「最近、つむじ付近の地肌が目立っているかも…」など、ふと気になることはありませんか? 実は今、30代のバイラ世代で薄毛に悩んでいる人が多いんです。そのモヤモヤを解決すべく、薄毛治療の専門医に取材を実施。今回は「現代女性は薄毛になりやすいって本当?」「薄毛って遺伝するの?」など、薄毛の基本的なトピックについてお話を伺いました!
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医学博士。発毛治療実績は15年で、発毛治療と頭髪に関する悩み(抜け毛・薄毛・白髪など)を精神と身体の両面からケア。ライフステージ変化が多い女性に寄り添う治療が評判で、多くの支持を得ている。
Q現代女性は、薄毛になりやすいって本当?
「電車や街で、若年女性をターゲットにした薄毛治療の広告が増えている気がします。薄毛は年配男性の悩みというイメージでしたが、実際に若い女性で薄毛に悩む人は増えているのでしょうか?」(36歳・医療事務)
A薄毛人口そのものよりも、関心を持つ人が増加中
「深刻な薄毛に悩んで来院される患者さんが急増したというよりも、『これって薄毛かも?』と疑問を持って訪れる30代の女性が多いのが実情です。そのため、“なりやすい”というよりは、関心を寄せる人が増えたんでしょうね。薄毛は更年世代のトラブルというイメージがあるかと思いますが、昨今の美容意識の高まりから薄毛に関心をもつ年齢は若年化傾向に。
やはり、髪は外見の最たるところ。日々のヘアアレンジやケアの中で、髪の量や質の変化に気がつく人が多いですね。SNSやメディア広告の影響もあり、専門クリニックの認知度もアップ。結果として、症状が進行する前に来院する人が増えたという印象です」(浜中先生)
Q薄毛って遺伝するの?
「父は若いときから髪が薄く、“うちは禿げ家系だから”が口癖です。私も将来、薄毛になるのでしょうか?」(34歳・公務員)
A遺伝的要因は2割ほど。ほかは後天的な要因がほとんどです
「多くの人が“髪の毛=遺伝“と考えると思いますが、実は薄毛が遺伝する確率はせいぜい2割ほど。白髪や髪質そのものは遺伝的要因が大きいと言えるのですが、薄毛は後天的な要因であることがほとんど。たとえば、毎日強い力で髪の毛が引っ張られるようなヘアスタイルをしていれば、その分髪の毛は抜けやすくなります。特に女性に注意をしたいのが、無理なダイエットなどのホルモンバランスを狂わせるような生活習慣。食生活が乱れると頭髪環境にも悪影響が及びます。遺伝に怯えたり安堵したりするのではなく、まずは規則正しい生活習慣を心がけることがもっとも重要です」(浜中先生)
Q元の毛量が多くても、薄毛になる?
「昔から人と比べてすごく毛量が多いほう。髪の量には困らないだろうね、と友人に言われることはありますが、本当にそうなのでしょうか?」(30歳・フリーライター)
A生まれもった毛量や髪質が、薄毛問題と直結するわけではありません
「髪が多くて太いから薄毛にはならない・細くて少ないから薄毛になるといった因果関係はないんです。むしろ、もともと毛量が多い人ほど髪の毛が減れば外見的な変化が目立つので、自分や他人が気づきやすいといえるでしょう。
生まれもった毛量や質に関係なく、加齢に伴なって量が減ったり質が変わったりとなんらかの変化が起こるのが髪の毛。いわば仕方のない面でもありますが、工夫のしがいはあります。たとえば、髪の分け目を変えたり、ヘアカラーをお休みしてイメチェンしたり、楽しみながらできることもたくさん。あまり思い詰めずに、できる工夫を見つけていくことが気持ち的にも楽だと思います」(浜中先生)
薄毛は遺伝的要因よりも生活習慣などの後天的要因に左右されるとは、意外だと感じた方も多いのではないでしょうか? 正しい生活習慣を心がけることは薄毛問題に関わらず、健康的な生活のためにも大切なこと。これを機に生活習慣を見直してみるのもよいですね。
取材・文/三上六花