わたしを幸せにするリング4選
指先に宿る輝きをうっとりとした眼差しで撫でる高揚感は、リングを手にした人の特別な悦びだと思います。
清水の舞台に飛び降りるような気持ちで買ったアクセサリーは、「一生涯の友を得た」安心感をもたらしたり、「それに見合うだけの人であろう」という緊張感を走らせたりもする。
この安堵と心地良い緊張こそが、これからの人生を共に歩むアクセサリーの資質だと思います。
いつもと違う自分を引き出してくれるのも、魅力のひとつ。
心持ちが変わり、憧れていたちょっと先の未来の自分の姿を想像させてくれたりもする。
もちろん、一番大切なのは「込められた想い」。作り手の想いや、買った人の想い、身に付ける人の想いが織り重なり、輝きを増す。その想いに心が満たされ、勇気づけてくれる。
だからこそ、アクセサリーは肌身離さずつけるものなのだと思います。
さて今回はそんな幸福なアクセサリーとの出会いをアイテム別に数回に分けてご紹介します。
わたしの幸せは、いつも指元に宿る。
ネックレスやアンクレットと違い、仕事中でも目に留まるリングは見るたびに幸せを感じられるとっておきを選びたいです。
◆カルティエに永遠の誓いを込めて
アラサーたるものハイブランドのアクセサリーを1つは持っておきたい。
BAILA1月号でも紹介されているカルティエのトリニティは、イエロー・ピンク・ホワイトゴールドのリングが知恵の輪のように絡まり合うリング。
それぞれのリングは、愛情と友情と忠誠を示しています。
実はこのリングは両親の結婚指輪と同じデザイン。
21歳のとき、クリスマスプレゼントとして母のものよりずっと華奢なトリニティを贈ってもらいました。
重厚感のある深紅の箱を開けたときの幸せは忘れられません。
リングはこの幸福な瞬間を一生閉じ込めておくものなのだと思います。
トリニティはジュエリーがついていないので、ファッションを邪魔しません。
デニムスタイルにも上品なワンピースにも、スーツにもよく似合います。
何より、このシンプルな作りが指先を美しく魅せてくれます。
愛情や友情、忠誠ーー。
こういう気持ちはシンプルであればあるほど、美しいのかもしれません。
◆誕生石を味方につけて
誕生石にパワーをもらうのも素敵な選択。
身につけることで加護を受けられるといいます。
バースデージュエリーは誕生月に付けて特別なシーズンを演出してもいいし、日頃から身につけてお守りにするのもいいですよね。
私は4月生まれなのでダイヤモンド。
小粒なダイヤが控えめに並ぶ華奢なデザインは、私に慎ましさを与えてくれます。
前に出過ぎず、それでいてどこか印象に残るーー。
いつもと違う女性像を演じさせてくれるプチ・ジュエリーは1つ持っておくと、いざというときに役に立つと思います。
◆大人のフェイクジュエリー
大粒のダイヤモンドも素敵でしょう?
…と、いいたいところですが、こちらはスワロフスキーです。
スワロフスキーのようなジルコニア(人工ダイヤ)を堂々とつけられるのも大人のジュエリー道だと思います。
フランスの貴族階級(今でもあります)のご婦人方はおおぶりのフェイクジュエリーを嗜むと聞いて、私も真似してみた結果、
女性の指先をエレガントにするのは、ダイヤモンドの輝きだけではなく、石の重みだと気付きました。
その重さは圧倒的な華やかさをはなちます。
付けていて、ものすごく楽しいです。
本物かどうかはとても大事なことです。
でも、フェイクでも本物に見えてしまったり、オシャレに飾りこなしてしまう人こそ、本物のダイヤをつけた時の美しさはひとしおなんだろうと想像させる力を持っている気がします。
◆世界に一つだけのオーダージュエリー
BAILA愛読者の友人に「とっておきのジュエリーを教えて」と声をかけて、取材させてもらいました。
彼女が出してくれたのは、オーダーメイドの婚約指輪。
1カラット以上の貴石は想像以上の輝きです。
彼女はダイヤモンドを「将来、子供に受け継いでほしい資産」として考え、宝石商をあたり、その大きさと輝きにこだわったと言います。
まさに、夫から妻へ、母から子へとその家の宝石を受け渡していく「ビジュード・ファミーユ」の考え方です。
ビジュード・ファミーユにおいて、最も大切なのはデザインやブランド力以上に貴石の価値。
デザインが古めかしくなれば、職人にリメイクしてもらい、時を超えて引き継がれていきます。
彼女は「つけているだけで今の自分は特別なんだと実感できて、とても幸せ」と教えてくれました。
この幸せがジュエリーと共に後世に引き継がれていくのだろうと思うと、私まで幸せな気持ちになりました。