タイのBLドラマ、サブカップルも見逃せない青春群像劇『My Engineer～華麗なる工学部～』をレビュー！【美しきタイドラマの世界／第12回】

美男子揃いのBLドラマで人気に火がつき、今世界中で大ブームを巻き起こしている「タイドラマ」。一度ハマると抜け出せない魅惑の世界を"推し男子"とともにピックアップ！ 第12回は『My Engineer～華麗なる工学部～』をご紹介。

本作は、大学工学部のムーン（ミスターコンテストの優勝者）であるボーン（クーパー）と、医学部1年生のデュアン（ポーイ）が出会うところから始まります。この二人の出会いは、ほかの作品では見たことがない衝撃的なもの。なんと、ベンチでお昼寝中のデュアンの近くに大きなトカゲが現れ、それを教えようとしたボーンが顔を近づけると、起きたデュアンが驚いて思いっきり殴るという、ラブコメの範疇を超えている出会いなのです…。しかもそのトカゲ、いま、あなたが想像した以上にデカイです。

この冒頭から本作がどれだけコミカルな作品かご理解いただけるかと思いますが、その後も、可愛いデュアンのことがお気に入りになったボーンは、殴ったことを許す代わりに小学生男子並みにデュアンに難題を次々と提示していくのです。その一つが、毎日ストリートチルドレンから花を買い、届けに来るということ。純粋で許してもらいたいデュアンは、その約束を果たすために車にはねられても、血まみれになっても花を買い、届けに行くのです。そう、たとえ車にはねられても、血まみれになっても！　そんなこと、ある！？

二人は次第に距離を縮めていきますが、その模様がとってもキュートに、ほほえましく描かれているので、終始ニヤニヤしてしまう人も多いはず…！　しかも、自分では気づかずにあざとさを爆発させるデュアンの仕草や言動はひと言、勉強になるものばかり。

友達以外には心を開くことなく、言葉さえも発しないラム（パース）と、ちょっとしたきっかけから仲よくなった秀才のキング（レイ）の二人は、ラムの家族の問題を相談し、解決していくうちに心を通わせていきます。このキングのお姉さんが最高に素晴らしい腐女子なのも特筆すべきところ。なかなか距離が縮まらない二人のことを、発達した妄想力と勝手な発言でくっつけていくんです。ナイス、お姉ちゃん！　そのお姉さんの息子たちのキャラや、この二人の行く末をストーカー並みに追いかける女子高生たちはまさに画面の外の私たちのよう。二人の自転車2人乗りのシーンはとても美しく、心が浄化されます！

さらに、入学当時からボス（インタッチ）に片想いしながらも、親友でいられなくなるなら気持ちは伝えなくていいと、ひっそり思い続けているメク（ライアン）の関係も見どころ。アイドル活動をする女の子と付き合っているボスのために、色々協力的に接していきますが、ある日自分の想いを知られてしまい…。この二人の切なく苦しい物語、必見です。

恋愛、友情、そして家族の問題。様々な物語が丁寧に、そしてコミカルに描かれているからこそ、感情移入ができて、見ているうちに「全員幸せになって！」と大声で叫びたくなるはず。ちなみにメインビジュアルのセンターにいるキュートな女の子ティンティン（ナム・カンクンナット）は、みんなの相談役。「なんで周りはイケメンだらけなのに私に彼氏がいないの！」と常に叫んでる姿も好感度大！　

本作は『SOTUS／ソータス』を手掛けたサマジャーンが監督を務めているため、『SOTUS／ソータス』に言及するセリフがでてくるのも嬉しいところ。まさに青春をぎゅっと詰め込んだ、コミカルでポップな本作は、すでに続編の制作も決定！　そんな人気作をぜひ楽しんでくださいね。

友達としか話さずに、人を寄せ付けない雰囲気を持ちながら、友達思いで誠実なラムを演じたのは“Perth”（愛称：パース／本名：パース・ナクン・スクレイ）。1994年7月6日生まれ。役柄からクールなイメージがありますが、SNSで見せる素顔はとっても親しみやすく、英語、タイ語、日本語に堪能で、日本語でのツイートなどもよくしてくれています。YouTubeでもこの3言語を駆使した動画を投稿中。実は今作がデビュー作。今年はU-NEXTで現在放送中の『Y-Destiny』を始め『My Engineer2』や『KinnPorsche』に出演予定です。

【作品情報】

『My Engineer～華麗なる工学部～』

Blu-ray

5/7（金）発売

発売元：カルチュア・パブリッシャーズ

販売元：TCエンタテインメント

本体価格：25300円 

仕様：オリジナルタイ語／日本語字幕／5枚組／ 全14話

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構成・文／吉田可奈　企画／斉藤壮一郎〈BAILA〉