こんにちは。大和田幸恵です。
東野圭吾さんの訃報を知り、もう一度読みたい作品を考えました。
思い浮かんだのは、早く真相を知りたくて夢中でページをめくった一冊と、物語の夏が終わってしまうのが寂しくて、読み終えるのが惜しくなった一冊。
『ラプラスの魔女』と『真夏の方程式』です。
私が東野作品で好きなのは、トリックの鮮やかさだけではありません。「なぜ、この人はその選択をしたのだろう」と、登場人物の気持ちまで考えずにはいられなくなるところ。今回の2冊は、その魅力を違った角度から味わえます。

何を信じればいい?先が読めない『ラプラスの魔女』
離れた二つの温泉地で起きた、硫化水素による死亡事故。地球化学の研究者・青江は、両方の現場で謎めいた少女・円華と出会います。
二つの事故は偶然なのか。円華には何が見えているのか。
読み進めるほど、風や地形、気温までが伏線に思えてきます。「そんなことが本当に起こるの?」と疑いながらも、科学的な説明を読むと、あり得ないはずの現象が急に現実味を帯びてくる。その感覚が面白く、先を確認せずにはいられません。
謎が一つ解けるたび、さらに大きな疑問が生まれる作品。予測不能な展開に没頭し、日常を忘れたい休日におすすめです。
真相よりも、湯川の優しさが残る『真夏の方程式』
夏休みに海辺の町・玻璃ヶ浦を訪れた少年・恭平。同じ旅館に泊まっていた元刑事が遺体で見つかり、偶然滞在していた湯川が真相へ近づいていきます。
ガリレオシリーズを読んでいる方なら、子どもが苦手なはずの湯川と恭平のやり取りに「この湯川先生、好き」と感じるのではないでしょうか。
美しい海、夏休み、少年との実験。明るい夏の景色とは対照的に、少しずつ家族の秘密が見えてきます。
事件の答えだけでなく、「真実を知ることは、必ずしも人を救うのか」と考えさせられる一冊。読み終えたあとに残るのは、驚きよりも、湯川が少年へ向けた静かな優しさでした。
予測不能な科学ミステリーを楽しむなら『ラプラスの魔女』。夏の空気と切ない人間ドラマに浸りたいなら『真夏の方程式』。
科学は謎を解けても、人の心に一つの方程式はない。結末を知った今だからこそ、人物の表情や言葉の意味を確かめながら、もう一度読み返したい2冊です。
この夏、皆さんはどちらから読みますか?
心よりご冥福をお祈りいたします。





















































