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大江麻理子キャスターと一緒に学ぶ「民間宇宙船」【働く30代のニュースゼミナール vol.10】

テレビ東京『WBS(ワールドビジネスサテライト)』の大江麻理子キャスターがセレクトした“働く30代女性が今知っておくべきニュースキーワード”を自身の視点から解説する連載。第10回目は、バイラ読者の認知度も高い「民間宇宙船」について、大江さんと一緒に学びます。

今月のKeyword【民間宇宙船】

みんかんうちゅうせん▶民間の企業が開発し運用する宇宙船を指す。米民間企業スペースXは、2020年11月に世界で初めて運用段階に入った民間宇宙船クルードラゴンの初号機の打ち上げに成功した。そこには日本人宇宙飛行士の野口聡一さんと米宇宙飛行士3人が搭乗し、現在はISS(国際宇宙ステーション)に滞在している。

大江麻理子キャスター

バイラ読者96人にアンケート

野口聡一さんらを乗せた民間宇宙船の打ち上げが昨年11月に成功したのを知っていますか?


はい 72%

いいえ 28%

「知っている」読者が約7割。「野口さんが今ISSで何をしているのか知りたい」という声も。多くの読者が宇宙に関心があるようで、約9割が「夜空を見上げることやプラネタリウムが好き」、約7割が「宇宙人はいると思う」、約5割が「将来、地球温暖化が進み、人類が宇宙に移住することはあり得ると思う」と回答


あなたは宇宙に行ってみたいですか?

はい 49%

いいえ 51%

ほぼ半々の結果に。大江さんにも質問したところ、「地球以外で人間が生きることは不可能に近いんだなと宇宙飛行士さんの話を聞いていると実感します。その環境に適応できる人間はひと握りで、自分が行くのは無理だと感じてしまいます(笑)

「宇宙開発を続けていくために民間企業の力が欠かせない」

大江麻理子キャスター

宇宙が大好きな大江さん。アンケートで約7割の読者が民間宇宙船の打ち上げ成功を知っていた結果に、「多くの方が関心を持ってくださり嬉しいですね」と笑顔に。このニュースにはどんな意味があるのですか?


「まずスペースシャトルの退役以降、9年ぶりに再びアメリカが有人宇宙飛行の手立てを持ったこと、そして民間の宇宙船がデビューしたことが大きな意味を持ちます。宇宙政策というと国や国に関連する組織が携わるイメージがあったと思うんですが、各国の財政状況が厳しいなかで巨額の費用がかかる宇宙開発を継続するために、民間企業を引き込んでいくという流れが自然にできていると思います。そこで民間企業はどうやって利益を出すのかを考えていくので、そうなったときに一般人を宇宙に連れていくというビジネスをこれから真剣に展開していく段階に入るかもしれません。実際に民間宇宙船クルードラゴンは、将来宇宙旅行をする一般人を乗せて、宇宙に運ぶことも想定しているようです」

今回打ち上げに成功した企業スペースXのCEOイーロン・マスク氏は、火星移住計画も考えているとか。
「色々な計画を練っているようですね。ただ個人的には、火星に今の人間が行っても環境に適応できないですし、今のままの人間が住める地球環境を大切に守っていくことが、火星に移住するよりも現実的なのではないかと思います」

クルードラゴンに搭乗した野口聡一さんは今、ISS(国際宇宙ステーション)に滞在し、宇宙環境を利用した様々な実験を行っている。

「特にiPS細胞を使って肝臓のもとを培養する実験が注目されています。ISSはわずかに重力の影響を受ける微小重力という状態で、地球より立体的に組織や臓器を再構成させやすい環境であると考えられています。ISSでの実験が未来の医療の役に立つかもしれませんね」

「人工衛星が火の見やぐらとして宇宙から地球を見守っている」

大江さんが宇宙を好きになったのは、なんとバイラ世代のとき。


「2009年に米ヒューストンのNASAで、宇宙に向かう前の野口さんにインタビューさせていただいたことがきっかけでした。それまでは『宇宙は自分とは関係ない遠い場所の話だ』と思っていたのですが、当時野口さんが乗られたロシアの宇宙船ソユーズの実物大模型を目の前にしたとき、座席がすごく小さくて『ここにギュウギュウ詰めになって宇宙に出ていくの!』と胸がキュンとしました。さらにお話を伺い、『広い宇宙に挑んできた人類のいじらしさやたくましさ、人間っていいなと思わせるものが宇宙開発には詰まっている』と宇宙を身近に感じたんです」

読者からは「宇宙がどのように身近に役立っていますか?」との質問も。

「皆さんは携帯で位置情報サービスを利用したことがあると思いますが、それは宇宙を飛んでいる測位衛星によるGPSを使っています。スマホと宇宙がつながっているということですね。また気象衛星が天気を知らせてくれるのも大切な宇宙利用です。気象だけではなく、観測衛星から地球上の雲や水の流れを知ることよって、地球の温暖化の状況を把握できますし、災害が起こったときに現地の様子をいち早く宇宙から確認できます。私たちが生きているこの地球の環境を守っていくためには、少し離れた宇宙にある衛星から地球を俯瞰して定点観測していくことがすごく重要なんですね。そのためには宇宙開発が欠かせない。衛星が地球の火の見やぐらとして見守ってくれているのだと思います」

大江麻理子

大江麻理子


おおえ まりこ●テレビ東京報道局ニュースセンターキャスター。2001年入社。アナウンサーとして幅広い番組にて活躍後、’13年にニューヨーク支局に赴任。’14年春から『WBS(ワールドビジネスサテライト)』のメインキャスターを務める。

撮影/中田陽子〈MAETTICO〉 取材・原文/佐久間知子 構成/松井友里〈BAILA〉 ※BAILA2021年3月号掲載

【BAILA 3月号はこちらから!】

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