「ばっさり髪を切るってどうかな?」。本人の言葉をきっかけに実現したこの企画。新しい髪型に似合うと選んだ私服をまとい佐藤栞里らしく語るイメチェンの理由といい効果。もっと軽やかに、少し自信を持って――。
15年ぶりに伸ばしていた髪を切ったらもうマジ最高!(笑)
髪を切ることは私にとって、自信をつけるためのひとつの方法だったと思うんです。BAILAに入って10カ月、毎日すごく楽しかったけど期待にこたえられているかなって不安もずっとあって。ドラえもんの“ホンネ吸いだしポンプ”で編集さんやスタッフの皆さんの本音を知れたらいいのにって思っていたくらい。切り終わってすぐトイレに行って鏡を見たときその日着ていたなんでもないロンTとデニムが朝着たときより可愛く思えたんです。まるで新しい服に見えて、それが嬉しかった。BAILAに新しい人出てきたじゃん!って(笑)“私らしさ”という自信が少しついた気がします。
イメージソースは “ソフィア・コッポラの映画に出てくる女の子”―――BEAUTRIUM 川畑タケルさん
マッシュレイヤーをベースに、トップは軽く、アウトラインは首に沿うように。パーマは前バングは弱めに、毛先ははねるように逆巻きにしています。ウェットにするとセクシーで、たまにはそんな栞里ちゃんもいいでしょう(笑)。
髪を切ってしたいファッション
【髪を切って着たい服】テロテロパンツ
Pants : Jil Sander
Tops : AURALEE
Sandals : LEMAIRE
とにかく気持ちまで軽やかになった―――“てんとう虫も滑る”くらいのてろてろパンツ
(撮影時点で)髪を切ってからまだ一週間もたっていないけど、今までの自分の定番とは違う服を手に取ることが増えた気がします。たとえば以前だったらチノやカーゴだったところを、てんとう虫が登ってこれないようなてろてろのパンツをはいてみたり。風に逆らわず、軽やかに、楽しげに毛先が動くのが新しい髪型のイメージだったんだけど、気持ちも服もつられて風通しがよくなった感じ。オーラリーのトップスは実は背中が大きくあいていて、普通のTシャツとかタンクトップじゃなくこれを合わせたこともそう。自分で自分が新鮮で、毎日キラキラした気持ちです(笑)。(佐藤栞里)
【髪を切って着たい服】黒ジャケット
Jacket : SUNSEA
Camisole : Jil Sander
Denim : Miu Miu
Sandals : BOTTEGA VENETA
理想の大人の女性像がちょっとつかめた―――自分に落とし前をつける黒ジャケット
BAILAに出るからにはもっと大人っぽくならなきゃって、ずっと思っていて。だからまだ髪を切る前、この企画の打ち合わせで編集さんに「最近私服どんな感じ?」って聞かれたとき「ジャケットとか着たいかも」って答えたんです。全然着たことないし持ってもいないのに、半分口からでまかせで(笑)。そんな自分に落とし前をつけるために買ったこのジャケットですが、もうね、結果オーライ! ショートヘアにジャケットって、いい抜け感が出てすごく似合うんだなぁ。私がなりたい大人の女性ってこんな人だったって、すとんと腑に落ちた気がしました。(佐藤栞里)
【髪を切って着たい服】きれいな青とボタニカル柄
Tank Top : AURALEE
Pants : DRIES VAN NOTEN
Sandals : HERMÈS
半歩前に出られる、ひとさじの自信をもらった―――きれいな青とボタニカル柄
そもそもは“森にいたら隠れたい、街中にいたら目立ちたくない”くらいのシンプルな服が好きで、柄ものや鮮やかな色はあんまり着ることがなかったんです。でもこの柄パンツにはひと目ぼれしてしまって。髪を切って、もちろん誰一人同じ人はいないけど、“誰とも違う自分”にひとさじの自信をいただいたことで、チョイスできたのかもしれないな。しかも青なんて合わせちゃって。「ほら大丈夫だよ。髪可愛いし、似合ってるよ」って、服たちがちょんって背中を押してくれてる感じ(笑)。「あ、じゃあちょっと前出てみようかな」なんて、思えるようになったかな。(佐藤栞里)
【髪を切って着たい服】サマーブラックミニドレス
Dress : Whim Gazette
Boots : The Row
帽子¥13200/ジャーナル スタンダード ラックス 表参道店(オリバー ハッツ)
この夏はちょっぴり肌見せしてみようかな♡―――サマーブラックミニドレス
ラインとか素材感とかが可愛くて買ったものの、やっぱり私には甘すぎるかな、似合わないかもなとずっと着られずにいたこのワンピース。もう日の目を見ることはないかもしれないなとあきらめていたくらいなんだけど、ガミちゃん(スタイリストの石上美津江さん)が「この髪にミニってめっちゃ可愛いと思う」と言ってくれて。髪を切ったことで肌を出してもヘルシーに見えるようになったよねって。「あ、あの子日差し似合うじゃん!」。そんな女の子になりたいな(笑)。だからタンクトップも、この夏はアメスリ買ってみようかな。(佐藤栞里)
【髪を切って着たい服】オーバーオール
Overalls : Spick & Span
Tank Top : CABaN
ずっと好きな服が、新鮮に映った。33歳でも着ていいんだ!オーバーオール
この髪型にしてから寝起きに鏡を見るのが楽しみになりました。ブローやスタイリングをしなくても、もうできてるじゃん、可愛いじゃんって(笑)。ぬれてもなんだかおしゃれだから、お風呂上りも楽しみ。そういう小さなハッピーが家の中までちりばめられているような感じ。そんな気分だからかな、いつものオーバーオールでも新しい自分になれた気がして。もちろん大人っぽくなりたいと思う気持ちも本当だけど、無理やり背伸びせず、好きなものは好きって言えることもひとつの自信。髪の洒落感って、大事だね。(佐藤栞里)
【髪を切って着たい服】赤いマキシワンピース
Dress : boussole
Sneakers : adidas
旅に出たくなった―――“オトナハイジ”な赤いマキシワンピース
このカットを撮る前に、つけていたアクセサリーを全部外したんです。髪がアクセサリーみたいだから、一枚でさらっと着たほうが素敵だなと思って。軽やかに動く髪と一緒にぴょんぴょん飛び跳ねたくなるような、イメージは“大人になったハイジ”(笑)。実はこのワンピース、アメリカのアンテロープキャニオンに行きたくて、そこで写真を撮るときに赤い服だったら可愛いじゃんと思って買ったもの(笑)。もちろん予定もないから今日千葉でおろすことになったけど、買っておいてよかったね♡(佐藤栞里)
【髪を切って着たい服】シャツ
Shirt : Jil Sander
Pants : INNAT
挑戦や冒険って、やっぱり大事!―――解放的に着るシャツ
以前の私は自信のなさから「BAILAモデルはこうあるべき」という型に自分をはめていて、だから髪も伸ばしていました。そのままの私だったら、シャツをこんなふうに着ようって発想はなかっただろうな。ボタンをあけるのも一個が限界(笑)。でも今は、この髪型にはどんな着方が似合うかなってあれこれ試すのが楽しい。自分から発することってときにめちゃくちゃ間違えるけど、挑戦や冒険はやっぱり大事。それが髪を切っていちばん感じたこと。だから佐藤栞里、少しずつだけど個性やらしさを出していけたらいいなと思っています。(ちょっと小声で)読者の皆さんにも期待していてほしいです。(佐藤栞里)
撮影/小見山峻 ヘアカット/川畑タケル〈BEAUTRIUM〉 ヘア&メイク/川添カユミ〈ilumini.〉 スタイリング協力/石上美津江 モデル/佐藤栞里 撮影協力/市原湖畔美術館 ※BAILA2024年8・9月合併号掲載