どう動けばうまくいくかを瞬時に分析、型にはまらず物事を俯瞰できる男。独自の発想の根底には、“生涯チャレンジし続ける”という彼の哲学が流れている。関ジャニ∞ 大倉忠義さんのインタビューを3回に分けてご紹介。
関ジャニ∞・大倉忠義
大倉忠義
おおくら ただよし●1985年5月16日生まれ、大阪府出身、O型。関ジャニ∞として2004年にCDデビュー。現在、「関ジャニ∞クロニクルF」(フジテレビ系 月曜23時~)、「関ジャニ∞のジャニ勉」(関西テレビ 水曜24時25分~)、「関ジャム 完全燃SHOW」(テレビ朝日系 日曜23時~)に出演中。
迷って時間をかけるより決断して前に進む。やり直すことはできるから
固定観念にとらわれず、あらゆる角度から柔軟に考えるタイプだと語る大倉さん。それでいて決断力もあるという優れたバランス感覚は、長年の経験で培われたものだそう。
「計画的に進める部分と、自分の直感を信じて進むところの両方が自分の中にあるんです。ひらめきから始まって、進めていく段階ではけっこう慎重になる。10代の頃は経験値も低いから、今とは違って優柔不断で……。でも、20代になると、自分で決めなきゃいけないことが多すぎて、直感を信じるしかなくなって。迷っていたら周りの人までストップさせることになるしね。30代に入って、これまでに積み重ねた成功体験から直感の精度が上がり、瞬時にいい判断ができるようになったという感覚です。頭をフル回転させて即断即決したほうが前に進めるし、“やっぱちゃうな”って思ったらやり直せばいい。だから、“あれこれ悩んで、気づいたら数日たっていた……”なんてことも、今はなくなりました。昔からマイペースだし、決まり事が嫌い(笑)。自由にさせてくれるほうがいい動きができるんでしょうね」
最近では、グループ活動のほかに、後輩である関西ジャニーズJr.のライブ演出も手がけるように。
「一人ひとりが映えるパフォーマンスをアドバイスしたり、グループの魅力が引き出せる演出を考えたり、今は育てていくことの楽しさを学んでいる最中です。人と正面からぶつかっていくって、ものすごくエネルギーがいる。人間関係を築き上げるには時間も必要だし、彼らは多感な年頃でもあるから、どんな言い方なら伝わるかと、日々考えながら接しています。あれこれ言わないほうがいい子もいるし、こればっかりは法則がない。学校の先生は大変だなって、あらためて思います(笑)。」
「とはいえ、成長していく姿をいちばん近くで見られるのは最高の楽しみです。自分もJr.時代は数年間仕事がない状態で、順風満帆ではなかった。舞台でもひと言しかセリフがなく、悔しい思いをしたことも。でも、だからこそ今がある。そんな思いが後輩にも伝わっていたらいいな」
舞台『夜への長い旅路』
作/ユージン・オニール 出演/大竹しのぶ、大倉忠義、杉野遥亮、池田成志ほか
※ 6月7日~7月4日はBunkamuraシアターコクーン、7月9日から18日は京都劇場で公演予定。
息子を亡くし、麻薬の常習者になってしまった母メアリー(大竹)、アルコールにおぼれて放蕩する長男ジェイミー(大倉)。タイロン家の確執があらわになっていくさまが描かれる。
取材・原文/山中ゆうき 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2021年7月号掲載