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【水川あさみ×前田敦子】「モダンラブ・東京」愛にまつわるクロストーク~“自分”を見つけることができたとき、 人は素直に誰かを愛することができるのかもしれない

俳優の水川あさみさんと前田敦子さんが「モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~」で共演。二人が今作から感じた愛、そして、それぞれの大切な人の愛し方。愛にまつわるクロストークをお届けします。

『モダンラブ・東京』で共演した水川あさみさんと前田敦子さん
Prime Video『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』視聴はこちら

演じたのは、一緒に子育てをする同性カップル

――2019年にアメリカで製作され、様々な愛をテーマに描き世界中で大きな話題を呼んだオムニバスドラマ『モダンラブ』。その舞台を東京に移した作品が『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』だ。セックスレス、マッチングアプリの出会い、シニアラブ、国境を超えた愛……今作は現代ならではの“7つの愛の物語”を描いていく。

そのなかのひとつの物語『息子の授乳、そしていくつかの不満』で二人は共演。一緒に子育てをする同性カップルを演じている。


前田●過去には“ジャイ子”と“しずかちゃん”になったことも。実は私たち、CMでは共演したことがあるんですよね(笑)。

水川●そうそう(笑)。もう10年くらい前になるのかな。でも、あのときの撮影は一瞬の出来事で、お芝居の作品としては今作がほぼ初共演になるんだよね。あれから、役者として高く評価されていくあっちゃんの活躍を目にしていたからこそ、共演が決まったときは嬉しかったし、女性同士のパートナーという役柄に一緒に挑戦できるのもすごく楽しみでした。

『モダンラブ・東京』エピソード1『息子の授乳、そしていくつかの不満』の場面写真 子育てするカップル前田敦子さん水川あさみさん

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一人で現場にやってきて、一人で帰っていく。 前田敦子は肝が据わっている。

――難しい役柄であったものの、演技について事前に話し合ったり、現場で意見を交わすようなことはなかったそうだ。

前田●そうなんです。現場で話すのは役柄ではなくお互いのことついて。「今日の夕食は何を作る?」「今日は子どもにうどんを食べさせてきた」なんて雑談がほとんどで。

水川●「こうしたい」「ああしたい」という話をせずともスッと役柄に入ることができた。それはきっと、あっちゃんが“どっしり”構えてくれていたからだと思う。これは撮影中もずっと言っていたんですが、私の中で、彼女はすごく肝が据わっている印象で。まず、あっちゃんは現場にも一人で来るんです。私からしたら「あの前田敦子を一人にして大丈夫なの?」って不安になっちゃうくらいなんだけれど、本人はそんなのお構いなしで、一人でコンビニに行ったりするし、周りの視線を気にすることなく、自分のやるべきことをこなしていく、その姿を見て「かっこいいな」って。母として、役者として、一人の女性として、歩いていく覚悟のようなものも感じたりして。

前田●わあ、すごく嬉しい言葉。でも、水川さんの姿に私も同じ“どっしり”を感じていました。今作は撮影スケジュールがなかなかタイトだったうえに子役ちゃんもいるからこそ思いどおりに進まないことも。さらに、水川さんは繊細な演技を求められる場面も多かったのに、どんなときもパッと気持ちを切り替えて芝居に入り込んでいって。その姿を私は現場でいつも「素敵だな」とコッソリ眺めていましたからね。

『息子の授乳、そしていくつかの不満』で共演、前田敦子さんと水川あさみさんの対談風景

「こうじゃなきゃいけない」と自分で自分を追い詰めてしまう。 そんな息苦しさを感じている人はきっと多いと思う

――水川さん演じるキャリアウーマンの高田真莉は母乳で子どもを育てる“母乳神話”に囚われ振り回されてしまう。「こうじゃなきゃいけない」「これが正解なんだ」と自分で自分を追い込み苦しめ、いっぱいいっぱいになって周りの人も傷つけてしまう……。きっとそれは、子育てに限らず誰しもが一度は経験していること。真莉が抱える息苦しさに共感を覚える人はきっと男女問わず多いはずだ。

前田●私が演じる河野彩はそんな真莉をうけとめ支える存在。息苦しさを感じる人が多い現代だからこそ、誰しもが「そばにいてほしい」と思うような素敵な女性なんですが……。私自身は、彩よりも真莉の姿に「わかる、わかる」を強く感じてしまいました(笑)。彼女が抱える息苦しさもですが、私が特に共感したのが母親との関係。距離が近いからこそ自分のモヤモヤをぶつけてしまったり。母親って目の前にいてくれるだけで助かる存在なのに、同時にいちばんぶつかってしまう相手でもあるんですよね。

水川●うけとめてくれるのがわかっているからこそ、わがままになってしまったりしてね。

前田●そうなんです。特に10代や20代は甘えるようにぶつかっていた気がします。でも、私は子育てを通して母と素直に向き合えるようになった。母との間に子どもという存在が加わることでまた違う視線が生まれる。自分が母親になったことで見えてくるものもある。母に「ありがとう」「ごめんなさい」をちゃんと言えるようになった。それを自分なりに大きな成長だと感じていたりして(笑)。

「モダンラブ・東京」 『息子の授乳、そしていくつかの不満』の場面から家族のだんらん

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当たり前のようで当たり前でなく、思いどおりに伝わらない。 愛はときにすごく難しい。

――様々な愛を描き、愛の形はひとつではないことを、人の数だけ異なる愛が存在することを教えてくれる『モダンラブ』シリーズ。二人は今作からどんな愛を感じたのだろうか。

水川●どこにでも存在するし、存在していてほしいし、当たり前のようで、当たり前ではないというか。愛ってすごく大切なものなのに、油断すると忘れてしまうような存在でもあったりするから、そばにいる人が注いでくれる愛情を気づかぬうちにないがしろにしてしまうこともある。

前田●また、愛の矢印はすれ違いがちで。自分はこういう思いで愛を注いだのに、相手に違う形で伝わってしまう、そんなことも多々あったりして。


水川●愛はときにすごく難しい。それを今作で改めて教えてもらった気がします。


前田●本当、愛は難しい。でも、だからこそ、伝えることを諦めちゃいけないとも思う。ちなみに、私の愛情表現はすごく素直。誰に対しても好きと感じたら「好き」と伝える。そういう真っ直ぐな生き方をしているつもりです(笑)。

水川●素直に愛を伝えるってとっても大事なことだと思う。いちばん大事なんじゃないかな。

「モダンラブ・東京」で同性の夫婦を演じた水川あさみさんと前田敦子さん

大切なのは素直に愛を伝えること

――「素直に愛を伝える」 言葉にすると簡単に聞こえるが、実際に伝えようとするとこれがなかなか難しい。変なプライドが邪魔をしたり、カッコつけてしまったり、臆病になってしまったり…。最後に“素直に愛を伝えるアドバイス”を求めるとこんな答えが返ってきた。

水川●なんだろう、自分らしさを見つけることが大切なのかな。素直になれないのはきっと自分以外の何かに基準を置いているからだと思うんです。他人がどう思うかとか、周りがどこを見ているかとか、そこに合わせた生き方ではなく自分というものを見つける。自分は何が好きで、どんな人間で、どのような生き方をしたいと思っているのか、ちゃんと自分が見えていれば他の何かに惑わされず気持ちを伝えることができるんじゃないかなと思います。

前田●よく「自分を愛することができたとき、初めて誰かを愛することができる」なんて言葉を耳にしますが、それもきっとそういうことなんでしょうね。

水川●自分を知り、認め、私は私だと受け入れる。そのときにきっと自分らしい素直な愛し方が見えてくるのかなと思う。愛って誰かが与えてくれるようなものだと思ってしまいがちですが、実はそうじゃなくて。愛のヒントはいつだって自分が握っているのかもしれないですね。

水川あさみさんと前田敦子さんのポートレート「モダンラブ・東京」で共演

『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』


ニューヨーク・タイムズ紙の人気コラムを基に2019年にアメリカで製作され世界で話題を呼んだ『モダンラブ』。舞台を東京に移した今作『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形』では豪華俳優陣とクリエイターが集結。実写6話とアニメーション1話、全7話のオムニバスドラマで様々な愛の形を描く。

Episode 1「息子の授乳、そしていくつかの不満」で水川さんと前田さんはともに子育てをする同性パートナーを演じる。

2022年10月21日(金)から240以上の国と地域でPrime Videoで同時配信

「モダンラブ・東京」のメインビジュアル
Prime Video『モダンラブ・東京~さまざまな愛の形~』視聴はこちら

【水川さん衣装】ジャケット¥67100・シャツ¥38500・パンツ¥36300(すべてフミエタナカ)/ドール ☎03-4361-8240 イヤリング(右)¥62000・イヤカフ¥69000(左)・リング¥80000・ブレスレット¥197000(すべてシャルロット シェネ)/エドストローム オフィス ☎03-6427-5901

 【前田さん衣装】ドレス¥59000/CFCL cfcl.jp ピアス¥47000/simoe info@simoe.jp その他/スタイリスト私物

撮影/目黒智子 ヘア&メイク/星野加奈子(水川さん) 高橋里帆〈HappyStar〉(前田さん) スタイリスト/番場直美(水川さん) 有本祐輔〈7回の裏〉(前田さん) 取材・文/石井美輪

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