“ちょっとした更新”でおしゃれを楽しむ今、いちばんの目新しさのカギを握るのは「色」。定番色として長く愛されながらも、今季は色の幅が広がり、よりおしゃれになったブラウンの中から、注目の4色とアイテムをスタイリスト加藤かすみさん&エディター伊藤真知さんがピックアップ! 新しいブラウンではっとするほど女っぽく進化して♡
スタイリスト 加藤かすみさん×エディター 伊藤真知さんが提案
エディター 伊藤真知さん
本誌をはじめ数々の女性誌で活躍するエディター。等身大のリアルなコーデやまねしたくなる着こなしセオリーで、私服スタイルも人気。昨年、初のスタイル本を刊行。
スタイリスト 加藤かすみさん
表紙やファッション特集を数多く手がける人気スタイリスト。センスと理論に基づいた着こなし術にはファンも多く、「かすみさんのコーディネートは売れる!」は定説。
1.ボルドーブラウンで女っぽく華やかに
ひと味違ったブラウンだからこそ、色の持ち味を知り、その方向性に合わせたアイテムを選んで着ることが、“ニューブラウン”攻略への第一歩という二人。主役のカラー以外は多用せず、ワントーンでさらりと楽しむくらいが、女っぽくておしゃれ見えに。
Kasumi's POINT
「単色ではやや難しいボルドーもブラウンに落とし込むことで赤みが落ちつき、着やすい色に。女らしく、でもいきすぎないのでバイラ世代におすすめです」
Machi's POINT
「この秋、最も新鮮に感じた赤み系のブラウン。目新しい色だからこそ、着慣れたニットやスカートから少しずつ更新を」
色の特性を引き立てるなら、潔くワントーンで。「ただし同じ色で似たような素材では、野暮ったくなりがち。透け感のあるニットとツヤッとしたスカートなど違う素材をミックスしたり、柄バッグのように服以外で視線を集めるポイントをつくったり、リズムをつけて」(加藤さん)。ニット¥13000・カーディガン¥15000/トゥモローランド(ボールジィ) スカート¥42000/ショールーム セッション(サヤカ デイヴィス) バッグ¥53000/フルラ ジャパン(フルラ) ピアス¥22000・リング¥29000/ジ アナザー ミュージアム(アルティーダウード) 靴¥29000/スピック&スパン ルミネ有楽町店(スペルタ)
スーパーバイラーズ・岡田彩芳さんに“ボルドーブラウン”を着こなしてもらいました!
2.キャメルブラウンでトレンド感を
Kasumi's POINT
「夏もベージュや茶系コーデを楽しんでいた“トレンド好き”な方がアップデートするならこの色。黄みが強い色なので、顔に近いトップスよりボトムが安心」
Machi's POINT
「こっくりと深みのあるカラーは高見えにも絶大な力を発揮! ブラウンのなかでは明るいので、広い面積で取り入れても重々しく見えないのもうれしい」
多くの人が持っているベージュや黒といったベーシック色のアウターとも、すんなりなじみ、ほどよく映える明るめのブラウン。「濃厚なキャラメルを飽きずに楽しむには、さわやかさや辛さも必要。そのどちらをも備えたストライプの白シャツが、ちょうどいい抜け感に」(伊藤さん)。コート¥54000/ラヴァンチュール マルティニーク 渋谷店 ブラウス¥21000/カレンソロジー 新宿(カレンソロジー) パンツ¥18000/カデュネ プレスルーム(カデュネ) バッグ¥95000/コーチ・カスタマーサービス・ジャパン(コーチ) 時計¥78000/セイコーウオッチ(セイコー ルキア) リング¥10000/ジ アナザー ミュージアム(アルティーダ ウード) 靴¥89000/ドゥロワー 青山店(マノロ ブラニク)
スーパーバイラーズ・石本愛衣さんに“キャメルブラウン”を着こなしてもらいました!
3.ココアブラウンはどう着こなす?
Kasumi's POINT
「どちらかというと淡くクリーミー。ココアというネーミングのとおり、甘めでまろやかなブラウンは、茶色の重たさや渋さが苦手なフェミニン派にも使いやすい」
Machi's POINT
「色の持つやわらかさを生かしコーデも奇をてらわず、甘めに。全体がボンヤリとしないように質感のあるレーススカートや白小物をきかせてメリハリを」
スーパーバイラーズ・畑瀬愛さんに“ココアブラウン”を着こなしてもらいました!
4.カーキはブラウンに寄せて取り入れやすく
Kasumi's POINT
「ミリタリー感が強いカーキも上品なブラウンと混ざることでお仕事にも使いやすい一色に。スニーカーとも相性抜群ですが大人は少しきれいめ仕上げを」
Machi's POINT
「ほどよい辛さがこなれて見せてくれるので、きれいめな服でこそ取り入れたい色。カジュアルが得意なブランドで探すのも、“いい色”に出会えるコツです」
スーパーバイラーズ・山嵜由恵さんに“カーキブラウン”を着こなしてもらいました!
5.透けトップスからエコレザーまで、素材にこだわったブラウンコーデ
上品な女っぽさが手軽に《“透け”ブラウン》
Kasumi's POINT
「白では生っぽく、黒だとドレッシーになりがちな透けトップスこそ、茶色がベスト! 肌が見えても品があり、一枚でも着やすいので秋口から使えるのも優秀です」
Machi's POINT
「透け感=抜け感に直結。編み目の詰まったハイゲージもほどよく隙が生まれるので、去年とはひと味違った“洒落たニット”に見えるはず」
《ブラウンの“エコレザー”》で頑張りすぎない洒落感を!
Kasumi's POINT
「この秋、一枚は手にしておきたいヒットアイテム。トレンド要素が強いからこそ、着慣れた服にさらっと足すくらいがおしゃれ」
Machi's POINT
「本革よりはるかに扱いやすく、お財布にもやさしいエコレザー。革独特のハードさがやわらぐのもブラウンならではの魅力です」
バイラ世代が狙うなら、女らしく着こなせて、種類も豊富なプリーツスカートがイチ押し。「エコレザーならではの適度なツヤや硬さは、やわらかなニットと相性抜群。ですが、今はまだ暑いのでTシャツやシャツと合わせるのが現実的。いずれにしても、どこかリラックス感のあるトップスで力を抜いて」(加藤さん)、「ハッキリ言えば、エコ=フェイク。ともするとチープに見えることもあるので、色や素材選びは慎重に。茶色というだけでも高見えはしますが、暗めの色を選んだほうが間違いありません」(伊藤さん)。スカート¥29000/インターリブ(サクラ) シャツ¥13000/ハッシュニュアンス バッグ¥124000/ジミー チュウ 靴¥30000/エディット フォー ルル(ポルセリ)
6.パンツもジャケットも今季は「チェックのブラウン」が間違いない!
手持ち服も今年らしく一新!《“チェック”のブラウン》
Kasumi's POINT
「赤などの色が入るとトラッド感が増し、かえって着にくくなることもあるので、大人は同系色のチェックで都会的に。ほどよくカジュアルに見えるのも柄のよさなので、今年は“お堅い”ジャケットでこそ挑戦する価値アリです」
Machi's POINT
「茶一色よりも表情豊かなブラウンチェックのパンツ。シンプルなトップスも手軽に洒落感が出せて、似合う色も多いので、ワントーンコーデにちょっと飽きたときや手持ちの服をブラッシュアップしたいときにも最適」
7.「ブラウンのロングブーツ」でこの秋のおしゃれが変わる!
黒より軽やかでバランスアップ《ブラウンの“ロングブーツ”》
Kasumi's POINT
「ブーツはショートからロング丈へ。今どきの足もとは素足を見せず、“重み”を出すのがポイント。ニュアンスのあるブラウンなら重すぎず、洗練して見えます」
Machi's POINT
「茶色をはじめダークカラーの服が増えることを見越して買うなら、黒より軽やかなブラウンが妥当。肌を出さないぶん、ヒールは高めを選んで女っぽさを補足して」
「夏のマキシから秋はミモレへと、スカート丈が短くなったことで、靴はかえって長いほうが好バランスに。色だけでなく、着方もシーズンに合わせて更新しておくことが、おしゃれ見えには不可欠」(加藤さん)、「キャメルを一段暗くしたようなブラウンは、これまでも目にしたことがある色。そんな安心感のある色だからこそ、スクエアトゥや太ヒールなど小さな変化を受け入れて、今年らしいアップデートを」(伊藤さん)。靴¥185000/ジミー チュウ ワンピース¥100000(ナタン)・ベルト¥22000(アンダーソンズ)/ビームスハウス 六本木 バッグ¥59000/アマン(ア ヴァケーション) 時計¥78000/セイコーウオッチ(セイコー ルキア)
撮影/YUJI TAKEUCHI〈BALLPARK〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/ヨンア 取材・原文/伊藤真知 構成/内海七恵〈BAILA〉 ※BAILA2020年10月号掲載
【BAILA 10月号はこちらから!】