書を探しに街へ出よう! 本を通じて、ここでしか味わえない体験ができる、ちょっと特別な東京の本屋さんをご紹介。今回は、隠れ家のような書店、特定の一冊のみを扱うギャラリーのような書店、入場料制で3万冊の本と出会える書店の3スポットをピックアップ。
本を通じて対話が広がる、隠れ家のような書店【SNOW SHOVELING】
![SNOW SHOVELING](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/f6/f690a4a4-d927-4076-8f85-7540bb005f19.jpg)
人でにぎわう駒沢公園近く、古いビルの階段を上って小さな扉を開くと別世界のよう。NYにある架空の書店をイメージした店内には、店主・中村秀一さんが選んだ新刊本と古本が壁いっぱいに並び、古びた家具やオブジェとともにひしめき合う。雑多だけれど、友達の家のように長居したくなる不思議な心地よさ。「好きな本や映画についての対話って楽しいですよね。会話が活性化して、人と人が交流できるような空間づくりをしています」。店内にはドリンクメニューがあり、掘り出した本を片手に、中村さんやほかのお客さんとのおしゃべりを楽しむのも素敵。
![山本美月](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/8c/8c62fc39-32c8-47d6-9bc2-0745ba468431.jpg)
本に埋もれるように置かれたヴィンテージソファ。コーヒーやアルコールを楽しみながらのおしゃべりもできる
![SNOW SHOVELING](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/a5/a54626c3-417d-4262-ab8e-f77b1ba28e57.jpg)
書名を隠して、テーマのヒントを表書きした文庫本「Blind Date with a Book」。店主の中村さんが選書してパッケージング。ブラインドデートみたいに、未知の本と出会えそうでわくわく!
![SNOW SHOVELING](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/d3/d3de22ed-c650-4cb2-ae40-bd7b4992d299.jpg)
壁に陳列されたビジュアルブックや写真集。今の流行の起源をたどれるような古書や洋書も
『SNOW SHOVELING』
東京都世田谷区深沢4の35の7 2F-C
営業時間:13時頃〜18時くらい
定休日:水曜
☎03(6432)3468
http://snow-shoveling.jp
一冊の本だけを売る、豊かで濃密なギャラリー空間【森岡書店 銀座店】
![森岡書店 銀座店](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/59/5904ab3b-6df7-4d5b-98f5-be69279c3053.jpg)
ここで扱う本はたった一冊。およそ1週間ごとに展示を変え、一冊にまつわるイベントを開催するギャラリーのような本屋さん。本に収められた作品の展示や、作り手の在廊イベントなど仕掛けは様々。「コミュニケーションの生まれる場をつくりたいと常々思っています」と店主の森岡督行さん。一冊の奥深さに触れて広く出会いが生まれるような、ここでしか味わえない時間を過ごせるはず。銀座の昔をよく知り、街と書物に関する本も著している森岡さんだから、会話の中で銀座散歩のヒントももらえるかも。最近「森岡製菓」としてお菓子の販売も始めている。
![森岡書店 銀座店](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/c2/c2940cc3-a260-4eb6-98cf-cee2db6233e1.jpg)
煉瓦造りの3階建てのビルは、昭和初期の歴史的建造物。日本のグラフィックデザインの黎明期を支えた〈日本工房〉が事務所をかまえていた
![森岡書店 銀座店](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/d8/d84a7e63-b457-4a16-b550-fc049ae82eea.jpg)
撮影時に開催されていたのは、画家ミヤマケイの作品集『反射 yin-yang』の受注会
![森岡書店 銀座店](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/61/613d29d3-4d12-4222-992a-ed8903bf370c.jpg)
アンティークの調度品と黒電話。広さ5坪のシンプルで落ち着いた空間
『森岡書店 銀座店』
東京都中央区銀座1の28の15鈴木ビル
営業時間:13時〜20時
定休日:月曜
☎03(3535)5020
インスタグラム @moriokashoten
入場料制の書店で、3万冊の本と戯れる【文喫 六本木】
![文喫 六本木](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/d7/d78bcece-1df1-4a35-826d-2954c76ce7c8.jpg)
六本木の駅近にある、新しい形態で話題の書店。入場料を支払えば、3万冊の本と思い思いのかたちで向き合える。軽食メニューも用意された喫茶室、一人で本に没頭できる閲覧室、みんなで使える研究室が自由に利用でき、珈琲と煎茶はお代わり自由。払う価値ありのサービスに加え「企画展や選書サービスなど、本との出会いのきっかけをたくさん用意しています」と副店長の及川貴子さんは言う。豊かな本の世界に触れるもよし、本に刺激されて仕事や調べものに集中するもよし。美術館を訪れるように、知的アミューズメントとして満喫したい。
![文喫 六本木](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/92/92266705-98c5-408b-ada6-13f0c3389ac2.jpg)
吹き抜けのロフトにある閲覧室では、本と集中して向き合える。電源とWi-Fiが使用可能で、飲食もOK
![文喫 六本木](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/3f/3f940761-d8d4-40a9-9594-853f96c03984.jpg)
様々なフェアを開催。モデル・小谷実由さんが一日店長として企画したスペースには、新刊のエッセイとともにオリジナルで共同制作した読書ノートなどの雑貨も
![文喫 六本木](https://img-baila.hpplus.jp/common/large/image/ea/ea49c99e-984e-4f02-95e3-70efa6575d8c.jpg)
無料エリアであるエントランスのマガジンウォール。壁一面に雑誌が陳列されている
『文喫 六本木』
東京都港区六本木6の1の20六本木電気ビルディング1F
営業時間:9時〜20時(L.O.フード19時 ドリンク19時30分)
不定休
入場料/¥1650(土・日・祝¥1980)ほか
☎03(6438)9120
http://bunkitsu.jp
(上)ニット¥28600/アブソリュート(シーレット) ブラウス¥19800/エリオポール代官山(エリオポール) パンツ¥26400/ホリデイ バッグ¥440000/エイチ アイ ティー(ロウナー ロンドン)
(中)ジャケット¥136400/ポステレガント ニット¥35200・スカート¥39600/オーラリー メガネ¥36300/モスコット トウキョウ(モスコット) バッグ¥13200/スティーブン アラン シンジュク(ジャミレイ) 靴下¥6380/ショールームリンクス(ババコ) 靴¥51700/ギャルリー・ヴィー 丸の内店(ディヴィナ)
(下)ブラウス¥30800/エストネーション(コラム) スカート¥47300/ル ブーケ スカーフ¥15400/デ・プレ(マナーマーケット) メガネ¥33000/アイヴァン 東京ギャラリー(アイヴァン)
撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/河嶋 希〈io〉 スタイリスト/佐藤佳菜子 モデル/山本美月 取材・原文/久保田梓美 ※BAILA2022年11月号掲載