劇場版アニメが大きな話題を呼んだ『鬼滅の刃』の「無限列車編」がいよいよ舞台化。炭治郎・煉獄という本作のキーパーソンを演じる二人に、2.5次元舞台ならではの「鬼滅の刃」の魅力を聞いた。
舞台「鬼滅の刃」って?
©吾峠呼世晴/集英社
©舞台「鬼滅の刃」製作委員会
『週刊少年ジャンプ』にて連載された吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』の舞台化作品。2020年に1作目、2021年にその続編を上演し、作品の世界観に寄り添う音楽や剣戟アクションが話題に。「無限夢列車」は3作目となる。
話題の舞台「鬼滅の刃」出演の二人にも聞いてみた!
2.5次元は好きな作品・キャラにどっぷりつかれる、愛あふれる世界
矢崎 2.5次元舞台の魅力は、やはり自分が好きな作品・キャラクターが目の前でリアルに再現されることですかね。演じる側にとっては、そこがいちばん高いハードルにもなっているのですが(笑)。僕たちは原作やキャラクターに愛を持って作品に臨んでいて、ステージは「その愛を共有する場」だと思っています。そして見てくださる方も僕ら役者と交わりながら、さらに作品への愛を深めてもらえる世界だと思います。
小林 もう矢崎さんが言ったとおりで。つけ加えるなら、舞台ならではの演出や音楽も楽しいですよね。漫画のコマで描かれていない部分の想像を補ったりとか。
矢崎 この作品でいうと、レーザーや最先端の技術を駆使した舞台美術を使って、作品の持つ“闇”の世界観もうまく作り上げていることに驚きました。それが見事に表現されているからこそ、亮太の演じる炭治郎の“光”が際立っていますし。
小林 劇場で血のにおいがしそうなライティングを作ったりしてますよね。でもその一方で、演劇ならではの“人の手”を使った演出も多いのがこの作品の特徴かもしれません。「どうやったらこのシーンが面白く見えるんだろう」と稽古中に皆で考えることも多くて、スタッフとキャストが一丸となって舞台を作り上げているという感覚が強い。そうやって作られていく過程も、2.5次元舞台の面白さのひとつですね。
矢崎 見た目の役作りでいうと、僕は今、体を鍛えています。キャラクタービジュアルを見てもわかるとおり、煉獄さんって上半身がとてもしっかりしているんですよね。この堂々たる姿を再現するためには、もうちょっと肩幅をつけなければならない……と思って頑張っています。前回の衣裳を着て撮影したのですが、パツパツになっていたので、上演される頃にはいい仕上がりになっているのではないでしょうか!(笑)
小林 僕は炭治郎を演じる上で、立ち方や姿勢、刀を握る細かいしぐさにこだわりました。あとは特にこの作品では、殺陣のシーンで本当に当たったように見せるにはどうしたらいいか、演じる上でいちばん苦労しましたね。
矢崎 一瞬一瞬を写真で撮られたとしても「そうそう、そのキャラクターってそうだよね!」って思ってもらいたいですね。
舞台「鬼滅の刃」こそ、まさに初めての2.5次元観劇におすすめ
矢崎 僕はこの作品の大きな魅力は炭治郎にあると思っていて。彼の頑張っている姿、挫折しそうな姿、そして壁を乗り越えていく姿がハートに響く作品であり、僕もそこに惹かれました。素敵なキャラクターはたくさんいますが、その中心に炭治郎という太陽のような男の子がいるからこそ、魅力的な作品になっていると思います。
小林 ギャグ要素もあって楽しく見られるのも魅力ですね。善逸は女の子にすぐ求婚するし、伊之助は猪突猛進だし、ちょっと振り切れている人が多い(笑)。ズレてる人とさらに別の方向にズレてる人のかけ合いみたいなところが、僕は好きです。
矢崎 作品の魅力は忠実に舞台にちりばめられているので、原作ファンの方にも、これまで作品に触れてこなかった方にも自信をもってお届けしたい。今回の「無限夢列車」は老若男女問わず楽しめるストーリーで、亮太や演出の末満健一さんが舞台「鬼滅の刃」が始まったときから目指していた物語でもあり、作品においてすごく重要なお話にもなってきます。キャスト・スタッフ一同かなり気合が入っているので、生でそのパワーを受け止めてほしいです。2.5次元舞台が初めての方も絶対に楽しめます!
小林 僕たちの熱量を感じてもらうだけで、もし悩んでいる方がいればそれを軽くできるし、前向きな気持ちになってもらえると思います。それくらいパワーのある作品に仕上がっているし、僕自身もこの作品からくじけない強さを学びました。皆さんにも、それを感じてほしい!そんな思いを持ってスタッフ・キャストたちは日々稽古に励んでいるので、とにかく一度、観に来てください!
「熱量を感じてもらうだけで前向きな気持ちになってもらえるパワーある作品になってます!」 RYOTA KOBAYASHI
「ステージは『愛を共有する場』。2.5次元舞台は、さらに作品愛が深まる場所」 HIROSHI YAZAKI
最先端の技術とアイディアが生きる圧巻のステージ
©吾峠呼世晴/集英社
©舞台「鬼滅の刃」製作委員会
前作でいうと、柱がそろうシーンは稽古のときから「みんなそっくりじゃん!」と感激。その感動をそのまま舞台でも表現できた心に残る場面でした。(矢崎さん)
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©舞台「鬼滅の刃」製作委員会
プロジェクションマッピングを駆使した戦闘シーンは、舞台ならではの楽しんで見てほしい演出。音楽も相まって、自分の気持ちも高揚します。(小林さん)
©吾峠呼世晴/集英社
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舞台「鬼滅の刃」其ノ参 無限夢列車
出演/小林亮太、髙橋かれん、矢崎 広ほか
脚本・演出/末満健一 音楽/和田俊輔
期間/9月10日(土)〜10月23日(日)東京、京都にて公演。
詳細は公式ウェブサイトから確認を。
蝶屋敷での修業を終えた炭治郎たちが「無限列車」で炎柱・煉獄杏寿郎と合流し、新たな強敵に立ち向かう原作屈指の人気エピソード「無限列車編」。本作より竈門禰豆子役に髙橋かれんを迎えるほか、魘夢役を内藤大希、猗窩座役を蒼木陣が務める。
小林亮太
こばやし りょうた●1998年愛知県生まれ。舞台「僕のヒーローアカデミア」The“Ultra”Stage、ミュージカル「忍たま乱太郎」など2.5次元舞台をはじめ、映画『死神遣いの事件帖 -月花奇譚-』、特撮「仮面ライダーアマゾンズ」など幅広く活躍中。
矢崎 広
やざき ひろし●1987年山形県生まれ。2004年ミュージカル『空色勾玉』でデビュー。多数の舞台の経験を積みながら、ドラマ、バラエティ、声優、CMナレーション、ラジオパーソナリティー等多岐にわたり活動している。
小林さん シャツ¥37400/アンシングス(コントール) 中に着たシャツ¥15400/トゥモローランド パンツ¥42900/エム(ウジョー) 靴¥39600/スーパーエー マーケット 青山(ソロヴェア × スーパー エー マーケット)
矢崎さん カーディガン¥42900/キャバン 代官山店(キャバン) ニット¥8800・パンツ¥16500/ステュディオス カスタマーサポート(リノー) 靴¥45100/HEMT PR(ヨーク) ポーチ¥16500/トゥモローランド
撮影/野田若葉〈TRON〉 ヘア&メイク/松岡奈央子 スタイリスト/井田正明 取材・原文/米田果織 ※BAILA2022年9月号掲載