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“メラトニン”って何? ショートスリーパーはほぼいない? 睡眠のホントウを脳神経外科医が解説

朝起きたときにスッキリしない、眠りが浅い気がする、そもそも睡眠時間が全然とれない…。肌や心身のコンディションと深く関わる、眠りの悩み。その解決の糸口は、“睡眠ホルモン”にあった! 睡眠に関係している“メラトニン”について、脳神経外科医の道下将太郎先生が解説。

教えていただいたのは

アフロードクリニック表参道

道下将太郎先生


脳神経外科医、環境宇宙航空医学認定医。東京慈恵会医科大学卒業後、同大学病院勤務を経て、2022年にアフロードクリニックを開院。治療にアートや音楽を取り入れるなど、新たなアプローチの医療を提供。

睡眠にはメラトニンの濃度が関係していた!

「睡眠と覚醒など人間本来の生体リズムを調整する役割を果たすホルモン、メラトニン。暗くなると生成が促されて濃度が上がり、光があると生成が止まり濃度が下がるという仕組み。メラトニンの濃度を上げると速やかに入眠しやすくなるので、まずは暗い環境に身を置いて」(道下先生、以下同)

体内時計とデジタル時計のラグが体のギアチェンジを狂わせている!

「現代はデジタル時計によって日常が支配されている人がほとんど。日が落ちてもまだまだ明るく活動時間が続くため、もともと体に備わっている体内時計との間に時差が生じており、光刺激によって濃度が変化するメラトニンのバランスがくずれてしまっています。それが眠りの質の低下を招いていると同時に、覚醒にも影響を及ぼし、日中のパフォーマンス力も下げる結果に。要は、昼夜問わず心身のギアチェンジがうまくできていない状態なんです」

肌でもつくられるメラトニン。それ自体にも美容効果がある!?

「メラトニンは脳の中の松果体という場所で産生されることで知られていますが、最近ではそのほか様々な臓器でもつくられていることが解明されてきました。そのひとつが肌。メラトニンそのものに抗酸化作用があるだけでなく、産生の際に代謝される物質にも抗酸化力があり、一石二鳥!」

メラトニンは加齢とともに減り続けている!

「質のいい睡眠にも肌にも重要なメラトニンですが、産生は18歳をピークにどんどん減少していくことがわかっています。特に松果体は石灰化しやすい部位で、脳での産生は低下の一途。年齢とともに減少して濃度が下がるメラトニンだからこそ、日々の正しい習慣やコスメなどでサポートを」

メラトニンってなんだ?

できなくても知っておきたい、メラトニンのための理想のナイトルーティン

20:00 夕食 消化を考えて4時間前に
22:00 お風呂 入浴で体をあたためて
23:00 ブルーライトをOFF 携帯を手放して。読書はOK
24:00 睡眠 ベッドは寝るだけの場所!

「朝7時起きで7時間睡眠となると、タイムテーブルが決まってきます。就寝前のストレッチなどは部屋で行い、ベッドでは寝るだけに。おやすみ中は足もとから放熱するので、靴下はNG」

ショートスリーパーはほぼ存在しないらしい

「諸説ありますが、遺伝子的にそういう方は1%未満。つまりショートスリーパーに“なる”ことは難しいでしょう。睡眠時間が7時間を切ると生活習慣病のリスクが上がるというデータも」

パジャマ¥33000/モットハウス・トーキョー(スリーピー・ジョーンズ)

撮影/大塚三鈴 へア&メイク/吉﨑沙世子〈io〉 モデル/emma スタイリスト/鈴木美智恵 取材・原文/前野さちこ 構成/渡辺敦子 ※BAILA2023年11月号掲載

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