30歳を過ぎると、恋愛の話をしているはずなのに、いつの間にか仕事や結婚、これからの暮らしの話までつながっていませんか? 友人の近況を聞いて嬉しいのに、少しだけ自分のことを考えてしまう。そんな夜もありますよね。
今回は、まさにそんな気持ちにそっと寄り添ってくれる日本映画を2本ご紹介します。どちらも、答えを教えてくれる映画ではありません。でも、観終えたあとに「自分はどうしたいんだろう」と考える時間が、少し心地よくなるはずです。
好きなものが同じだった二人の、5年間の恋。『花束みたいな恋をした』

『花束みたいな恋をした』は、東京・明大前駅で終電を逃した麦と絹が出会うところから始まります。好きな音楽も映画も驚くほど同じで、二人はすぐに意気投合。大学を卒業したあとはフリーターとして同棲し、近所のパン屋さんを見つけたり、猫に名前をつけたりしながら、就職活動を続けます。
最初から特別な出来事ばかりが起きるわけではなくて、むしろ何気ない毎日がとても愛おしい。この映画を観ていると、「好きなものが同じ」ということが、恋の始まりにはこんなにも心強いのだと改めて感じます。
そして、暮らしや仕事のことを考える時間が増えていくなかで、二人の関係の見え方も少しずつ変わっていく。その描き方があまりにリアルで、胸がきゅっとなるのです。結末を知っていても、あるいは初めて観ても、30歳前後の今だからこそ、麦と絹の5年間に重ねてしまう場面があると思います。
「結婚する? しない?」だけでは語れない私たちへ。『ずっと独身でいるつもり?』

田中みな実さんが演じる本田まみは、36歳で独身の作家。10年前に書いたエッセイで有名になったものの、次のヒット作を書けずにいます。周囲から「ずっと独身でいるつもり?」と聞かれるまみを中心に、自立して生きる女性、夫への小さな不満を抱える女性、若さを失うことに怯える女性たちの人生が交錯していきます。[2]
タイトルだけを見ると、少し強い映画なのかなと思うかもしれません。でも、描かれているのは「結婚したら正解」「独身なら不正解」といった単純な話ではありません。仕事がうまくいかないとき、誰かの何気ない言葉に引っかかるとき、自分にとっての幸せを改めて考える。そんな瞬間を抱えながら、それぞれの女性が小さな一歩を見つけていく物語です。
恋愛、結婚、仕事。「このままでいいのかな」の夜に
『花束みたいな恋をした』は、誰かと過ごした時間を振り返りたくなる夜に。『ずっと独身でいるつもり?』は、自分の選択を少し肯定したくなる夜に。迷いがあることも、答えがまだ出ていないことも、悪いことではないのかもしれない。秋の夜長に、そんな気持ちで観てみたい2本です。





















































