ふと「もしあのとき、別の選択をしていたら……」なんて考えること、ありませんか?
仕事も暮らしもある程度落ち着いてきた30代。だけど、過去の自分の選択や、あの頃言えなかった一言、戻れない時間を思い返して胸がきゅっとする瞬間って、ありますよね。
そんなときにそっと手に取りたくなるのが、「タイムリープ小説」。過去と現在が交差する物語は、ただのファンタジーではありません。“今をどう生きるか”を静かに問いかけてくれる、心の鏡のような存在なんです。
今回は、感情を揺さぶるタイムリープ小説5冊をピックアップしました。その中でも、時代を超えて読み継がれてきた名作『時をかける少女』を改めて読み直してみました。

『時をかける少女』筒井康隆|名作はいつまでも色褪せない

タイムリープ小説といえば、まず名前が挙がるのが筒井康隆『時をかける少女』。1967年の発表以来、映画やアニメ、ドラマにも繰り返しリメイクされ、何度も新しい世代に読み継がれてきた不朽の名作です。
あらすじ
主人公・芳山和子は、ごく普通の中学3年生。ある日、理科室で不思議な香りを嗅いだことをきっかけに、突然、時間を飛び越える能力を得てしまいます。戸惑いながらもその力に向き合う中で、やがて彼女はある「別れ」と向き合うことに——。
おすすめポイント
学生時代に一度読んだことがある、という方も多いかもしれません。でも、大人になってから改めて読むと、この物語は決して“若者向け”の青春ファンタジーではないことに気づかされます。
特に心に残るのは、「未来を変えられるかもしれないのに、変えない選択をする」という切なさ。そして、時間を超えても残る“感情”の余韻。
私たちが過去に置いてきた“もう戻れない誰か”や“未完成の想い”に、そっと重ねてしまうんです。
こんな方におすすめ
・過去の選択に思いを馳せることがある人
・少し立ち止まって、自分の“今”を見つめ直したい人
・ノスタルジーと静かな感動を味わいたい人
🔗 次回予告
次回は、乾くるみのサスペンス×タイムリープ小説『リピート』をご紹介します。
「やり直したい」と思った瞬間に読むべき一冊、ぜひお楽しみに!
