人気作に次々と出演し、若手の中でも注目を集めている中尾暢樹さん。10代でデビューし、映像作品の経験も長い彼が、今の2.5次元を語る!
ライブ・スペクタクル 「NARUTO ーナルトー」って?
週刊『少年ジャンプ』発の人気漫画『NARUTOーナルトー』の、舞台シリーズで、2015年からスタート。過去にはシンガポール、マカオなど海外でも上演。中尾さんは2021年末の「うずまきナルト物語」から出演中。
珍しがられた時期を越え、芯ある楽しいエンタメに進化しています
この秋に最新作が上演されるライブ・スペクタクル「NARUTOーナルトー」で、昨年冬に続き、主役のうずまきナルトを演じる中尾さん。
「原作にもアニメにも親しんで育ってきたので、演じられると決まったときは光栄でした。一方で、数ある2.5次元作品の中でも、ダンス、殺陣、歌、芝居に加えて、映像の演出も豪華な作品で、役者として求められるレベルの高さも知っていたので、気が引き締まりましたね。昨年の公演は、想像以上の運動量で、本当の戦いさながらに肩でゼイゼイと呼吸をし、感情があふれすぎて涙ながらに歌う場面も。一回の公演が終わるたびに完全燃焼でした。忍の高みを目指して修業する、ナルトそのまま。今作も、自分がどれだけ燃え上がれるのか楽しみです」
中尾さん自身はドラマや映画などの映像作品とも並行しながら、活躍中。俳優として多様な経験を積んでいるからこそ、今の2.5次元の世界の魅力をこうとらえているとか。
「ペーペーの僕が語るのもおこがましいんですが……。もはや2次元作品の舞台化として物珍しがられていた時期は過ぎたのかなと。その先にある本格的なエンターテインメントとして根づき、愛されていると感じています。実際に2.5次元にも、漫画にもアニメにも、さらに『NARUTOーナルトー』の物語にもさほど詳しくない男友達が、昨年の公演を観に来てくれて。『ストーリー展開がよく、まるでアトラクションみたいにキラキラしてた!』って。この感想が、今の2.5次元に初めて触れる方のリアルかもしれません」
「もちろんどの作品も、衣裳やメイクなどの細かい部分から動きまで、すごくディープな工夫を凝らしているんですよ。好きな方にとっては、それだけでも一日中見ていられるほど。さらに『NARUTO』の場合は、忍術を表現するために、人の動きと映像投影を合わせたり、トランポリンやエアリアルティシューを使ったりもしていますし。作品に携わる側も、2.5次元を5年、10年……100年先まで愛されるカルチャーにしたいと、挑戦の真っ最中です。掘れば掘るほど深い世界ながら、それでいてパフォーマンスは華やか。そのバランス感覚を、BAILA読者の方にも体感してほしいですね」
Q ナルトをどう演じている?
A イメージは保ちつつ、生々しくありたいです
僕はアニメも大好きだったので、ナルトといえばあのセリフや声でしょ!というイメージは表現したいんです。でも真似るのではなく“生きる”のが大事かなと。生身の人間が走り、汗をかき、動き回る臨場感が、僕のうずまきナルトだと思ってます。
Q ナルトのライバル・サスケみたいな存在はいる?
A 自分自身がライバルだと思ってます
誰かを意識するよりも、自分の中の限界を超えたいと思うほうなので、サスケみたいなライバルを、持てない性格なんですよね(笑)。周りにも、僕が熱量を持ってやっているところを見て、何かをわかってもらえればいいかなと思っていて。役者だと僕みたいな人は多いかも。
Q 長期にわたる舞台。モチベはどう保ってる?
A 一期一会のお客さんに感動を届けること!
僕も人間なので、前日に張り切りすぎて足が痛いとか、体力が落ちてきたなとか……。コンディションは色々あります(笑)。だけどそこは自分に活を入れて。生の舞台は、一回一回がまさにその日、その瞬間だけの出会い。どの公演を観るお客さまにも、少しでもいい時間を提供したいと、その思いのみです!
Ⓒ岸本斉史 スコット/集英社
Ⓒライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2021
Ⓒライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2022
「特に原作に詳しくなくても、パフォーマンスを観るだけで元気が出てくるはず。初めての観劇体験としても、舞台「NARUTO」は入りやすいと思います」
Ⓒ岸本斉史 スコット/集英社
Ⓒライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2021
Ⓒライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2022
「キャラクターのビジュアルも楽しみどころ。ナルト(右)の髪も、『現実にいたらどんな色?』という発想から、金髪の中に少しくすんだオレンジも入っているんです」
ライブ・スペクタクル
「NARUTOーナルトー」~忍界大戦、開戦~
出演/中尾暢樹、佐藤流司 ほか
脚本・演出/児玉明子
期間/9月17日(土)〜10月22日(土)東京(凱旋公演含む)、兵庫の2都市で上演。
詳細は公式ウェブサイトから確認を。
落ちこぼれ忍者のナルトが、里一番の忍である火影を目指し、仲間とともに試練を乗り越え、成長していく物語。今作は原作の52~64巻のエピソードが主軸。ナルトの出生の真実や、クライマックスとなる戦いを描く。
中尾暢樹
なかお まさき●1996年生まれ、埼玉県出身。2014年に芸能活動を開始。以来、ドラマ、映画、CM、舞台等で活躍。2.5次元作品ではミュージカル『刀剣乱舞』、舞台「東京リベンジャーズ」などの人気作品に出演。
Tシャツ¥8250/Sian PR(1/F) ジャケット¥52800・パンツ¥38500/JOYEUX(Ohal)
撮影/花村克彦 ヘア&メイク/カブキリョウタ スタイリスト/上田リサ 取材・原文/石井絵里 撮影協力/プロップス ナウ ※BAILA2022年9月号掲載