みなさん、こんにちは。
バイラーズの飯倉菜菜子です。
先日、佐賀県・有田にある有田焼でとても有名な「源右衛門窯」を訪問してきました。
なんと今回は、社長さん自ら工房を案内してくださるという貴重な機会に…!
有田焼の名窯として知られる源右衛門窯。
実際にその製作現場を見て、器づくりへのこだわりや職人さんたちの技術、そして日常で使う器への誠実な想いに深く感動しました。

社長さんと♪
そもそも「源右衛門窯」とは?

我が家の源右衛門コレクション♡
源右衛門窯は、260年以上の歴史を持つ有田焼の老舗窯元。
有田焼の有名な三右衛門の一つで、最高峰のうつわを作る窯元さんです。
(有田焼および三右衛門について、詳しくは過去のこちらの記事を読んでね♡)
古伊万里の伝統様式を受け継ぎながら、現代の暮らしにも調和する器づくりを続けています。
特徴は、ひと目で「源右衛門」とわかる染め付けの青。
さらに、赤や緑などの鮮やかで繊細な上絵付けとの組み合わせが本当に美しく、華やかなのに品があるのが特徴。
普段から器好きとして憧れていた窯元さんだったので、実際に工房を訪れることができて感激でした!

「作品」ではなく「製品」をつくるという言葉

今回の訪問で特に印象に残っているのが、社長さんのお言葉。
「我々は作品を作っているのではなく、製品を作っている」
この言葉がとても心に残っています。
美術品として飾るための「作品」ではなく、
実際に人が手に取り、毎日の食卓で使い、暮らしに溶け込んでいく「製品」。
だからこそ、使いやすさや丈夫さ、
テーブルに置いた際の彩りや、
口当たりまで含めて器づくりを考えているのだそう。
その考え方に、源右衛門窯のものづくりへの誠実さを感じました。

一つの器ができるまで
工房では、一つの製品が完成するまでの工程を、一つひとつ丁寧に見せていただきました。
源右衛門の場合は、
①陶石を砕く
↓
②磁土を作る
↓
③成形
↓
④乾燥
↓
⑤素焼き
↓
⑥染め付け
↓
⑦施釉(釉薬(ゆうやく)をかける)
↓
⑧本焼き(約1300℃)
↓
⑨赤絵付け・緑などの上絵付け
↓
⑩上絵焼成
↓
完成!
という流れ。
想像していた以上に多くの工程があり、一つの器が完成するまでに、気が遠くなるほどの手間と時間がかかっていることを知りました。
成形 ― 器の骨格をつくる工程
まず見せていただいたのが、器を形づくる成形の工程。
職人さんがろくろや型を使いながら、器の形を整えていきます。
同じ形に見えても、厚みや口元の角度、持った時の感触まで細かく調整されていて、本当に繊細。
工房には、まだ焼成前のやわらかな色合いの器がたくさん並んでいて、その景色もとても美しかったです。
乾燥後に素焼きを行い、その後職人さんによる染め付けの工程へ。
源右衛門ブルーを生む、陶石へのこだわり
源右衛門窯では、鉄分を少し多めに含んだ陶石を使っているそう。
そのため、焼き上がりの白磁がほんのり青みを帯びた白になるのだとか。
この少し青みがかった白がベースにあることで、源右衛門ならではの染め付けの青がより美しく映える。
素材の段階から、すでに源右衛門らしさが始まっていることに驚き、感動しました。

佐賀県、有田町にある泉山磁石場 (国指定史跡)

陶磁器の材料となる陶石

粉々に砕いて水と混ぜ泥状にしたものをろ過し、不純物を取り除きながら粘土状にします。
染め付け ― 源右衛門ならではの青

源右衛門窯を代表するのが染め付け。
工房では、職人さんたちが一筆一筆、器に絵付けをしている様子も見学できました。
源右衛門窯の染め付けに使われる「呉須(ごす)」は、なんとオリジナルで調合しているものだそう。
さらに、濃淡をつけながら色を塗る「だみ」という技法によって、青一色の中にも奥行きやゆらぎが生まれます。

一筆ずつ重ねることで、うろこのような美しい濃淡(だみ足)が表現される
実際に近くで見ると、筆の勢いやリズムまで感じられる染め付けで、
本当に美しい、、!
染め付け後、透明な釉薬(ゆうやく)をかけて1300℃前後の高温で本焼きします。
その後、いよいよ絵付けの工程へ。

迫力ある窯!
赤絵付けと、源右衛門グリーン
染め付けだけでなく、赤や緑の上絵付けも源右衛門窯の大きな魅力。
特に印象的だったのが、深みのある鮮やかな緑。
食器だからこそ、より安全性も大切にしながら、鉛を使わずに源右衛門らしいグリーンを出すため、長年研究を重ねてきたそうです。
伝統を守りながらも、より良いものを追求し続ける姿勢に感動しました。
そして実際に絵付けの工程を見学させていただくと、その美しさは色だけではなく、
職人さんの技術そのものによって生み出されていることを実感。
驚いたのは、その筆さばき。
下描きの見本はあるものの、一筆一筆をなぞるように描くのではなく、長年培われた感覚で迷いなく筆を運んでいきます。
葉の輪郭を描く線、花びらの曲線、そして色を重ねることで生まれる濃淡。
筆が器の上を滑るように動き、わずかな力加減や筆の角度によって表情が生まれていく様子は、思わず見入ってしまうほど。
同じ図柄でも、機械では決して表現できない微妙な揺らぎや温かみがあり、
それこそが源右衛門窯の器の魅力なのだと感じました。

丁寧にアウトラインを描いた後に色付けしていきます。

繊細なタッチの上絵付け
上絵付けを施し、再び窯で焼成し、やっと完成!
分業制だからこそ生まれる美しさ
そして、実際に工房を見て驚いたのが、想像以上に細かく分業されていること。
成形する人。
染め付けをする人。
赤絵付けをする人。
窯で焼く人。
それぞれが、自分の担当する工程を完璧に仕上げ、
次の人へバトンを渡していく。
その姿がまるでリレーのようで、とても印象的でした。
一人で作るのではなく、多くの職人さんたちの技術と責任感が重なって、
一つの器が完成する。
静かな工房の中に、とても強いチームワークを感じました。
伝統を守りながら、新しい感性も取り入れる
さらに印象的だったのが、源右衛門窯では社内コンペによって新しいデザインが生まれることもあるということ。
長い歴史を持つ窯元でありながら、今の暮らしや感性に合う器を模索し続けているそうです。
そして今回、私もその一枚を購入しました♡

やわらかな源右衛門ブルーをベースに、赤や緑の文様が散りばめられたお皿。
伝統的な古伊万里の雰囲気がありながら、どこかモダンで軽やか。
今のインテリアや食卓にも自然になじむデザインに一目惚れでした。
実際に工房で職人さんたちの手仕事を見たこともあり、
この一枚にもたくさんの人の技術や時間が込められていることを感じ、より特別な存在に♡
日常に寄り添う、美しい器
今回、源右衛門窯を訪れて感じたのは、伝統とは「昔のものを守ることだけではない」ということ。
受け継いできた技術や美意識を大切にしながら、
今の時代の暮らしに合うものへと進化させていく。
原料へのこだわり、受け継がれてきた技術、そして何より、一人ひとりの職人さんが丁寧にバトンをつなぎながら器を作り上げる姿勢。
そのすべてが重なり合って、あの美しい器たちが生まれているのだと知りました。
食卓に並ぶ一枚のお皿の向こう側に、
こんなにも多くの人の手仕事と想いがある。
そう思うと、普段何気なく使っている器も、少し特別な存在に感じられます。
今回連れて帰ったお気に入りの一枚も、これから長く大切に使っていきたいと思います♡
有田を訪れる機会があれば、
ぜひ源右衛門窯にも足を運んでみてください。
器好きさんはもちろん、日本のものづくりの素晴らしさを改めて感じられる場所です♡

赤絵付け師でお友達の池田さん♡かっこいいっす!!

宝ものたち。これからも少しずつ集めていきます♪



















































