ファミリーとタワマンの相性の良さはどこから?
勝どきや豊洲、港南、芝浦、武蔵小杉など、タワマンが立ち並ぶ住宅街は少子高齢化が進む日本とは思えないほど、ファミリーが多い。
ファミリーとタワマンの相性の良さはどこから来るのでしょうか?
共働きファミリーは住まい探しの際に「オフィスへのアクセス」「駅近」「眺望日当たり」「間取り」「設備・仕様の質」「公園や保育施設」「学区」といった共通した観点を重視します。一方、高齢者など通勤のない方からすると「立地」に関する評価は異なってきます。
オフィス街も満遍なく存在するわけではないので、大丸有あたり勤務の共働き夫婦が予算内で広めの部屋を探してたら勝どき・豊洲タワマンにたどり着くのはよくあるパターンです。
共働きファミリーが湾岸タワマンに住むメリットは数えきれないほどありますが以下3点にしぼっておすすめしたいと思います。
・家事時短のための設備が整っている
・画一的な住民層のため生活利便性が高く、住み心地がよい
・底堅い実需と属性の良さで資産価値が高い
家事時短のための設備が整っている
まず特筆すべきはその居住性の高さ!平成では、時短家電のロボット掃除機・ドラム式洗濯機・食洗器が三種の神器としてもてはやされていたそうです。
いずれも後付けできるもの。令和ではシン・時短仕様として、「ディスポーザー」・「清潔な各階ごみ捨て場」・「ビルトイン食洗器」を挙げたいところ。あといつでも出せる粗大ごみ置き場。
これは洗濯機を覚えると洗濯板に戻れなくなるタイプのもので、住んでみてこの便利さは手放せないという方も多いです。タワマンに住む同僚の男性はディスポーザーには2,000万の価値があると言っていました。一応人雇ったほうが安くない?とつっこんでみましたがディスポーザーのほうがいいそうです。
ちなみに夫にも聞いてみたところ100万かなとのこと。人それぞれですね。
戸建てからマンションに引っ越した方がよく便利なものとして24時間ゴミ捨て可、をあげますが、各階ゴミ捨てはさらに快適です。
ファミリーになると独身の時の10倍ゴミが出るんですよね。せっかく集合住宅に住むなら、メリットは最大化したい。
子どもがいると多種多様なオモチャや育児用品がとかく出がち。タワマンでは粗大ゴミがいつでも出せるのも地味に嬉しいです。
設備面では、子どもたちを守ってくれる鉄壁のセキュリティは最大の安心と言ってよいでしょう。24時間365日の有人警備や各所に配置されたセキュリティカメラがしっかりと安全を確保してくれます。
ファミリーにはパーティルームの使い勝手も良いでしょう。子どもの誕生会や保育園のクリスマス会など、使い方は自在です。2,30人集まれるお家は少ないですしお店とは違って子供たちがいくら騒いでも、アレルギーのある子でも好きな物を持ち寄れるのがいいところ。
あとうちはクリーニングが多いのでコンシェルジュサービスは助かっています。外に出しに行くのたるい。
・画一的な住民層のため生活利便性が高く、住み心地がよい
「子育て世帯」は全世帯の2割しかおらず、マイノリティーのため肩身の狭い思いをしがちです。
画一的とはどちらかといえばネガティブな文脈で使うことが多いですが、こと小さい子を持つ働く女性が街に多様性を求めているのはあまり聞きません。
たとえば
・近所には塾や習い事の教室など子ども向けばかりでなくパチンコ店や風俗店等も欲しい
・家のすぐ近くにはデイリー使いする保育園と小児科でなく、使わないデイサービスや整形外科などをいっぱい配置してほしい
・近所に大きいスーパーやショッピングモールなど不要でピュアな住宅街がいい。マンション一階にコンビニなんてとんでもない。
・住民の所得階級の幅は大きいほうがいい
・ベビーカー押してるか子抱っこして失うものがありそう感出してる男性ばかりでつまらない
こういった声は聞いたことがありません。子がいる女性にとって、街にはある程度正解があり、タワマンが連なる街はその要件を満たしています。
タワマンの多い街の良さは似たニーズを持つ世帯が縦に集積したことで利便性が高いことです。
タワマンとは要は建物が高層なだけですが、高層だと構造上ペンシルビルには出来ないので必然的に大規模になり、一棟当たり3000人が住む一つの街といって過言ではありません。そのため、タワマンが立つと周囲にはその規模や購買力故に住民層のニーズに合わせた公共設備や商業施設が整備され、住環境が向上します。
こんな大きな建物を建てる土地や許可を得るのは大変ですから、もともと企業や行政の持ち物であったりしてまとまった土地であることも多い。
需要のある地域でも、地権者が強かったり、ごちゃごちゃしている区画で開発が難しかったり、地元住民の排他意識が強く市民活動が盛んではタワマンは中々建ちません。
つまり通常タワマンが建つようなエリアは、外様にやさしく、新しく引っ越してくる若い世帯が住民の中心となります。建築コストが高いため、マンション住民はお金に余裕のある層が中心です。
施設には商圏人口の目安というものがあります。
たとえば戸建てが多いエリアですと大きいスーパーの商圏が25分だとしたら、タワマン街は5分です。子どもの少ない街であれば、子育て各施設は広く拡散させるので、駐車場が少ないこともあり重装備の自転車を雑技団ばりに操るテクニックが必要です。
一方、例えばタワマンの街として有名な豊洲などであれば、徒歩5分圏内にメトロ駅、保育園、小児科、ベビーカーで入りやすいレストランやカフェ、大きいスーパー、ホームセンター、公園や児童館、野球教室やSAPIX等と共働き夫婦にマイクラで家の近所を街づくりさせても配置されるのはあと会社くらいでしょう。
はじめて訪れた友人があそこはベビーかペット連れてないと居心地わるいわ、と漏らしていましたが、ファミリー向けの街としてこれ以上ない称賛の言葉でしょう。
・底堅い実需と属性の良さで資産価値が高い
資産価値とは売却でも賃貸でもいいですが出口を想定することが大事です。
将来その不動産を欲しがる人がいない、または資金のない人が欲しがるようではいけません。
30歳で購入し、最期まで50~70年住むというのは古い考えになりました。ライフステージによってフィットする住宅に住むほうが今の気分に合うでしょう。もちろん、終の棲家としても都心部のマンションは便利なのでスローライフを楽しめます。
現在高齢者が買い物にも病院にも不便なバス便の距離の、階段の上り下りが身体に負担となる戸建てに住んでいるのは、愛着もありますが、少なくない理由として駅前のマンションに買い替える資金がないからです。郊外の駅近タワマンなどは、地元の富裕層シニアがよく購入しています。
都心から遠い駅の、さらに駅遠で、戸建てを買うのはファミリーだけですが、住宅に惜しみなくお金を出すファミリーは都心部に住みたがりますから、受け皿とる買い手も資金力に乏しく、たいした値が付かないのです。
その点湾岸タワマンを好む層は現役で与信もありますから、高値で買ってくれることが期待できます。
ほとんどの家庭にとって、住宅は最も大きい資産で、ひとつしか持っていません。それだけに、強い実需がある家を選ぶのが大事です。上昇局面においては、たしかに富裕層受けするエリアがぐんぐん伸びますが、不動産価格が株価に連動する傾向があるように、彼らは景気がわるくなるととたんに財布のひもを締めるので危ういのです。
自分が売却するタイミングには不確定要素が多く上昇局面をとらえられるとは限りません。不景気な時世においてもローンを引けるエリートサラリーマンや士業のようなファミリーが子どもが出来たという実需を想定したいものです。