結論からいうと、もし音楽やファッション、そして70年代から80年代のアメリカおよびカルチャーに興味のある方にとくに、大プッシュな映画です。私は大好き。
ストーリーもさることながら、登場人物たちの着こなしがいいんです。55歳のワーキング&シングルマザーのドロシアという設定のアネット・ベニングは、ちょっとサイケなトップスやエスニック風の柄ブラウスに、ほぼいつでもデニム。インディゴの濃い色にブラウスの柄が映え、そこはかとない「自由さ」を感じさせます。
今回、彼女が演じる17歳のジュリーは、チェック柄や黄色いシャツにデニムスカート、黄色いTシャツに水色のスカート、カットソー素材と思われる薄い桃色のワンピース……。カジュアルなようでいて無防備なセクシーさも漂う着こなしで、主人公の息子でジュリーの幼なじみであるジェイミーはそんな彼女にいつもドキドキ。
たとえば、ロゴの入った黄色いTシャツにさっと羽織ったカーキのジャケットとの色合わせ。ちょっぴり大き目サイズのネイビーTシャツとブルーデニムのワントーン合わせ。まるで萩尾望都さんなどが描く男の子のようなクシャッとした髪型も含めて、要チェック度はハンパない!
ちなみにこのルーカスくん、配信中の海外ドラマ「アンという名の少女」であのギルバートを演じています♡
変わりゆく時代のなかでどうしても自分の理解の届かない成長を見せようとする一人息子のジェイミー。"自分一人では彼をきちんとしたい人間に導くのは無理"だと、二人の女性(ジュリーと、もう一人の重要登場人物・アビー)に託そうとするのですが……うまく行き過ぎてしまったり、思わぬ方向へと進んでしまったり。でもそこで、ジェイミーが理解できない、若い世代や今の時代が理解できない!とあきらめっぱなしにならないドロシアが、いとおしく思えるのもこの映画の魅力のひとつ。
着こなしも、そしてその時代の音楽やカルチャーも楽しめるこの映画。未見の方はぜひ映画館へ足を運んでみてくださいね! (副編Y)