よく耳にする“抜け感”という言葉。でもそれって具体的にどういうこと? ベーシック服なのに仕上がりが見違えるかすみさんが撮影現場で実践する“抜け感”のつくり方を、詳細に解説!
CONTENTS
1.定番「白シャツ」を”抜け感”あるコーデに仕上げる3つのSTEPとは?
定番「白シャツ」に“抜け感”仕上げはマスト!まずは襟、袖、裾の基本3STEPをマスター
定番シャツが苦手という人はもしかして“抜け感”不足かも? シャツはそのまま着るとユニフォームライクになりがち。襟、袖、裾、それぞれ仕上げのひと手間で“着こなしてる感”をアピールして。

中で体が泳ぐオーバーサイズに、ほんのり透ける風合いも“抜け感”の構成要素。首もとや手首など華奢な部分を強調することで、メンズライクなアイテムに女性らしいすきをつくって。シャツ¥47300/カオス表参道(カオス) スカート¥39600/ドローイング ナンバーズ 新宿店(ドローイング ナンバーズ) シングルピアス¥21450・リング(中指)¥24200/マリア ブラック 表参道店(マリア ブラック) リング(人さし指)¥68200/エスケーパーズ アナザーワールド(ソフィー ブハイ) インナー/スタイリスト私物
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かすみさんの「ちょっと入りまーす!」
※「ちょっと入りまーす」=ファッションの撮影の現場で、モデルの動きを見ながらスタイリングを微調整するために立ち入るときの、お決まりフレーズ。
【抜け感ポイント】襟を抜く

フロントボタンを2つ目まであけ、襟を後ろに下げる(=襟を抜く)。このとき襟は立てないのが今どき
【抜け感ポイント】袖をまくる

カフスのボタンは留めたまま、カフスの半分くらいの幅をラフに折り返し、ちょうど留まるところまで袖口ごと上にたくし上げる
【抜け感ポイント】ウエスト前だけイン

前の裾だけボトムのウエストに入れ、その上部分にほどよいふくらみが出るよう生地を少し引っ張り出す
after

2.オンオフのさじ加減が重要!シーン別「ジャケット」の着くずし方
ONとOFFではさじ加減が違うから。ジャケットはシーン別で着くずし方を変えて
同じアイテムでも、シーンによって“抜け感”の最適値って違うんです。仕事中はある程度きちんと見せたいので、着くずし感は控えめに。プライベートでは、いかにセンスよく大胆に“抜く”かが勝負!

オンコーデ(左)とオフコーデ(右)
【AT WORK】お仕事中はきちんと着用して袖まくり

仕事中はジャケットの袖を通してきちんと着て、袖まくりで“抜け感”を出す最少アレンジ。
かすみさんの「ちょっと入りまーす!」
※「ちょっと入りまーす」=ファッションの撮影の現場で、モデルの動きを見ながらスタイリングを微調整するために立ち入るときの、お決まりフレーズ。
ゴムを仕込んで袖をまくる

《1》袖口から2~3㎝上のあたりにゴム(できれば透明)を外からかけ、折り返す

《2》袖口をゴムごとひじの下のあたりまで上げる。このとき、きれいに折りたたむのではなく、あえてくしゃっとラフにたくし上げるのがポイント
完成!

【AFTER WORK】プライベートでは肩羽織り+アクセ盛り

一方、会社を出たら、ジャケットは肩に羽織って軽やかに。仕上げに大ぶりアクセと赤リップで女っぽさをプラス。
ジャケット¥52800・パンツ¥37400/ドローイング ナンバーズ 新宿店(ドローイング ナンバーズ) Tシャツ¥15400/エイトン青山(エイトン) バッグ¥48400/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店(オソイ) 靴¥16500/ル タロン グリーズ ルミネ新宿店(ル タロン グリーズ) (右)メガネ¥26100/ダブルティーエスルーム(カリン) (左)シングルピアス(右耳)¥45100・(左耳)¥24200・ネックåレス¥42900・リング(人さし指上)¥24200・(人さし指下)¥28600/マリア ブラック 表参道店(マリア ブラック)
3.着こなしより肝心!抜け感「ワイドパンツ」を選ぶポイントとは?
今季の抜け感パンツはワイド一択。着こなしの前に選び方が肝心です
ワンツーコーデになりがちな夏こそ、ワイドパンツのゆったりした揺れが“抜け感”を担ってくれます。パンツは着こなしより選び方が肝心! 着丈、シルエット、ウエスト位置を吟味して、ルーズにならず大人にほどよい一本を手に入れて。

はくだけで“抜け感”をまとい、くわえて脚長に見えるパンツがあれば、シンプルにTシャツを合わせるだけでも様になる。ワイドパンツで歩くときの悠々と動きのあるたたずまいが、これまでのテーパードパンツにはない大人の余裕を漂わせて。パンツ¥35200/コンテ 青山店(コンテ) Tシャツ¥15400/エスケーパーズオンライン(フローレ フローレ) バッグ¥88000/へリュージャパン オフィシャルオンラインストア(ヘリュー) 靴¥83600/ショールーム セッション(ヘリュー) Beforeのパンツ/スタイリスト私物
Before

かすみさんの「ここがポイントです」
☑ハイウエスト&ウエストマークで脚長バランスに
☑くるぶしはひた隠す。裾が少したるむくらいのたっぷり長め丈を選んで
☑裾にかけてかすかにすぼまるカーヴィな太めシルエットが旬
☑センタープレス入りならワイドでもすっきりとスマートにはける
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4.ボウタイ、スカーフ、ベルトの“抜け感”を演出するには?
ボウタイ、スカーフ、ベルト…結び方を変えることで“抜け感”を演出できます
リボン結びや片方結び、ネクタイ風、シェフタイ風……どんな女性像に見せたいかで、結び方を変えています。それぞれのアイテムで、“抜け感”を意識したアレンジをご紹介!

顔まわりの印象を決めるボウタイ。リボン結びだと甘めフォーマルな印象になりがちなところ、アシンメトリーにくずすことで、さっと仕上げたラフな雰囲気になる。さらにカジュアルに仕上げるなら、一回結んでさらっと垂らすだけでもOK。ブラウス¥16500/ロペ ショートパンツ¥22000・ジャケット¥35200/ヴェルメイユ パー イエナ 青山店(ヴェルメイユ パー イエナ) ピアス¥22000/プラウ バッグ¥38500/ラシット 大丸梅田店(ラシット)
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かすみさんの「ちょっと入りまーす!」
※「ちょっと入りまーす」=ファッションの撮影の現場で、モデルの動きを見ながらスタイリングを微調整するために立ち入るときの、お決まりフレーズ。
ボウタイは片方結び

《1》ボウタイを中心から少しズラしたところで一回結ぶ

《2》両方リボンにせず、片方だけリボン状にして、もう片方は長いまま垂らしアシンメトリーに
after

よく耳にする“抜け感”という言葉。でもそれって具体的にどういうこと? 今回はスタイリスト加藤かすみさんが、“抜け感”のある夏のスタイルを解説。ねじったり、垂らしたり…「スカーフ」&「ベルト」で抜け感を!

定番中の定番、Tシャツ+デニムスタイルを“抜け感”巻きテクでアップデート。ともすると昔のコンサバになりがちなスカーフは、きゅっとコンパクトに巻くのが最新のムード。ベルトのひと巻きも上級者風に。スカーフ¥16500/マニプリ ベルト¥75900/エスアンドティ(デアンシェ) ニット¥23100/エイチ ビューティー&ユース(ロエフ) デニムパンツ¥15400/リーバイ・ストラウス ジャパン(リーバイス®) ピアス¥34100/プラウ
かすみさんの「ちょっと入りまーす!」
※「ちょっと入りまーす」=ファッションの撮影の現場で、モデルの動きを見ながらスタイリングを微調整するために立ち入るときの、お決まりフレーズ。
スカーフをねじって小さく巻く

《1》スカーフの端を対角線に持って細くねじる

《2》ねじったスカーフを首の前から後ろで交差し、2重になるよう巻く

《3》両端を持って前で固結びする。このとき、片方を先に首に巻いた部分の内側に通して、一緒に結ぶのがポイント
ベルトの端を結んで垂らす

普通にベルトを締めたあと、端をベルトの内側に下から通し、一回結んで垂らす。ベルトループの上にかぶせて
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5.「カーディガン」の肩かけは片方にズラして結ぶ
カーディガンの肩かけもちょっとこだわるだけでぐっと洒落て見えます
夏のカーディガンは冷房や日焼け対策だけでなく、さっと巻くだけでコーディネート感をアップする便利アイテム。“何となく”で羽織りがちだからこそちょっと技ありの肩かけで差をつけて。

両袖をそろえて結ぶことで、ほどけにくくなるだけでなく、垂らす部分が短く&結び目にボリュームが出て小粋なバランスに。カーディガン¥30800/ヴェルメイユ パー イエナ 青山店(ヴェルメイユ パー イエナ) タンクトップ¥18000/TW パンツ¥39600/インターリブ(サクラ) バッグ¥28600/ハウス オブ ロータス(サンアルシデ) 靴¥24200/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム(モリーニ)
Before

かすみさんの「ちょっと入りまーす!」
※「ちょっと入りまーす」=ファッションの撮影の現場で、モデルの動きを見ながらスタイリングを微調整するために立ち入るときの、お決まりフレーズ。
片方にズラして両袖を結ぶ

《1》カーディガンはボタンを留めず、フロントが内側になるよう持ったら、中心からズレるようにどちらか片方の肩にかぶせる


《2》《3》両方の袖をそろえて持ち2本一緒に結ぶ。軽く一回結び
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6.「アクセサリー」は一点を主役に。「メガネ」はメイクで抜くのがルール
アクセサリーはあちこちにじゃらづけするよりどこか一点を主役にコーディネートを
シンプル服に不可欠なアクセサリーだけれど、耳、首、手もとと全部にじゃらじゃらつけると、それはそれで“抜け感”のない印象に。どこか一点ポイントを決めて映えさせるのが、洗練の秘訣です。
Before

after

耳もと以外すっきり“抜け”をつくることで、大ぶりピアスのモダンな存在感が引き立つ。シングルピアス¥31900/マリア ブラック 表参道店(マリア ブラック) リング(人さし指)¥368500・(中指)¥247500・ブレスレット(上)¥198000・(下)¥264000/トーカティブ 表参道(トーカティブ) ジャケット¥42900・ショートパンツ¥24200/マルティニーク ルミネ横浜(マルティニーク) Tシャツ¥38500/マディソンブルー Beforeのネックレス/スタイリスト私物
メガネを効かせる日はメイクで“抜く”のがルール
ファッションアイテムとしてすっかり定着したメガネ。実は、メイクとのバランスが大事! バッチリ決めた顔より、素顔っぽさを残したすきのあるメイクで顔の存在感はさりげなく。

しっかりメイク+メガネだと、顔の印象ばかりが強くなりがち。素肌風なのに実はちゃんとお手入れされた“抜け感”メイクを習得して。メガネ¥28600/リーンスプリング(ウェイティング フォー ザ サン) ニット¥23100/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店(イウエン マトフ) パンツ¥29700/カデュネ プレスルーム(カデュネ)
7.「バッグ」は手持ち、透けるパンプスで軽やかに
トートバッグを肩にかけずラフに手持ちして
ファッション撮影でよくやる持ち方!トートは肩かけがスタンダードだけれど、大きめをあえてクラッチ風にくしゃっと持ってみるだけで、こなれたたたずまいに。

大荷物じゃない日、あえてビッグトートに入れて容量に余裕をつくって。無造作に手持ちしたり、小わきに抱えたり。肩かけだとやたら大きく感じるトートバッグも、しなやかに体になじんで“持ちこなしてる感”が出る。バッグ¥64900/エルディスト ショールーム(プンティ) ニット¥29700・スカート¥46200/リンク・セオリー・ジャパン(セオリー) ピアス¥28600/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム(ブリーレオン)
きちんとパンプスを“透ける靴”に変えて足もとから軽やかに
形はコンサバな定番パンプスでも、素材が違うだけで断然あか抜ける! さりげなく肌が透ける靴なら、きれいめな印象をキープしつつ足もとから“抜けた”印象に。
Before

Beforeの靴/スタイリスト私物
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昨今のシアーブームに乗って、足もとも透けるデザインが豊富。サンダルNGの通勤ドレスコードも、こんなメッシュパンプスなら問題なくクリアできる。靴¥16500/ル タロン グリーズ ルミネ新宿店(ル タロン グリーズ) トップス¥19800・パンツ¥18700/ジャーナル スタンダード レサージュ 丸の内店(ジャーナルスタンダードレサージュ) バッグ¥13200/アダム エ ロペ
スタイリスト
加藤かすみさん
ベーシックなスタイルも、合わせ方や着こなしテクでこなれて見せる“抜け感”コーデの名手。職人気質で朗らかなキャラクターも人気。
撮影/金谷章平 ヘア&メイク/河嶋 希〈io〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/佐藤栞里 構成・原文/東原妙子 ※BAILA2025年8・9月合併号掲載
























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