「30代、“憧れ”が似合う私に――」。そう願う佐藤晴美の胸の内をひもとく連載。第3回は「サンローラン」のジャケットにフォーカス。「仕事でも遊びでもじゃんじゃん着る」という、ジャケットラバーな晴美。目指すスタイルが明確な彼女にとって、今投資したい名品とは。
SAINT LAURENT「ジャケット」
男性的なジャケットを初めて女性のファッションに取り入れたのが、ほかでもないムッシュ・イヴ・サンローラン。完璧なテーラリングで魅了する名品は、時代を超え、晴美の心をつかんで離さない。

「私服に最も近いスタイル! カチッとした黒ジャケットをデニムやキャップでカジュアルダウンしているのがドストライクです。女っぽい足もとにもキュンとします」。
ジャケット¥517000・ニット¥169400・パンツ¥148500・キャップ¥80300・バッグ¥379500・靴¥181500/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ)
今の自分だからしっくりくる。ジャケットは大人の特権!

「このスーツだけあれば、ほかには何もいらないくらいの迫力がありますね。メンズのジャケットのような雰囲気がたまらないです。反面、ドレープ感のある素材ややわらかい色には女性らしさもあって。この絶妙なバランスにほれぼれします」。
ジャケット¥528000・パンツ¥283800・バッグ¥561000/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ)
Q ジャケットにハマったきっかけを教えて
「28歳のとき、ハイブランドのコレクションでツイードジャケットにデニムを合わせたスタイルを見て、素敵!と思ったのがきっかけ。かっこいいのに気張って見えず、ほんのり甘さもあって。“あぁ、ジャケットってこんなふうにカジュアルに着ていいんだ”って、イメージが180度変わったんです。それからは、自然体で楽しめるようになりました」
Q 晴美にとってジャケットって?
「“芯のある女性”を印象づけられるアイテム。羽織ると強い自分でいられる気がするんです。いつ、どこで、誰と会うときも自信を持てる最強の日常着だなと思っています。ジャケットならではのかっこよさをストレートに味わいたいから、デニムやパンツと合わせて、そぎ落とされたシンプルを楽しむのが定番です」
Q ジャケットに投資したいと思った理由は?
「ジャケットって、いろんな経験をして内面を磨くことで似合うようになるものなんだなと考えるようになりました。だって以前はまったく自分になじまなかったから。29歳の今、やっとしっくりくるようになり、長く大切に着られる一枚に投資したいと思うように。出会いのタイミングってあるんだなぁと思いますね。昔から知ってはいたけど興味はなくて、ひょんなことで大好きになるなんて、まるで恋愛みたい(笑)」
Q サンローランのジャケットのどこに魅力を感じてる?
「とにかく仕立てが美しく、媚びないスタイリッシュさがあって、袖を通した瞬間にグッときました。もちろん可愛くいたい日もあるんだけど、30代からの自分の軸にしたいのは、やっぱりサンローランのジャケットが体現するようなかっこいい女性像なんだと思います」

モデル
佐藤晴美
撮影/赤尾昌則〈whiteSTOUT〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/佐藤晴美 取材・原文/榎本洋子〈TENT〉 ※BAILA2025年4月号掲載