どんなにお気に入りのコスメだって、役目を終えるときは必ず来る。年末の大掃除に向けて、正しいコスメの捨て方を知っておこう。ゴミ清掃員とお笑い芸人の二足の草鞋を履くマシンガンズ 滝沢秀一さんが、分別の基本を分かりやすく教えてくれました。
正しい知識を身につけて、“捨て方美人”になろう!
マシンガンズ 滝沢秀一さん
BAILA読者にアンケート
Q.分別して捨てている?
コスメを分別して捨てていると回答した人は全体の約7割。逆に残りの3割はNO! 分別していないという人は一体どうやってコスメを処分しているんだろうか……。ちょっぴり残念な結果に
Q.どう捨てるor手放している?
「プラスチック、紙箱、ビンなど、マンションの分別の指示に従っているつもりだけど、正解かは謎」(30歳・会社員)
「ずっと眠ってて売るにも売れないファンデ系は、捨て方がわからず、持ったままにしちゃってる、涙」(32歳・自営業)
「恥ずかしながら今まで何も気にせず、すべて燃えるゴミに…」(29歳・会社員)
「使い終わったら容器別に。使いかけは母にあげたり、フリマアプリに出したりしています」(34歳・薬剤師)
まずはビン・プラスチック・スプレーに分類
使い終わったコスメを処分する場合、まずは容器の素材を見極めるところからスタート。「自治体によって回収のスタイルは様々だけど、基本はこの3つ。ビンやプラスチックの容器は再生資源になるから、できるだけキレイに使いきって資源ゴミの日に出そう。スプレーは破裂すると危険なので、中身を出しきって燃えないゴミに」(滝沢さん・以下同)
ビン
「ビンの容器は基本、再生資源だね! ただそのためにはキレイに使いきる必要があるんだよね。使い終わっても、香りが強すぎたり多少中身が残ってしまうものは、不燃ゴミとして出すのが正解」
プラスチック
「プラスチックは可燃か不燃か、自治体によって違うんだよね。住んでる地域で確認が必要。上のプラスチック製容器包装のマークがあってキレイに使いきったものは、再生資源として出せるよ」
スプレー
「スプレーは危険ゴミという区分。中身を使いきってほしいけど、難しい場合は中身が入っていることをメモなどで記載してくれればOK。穴をあける方法もあるけど、危ないので無理しないで!」
迷ったら9割ルール
「ゴミの分別には“9割ルール”というのがあって、素材の9割が燃えるなら燃えるゴミ、燃えないなら不燃ゴミとして処分してOK。ほとんどがガラスだけど一部だけプラスチックの容器や、プラスチックに少しだけ金具があしらわれているような入れ物など、捨て方に迷ったらこのルールを思い出してみて!」
液体そのままダメゼッタイ!
「“液体はゴミとして出しちゃダメ”という大前提があるんだよね。かといって、キッチンやトイレに中身を流すのも汚染の原因になるからダメだし、難しいよねぇ……。最後まで使いきれない場合は、新聞紙やいらない布に含ませたり、あとはフリマアプリなどに出して、必要としてる人の手に渡すのもいいよね」
清掃業者がわかるように捨てるのはお互いのためになる
「僕はゴミが入った袋を振ると音でだいたい中身がわかるんだけど、たまになんだかわからない謎のものもあるんだよね。それが清掃員にとってはいちばん困るし、恐怖! 分別に自信のないものは透明のビニールに入れて置いてくれれば、場合によっては回収不可のシールを貼って戻すこともできる。清掃員がスムーズに作業できるように想像力を働かせることが大事だね」
マシンガンズ
滝沢秀一さん
たきざわ しゅういち●1976年、東京生まれ。お笑いコンビ「マシンガンズ」として活躍する傍ら、2012年より清掃員として働き始める。2014年には『かごめかごめ』で小説家デビュー。近著は大幅に書き下ろしを加え待望の文庫化をした大人気エッセイ『このゴミは収集できません』。そのほか、清掃員としての体験談をまとめた著書も多数。
『このゴミは収集できません』
撮影/nae. ヘア&メイク/廣瀬浩介 取材・原文/前野さちこ 構成/渡辺敦子 ※BAILA2023年2・3月合併号掲載