「最近、つむじ付近の地肌が目立っているかも…」など、ふと気になることはありませんか? 実は今、30代のバイラ世代で薄毛に悩んでいる人が多いと聞き、そのモヤモヤを解決すべく薄毛治療の専門医に取材を実施。今回は「薄毛の基準って?」「薄毛に悩む人に共通していることは?」など、薄毛の定義にまつわるトピックについてお話を伺いました!
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医学博士。発毛治療実績は15年で、発毛治療と頭髪に関する悩み(抜け毛・薄毛・白髪など)を精神と身体の両面からケア。ライフステージ変化が多い女性に寄り添う治療が評判で、多くの支持を得ている。
Qそもそも薄毛の定義って?
「お風呂上りのドライヤーが終わったあと、床に落ちた抜け毛の量が多くて驚きます。漠然と“自分が薄毛なのかも?”と悩んでいるのですが、明確な定義はあるのでしょうか?」(31歳・販売員)
A具体的な定義はなし。本人が薄毛と感じたら薄毛です
「薄毛は広く浸透しているお悩みの一つですが、実は医学的な用語ではないんです。薄毛とは、症状名ではなく概念的な言葉。各々の主観が根底にある概念的な言葉なので、定義づけることは難しいもの。
薄毛の一番の判断基準は本人が感じる外見的変化なので、“一日に何本以上抜けたら薄毛”というものではありません。一般的に一日に抜ける髪の毛は約80〜100本と言われていますが、季節や生活スタイルなどによっても変動します。よって抜ける本数は個人差によるところが大きく、たとえ血のつながった家族であったとしても一概に“一日に何本抜ける”と平均値を言い切ることは困難です。
ただ、一口に薄毛といっても、病名がつくケースもあります。長期にわたって同じ箇所に過度な力が加わったことによる牽引性脱毛症や、ストレスによって円形の脱毛斑が生じる円形脱毛症といった場合は、髪の結び目を変えたり、ストレスを解消するなどの原因療法が必要です」(浜中先生)
Qクリニックへ来る患者さんに共通している自覚サインとは?
「元の毛量などによって薄毛の基準が違うような気がします。クリニックに来る方はどんなきっかけで来院されるのでしょうか?」(30歳・マスコミ系)
A分け目や地肌などの外見的変化がきっかけで来院してくる方が多いです
「『薄毛では?』と来院される方の根本にあるのは、本人の違和感。『髪の分け目が薄くなった気がする』『心なしか地肌が透けて見えるようになった』『つむじまわりがさみしい』などと様々ですが共通しているのが外見的変化の自覚という点。
髪もファッションの一部として考えるおしゃれ感度の高い人ほど、髪の変化に気がつきやすい傾向にあると感じています。髪が急に薄くなったことにショックを覚える方も多いと思いますが、言い換えれば自分の変化にきちんと気がつけている証拠でもあるんです」(浜中先生)
「これって薄毛なの?」と悶々と抱え込む人も多いデリケートな問題の分、「本人が薄毛と思ったら薄毛」の言葉にはハッとさせられますね。
取材・文/三上六花