この頃はほぼ毎日出社しておりまして、願わくは仕事終わりに楽しく一杯といきたいところですが、いつも飲み友達とタイミングが合うとは限りません。むしろ合わない。コロナ以降、みんなの仕事の仕方が変わって、全然タイミングが合わない。
そんなわけで、もっぱら家で晩酌するわたくしの、心の友がこちらの出西窯のぐい呑みです。
吸い込まれるような深い青が特徴
出西窯は島根県出雲にある窯元で、民藝に根差し、「用の美」つまり日用品として使いやすく美しい器が作られています。最近の人気は、なんといっても「出西ブルー」と呼ばれる深い青。
いつまでも見飽きない吸い込まれるようなブルーは、お酒を注ぐとまた一層美しく見えます。背が高くわりあいとシャープなフォルム、色も色なので、ともすれば冷たい印象になりそうですが、どこか素朴な温もりを感じさせるのが不思議なところで、出西窯らしさでもあります。
青ばかり書いてきましたが、ふんわりとした白の釉薬もいいんです。
こちらは出西窯の定番のマグカップ。取っ手の上の部分がちょっと出っ張っているのは、親指がかかって持ちやすいようにという工夫です。使う人のことを考えた、かのバーナード・リーチの教えが守られているのだと、以前@BAILAで出西窯を取材したライターさんに教えてもらいました。
モーニングカップと呼ばれる大きめのサイズなので、寒い季節には朝食のスープを入れたら朝の幸福度が一気に上がりそう。今のところはコーヒー用です。
他にも陶器のキャットボウルに注文が殺到したことでも話題に(ECサイトでは現在は品切れ中の様子)。いろんな器がありどの器も目移りするほど素敵です。
今回記事を書くにあたり、この器の魅力をどう伝えようかと出西窯の自己紹介動画を見ました。そのなかに「日常の生活を豊かにできるようなものづくりを目指している」という言葉があり、それを聞いた瞬間、そうなんです、日常の生活が豊かになったんです! そう、オウム返しにしたくなりました(笑)。何を豊かと感じるかは人それぞれですが、会社から帰って晩酌するとか休日にコーヒーを飲むとか、なんでもない毎日の暮らしに、器があることで心が和んで嬉しい気持ちになる、そんな効用が間違いなくあると思います。