成熟した“かっこいい大人”を体現する斎藤工さんにインタビュー。年を取ることがネガティブにとらえられてしまうこともある世の中で、魅力的な大人になるために必要なものは何か教えてもらった。
“淘汰されていく価値観が深みになる”、偉大な諸先輩方の姿から教わりました
僕が思う魅力的な大人というのは、本物を知る人です。本物か偽物かを見極める基準を、二択ではなく、グラデーションで持っている。その解像度が上がっていくのが、かっこよく年を取るということだと思います。
その上で、自分の大切なものに、たとえそれが世間的に価値があるものではなくても、深く時間を費やすことができる人に憧れますね。
僕にとって、年齢を重ねることは、川の流れでいうところの源流に戻るイメージなんです。若い頃は、河口や広い海にも出たけど、結果もとに戻る。そうできることが、かっこいいということであり、魅力的な男性の条件なんじゃないかと思いますね。
急な休みに自宅にいると、いちばんホームな場所のはずなのに、どこか居心地悪く感じるときがあって。“もっと重要な何かが、僕の今いる場所の外で起きているんじゃないか”と、取り残された感じがしちゃうんですよ。
自宅だと誘惑に負けるというか、料理でも片づけでも、やることが想像できてしまう環境は集中しづらい。持ち物すら制限される旅先のように、物理的には不自由な場所の方が、僕は自由を感じます。
“居場所は、あるようでないようである”、そんな感覚と向き合い続ける人生になりそうです。
斎藤さん出演! 映画『グッバイ・クルエル・ワールド』が公開中
©2022『グッバイ・クルエル・ワールド』製作委員会
出演/西島秀俊、斎藤工、宮沢氷魚、玉城ティナ、宮川大輔/大森南朋/三浦友和
監督/大森立嗣 脚本/高田亮
全国ロードショー
お互い素性を明かさない一夜限りの強盗団が、ヤクザから大金を奪うことに成功。それぞれの生活に戻るものの、徐々に追い詰められていく。ソウル&ファンクなリズムが彩る日本型クライムエンターテインメントが誕生!
斎藤 工
Takumi Saitoh●1981年8月22日生まれ、東京都出身。2001年に俳優デビュー。Netflixオリジナルシリーズ「ヒヤマケンタロウの妊娠」や映画『シン・ウルトラマン』など話題作に出演。映画監督としても活躍し、「Asian Academy Creative Awards 2020」で最優秀監督賞を日本人として初受賞。9月2日公開の短編映画制作プロジェクト「MIRRORLIAR FILMS」第4弾『女優iの憂鬱 COMPLY+-ANCE』や、2023年公開予定の映画『スイート・マイホーム』(主演:窪田正孝)では、監督を務める。
コート¥79200・シャツ¥22000・パンツ¥36300/ユハ
撮影/五十嵐隆弘〈SIGNO〉 ヘア&メイク/くどうあき スタイリスト/三田真一〈KiKi inc.〉 ※BAILAhomme vol.2掲載
BAILAhommeは売り切れ次第終了!!
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