感の強いセロイは自身の信念に基づき、行動を起こす。その結果、たった1日で高校を退学になってしまうセロイ。さらに、グンウォンが起こしたひき逃げ事故により、父を失ってしまうのだった。それから7年後、ソウルのひときわホットな街・梨泰院で小さな飲み屋を開いたセロイは、成功を掴むため、長家を相手に無謀ともいえる戦いを仕掛ける。
ここが見どころ!

今回紹介する『梨泰院クラス』は、2020年1月から3月にかけて放送され、現在の世界的な韓国ブームの口火を切った作品。韓国ドラマブームはこれまでも何度もあったし、ほぼ毎年「ウェルメイドドラマ」と呼ばれる完成度の高い名作が生まれていますが、その中でも『梨泰院クラス』が韓国ドラマに馴染みのなかった層をもとりこにしたのは、スカッとした爽快感を与えてくれる勧善懲悪なストーリーが時代のニーズにガチっとマッチしたからなんじゃないかなと思うのです。
思い返すと、2020年初めはコロナ禍に突入した頃。真っすぐな信念を持って人生を切り拓いていくセロイの姿を通じて、先の見えない状況の中で感じていた不安や窮屈さが解消されたという人も多いはず。(私もそのひとりでした)
そんなスカッとする展開が魅力のドラマを、韓国では飲み物に例えて「サイダードラマ」と呼ぶのですが、10代にして天涯孤独の前科持ちになったセロイが、憎き長家と同じ飲食業界に入り、ビジネスで復讐していく様はまさにサイダー。テナントを追われそうになったり、仕入れ投資の妨害をされたりと、次から次へとやってくる試練に立ち向かっていくストーリーから目が離せなくなります。

ドラマの舞台になった梨泰院は、多国籍・多文化が共生する多様性に富んだエリア。本作は、セロイの仲間にIQ162の天才でソシオパスなチョ・イソ(キム・ダミ)、元ヤクザのチェ・スングォン(リュ・ギョンス)、トランスジェンダーのマ・ヒョニ(イ・ジュヨン)、韓国人の父を持つ黒人のキム・トニー(クリス・ライアン)と個性的なメンバーを登場させ、社会的マイノリティについて描いているところも見どころとなっています。
「俺の価値をお前が決めるな。俺の人生はこれからだ」(第4話より)
「お前はお前だ。他人を納得させなくていい」(第12話より)
セロイが求めるのは、不当なことや権力者に振り回されない“自分が主体である人生”。信念を持ち、自分を奮い立たせ、仲間を守るセロイの言葉には、悩んだり迷ったりした時に背中を押してくれるメッセージが込められています。

主人公の活躍はもちろんのこと、サイダードラマは悪が悪であるほど盛り上がるもの。セロイの宿敵となる長家の創業者チャン・デヒは、長家を守るためなら息子をも容赦なく切り捨てる冷酷な経営者。一代で飲食業界を牛耳る存在に成長しただけあり、ただそこにいるだけで威圧されてしまう凄みに、見ているこちらも緊張させられっぱなし。
業界トップの大企業を率いるデヒにとって、個人店からスタートしたセロイを業界から追放することは朝飯前なはずですが、富と権力で周囲を支配してきたデヒは、あの手この手を使ってセロイを信念からへし折って“土下座”をさせることにこだわります。これがもう怖くて、憎たらしいこと!
演じたユ・ジェミョンは40歳で映像作品に本格進出。遅咲きながら、さまざまな作品で存在感を放ち、『梨泰院クラス』で一躍有名に。今や韓国ドラマ・映画に欠かせない名バイプレイヤーです。本作では敵同士ですが、セロイ役のパク・ソジュンとは『花郎 〈ファラン〉 』(2016)でも共演しており、同作では王子を守るチャーミングな護衛役を演じました。

すべての元凶であるデヒの長男グンウォンも強烈。 虎の威を借る狐という言葉がぴったりなわがまま御曹司で、とにかくふてぶてしい! 父からの愛に飢え、後継者として認めてもらえないコンプレックスが悪い方へと働き、とんでもないモンスターへと成長してしまいます。
演じるのは『ユミの細胞たち』シリーズ、『軍検事ドーベルマン』(2022)などで知られるアン・ボヒョン。アマチュアボクサーからモデルに転身して俳優になった異色の経歴の持ち主で、普段は筋トレに励むキャンプ好きな好青年なのですが、『梨泰院クラス』では同一人物とは思えないほど目つきから完全な悪役に。サイダーのスカッと感を高めてくれる、デヒ&グンウォンのカリスマとも言える圧倒的な悪党ぶりにも注目です!
Netflixで見られる!

『梨泰院クラス』
全16話
Netflixシリーズ「梨泰院クラス」独占配信中
余命わずかな男が愛する人をかっさらい、ルーツ探しの旅へ! 『Mr.プランクトン』

『Mr.プランクトン』
全10話
出演:ウ・ドファン、イ・ユミ、オ・ジョンセほか
Netflixシリーズ「Mr.プランクトン」独占配信中
あらすじ
便利屋を営むヘジョ(ウ・ドファン)は、複雑な生い立ちを持つ、孤独な男。ある日、ヘジョの悲しい運命に追い討ちをかけるかのように、余命わずかだと宣告される。どうせ死ぬならと、自分のルーツを探す旅に出ることにしたヘジョは、旅の道連れとして、宋家の跡取り息子フン(オ・ジョンセ)と挙式寸前だった元恋人、ジェミ(イ・ユミ)を奪い、逃走する。
ここが見どころ!
もしも、「余命は3カ月です」と宣告されたら?
残された人生を、どのように過ごしますか?
本作は、根なし草のように生きてきた主人公が「自分のルーツを探す旅」に出るという“余命もの”。とはいえ、そんじょそこらの“余命もの”とはわけ違う、名作ヒューマンドラマ兼ラブロマンスなんです!

物語を動かしているのは、この3人。
父親と母親と満ち足りた毎日を送っていたある日、父親との血の繋がりがないことが発覚。それもクリニック側のミス(冷凍精子の取り違え)によるものという信じられない現実が襲い掛かったうえ、親子関係に亀裂が入り、高校卒業後は家を出て、ずっと孤独な根なし草のように過ごしてきたヘジョ(ウ・ドファン)。
生まれた日に親に捨てられて以来ずっと施設で育ち、宗家の長男の嫁としてようやく人並みの幸せを手に入れられると思った矢先に、“早期閉経”を告げられてしまう、まだ20代のジェミ(イ・ユミ)。
宗家の長男であり、周囲からは何不自由なく生きている“お坊ちゃま”と思われているけれど、実は名家や家族というしがらみの中でもがく、“籠の中の鳥”状態のフン(オ・ジョンセ)。
このワケあり3人が、それぞれが抱える問題と向き合い、今を生きることの意味を指し示す物語をノンストップで繰り広げるんです。これがもうハチャメチャでして(笑)。詳しくはネタバレになるので書けないのですが、もがき、寄り添い、ときには互いに取っ組み合いながらも、自分なりの答えを見つけていくのですが、3人の真っ直ぐな生き方・考え方に、これでもかというほど、心の琴線をえぐられます。わんわん泣けるし、ガツンと響く。なのに笑えるっていうね……。

あろうことか、ヘジョが脳腫瘍で余命3カ月を宣告されるところからこの物語は始まります。
それが遺伝の可能性が高いと知って、自分に負の爆弾を背負わせたヤツの顔も知らずに死んでたまるかと、生物学上の父親を探す旅に出ることになったわけです。
元恋人・ジェミの早期閉経の話をたまたま聞いたヘジョは、ジェミの結婚式に潜り込み、花嫁を拉致(笑)。早期閉経を新郎に隠したままにしている負い目から、ヘジョに強く出られないジェミは、「元カレの本当の父親捜しの旅」に嫌々ながらも付き合うことに。一方、「新婦は逃げたに違いない」と周囲に言われつつも、フンはジェミを信じて彼女を探しに行くのです。
上記の説明をスパッと言えば、「名家の息子との結婚式当日に、元カレに強引に拉致された女主人公が、元カレの実の父親を探す旅に出る」なんですけども(笑)、つっこみどころが多すぎる内容が斬新。とはいえ、この行き当たりばったりにも見える3人の行動にはちゃんと理由があって、それぞれの現実がひも解かれていくにつれて、悲しみや、切なさ、やりきれなさといった感情が雪だるま式に増えていくというヒューマンドラマに。
めくるめくコメディのようなやりとりと、テンポのよい会話の中に、意外にも、深いロマンスや親子の愛情、淡い友情、無償の愛……といった、キラキラしたカケラが詰まっていて、彼らの人生にドラマティックさと泥臭さを与えてくれています。回を追うにつれて変化する3人の関係性もおもしろいし、快楽主義、破天荒、ボンボンという、全然自分とは違うタイプのキャラクターなのに、なぜか共感できちゃう不思議。各々が掴み取る選択にも大満足。
設定上、サッドエンドだとわかってはいたのですが、いざ終わってみれば、泣きながらも笑っている感じ。悲しさによる喪失感ではなく、主人公たちが後悔なく生きた、生きていることで満たされるような爽快感を味わえました。
後半にかけて、号泣度は上昇するのですが、伏線回収とラストは見ごたえしかないです。
余談ですが、本作を観て、韓ドラの不朽の名作『ごめん、愛してる』や、映画『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』を思い出して、さらに余韻が深まりました。

ウ・ドファンの新境地、ここに極まれり。
本作のウ・ドファンは、こぼれ落ちる涙の破壊力、捨てられた大型犬のような庇護欲をかきたてる眼差し、アウトローな色気と肉体美由来の力強さがギュッと凝縮されております。愛を切望し、愛に見放され、しかし最期は、乞い願う真の愛を知る。誰よりも切なくて、悲しくて、幸せな男・ヘジョの、爆誕です!
ぶっちゃけますと、王子様タイプではないし、俳優とは思えないほどムッキムキに鍛えており、体の厚みもすごいのですが(『私の国』や『ブラッドハウンド』では、アスリート顔負けの肉体美を世に知らしめた)、本作のために7キロも体重を落としたそう。正直、「そんなに減量したのに、この体ですか!?」と二度見するほどの肉体美。それゆえに、今回も脱ぎちらかしています! というか、気が付いたら脱いでいるんですよ……。「脱げるチャンスがあるなら、自ら脱ぐのが俺のスタイル」と言わんばかりに、新しいスキルを身に付けたウ・ドファンにご注目ください。

見れば見るほどに深まる、オ・ジョンセ沼
元恋人同士のヘジョとジェミのロマンスに、名乗りを上げるのは、オ・ジョンセ演じるフン。実年齢アラサーの2人と三角関係の相手を演じているのは、実年齢48歳のオ・ジョンセ。『サイコだけど大丈夫』『魔女-君を救うメソッド-』など、自閉スペクトラム症役から悪役までなんでもござれのバイプレイヤ―。本作でも、「彼が演じているならおもしろくないわけない」と言わしめるほど、安定の演技力でした。
ともすれば「しょうもない、中年のボンボン」という印象になってもおかしくない、フンのキャラクターですが、愛する人の幸せを心から願うことのできる人。無償の愛が溢れる、包容力の高い人としてしっかり描かれていました。写真を見る限り、「フンがヘジョの恋敵!? ありえないでしょ~」と思ってしまうのですが、ドラマを観ているうちに……惚れます。愛情不足のジェミとヘジョに、惜しみない優しさと慈しみを見せてくれるのですよ……! 後半はもう、「フンと結婚して幸せになってもいいのでは?」と思いいたらしめるくらい、魅力溢れる演技に、何度もキュンとしたことは秘密です。
結果的に、フンは一見、母親のいいなりで頼りなく感じるけれど、肝が据わっていてどっしりと構えているように見えるんですね。
正直、ウ・ドファンとオ・ジョンセのどちらかを選べと問われたら、自分には選べません(聞かれてない)。

ヘジョに「あーん」をしてあげているフン。恋敵だろうがなんだろうが、惜しみなく与える男なのだ。
自分の父親を探す旅に出るヘジョと、ヘジョにかっさらわれ、その旅に無理やり付き合わされるジェミ、そのジェミを追うフン。この珍妙な三角関係に加え、フンを連れ戻そうとする彼の母親からの追手と、便利屋業務でトラブったヘジョを追いかけるヤクザたちが加わり、くんずほくれつ、上を下への大騒ぎ! ヘジョの人生における“最期の旅”だったはずなのに、そのドタバタぶりがおかしくて。なのに、とっても切なくて。心の中の愛情がワッと滲みだし、物語全体を包み込むのです。なんだか、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」というチャールズ・チャップリンの言葉を思い出してしまいました。
その効果に一役買っているのが、四季折々の韓国各地の風光明媚な景色。釜山、済州島、全羅道、江原道、はては無人島(笑)の、夏から冬にかけての季節の移ろいが映しだされていました。
自分、韓国旅行の際はソウルに滞在することが多いのですが、「次回は地方に足を延ばそうかな。だったら国際免許を取得してレンタカーの旅もいいかもいいかもしれないな」なんて。そんな夢が膨らむシーンがたくさんありますよ!
Netflixで見られる!

『Mr.プランクトン』
全10話
Netflixシリーズ「Mr.プランクトン」独占配信中
韓ドラらしいアレンジが見どころ! 『コンフィデンスマンKR』

『コンフィデンスマンKR』
全12話
出演:パク・ミニョン、パク・ヒスン、チュ・ジョンヒョク
© 2025 TME Group Co.,Ltd. All Rights Reserved.
『コンフィデンスマンKR』Prime Videoで独占配信中
あらすじ
悪党のみを狙う詐欺師、ユン・イラン(パク・ミニョン)、ジェームズ(パク・ヒスン)、グホ(チュ・ジョンヒョク)。3人は不正を働いて私腹を肥やす悪党たちから大金をだまし取り、悪事を暴いていく。その裏で、リーダーのイランはある計画を秘密裏に進めていた。
ここが見どころ!
主演を務めた『私の夫と結婚して』が大ヒットを記録し、小芝風花×佐藤健W主演で日本版が制作されたことが記憶に新しいパク・ミニョン。奇遇にも、自身の主演ドラマの日本オリジナル版が制作され、その次に日本ドラマの韓国リメイクで主演を務めることとなりました。本作では、IQ165の上位1%の天才的な頭脳を持つ詐欺師をコミカルに演じています。

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詐欺師が暗躍するケイパーものには華麗な変装が欠かせませんが、なんと3人合わせて30体以上の変装に挑戦したとのこと! アウトローな雰囲気が漂う韓服姿のカジノのオーナー、キャビンアテンダント、天才医師などなど、さまざまな人物になりきるパク・ミニョンの変装演技は見もの。ミニョン様、さすがの美しさです。
また、前作はテーマがシリアスだったぶんコメディエンヌな魅力を封印していましたが、今作ではその持ち味をいかんなく発揮。しかも、相手役とのシュールな掛け合いやシチュエーションが笑いを誘う歴代のラブコメ作品とは異なり、今回はキャラクター自体がはっちゃけているので、ミニョン様が得意のコメディ演技でまたもや新境地を開いております!

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本作のポイントは、原作である『コンフィデンスマンJP』を踏襲しつつ、韓国ならではの情緒を加えていること。
その大きな違いのひとつが、イランの過去です。原作では、ダー子(長澤まさみ)の生い立ちは謎に包まれていますが、イランは幼少期の誘拐事件で人生が変わってしまった財閥令嬢という設定で、イランが詐欺を働く理由やジェームズとグホとの出会いなど、人間ドラマにもフォーカスが当てられています。
財閥、幼少期の事件、復讐……と、韓国ドラマの定番を活かしているところがさすが「KR」。ターゲットたちが同情の余地もない悪党なところも韓国ドラマらしく、スカッとする爽快感もやみつきに。独自の設定を加えて反響を呼んだ日本版『私の夫と結婚して』のように、原作をリスペクトしながら“リメイクの枠を超えたおもしろさ“で楽しませてくれます。

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原作で東出昌大が演じたボクちゃんにあたるグホ。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で注目を集め、今年のTBS系新春SPドラマ『スロウトレイン』にも出演したチュ・ジョンヒョクが演じています。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』では、ドラマの世界を飛び越えて個人のSNSが炎上するほど、意地悪な同僚クォン・ミヌを没入感たっぷりに演じた彼。まだそのイメージが残っているという方にこそ、本作を見ていただきたい。グホがとってもかわいいんです!
本当に詐欺師なの? と疑ってしまうくらい、お人好しな性格のグホ。ターゲットをだます演技力や計画を遂行するために指紋をコピーするといったスキルはあるのに、小心者ゆえに作戦の肝心な部分を知らされず、イランとジェームズに騙されては「なんで俺だけ知らされてないんだよ!」と拗ねる様子がかわいいんですよ。毎回本気で焦る姿が滑稽だったり、逆にグホと同じ目線でドキドキさせてくれたりと、視聴者を引き込んでくれるんです。
一度かわいいと思うと、全部がかわいく見えるじゃないですか。性格はもちろん、前髪あり&襟足長めのヤングなヘアスタイルも好きになっちゃいまして。前髪ありのビジュアルは映画『ケナは韓国が嫌いで』などでも披露してきましたが、グホの性格と相まって少し幼さを感じさせる雰囲気が新鮮。個人的には、チュ・ジョンヒョクの新たな魅力を発見できたことが最大の収穫です!
Prime Videoで見られる!
『コンフィデンスマンKR』
全12話
© 2025 TME Group Co.,Ltd. All Rights Reserved.
『コンフィデンスマンKR』Prime Videoで独占配信中
「弱さを抱えて生きる意味」を改めて問う『弱いヒーロー』シリーズ

シウンの傷跡が痛々しい。(Class2)
『弱いヒーロー』
Class1、Class2
各シリーズ全8話
出演:パク・ジフン、チェ・ヒョンウク、ホン・ギョン、シン・スンホ、イ・ヨン、リョウン、チェ・ミニョン、イ・ジュニョン、ユ・スビン、ぺ・ナラ、イ・ミンジェほか
Netflixシリーズ「弱いヒーロー」Class1~2:独占配信中
あらすじ
いつもひとりで黙々と勉強に没頭している優等生シウン(パク・ジフン)。ぱっと目“勉強しかできない軟弱な優等生”の彼は、ある日、優れた頭脳を活かしてクラスメイトたちからのいじめに毅然と立ち向かう。
仲間とともにシウンが、学内外にはびこるいじめや暴力に対抗していく過程と成長を描いたアクションスクールドラマ。
ここが見どころ!
木枯らしが吹く季節になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
今回紹介するのは「弱いヒーロー」シリーズ。2025年4月のシーズン2公開に先駆けてシーズン1(2022年)を配信を開始したところ、シーズン1と2が同時にTOP5にランクインするという、異例の快挙を達成した作品です。
暴力の渦に巻き込まれる中で成長していく若者たちの青春アクションドラマでして、高校を舞台に、10代の友情や嫉妬、その葛藤や関係の歪みが繊細に描かれながらも、各シーズン全8話。ミニシリーズの韓国ドラマ1作品を観る感覚で完走できちゃうんですね。お手軽!
両シーズンの主人公ヨン・シウンを演じるのはパク・ジフン。国民的オーディション番組『PRODUCE101 シーズン2』から生まれたWanna One出身、「私の心の中に保存♡」で大ブレイクした彼です! 愛嬌たっぷりな“保存男子”と、学園ノアールクライシス作品とのイメージが結び付かないんですけど、これがどうして神キャスティング。
というわけで、次は各シーズンについての説明をします。

廊下を歩くシウンとジュンテ。(Class2)
シリーズを通しての大筋は、秀才の高校生・シウンが、仲間たちとともに、学校にはびこるいじめや暴力に立ち向かっていくというストーリー。スカッと痛快な学園モノを想像する方もいるかもしれませんが、ぜんっぜん違うんですよ。勉強や家庭の事情で、大小さまざまなストレスを抱えた現代の若者たちの理不尽な現実を描く、めちゃくちゃシリアスな物語になっていて、最初から最後まで、ずっとずーっと胸が痛かったです……。
舞台はビョクサン高校。主人公のシウンは、勉強以外に興味関心のない優等生。小柄で、運動も苦手な、いわゆるガリ勉タイプ。でも目ヂカラが半端なく、自分の意見をハッキリきっぱりと伝える性格。勉強を邪魔されると、すぐさま怒りスイッチON!
どんな相手であっても立ち向かうし、売られたケンカはもれなく買う。自分の身体的な弱点を補うため、周りの環境を応用して戦う知略型ファイターで、その貪欲さにどん引くというか、あまりお近づきにはなれなそうなタイプのニューヒーローです(笑)。
そんな一匹オオカミだったシウンに変化が訪れるのは、ケンカは強いのにしない主義のスホ(チェ・ヒョンウク)と、繊細で情緒不安定、でもなんだか放っておけないボムソク(ホン・ギョン)と友達になってから。放課後に遊んだり、一緒に食事をしたり、ビリヤードやカラオケに行ったりと、ごく普通の学校生活を送りつつ、3人は友情を育んでいくのですが……ざわ……ざわざわが止まらなーい!

マジでイスを投げつける5秒前のシウン。(Class1)
同級生たちの暴力や不良グループとのいざこざはエスカレートするわ、水面下では犯罪がうごめいているわで、それにシウンたちは絡めとられていきます。小さな不安や恐れ、ささいな疑念と嫉妬の積み重ねはすれ違いを生み、3人の関係に大きな影を落とします。
「どこかでわかりあえたら」と、祈るような気持ちで観ていたのですが、結果は……。
あきらかに度を超えたいじめや校内暴力。高校生が抱える孤独。大人の都合で踏みにじられる子供の尊厳。そんな中で同世代との友情は救いであり、希望でもあるというのに、ほんの少しバランスが崩れただけで、相手の切り裂くナイフにもなりうる“ガラスの十代”に、美しさと切なさと痛みを感じました……。

マジで相手に殴りかかる5秒前のシウン。(Class1)
そしてシーズン2。
ウンジャン高校の転入生となったシウンは、前の学校で人を殺したとウワサされ、線を引かれていた。ところが、不良学生ヒョマン(ユ・スビン)にいじめられていたジュンテ(チェ・ミニョン)から、ある事件がきっかけで慕われるように。
シウンが気に入らないヒョマンは、自身と対立するヒョンタク(イ・ミンジェ)とシウンを争わせようと画策するも、ウンジャン高校のボス、フミン(リョウン)の介入で不発に終わる。フミンとシウンは一緒に過ごすようになる中、近隣の学校を束ねている「連合」がウンジャン高校を引き入れるべく、シウンたちに嫌がらせと暴力を繰り返す……。

マジで戦う5秒前のヒョマンとシウン。ヒョマン役を演じたユ・スビンは『愛の不時着』出演後、ブレイクしたバイプレイヤー。 (Class2)
シーズン2のシウンも “弱いヒーロー”のままでした(よかった!)。
シーズン1では虚無の眼差しをしていたシウンですが、シーズン2では、それに諦念・傷心・哀愁が落とし込まれて、見るだけで闇に吸い込まれるようなダークみが増しておりました。寄るな・触るな・近づくなと周囲を突き放しつつ、心の中では誰よりも友情を渇望している。友情を失って傷付くことへの恐れと哀しみが強く宿ったダークさ。シリーズ1と2で“眼差し”を演じわけたパク・ジフンの底知れぬ表現力にビビり散らかしました。
一体、どんな人生を送ってきたらこんな目ができるの……。

虚無の目をしたシウン。(Class2)
といっても、転校先でのシウンは、かつてのスホのように机に突っ伏して寝るのがデフォルトなんですけども、そこはシウン。その気もないのに、いろいろ巻き込まれておりました。そして、ある事件に巻き込まれるクラスメイトを目にして、ついに覚醒!
虚無プラスアルファの目をカッと見開き、相手と周囲を分析。「攻撃は最大の防御って言葉、知ってる?」とばかりにケンカを仕掛け、相手の隙が見えたら、打つべし・打つべし・打つべし! 「カッコよさ」とか「スマートさ」なんか1ミリも考えずに勝利をもぎ取ろうとする泥臭ささは、弱いけど強くて。それは自身の弱さや葛藤を認めてキチッと受け入れた人だけが手に入れることのできる強さなのかも。
今回のシウンの仲間は、正義感&ケンカがむちゃくちゃ強い友達思いのフミン、ケンカは弱いけど芯が強く、行動力のあるアニメオタクのジュンテ、目立たないけど、じつはケンカが強くて目が届く配慮の人・ヒョンタクの4人。彼らも暴走してしまうか否かは、本編で確認してくださいね。
Netflixで見られる!

『弱いヒーロー』
Class1、Class2
各シリーズ全8話
Netflixシリーズ「弱いヒーロー」Class1~2:独占配信中
時代劇×タイムスリップの間違いないおもしろさ『暴君のシェフ』

『暴君のシェフ』
全12話
出演:ユナ、イ・チェミン、カン・ハンナほか
Netflixシリーズ「暴君のシェフ」独占配信中
あらすじ
天才フレンチシェフのヨン・ジヨン(ユナ)は、フランス料理対決ショーで優勝し、三ツ星レストランのヘッドシェフに昇進するチャンスを獲得する。人生最高の絶頂期を迎えたジヨンだったが、韓国に帰国する飛行機の中で歴史学者である父親から頼まれた朝鮮時代の史料「望雲録(マンウンロク)」にコーヒーがかかってしまい、トイレで汚れを落としていたところを異変に見舞われ、500年前の朝鮮時代にタイムスリップしてしまう。そこは、“最悪の暴君”として名高いヨンヒ君ことイ・ホン(イ・チェミン)が王だった時代。絶対味覚を持つホンの舌を魅了したジヨンは、「毎日異なる料理で王の舌を満足させなければ極刑」という条件のもと、王専属の料理人として王宮で働くことになるのだった。
ここが見どころ!

本作は、2025年8月から9月にかけて韓国で放送され、Netflixで配信中のファンタジー時代劇。少女時代の絶対的センターで、俳優としても数々の作品をヒットに導いてきたユナが、500年前にタイムスリップする天才シェフ役に挑戦しています。
現代から朝鮮時代にタイムスリップするという設定は、ファンタジー時代劇では“あるある”なのですが、これがやっぱりおもしろいんです。
まずは出会いのシーン。朝鮮時代にやってきたジヨンは、狩りに興じていたホンと出会います。韓服姿に昔の言葉を話すホンのことを“役に入り込みすぎている俳優”だと思って「時代劇のロケなの!?」とたずねるジヨンと、ジヨンのことを刺客だと思って攻撃するホン。ジヨンがテコンドーの型で威嚇するシーンはユナのコメディエンヌぶりが炸裂していますし、国王なのにロープでぐるぐる巻きにされてしまうホンの姿が笑いを誘います。

そんなこんなで宮廷で働くことになり、フランスの伝統料理オート・キュイジーヌやパスタをアレンジしたフュージョン宮廷料理を次々と生み出していくジヨン。料理の説明を聞いたホンが「ブランスのオットカジ?」「イッタルラのバスタ?」と不思議そうな表情でカタカナ語を復唱したり、「私は未来から来たんです。未来に帰らないといけないんです!」と訴えるジヨンのことを朝鮮時代の人たちが「やれやれ……」と憐れむような目でスルーしたりと、ドラマ前半はタイムスリップによって生じるコミカルなシーンがあちこちに散りばめられています。
ファンタジー時代劇の醍醐味を存分に発揮している一方で、本作は骨組みに史実を取り入れているところもおもしろいポイント。ヨンヒ君(ホン)のモデルは、「稀代の暴君」として知られる朝鮮王朝第10代国王ヨンサン君。ドラマでは、生母の死に関わった者を粛清する事件「甲申士禍(カプシンサファ)」を起こしたヨンヒ君の末路を知るジヨンが、彼を暴君にさせないために奔走しますが、この「甲申士禍(カプシンサファ)」もヨンサン君が実際に起こした「甲子士禍(カプチャサファ)」をベースとしています。全く架空の世界を舞台にしたストーリーよりも人間関係や展開がわかりやすく、ドラマの世界に入りやすくなっているんです。

なんといっても、最大の見どころは、斬新で洗練されたフュージョン料理の数々!
コチュジャンバタービビンバ、大王大妃(ヨンヒ君の祖母)の思い出の味を再現したアサリの韓国式うどん、それを応用したアサリの味噌パスタなどなど。ジヨンが振る舞う料理はどれも美味しそうなうえに、再現できそうなレシピが多いところが魅力。少し疲れた時でも、本作を見れば、「食べたい!」「作りたい!」と元気が湧いてきます。
また、美味しそうな料理とセットで見どころとなっているのが、食べた人たちのリアクション。味に魅了される様子を、たっぷりのCGと多彩な表情でコミカルに表現していて、俳優陣の名演技が光り輝いています(笑)。特に、暴君のイメージを覆す、イ・チェミンの振り切ったリアクションは必見です!

すべてのキャストが素晴らしいのは大前提として、本作最大の功労者はイ・チェミンではないでしょうか。イ・チェミンは、当初キャスティングされていたパク・ソンフン(『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』『涙の女王』など)の代役として急遽抜擢され、わずか数週間で役作りを仕上げたと言います。
しかも、時代劇は本作が初めてだったそう。時代劇特有の発声やセリフ回し、韓服の立ち振る舞い、そして乗馬に書道まで、現代を舞台にしたドラマと比べて習得しなければならないことがはるかに多いのに、それを主演というプレッシャーの中で完璧にやってのけるなんて、イ・チェミン、すごすぎます!

料理を通じて次第に心を通わせていくジヨンとホン。ジヨンは「甲申士禍(カプシンサファ)」を防ぐことができるのか。そして、ジヨンは現代に戻れるのか。ラブコメ、グルメ、時代劇、すべての要素がバランスよく調和していて、全12話があっという間です。
まだ見ていないという方は、余韻冷めやらぬ今のうちに、ぜひ!
Netflixで見られる!
『暴君のシェフ』
全12話
Netflixシリーズ「暴君のシェフ」独占配信中
幼なじみの女性2人の感情と人生を描き切った愛憎劇『ウンジュンとサンヨン』
『ウンジュンとサンヨン』
全15話
出演:キム・ゴウン、パク・チヒョン、キム・ゴンウほか
Netflixシリーズ「ウンジュンとサンヨン」独占配信中
あらすじ
脚本家のウンジュン(キム・ゴウン)と、映画プロデューサーのサンヨン(パク・チヒョン)は、小学校時代から親友であり、ライバルだった。大人になるにつれ、疎遠になっていた2人だが、10年ぶりにウンジュンはサンヨンから呼び出される。成功したサンヨンに複雑な思いを抱くウンジュンは、しぶしぶ会いに行くのだが、彼女からある “頼みごと” をされ、困惑してしまい……。
ここが見どころ!
2025年も12月に入り、「今年も韓国ドラマをたくさん観たなぁ」という振り返りシーズンがやってきました。どの作品が印象深かったかを思い返してみると、比較的最近の作品ではあるのですが、今回取り上げる『ウンジュンとサンヨン』がしみじみ良くて……。
本作は、母子家庭で育ったウンジュン(キム・ゴウン)と、お金持ちの家に生まれ、才能あふれるサンヨン(パク・チヒョン)の、10代から40代までの友情と人生の軌跡を描いたヒューマンドラマ。
誰しもが多かれ少なかれ経験する友だちとのケンカや疎遠になるエピソードや、過去を引きずったり、ささいなやり取りをキッカケにこじれていく友情を、10代、20~30代、40代の三部構成で、臨場感たっぷりに映し出しております。ライフステージごとに変化しながら、“憧れと嫉妬”や“近付いては離れる”を繰り返す、女友だちの絡み合う日常。
その、なんてことのない小さな心の揺れが、感情を揺さぶる大きな余韻へと変わっていき、ウンジュンの落ち着いたモノローグ・ボイスのトーンとあいまって、回を増すごとにじわ~じわ~としみ込みます。

子供時代のウンジョン
愛憎入り混じる幼なじみのウンジュンとサンヨンを演じるのは、『ユミの細胞』でも共演したキム・ゴウンとパク・チヒョン。あのユミとセイのタッグを再び見ることができるだけでもエモいんですが、本作の2人はエモいどころか、視聴者の号泣&嗚咽スイッチを押しまくる、ガチ演技対決を繰り広げておりました。
まず、本作のつかみがすごいんですよ。
冒頭でまず、ウンジュンがサンヨンのことを心底嫌っているんです。この2人は幼なじみなはずなのに。「この2人、何があった?」と気になっているところに、10年ぶりに再会したサンヨンが末期がんを告白(汗)。そこで、ウンジュンに、人生を締めくくるスイスへの旅に付き添ってほしいと懇願(大汗)。久々に連絡してきてそのお願いはちょっと容認できないとばかりに、「とんでもない暴力だ!」とサンヨンは怒りとも悲しみともつかない様子で断るんですが……(そりゃそうだ)。
1~2話だけで、キム・ゴウンとパク・チヒョンの演技に、ズドンと引き込まれます。

子供時代のサンヨン
その後、彼女たちの出会いから現在までを振り返る過去編がスタート。小学生のとき、初めて出会ったときから、互いに“自分にないもの”を相手に感じた2人は、ぶつかり合いながらも、いつしかかけがえのない親友に。その後、ある出来事をキッカケに決別。
大学時代には2人の間にサンハク(キム・ゴンウ)という、ウンジュンとサンヨンの友情を揺るがす、異性の先輩が登場。お察しの通り、三角関係になるのですが(笑)、一途で頑固、嫉妬に燃えるウンジュン VS 見た目クールな執着家サンヨンとの熾烈な戦いが勃発! 一瞬、「これは、『ユミの細胞』の裏エピソードかな?」と思うぐらいの、宙ぶらりん展開になって、ああもう終盤だなというあたりで、ふと気づくんです。ここまでは、2人の過去の話だ、ということを。
過去への旅が終わると、冒頭の最期の旅につながって、号泣展開へ。“最期の最後”まで “ウンジュンとサンヨン”の人生をしっかりと描き切っているので、感情と顔がぐっちゃぐちゃになるほど泣かされたラストは本当に圧巻でした……。

颯爽と歩くウンジュン
本作を演じるにあたり、ウンジュンとサンヨンを演じた2人の気合も素晴らしかったです。
2人とも、世代ごとの演じ分けがとてもナチュラル。例えば、キム・ゴウンの怒り方。ウンジュンは、サンヨンに振り回されることが多いのですが、大学生時代は“爆発した感情がぶつかり合うような怒り”ですが、再会後の40代では関係性を熟知しているがゆえの“静かな怒り”。時が刻まれたような重みが、怒りから伝わってきて、ゾクッとしました。
ちなみに、10代のウンジュンを演じるにあたって、「自分の若い頃を振り返ると、頬がふっくらしていたので、それを再現したかった」と、増量に励んだとか(確かにふっくらしてました!)。内面(=演技)のみならず、外見からも“時間”を表現しようとするストイックさに敬礼!

ウンジュンの眼鏡姿もキュート♡
そして、ウンジュンに対してのねじれた思いから言動が不安定になりがちのサンヨンを演じたパク・チヒョンの演技も。人生の不幸を煮詰めたような幸薄い女性に見える一方、内面には強烈な渇望や歪みを抱えている役って、めちゃめちゃ難しくないですか?! サンヨンの自分自身の人生をどう受け止めてよいかわからない戸惑いや認知の歪みが滲む表情に、何度ハッとさせられたことか……。
「2人(ウンジュンとサンヨン)の眼差しやセリフ、呼吸、震えのひとつひとつがリアルでありながらも、自然に描かれていて。この作品はまるで“恋愛プログラム”のようにも感じられた」と語っていたパク・チヒョンに全面同意です!

サンヨンの意志の強い眼差し
ちなみに、パク・チヒョンは、「お姉さんの顔を見るだけで涙が出るほどだった。お姉さんがウンジョンでホントに良かった、完璧な人!」とコメントするくらい、キム・ゴウンの熱烈なファンだそうで。
そんなパク・チヒョンの、「大好きと尊敬、嫉妬と劣等感を滋味深くコジラセテシマッターノ」演技や、キム・ゴウンの、「ノー・セリフ・シーンの感情の爆発力(沈黙が雄弁すぎる):~すべてはサンヨンの行動理解のために~」演技。推しとファンの関係性が、2人の演技をさらなる高みに押し上げたのではないでしょうか。
話は戻りますが、お互いの存在を心に留め置き、様々な激情を秘めながら人生の轍を刻む2人。うっかり、相手への本音がこぼれ落ちてしまったら、そっと距離を取る……という関係は、確かに恋愛プログラムを観ているかのようですね。
最後に。
本作を観るタイミングは、くれぐれもご注意ください。2人の女性の人生を、丁寧かつ繊細に紡いだヒューマンドラマのため、視聴後の余韻が半端ないんです。時間(と表情管理)に余裕のある時に観て、どっぷりと浸ってくださいませ。
Netflixで見られる!
『ウンジュンとサンヨン』
全15話
Netflixシリーズ「ウンジュンとサンヨン」独占配信中
弱さや矛盾を抱えた不完全なヒーローたちが愛おしい!『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』

完璧主義の冷徹上司の弁護士ユン・ソクフン(イ・ジヌク)と新米弁護士カン・ヒョミン(チョン・チェヨン)
『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』
全12話
出演:イ・ジヌク、チョン・チェヨン、イ・ハクジュほか
Netflixシリーズ「エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち」独占配信中
あらすじ
大手法律事務所『ユルリム』に、ロースクールを首席卒業し、各事務所からオファーを受けていた新米弁護士カン・ヒョミン(チョン・チェヨン)が入所する。理性的な判断を重視するが融通の利かない上司、ユン・ソクフン(イ・ジヌク)率いる訴訟チームへの配属を希望するが、ソクフンは面接試験にだらしない格好で遅刻したヒョミンのことが気に入らない。2人は法廷の内外で激しく衝突し、悩みながら、“真の弁護士の意味”と“人間的共感の価値”を見出していく。
ここが見どころ!
本作は、大手法律事務所を舞台に、さまざまな“愛”がくり広げられるリーガルドラマ。といっても、よくある法廷ドラマとは違って、依頼された案件を法律だけではなく、心で解決する弁護士たちが話題に。“弁護士として、人としてどうあるべきか”という主人公たちの姿を通して視聴者にも「法とは?」「愛とは?」「正義とは?」ということを深く考えさせる良作です。
本作は「正義 VS 悪」の勧善懲悪ストーリーじゃありません。「傷ついた心に、どうすれば寄り添えるのか」を本気で模索する人たちの物語。
新人弁護士カン・ヒョミンはロースクール主席、ヒョミンの上司ユン・ソクフンは勝率100%の完璧主義……と聞くと、超人的にデキる新人が上司と手を組み、巨悪に大ナタを振るうイメージですが、どっこい彼らは普通の人間です。完全どころか、不完全なヒーロー。
そんな主演2人の魅力を紹介します。

カン・ヒョミン
理想と現実の間でもがき続ける新人弁護士。プロとして感情的になってはいけないとわかってはいるけれど、目の前で苦しんでいる人を見ると心が動いてしまう、とても人間らしい人物。両親は法曹関係、首席で卒業した超エリートなのに、めっちゃ不器用で、世間知らずで、正義感だけで爆走してしまうような、危なっかしさも。
読書に集中してしまい、うっかり電車を乗り過ごして面接に遅刻したり、総会に出席するだけの案件なのに都市ガスの不正利用に気付いて、その調査に没頭するあまり、“報連相”をぶっちぎって無断欠勤するとか、上司に盾突くとか、なかなかにぶっとんでます(笑)。
しかし、失敗するたびに悩み、葛藤し、自分なりの「正義」を見つけ出そう努力して結局自分のものにしちゃう姿が泥臭くてカッコいい!

ユン・ソクフン
ヒョミンの上司であるソクフンは、ヒョミンとは違って、冷徹・合理的・妥協知らずの完璧主義者のエリート弁護士。冷酷かと思いきや、自分の考えを押し付けずに、相手にさりげなくアドバイスしたりなど、“まず部下に考えさせる”タイプ……と、思ったより部下思いの上司でした。
プライベートでは意外と家庭的な一面も。堅物かと思ったら、過去は元妻とラブラブで、一緒に石鹸を作ることもあった様子。そして愛犬・ハッシュへの溺愛っぷりもすごい。
回を重ねるごとに、冷徹さは自分の心を守るための防具だったことがわかってきます。誰よりも人の痛みが分かるソクフンだからこそ、自分の感情に流されてしまわないよう、鎧などでガッチガチに身を守っていたのでした。
調子を狂わす新人ヒョミンの登場により、固く閉ざしていた自分の心と向き合い、徐々に人間らしさを取り戻していくのですが……。ちょいちょい、彼は不器用な優しさを見せたり、内に秘めた情熱を炸裂させて、視聴者のハートを盗んでいくのでお気を付けください(特にハッシュと戯れるシーンの盗難率は100%)。
この2人、仕事はよくデキるけど、それ以外では不器用のかたまりです。過去の愛にとらわれ続けるソクフン、家族愛に悩むヒョミンを観るたび、「弁護士も自分と同じ人間なんだなぁ」という当然の事実を、いい意味で突き付けてくれます。
誰もが弱さや矛盾を抱えながら、必死で戦っている。苦しんでいる誰かのために。自分の信じる正義や信念のために。不完全なヒーローが守る世界だからでしょうか。本作の物語が、出てくる人物たちが、愛おしくてたまりません。
ちなみに、本作にもラブラインはあります!
といっても、メインのふたりではなく、同僚のイ・ジヌ(イ・ハクジュ)とホ・ミンジョン(チョン・ヘビン)。職場ではライバルですが、一歩外に出れば、冗談も言い合うし、家族や恋の相談もする最高の友人同士。2人の掛け合いシーンは、法廷砂漠に湧き出るつかの間のオアシスではしゃぐ無邪気なカップルを見ているのかのような、くすぐったさと安らぎがありました。ジヌの「ヌナ、好き好き!」攻撃にほっこり。年齢差など、現実をシビアに考えるミンジョンのいじましさも、またリアル。

母性愛、異性愛、ペット愛など、多様な愛を描かれている本作。各話の依頼人はそれぞれ、悲しくも厳しい現実に直面しています。つまり、依頼人にとって訴訟は“最後の頼みの綱”。切実な彼らの思いと願いを叶えるため、ソクフンとヒョミンと仲間たちは日々奔走します。
2人の休憩中のやり取りや、法廷で発せられる彼らの言葉のひとつひとつには慈愛が満ちていて、じんわりあったかい。本作を観た後は、観る前に比べて、ちょっぴり人に優しくなれる、そんな力を持った作品です。
Netflixで見られる!

『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』
全12話
Netflixシリーズ「エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち」独占配信中








































