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【女性のカラダ大百科】30代女性が気をつけたい病気No.1<乳がん>のギモンに医師が回答!

30代女性が気をつけたい病気No.1の乳がん。自己検診のやり方からマンモグラフィと超音波検診の違いなど、乳がんに関する気になる疑問に産婦人科医が回答します。

回答してくださったのは

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道 院長 島田菜穂子先生

ピンクリボンブレストケアクリニック表参道 院長 島田菜穂子先生


乳腺専門医としての診療の傍ら、乳がんに関する知識の普及啓発に尽力。クリニックでは3Dマンモグラフィを導入し精度の高い診療を行っている。

30代が気をつけたい病気No.1【乳がん】

乳がんは乳房にある乳腺に発生する悪性腫瘍のこと。30~60代の日本女性がかかるがんの1位がこの乳がん。つまりバイラ世代とその母親世代がいちばんに気をつけなくてはならない病気。日本では11人に一人がかかるといわれ、死亡率も増加の傾向に。初期症状がないため放置されやすいのが難点な一方、がんのなかでも比較的ゆっくり進行するのが特徴。早期に発見できれば約90%の人が治癒できる。

Q 乳がんのリスクが高いのはどういう人ですか?

A 遺伝的要素と女性ホルモンの影響が大きく、家族の病歴や出産経験のある・なしなどが関係します

具体的なリスク要因としては、①出産、授乳経験がない ②母親、姉妹など家族に乳がんになった人がいる ③乳がんや良性乳腺疾患になったことがある ④初産年齢が30歳以上 ⑤身長が高い ⑥肥満傾向。「高リスクの方は、ピルなどのホルモン治療も危険性が上がるので注意を。条件に当てはまらない場合も油断は禁物です」(島田先生)

Q 乳がんを予防する 方法ってありますか?

A ストレスケアと運動で代謝を上げ、定期検診で体の異常をいち早くキャッチ

「ストレスをためないことと週に最低1時間は運動して代謝をよくすることが一次予防。二次予防として重要なのが検診です。早期発見、治療のための自己検診やマンモグラフィなどによる定期検診は必ず受けて」(島田先生)。検診での早期発見が可能ながんだから、日本と違い定期検診の受診率の高い欧米では死亡率も低下しているそう。

Q 乳がん検診って受けないとダメですか?

A 命を守るためにも35歳からは1年に一度、高リスク者は早くから検診を

「早期の乳がんには自覚症状がなく、さわってもわからないため画像診断でないと発見できません。さわってわかるしこりは約2㎝。その前に発見することが大切なので自覚症状がないうちに、定期的に検診を受けてください」(島田先生)。早期発見は命が守られるだけではなく、治療期間も短く体や費用の負担も少ないなどメリット多し。

Q マンモグラフィと超音波検診の違いって?

A 検出できる得意分野が違うので最初は両方を受けて乳房の特徴を把握して

「マンモグラフィでは微細な石灰化を発見することができます。一方、マンモグラフィで見つけにくいとされる高濃度乳房(デンスブレスト)内の腫瘤を見つけるのに適しているのが超音波検査。自分の乳房の特徴を知ったうえで検査を使い分けるのがベストです」(島田先生)

検出できる得意分野が違うので最初は両方を受けて乳房の特徴を把握して

高濃度乳腺(デンスブレスト)とは
(上図右)乳房内の乳腺濃度が高く、しこりが見つけにくい
写真提供:ピンクリボンブレストケアクリニック表参道

閉経前の高濃度乳房はマンモグラフィではしこりを発見しにくいが超音波では発見が容易

(上図)閉経前の高濃度乳房はマンモグラフィではしこりを発見しにくいが超音波では発見が容易

マンモグラフィで写し出される石灰化は超音波検査では検出が難しい

(上図)マンモグラフィで写し出される石灰化は超音波検査では検出が難しい

Q マンモグラフィの検査、 痛そう&痛すぎていや…

A 生理前を避けるほか、受診するクリニックを見直してみては

「検査を受ける際には深呼吸をして筋肉をゆるめるだけで痛みはかなり軽減できます。また生理前は乳房が張って痛みを感じやすいので避けたほうがよいでしょう」(島田先生)。日本乳がん検診精度管理中央機構が行っている検診マンモグラフィ撮影診療放射線技師の認定を受けた検査技師がいる病院を選ぶのもひとつ。

Q 「石灰化」って、がんのおそれありってこと?

A 石灰化で良性と書いてあった場合がんの心配はありません

「石灰化には良性と悪性があります。正常な乳腺からの分泌物に含まれるカルシウムが沈着して石灰化した場合は良性。がん細胞に起因するものが悪性。要因がまったく違うので心配する必要はありませんよ」(島田先生)。なお、線維腺腫や乳腺症など乳腺疾患が原因の場合もありますが悪性化の可能性は低いそう。

Q 乳がんになったら乳房は取らないといけないの?

A 早期発見であればあるほど選択肢がある時代。病後の自分のやりたいことを伝えて相談を

「しこりの大きさが3cm以下の場合は一般には乳房を一部のみを切除し正常部分の乳房を残す乳房温存手術が適応されます。そのほか術前化学療法でしこりが小さくなれば、乳房の温存が可能な場合も。結婚や出産など治療後の希望を医師に伝えベストな治療方法を一緒に決めていくのが今の乳がん治療の基本。早期にがんを見つけることが治療の選択肢を広げるカギです」(島田先生)

Q 自己検診のやり方がよくわかりません

ボディケアの一環という感覚が大切

A ボディケアの一環という感覚が大切。全体をなでるように触れましょう

入浴時や入浴後のボディケアのときに指と手のひらで乳房全体をマッサージしてチェック。乳房をしぼり、乳首から分泌物が出ていないかも調べて。「顔のスキンケアをするときに手で肌に触れると肌のゴワつきや吹き出ものに気づくことがありますよね。それと同じ感覚で胸の状態に変化がないかを確認して」(島田先生)

指をそろえて10円玉大の円を描くようにわきの下から乳房全体、アンダーバストまでをチェック。

指をそろえて10円玉大の円を描くようにわきの下から乳房全体、アンダーバストまでをチェック。

イラスト/mio.matsumoto  取材・原文/東 美希 構成/菅井麻衣子〈BAILA〉 ※BAILA2020年2月号掲載

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