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[夫婦の家事分担]ジェンダー視点で切り込む経済学の本「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?」

こんにちは!スーパーバイラーズの坂本愛です。

最近、同世代の友人や同僚とのガールズトークで、話題に上がってくるのが夫との家事育児の分担について。

女性が活躍する社会とは言いますが、私も含めて何だかんだで家事や子育ては女性ばかり負担しているように感じている方が多いみたいです。

平等に分担できたら一番いいですが、なかなか難しいですよね。

我が家でも平等に家事分担したいと思いつつ、私の方が気になってしまって、つい手を出してしまって、気づいたら自分ばかりということがしょっちゅうあります。(笑)

夫婦の家事分担に関する意識調査によると、妻が9割負担

リンナイ株式会社が実施した、夫婦の家事分担に関する意識調査によると、令和の時代でも夫婦の家事分担で最も多かった回答が、「妻が家事を9割負担している」であったとのこと、

そして、女性が自分の方が家事を負担していると感じるのは、夫には見えていない小さな家事が多数あるためとのこと。

知り合いの女性の方で、旦那さんが家事を100%理解していないのではと思い、エクセルに細かい粒度で洗い出した家事をリストアップして可視化し、旦那さんに渡している話を聞きました。

夫が見えていない家事というのは、確かにありそうです。

そんなことを感じているときに、「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か」という本に出会いました。

[夫婦の家事分担]ジェンダー視点で切り込む経済学の本「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?」_1

ジェンダー視点から経済について説いている本で、経済学に「家事、育児、介護などのケアの労働」という新しい視点を入れて切り込んだ経済学の本です。

大変良本なので、ぜひBAILA世代の方にオススメしたいです。

「経済学の父」アダム・スミスは生涯独身者で、実のところ生活の世話を母親に頼り切っていた──。

経済学の父、アダム・スミスは、人々の利己心こそが利益の創出を導き、経済を成長させ、社会を幸福にすると語った。

私たちが夕食のステーキにありつけるのは、肉屋やパン屋の善意によるものではなく、彼らが自分の利益を得るため、つまり利己心で行動するからだと、説いた。

しかし、アダム・スミスが様々な功績を残してきた裏では、実は母親が食事や生活の面倒を全部引き受けていたとのこと。

本書では、一般的な経済学の大きな欠陥は、多くの場合女性が担っているであろう「ケア労働、主に家庭内労働」が欠けていることであると切り込んでいます。

経済学を語る際に、GDPを経済発展の指標として用いることが一般的です。周知のとおり、GDP算出の際に、一般的に女性の役割とされてきた無償のケア労働(家事、育児、介護など)は無視されます。

女性の家庭内労働は、「生産活動」にあたらないため、ないものとされ、経済の世界から排除されて価値をうまないものとされてきていました。

無償の家庭内労働はGDPの3~4割

そもそも市場で人が力を最大限に発揮し、様々な経済活動を行うためには、身体と毎日の生活が資源となっている。そして、その身体と毎日の生活を育むのは家庭内である。家庭内のケア労働は、経済発展のためになくてはならないものであるとのこと。

また、本書では無償労働の価値は測定でき、GDP全体の3割から4割を占めるのだと説いています。

これは無償労働を有償で依頼した場合の金額家事に費やす時間を有給の労働に換算した場合に稼げた額を計算して算出しています。

現在の労働市場で起こっている女性に関する課題──私たちは競争する自由が欲しかったのか

本書では、家事における女性の労働に加えて、現在の労働市場で起こっている女性の課題についても言及しています。一部引用します。


誰もが経済人であるという建前を貫くために、現代の社会は女性を経済人同様にしようとしてきた。はいはい男女同権ですよ。市場で競争する自由をあげますよ。さあ思う存分闘いなさいね。

そして女性たちは、男性によって男性のためにつくられた枠組みの中に放り込まれた。

男性のニーズに合わせてつくられた労働市場で、無理やり自分の価値を証明しなくてはならない。女性を排除してきた市場のなかで、いないはずの女性が戦うのだから、当然いろいろな問題がら出てくる。

女性を加えてかき混ぜれば良いというものではない。


【働く女性のキャリア】おすすめ本3選のなかで紹介したHOW WOMEN RISEという本にも同じようなことが記載されていて、共通している点として、

組織というのは長い間、男性によって作られ発展してきて、現代は同じ枠組みの状態なのに、そこに女性が放り込まれて、女性活躍を求められる、ここに難しさがあるとのこと。

もちろん、会社によって組織の体質というのは異なりますし、課題意識をもってフラットな評価基準を取り入れ始めている会社もあると思います。

ただ、多くの場合はそうではないと思いますし、働く女性たちの悩みが尽きないのもこうしたところに課題があるのだなと感じます。

[夫婦の家事分担]ジェンダー視点で切り込む経済学の本「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か?」_2

なんとなく感じているけど、モヤモヤとしていたものが、また少し言語化されるような気がして、貪り読んでしまいました。

平易な文章で読みやすく、爽快な切り口がとてもチャーミングな良本です。

良かったら読んでみてくださいね!

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました!

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