成熟した“かっこいい大人”を体現する西島秀俊さんにインタビュー。年を取ることがネガティブにとらえられてしまうこともある世の中で、かっこよく年を重ねるために大切なものとは何か教えてもらった。
自分以外の何かに貢献する、捧げる。そういう気持ちが年々強まっています
映画はずっと進化し続けています。だからこそ、固定観念や先入観にとらわれずに、新しい価値観を柔軟に受け入れることが大切だと思うんですね。古いものから新しいものまで知識を増やし、見聞を広め、インプットをやめない。尊敬する先輩方を見ていると、そういう姿勢がかっこよく年を重ねる条件なんじゃないかと感じます。
僕自身は、年齢を重ねるごとに、“こう演じたい”“こう見せたい”のような『自分が』という欲が減ってきたように思います。台本をいただくと、最初はもちろん“この役でこういう表現をしたい”と思いはしますが、それ以上に「見てくださった方が楽しめるのはどういう表現だろう?」と考えるようになりました。
自分がやりたいことをそのまま出すことが素晴らしい結果につながる役者さんもいらっしゃるんですが、僕の場合は「この作品を誰に伝えたいか」をうまくイメージできると作品にスムーズに入れるとわかってきた。だから常に「何を求められているのか」「どんな人に届けようとしているのか」を考え続けています。
今こうして、20代の頃からの夢の場所である、映像の現場に居場所があることが、心から幸せです。
西島秀俊さん主演! 映画『グッバイ・クルエル・ワールド』
©2022『グッバイ・クルエル・ワールド』製作委員会
出演/西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、宮川大輔/大森南朋/三浦友和
監督/大森立嗣 脚本/高田亮
全国ロードショー
お互い素性を明かさない一夜限りの強盗団が、ヤクザから大金を奪うことに成功。それぞれの生活に戻るものの、徐々に追い詰められていく。ソウル&ファンクなリズムが彩る日本型クライムエンターテインメントが誕生!
西島秀俊
Hidetoshi Nishijima●1971年3月29日生まれ、東京都出身。1994年『居酒屋ゆうれい』で映画初出演。北野武監督『Dolls』、アミール・ナデリ監督『CUT』、ドラマ&劇場版「MOZU」シリーズなど数々の作品に出演。2021年に、主演を務めた濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が、第94回アカデミー賞で日本映画として史上初となる作品賞を含む4部門ノミネートという快挙を達成、国際長編映画賞を受賞した。アマゾンプライム世界独占配信作品「仮面ライダー BLACK SUN」が公開予定。
撮影/五十嵐隆弘〈SIGNO〉 ヘア&メイク/亀田 雅 スタイリスト/カワサキタカフミ ※BAILAhomme vol.2掲載
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