韓国ドラマ大好き! なライターが、ぜひおすすめしたい作品を紹介する連載コラム。
今回は現実と霊界を行き来することができる男と、霊の声が聞こえる能力を持つ宮女が、呪われた王宮内の「東宮(トングン)」に渦巻く禁忌の謎に迫るミステリー×ファンタジー時代劇『トングン -呪いの宮-』を紹介します。
CONTENTS
1.『トングン -呪いの宮-』作品概要
『トングン -呪いの宮-』
全8話
出演:ナム・ジュヒョク、ノ・ユンソ、チョ・スンウ、クァク・ドンヨン、チャン・ヨンナムほか
Netflixシリーズ「トングン -呪いの宮-」独占配信中
【あらすじ】
立て続けに王子たちが亡くなっている王家。危機感を抱いた王は、巫女の息子グチョン(ナム・ジュヒョク)に“もののけ”退治を命じる。しかし、王命を拒み、逃げ続けるグチョン。そこで、霊の声が聴こえる宮女センガン(ノ・ユンソ)が監視役に選ばれ、同行することに。2人は王宮に潜む呪いの正体を暴いていくのだが……。
2.ナム・ジュヒョクの除隊後復帰作

ナム・ジュヒョクのビジュの良さが大渋滞中
今回紹介するのは、ナム・ジュヒョクの除隊後復帰作にして、圧倒的な映像美と演技対決で話題となった『トングン -呪いの宮-』。霊界に入ることができる男グチョンと、霊の声を聞くことができる宮女センガンが、王の命を受けて東宮(トングン)に隠された呪いを暴く、というミステリー×ファンタジー時代劇です。
グチョン役を演じるのは、我らがナム・ジュヒョク。『まぶしくて ―私たちの輝く時間―』では傷を抱えながらも懸命に生きる青年を演じて韓ドラファンの保護欲を刺激し、『二十五、二十一』では時代に翻弄されながらも前向きに生きる青年を演じて沼落ちファンが続出。そして、『ヴィジランテ』で見せた「昼は警察大学生、夜は悪人を裁くダークヒーロー」という難役で新境地を開拓したナム・ジュヒョクの最新作。
ヒロインのセンガン役には、デビュー作『私たちのブルース』で鮮烈な印象を残し、主演映画『君の声を聴かせて』でも圧倒的な存在感をみせつけたノ・ユンソ。本作が初時代劇とは思えないほど、堂々たる姿を見せています。
そして、共演には、『秘密の森〜深い闇の向こうに〜』シリーズや『馬医』などで知られ、ミュージカル(『ヘドウィグ』は最高!)でも活躍する名優チョ・スンウが2人に任務を与える王役に。また、王宮を牛耳る大妃に『サイコだけど、大丈夫』や『となりのMr.パーフェクト』など、数々のヒット作での名演が光るチャン・ヨンナムが、王宮内の不穏な物語に、深みと震えを与えてくれています。
それでは、本作の見どころをご紹介しますね!
※ここからネタバレあります。
3.「まるで映画館」のような没入感

まず、タイトルの説明からしますね。トングン(=東宮)とは、王位後継者の世子が暮らす宮殿のこと。ここで王(チョ・スンウ)の子どもたちが不審な死を遂げる中、最後のひとりとなった世子・英安君が危篤状態に。ある日、「王の血筋を根絶する」という“もののけ”の声を聞いた王は、30年前の事件……自身の兄弟が次々に亡くなった怪死事件との関連を疑い、“もののけ”を“刀”で斬り殺す能力を持つグチョン(ナム・ジュヒョク)に退治を命じます。そして、グチョンの監視役として、宮女センガン(ノ・ユンソ)を帯同させます。
心に闇を抱える者を苦しめて惑わす“キメ”、恨んだ相手を苦しめる“ウォンギ”など、さまざまな“もののけ”たちを、グチョンは、桃やナツメの木の枝で作った刀でバッサバッサと切りつけ、キャッチ(退治)&リリース(成仏)! この、霊界で繰り広げられる“もののけ”とのアクションシーンが本当にスゴいッ! Kゾンビ時代劇の金字塔『キングダム』を彷彿とさせる、“もののけ”たちの臨場感あふれる異形っぷりで視聴者の度肝を抜いてくる圧巻の映像の数々に加え、ナム・ジュヒョクの磨き上げられた躍動感溢れる殺陣の動きが相まって、まるで映画館で見ているかのような、すざまじい没入感が!

霊界でもののけと対峙するグチョン。
アクションの描写だけでなく、“もののけ”たちが、異形のモノにならざるを得なかった理由が丁寧に描かれています。本作には数多くの“もののけ”が登場するのですが、グチョンとセンガンが木刀でキャッチ&リリースをしているうちに、ヤバさMAXの最重要“もののけ”が、王宮の蓮池に住み着いていることを突き止めます。2人は、東宮の呪いの根源とされている、その“もののけ”と対峙するのですが……。
掘り起こされる王宮の凄惨な過去が、30年前の出来事と繋がっていき、権力争いや陰謀、愛憎が渦巻く、「生きている人間が一番恐ろしい」という展開にゾワゾワッ! 人間ドラマとしても、ミステリーとしても、しっかりと楽しめます♪
ちなみに、私はホラーやスプラッタのような怖い作品は苦手なのですが、今作は怖さ控えめの“減怖タイプ”だったので大丈夫でした。異形は出てくるけれども幻想的な『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』や『ホテルデルーナ〜月明かりの恋人〜』、アニメの『鬼滅の刃』といったのような世界観に近い、と思いながら視聴していました。途中、「ひっ!」とお化け屋敷でオバケと遭遇した時のような声を上げることもありましたが、基本的には、「戦うナム・ジュヒョク、カッコいいな~」「コモクサリ(後ほど説明しますね)、かわいいな~」でやりすごせる怖さなので、ビビりな方も気軽にお試しいただけます♡

霊界にいるときのグチョンは戦う男って感じでカッコいいです。
4.主演2人のバディ感がいい

霊界への入り口にたたずむ、センガンとグチョン。

グチョンは、首に縄を括り付けて霊界に旅立つ。
王宮の呪いの謎を解くために集められた2人(退治役と監視役)は、補完関係にあります。グチョンは、現実と霊界(鬼の世界)を行き来し、自ら“もののけ”となって刀で鬼を直接斬る「攻」の力を持っています。一方、センガンが持っている力は、霊の声を聞き、博学多識な知識で真実を紐解く「察知&分析」。つまり、グチョンが前線で身体を張って戦い、センガンがその状況を的確にナビゲート(監視)する役を担っているわけですが、2人のバディ感が本当によかった!
巫女の母を持ち、過去に人々に追われたグチョン。センガンもまた、霊の声が聞こえることで家族に疎まれていました。孤独の中で生きてきた2人が、王宮という誰も信用できない環境の中、命を懸けて助け合うことで強い絆が。深い孤独への共鳴は絶大な信頼感に変わり、いつしか、唯一無二の理解者に。お互いの姿が見えない現実と霊界で危機が迫る中、絶妙なタイミングで助けに入る、二人の背中の預け合いに何度もしびれました……。
そしてまた、ロマンスに走らないところもよかったです。純粋な盟友・戦友としての適度な距離感を保ち続ける2人の、くっつきそうでくっつかない、この過度にベタベタしない、絶妙にムズムズするような程よい距離感が、ビジュアル的にも精神的にも、質の高い「大人のケミ」を生み出していて、最終回まで、ずーーーっと「やきもき」していました(笑)。でも、このムズムズ、大好物です♡
彼らが選んだ結末も納得のいくものなので、ぜひチェックしてみてください。

霊界に移動したグチョン。

“もののけ”の声を聞く、センガン(ノ・ユンソ)。

“もののけ”からの声を聞き、霊界にいるグチョンをアシストするため、矢を放つセンガン。
5.ベテラン勢による、静かなる狂気に震える
主演2人のバディ感を押し上げたのは、王宮の闇をめぐる熾烈な展開と、以下の実力派キャスト陣による圧巻の演技対決でした。
大妃役:チャン・ヨンナム

王よりも王座を渇望する「欲望の塊」として、醜悪で強烈なキャラクターを怪演。後半に見せた、脳梗塞から回復しつつ、口を歪めて話すシーンの凄まじい形相は、ちょっと見たことがないほどの演技で、圧倒されました……。
王役:チョ・スンウ

優しさと残酷さを併せ持つ、「何を考えているか分からない」王を熱演。チョ・スンウのおかげで、先がまったく読めないサスペンス要素が、極限まで高まりました。腹の底が見えないキャラクターって、物語の変数として最高です!
ドロドロとした人間の欲望を体現したチャン・ヨンナムと、心の内を明かさない王の闇をチョ・スンウが火花を散らす心理戦・サスペンスに、息をつく暇もなく全8話を踏破できるはず。華やかなアクションや壮大なVFXが話題に上ることが多い本作ですが、その世界観を支えているのは、チャン・ヨンナムやチョ・スンウといった、ベテラン勢が作り上げた静かな狂気のおかげかも。主人公たちの活躍だけでなく、その周囲にいる人物たちにも注目すると、物語をより深く味わえそう。
また、途中で登場するクァク・ドンヨンも、とんでもない爪痕を残してくれます。一体彼が何の役で、どんな演技を見せてくれるのか、皆さん、お楽しみに!

クァク・ドンヨン。時代劇がお好きな方は、衣装で分かってしまうかもしれませんが……。
6.“コモクサリ”に癒される
減怖タイプとはいえ、おどろおどろしい描写も少なくない本作。そんな中、癒しとなったのが、コモクサリ。先ほど、“もののけ”には“キメ”や“ウォンギ”がいるとお伝えしましたが、コモクサリは“キメ”の一種。人間の陽気(生気)を吸い取る習性を持っていて、グチョンからお餅をもらって以来、布団の中にもぐりこんだり(うらやましい!)、危険を知らせてくれたり(えらい!)と、グチョンに懐く愛らしいキャラクターなんです。
首をかしげる姿に、きゅーん!
よちよち歩く姿に、きゅーん!
なぜこんなにかわいいのか……。ナム・ジュヒョク目当て見始めたはずなのに、いつしかコモクサリを追ってしまうのも、本作の見どころかもしれません。
『トングン -呪いの宮-』の視聴はこちら

“もののけ”。怖……。































































