30代・40代の妊娠のお悩みや疑問に医師が回答! 今回は妊娠中の「カフェイン入りドリンク」について。妊活や妊娠後のカフェイン入りドリンクはやっぱりよくない?赤ちゃんに悪影響はある?
Q:コーヒーや栄養ドリンクが手放せない日々。妊娠したら1日何杯まで飲んでいい?
30代&40代女性の「リアルな妊娠悩み&疑問」!
・「2年前に結婚し、そろそろ子どもが欲しい37歳。デスクには1日中コーヒーの類を置いて、なんとか仕事をこなしている感じ。朝から晩まで1日10杯は飲んでます。夫には『カフェインは冷えるから妊活によくないよ』『もし妊娠していたら妊娠超初期なんだよ。コーヒー飲んでたら赤ちゃんによくないよ』と咎められるのですが、実際どうですか? まだ妊娠前なんだから、うるさく言うなよ!とイライラしちゃいます」
・「なかなか妊娠できず、不妊治療を考え始めた30代です。仕事を乗り切るために、カフェインが欠かせない毎日。カフェオレ、緑茶、眠気覚ましのカフェイン入り栄養ドリンクをその日の忙しさに合わせてセレクトして飲んでます。ベビ待ち中はノンカフェインのお茶がいいなんて聞くけれど、カフェインが邪魔をして妊娠できない……なんてことはあり得ますか? 妊娠後も仕事は継続するのですが、コーヒーや栄養ドリンクは1日何杯まで飲んでもいいですか?」
医師が回答!
通常の婦人科診療のみならず、最新の脳科学×心理学×医学を総合的に駆使した診療を行うコーチング医。認知行動療法をベースに、トランスフォーメーショナルコーチのテクニックを日常診療に取り入れ、健康管理だけではなく、育児の悩みや親子関係・夫婦関係の改善など、幅広い分野で同テクニックを活用する。
※“妊娠超初期”という表現について……排卵日から月経予定日の期間を、“妊娠超初期”や、“妊娠2〜3週”と呼ぶ人もいますが、これは医学用語ではありません。この時期はまだ妊娠が成立していないため、妊娠とは呼べない段階です。記事でも読者からの悩みなどに登場しますが、便宜上“妊娠超初期”、“妊娠2〜3週”を「排卵日から月経予定日」と捉えた上で解説しています。
【ANSWER】妊娠中のコーヒーは1日3杯くらいまで。栄養ドリンクは避けて
「1人目の相談者さんがおっしゃる、いわゆる“妊娠超初期”、排卵日から月経予定日の前までのカフェイン摂取は問題ありません。この期間は、何かとってはいけないものをとったら妊娠自体が成立しない時期。カフェインが胎児に影響を与える時期ではないのです。
コーヒーや緑茶、ココア、コーラタイプの飲料などに含まれるカフェインは、とりすぎると不安や震え、不眠、めまい、下痢、吐き気など、様々な症状が出る可能性があるため、妊活中、妊娠中もその摂取量には注意が必要です。
とはいえ妊娠中も、カフェインを完全にゼロにする必要はありません。カフェイン含有量の表示をいちいち確認するのも難しいと思いますので、コーヒーや紅茶でしたら常識的な量として1日3杯くらいまでにとどめておきましょう。ちなみに、世界保健機関(WHO)は妊婦に対し、コーヒーを1日3〜4杯まで、としています。
眠気覚ましの栄養ドリンクなどは、コーヒーの何倍も多くカフェインが入っている場合もあり、妊娠中は避けたほうが安心です。栄養ドリンクに含まれる無水カフェインは、市販の風邪薬にも入っているくらい、作用が明らかなもの。薬と同様に、摂取には慎重になったほうがよいでしょう」
【POINT】カフェイン依存の生活は妊活に不向き
「ただ、相談者のおふたりのように、毎日の習慣として1日何杯もコーヒーや緑茶などのカフェイン入りの飲み物を飲んでいるような人は、妊活を意識した時点から生活習慣を整えたほうがいいと思います。
月経予定日の妊娠4週で、妊娠が分かってからカフェインをとる習慣をやめるのは本当に難しく、しんどいもの。もう少し手前の時期から意識して、赤ちゃんを迎える準備をする期間として習慣を整えてはどうでしょうか。
また、嗜好品、刺激物であるカフェイン入りドリンクを毎日飲む生活は、依存傾向にある可能性も。眠気覚ましとして飲んでいるのか、あるいは仕事が立て込むと、コーヒーを飲みながら乗り切ろうとしてしまうのか。ストレスを感じてリフレッシュしたくてカフェインを必要とするのは、タバコを吸うのと似た感覚ですよね。何か負荷がかかっていて、ナチュラルではない状態のときに過剰にとる状態。そういった状態自体が妊活には向いていません。
朝・昼・夕食の後に1杯ずつで1日3杯程度なら常識の範囲内ですが、それ以上飲んでいる人は、一度生活を見直してみるのもよいでしょう」
カフェインに頼りがちな人は、ストレス過多になっていないか生活を見直して!
取材・文/櫻木えみ