バイラ世代の気になる体の悩みを、読者に代わり専門家に相談する連載。今回は、バイラ読者の首こりの悩みを専門医が回答します!
16号整形外科院長 山田朱織先生
山田朱織枕研究所代表取締役。整形外科医として大学病院に勤めたのち、日本初の枕外来を開設。オーダーメイド医療による首コリ解消に定評が。著書多数。
まずは「首コリ」のお悩みについて、バイラ読者498人を対象にアンケート
Q 首のコリや痛みなどの 悩みはありますか?
程度に差はあるけれど、ほぼすべてのバイラ読者が、首にコリや悩みがあると回答。スマホ時代の今、もはや避けられない現代病としてケアすべきなのかも
Q 首の太さや長さ、 シワなど見た目の悩みは ありますか?
「20代のころから深い横ジワが」「アラサーになって、首のポツポツやザラつきが気になるように」など、悩みがあるけれどケア方法がわからないとの声多数
Q 特に気になるお悩みは?
コリと痛みの悩みが50%超え。ただ、アラサーのバイラ読者でもすでにシワが気になるという人が多く、さらに「短く見える」「太く見える」といった声もちらほら
Q 普段から行っているケアは?
困ると整体やマッサージに行くという声がある一方で、ストレッチや貼り薬などでセルフケアに励む人も。何もせず放置している人はごく少数派だった
見た目も痛みもつらい、慢性化した首コリの改善のカギは“美姿勢”
バイラ読者はほぼ全員、「首コリ」に悩んでいるのでは? アンケートから浮き彫りになったのは、首まわりの悩みが多いという現状です。「細い首でおよそ5㎏の頭を支えているのですから、負担がかかるのは当然。しかも、首が前に7㎝傾くと頭の重さは実質3〜4倍になります。スマホやパソコンを使う現代の生活では、どうしても首・肩が凝ってしまいます」
そう教えてくれたのは、姿勢の悪さからくるトラブルに警鐘を鳴らしてきた山田朱織先生。6万人の悩みと向き合ってきて、姿勢管理の大切さをあらためて実感しているそう。「筋肉の緊張が続けば、どうしてもコリが生じてしまいます。緩和するマッサージも悪くないのですが、姿勢が悪ければすぐにもとどおりに。そして、首コリは頭痛や腰痛、猫背、めまい、プチうつなどさまざまなトラブルを引き寄せてしまいます」
そんな恐ろしい首コリだけれど、日常生活が原因なだけに、意識を変えるだけでかなり改善するとか。「3秒意識するだけで、首姿勢は変わります。首を起こす、胸を開く、おなかを引っ込める。この3つを意識し、ストレッチを。体の中心に軸が通り、コリが解消して姿勢が美しくなりますよ」
読者からの疑問にドクターがアンサー
Q1 首をぽきぽき鳴らすのはよくない?
A 軟骨を傷める原因に。痛みが出る場合は特に注意
即座にトラブルが生じるわけではありませんが、鳴らすと関節が消耗するので鳴らさないほうがベター。特に鳴らすと痛みがある場合は必ず受診を。
Q2 首の長さは個人差があるもの?
A 骨の数は皆同じ。長い人は肩が下がっているんです
整形外科医として断言できますが、首の骨の数は一緒です。首が長く見える方は肩が下がっているだけ。ただ、そのほうが凝りやすいので要注意。
Q3 “ストレートネック”の人は凝りやすい?
A 外見的な言葉なので、コリや痛みとは関係していないことも
ストレートネックという言葉は医学用語ではありません。首のカーブと痛みの程度に関係はないので、見た目に振り回されず自覚症状を大切にして。
Q4 女性のほうが凝っている人は多い?
A 世界的に見ても女性のほうが多い
全世界的に女性のほうがコリに悩まされがちなのは、統計データでも判明。その原因は女性ホルモンから家事や育児などの生活まで諸説あります。
イラスト/黒猫まな子 取材・原文/高見沢里子 構成/田畑紫陽子〈BAILA〉 ※BAILA2020年11月号掲載
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