これまでに経験したことがないようなことが次々と起き、先が見えない今。どうやって生きていけばいいんだろう。と、不安になってしまうことも。そんな時におすすめしたい本『それでも生きていく 不安社会を読み解く知のことば』が発売されました! 『悩む力』でミリオンセラーとなった政治学者の姜尚中氏が、この不安な社会を読み解いて、その不安をどう乗り切っていけばいいのかのヒントを教えてくれています。
女性誌「Marisol(マリソル)」で2010年から2021年まで続いた著者の人気連載で振り返る激動の11年。この間、東日本大震災が起こり、トランプ大統領が登場し、ジェンダーや人権をめぐる攻防が起こり、そして新型コロナウイルスのパンデミックに翻弄されたりと、日本も世界も大きく揺れました。きっとバイラ読者の皆さんを取り巻く社会も大きく揺さぶられた時代だったのではないでしょうか。そこで起こってきたことを一つ一つ分かりやすく読み解き、「それでも生きていく」ことの意味を見出していこうという著者の強いメッセージに心が揺さぶられます。
ぜひ皆さんにも読んでいただいて、不安な社会を生きていくヒントを見つけてもらえることを願っています。
不安社会を読み解く刺激的な全10章!
第一章 政治は人を救えるか
第二章 ルポ・福島を行く ~分断された被災地
第三章 変わりゆく知のカタチ
第四章 揺れ動く世界
第五章 ジェンダーをめぐる攻防
第六章 対談・上野千鶴子さんと語るこれからの生き方
第七章 問われる人間の価値
第八章 ルポ・沖縄を行く ~消えない傷跡
第九章 コロナ禍を生きる
第十章 不透明な時代の幸福論
不透明な社会を読み解く10章はこちら。働くバイラ読者の皆さんは、必ずどれか自分の生活に関わりのありそうなお題が見つかるはず。そして、一見関係なさそう、ちょっと興味がないかも、という章もぜひ読んでみていただきたいのです。案外そこにも、自分の生活を左右していることや、生き方や考え方のヒントが隠れていたりするからです。この本のテーマは多岐にわたっていますが、それによって、様々なことが地続きだと気づかせてくれます。
また、この単行本では上野千鶴子さんとの対談も実現しました。上野さんといえば、日本を代表するフェミニスト。東大の入学式での祝辞も話題となった方です。著者とは、東大で同じ時期に教鞭をった旧知の中で、そのお二人が久しぶりに再会し、日本の政治の現状や、これからのご自身の生き方について対談しています。ずっと闘ってきたお二人の言葉には、ずしんと響く重さがある一方、旧知のお二人だからこその、なかなか他では読めない軽快なやりとりも必読です。
上野:姜さん、ツイッターやってくださいよ。そういう面白いことどんどん呟いて炎上させてください。
姜:いや、僕はしない。残されている時間が限られているから、静かに暮らしたい(笑)
ー 第六章 対談・上野千鶴子さんと語るこれからの生き方より
この本の中には、今まで当然だと思っていたことが、もしかしたら違ったのかも知れないと思うことが沢山出てきます。そういう風に考えれば、今まで苦しかったことや不安だったことが少し軽くなるんだ、という気づきがあります。第10章の「二度生まれの幸福論」の中にも、この帯の背に書かれているようなはっとさせられる一文がありました。
「私たちもジジババなんだから言いたいこと言わないと」(上野千鶴子さん@BAILA2月号対談)
BAILA2月号では、単行本発売記念企画として、単行本でも登場されている上野千鶴子さんと、"なぜこの時代にこんなに女性が生きづらいのか”を分析してもらった、スペシャル対談が実現!「私たちもジジババなんだから、言いたいこと言わないと」と、「女性の非正規労働者率」「離婚や生涯未婚率の増加」「母と娘の関係」など、働く女性にとって興味深い話題ばかりで、切れ味鋭いトークが繰り広げられています。
その他にも「仕事のモチベーション」「婚活が苦しい」「親との確執」「友人との溝」など、バイラ読者のリアルな悩みに姜さんが答えるという企画も。まだ2月号を読んでない方はぜひ手に取ってみてください。
上野千鶴子・鈴木涼美著『往復所管 限界から始まる』幻冬舎 ¥1760(税込)
BAILA2月号の対談にも出てくる、上野さんと元AV女優で気鋭の作家鈴木涼美さんとの共著『往復所管 限界から始まる』は、エロス資本、母と娘、男と女など性を通して現代の社会構造を浮き彫りにするテーマで「手加減なしの言葉の応酬」を繰り広げる刺激的な内容。こちらもぜひ。
副編集長
副編R
本誌では主に美容と読み物を担当。宮崎生まれのせいか、夏と海にテンションが上がるタイプ。美容もファッションも癒し7割、刺激3割が気分。ご飯は鍋炊き派。最近のベランダ菜園のお気に入りは四季なりイチゴ。ライバルは絶妙なタイミングでやってくる鳥。