知りたいのはモードの最前線というより、働く私たちがデイリーに取り入れて洒落度が上がるリアルなトレンド。この秋乗っかるべきキーワードを、話し始めたら止まらないエディター東原妙子さんとスタイリスト池田 敬さんの二人がピックアップ!
1.この秋、大人が“乗っかるべき”流行は?エディター東原妙子さん×スタイリスト池田 敬さん対談
大人におすすめ! 2025AW注目トレンドトーク
東原 近年、ファッションを語る上で避けて通れないのが、とにかく暑くて長い「ニッポンの夏」問題。もはや10月まで夏なのでは⁉
池田 ほんまですよね。そうなると、やっぱり真っ先に取り入れやすいトレンドは“色”ですよね。
東原 今季の一大トレンドカラーといえば、ブラウン! 効かせ色なら赤が気になるかな。
池田 シンプルなTシャツでも色を変えるだけで一気に秋らしくなりますもんね。分厚い防寒服は着られる期間が短いからなぁ。
東原 特にアウターは、夏の終わりからさっと肩かけして、寒くなったら重ね着して真冬までいける軽めのアウターが主流だよね。
池田 ブルゾンとかフィールドジャケットとか、ウール系じゃなく少しカジュアルな素材が人気ですね。
東原 ニットもそう。「私、羊です!」って顔したもこもこニットより、むしろ洗える高機能な合繊とか、肌触りがさらっとしたシアー素材とか、シーズンレスに着られるニットが売れてる様子。
池田 半袖ニットも多いですね。アンサンブルで着るのも可愛いし。
東原 半袖とかシアーとか、秋冬でも肌見せトップスが豊作だね。
池田 東原流に言うと、「鮨服」的な……(笑)?
東原 「鮨服」=鮨屋の大将に媚びを売って次回の予約を取らせてもらうための顔映えトップスね(笑)。今日私が着ているオフショルブラウスも、デミルクス ビームスとコラボした秋物だけれど、実際、夏からずっと売れてる。
池田 気候もあってか、秋冬でもほっこりウォーミーより、すっきり女っぽいテイストが気分ですね。晩夏から冬まで長く着られるし。
“総じてキーワードは『シーズンレス』! レイヤードしたりして長く使えるものが売れてるよね” TAEKO

ブラウス¥23100・パンツ¥25300/デミルクス ビームス 新宿(エディター東原妙子×デミルクス ビームス)
“秋冬でも、今季はウォーミーなものよりどこかシャープで女性らしいスタイルが気分です” TAKASHI

東原 ジレやらビスチェやらレイヤードで楽しむ服もそうだよね。気温におうじて下に何を重ねるかを調節すれば一年中使える。
池田 シーズンレスといえばデニムも。ここ数年淡色が人気やったけど、久々にきれいめインディゴが復活。腰ばきも出てきてるけど、僕あれは苦手なんですよね(笑)!
東原 ハイウエストに慣らされた身としては急に「私、脚短っ!」ってなるよ。大人は引き続き、腰高ワイドストレートでよくないか?
池田 そういえば、パンツはそんなにバランス変わらへんけど、スカートは丈が短くなってきてる。少し前のマキシ丈が、今は中途半端なひざ下ミディアム丈やミニ丈に置き替わったような。足もとは、レースタイツやロングブーツを合わせたり。あれ、可愛いですよね。
東原 池ちゃんの好みわかりやすい(笑)。さっき言ってたアンサンブルニットにミニスカートはいて、ちょっと育ちのよさそうな?
池田 まぁ、好きです(笑)。
東原 ボトムと靴の間の“つなぎ問題”も毎年必ず出てくる課題よね。ちょうどロングブーツの話が出たけど、小物の傾向は? それこそシーズンレスに使えるし、価格が高騰しているだけにリアルに買えるものが知りたいところ。
池田 今季スタイリングで活躍しているのはスカーフですね。マフラー代わりに軽く使えて便利やし。
東原 うんうん。派手色でなく、モノトーンのバンダナ柄とかね。
池田 あと柄もので言うと、やはりチェックやレオパード。チェックは毎年のトレンドではあるんやけど、今季は特にバリエ豊富で、小物で取り入れるのもいいなと。
東原 まとめると、総じてキーワードは「シーズンレス」! あとトレンドと同時に、池ちゃんの女性の好みも露呈したね(笑)。
池田 え、めっちゃ恥ずいんですけど(笑)。

エディター
東原妙子さん
陽気でおしゃべりな名物エディター。長らくアパレルブランドで服作りを手がけ、自身もOLとしてファッションを楽しんでいた経験から、働く女性のリアルに精通。

スタイリスト
池田 敬さん
男女問わず幅広い視点からトレンドをキャッチ。コンサバをベースに、ほどよい女っぽさとトレンドを加えたスタイリングが人気。関西弁が小気味いいアニキ的存在。
2.秋のトレンドNEWS13選
1.【SPORTS MIX】大人シックな スポーツMIX がアツい!
東 きれいめコンサバの民がいきなり本気のスポーツアイテムを取り入れると、うっかり大事故になるときがあるのよ。
池 わかる。いつものスタイリングになじむ「地味色」スポーツアイテムを「一点だけ」投入するのが、失敗しないコツ!
東 あと、急に若者っぽいストリートブランドに手を出すんじゃなく、普段から服を選んでるショップで探すといいかも。

デニムシャツ¥42900/インターリブ(サクラ) シャツ¥42900(スポーティー&リッチ)・靴¥247500(ネオス)(ともに参考価格)/ザ・ウォール ショールーム パンツ¥36300/サードマガジン バッグ¥111100/ロンシャン・ジャパン(ロンシャン)

靴¥123000/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ)

ジャケット¥53900/エイトンステイプルズ
「いつもの着こなしに一点プラスが浮かないコツ」――スタイリスト池田 敬さん
2.【BROWN&RED】ブラウン&赤のこっくり濃厚カラーが旬
東 今季は、ベースカラーを黒からブラウンに変えるだけで、ぐっと秋らしくキャッチーに見えるよね。シンプルなスタイルも、まろやかで女性らしい印象になる。
池 あとさし色なら、今季は赤の打ち出しが多い。特にビビッドな赤が新鮮!グレーやベージュ、トレンドのブラウンとも相性がいいし。
東 わかる。赤の小物はもちろん、ニットとか広い面積でドラマチックに取り入れたいな。

Tシャツ¥22000/J&M デヴィッドソン カスタマーセンター(J&M デヴィッドソン)

パンツ¥20000/バナナ・リパブリック

ニット¥27500/ノーク

靴¥37400/ピッピシック

バッグ¥121000/J&M デヴィッドソン カスタマーセンター(J&M デヴィッドソン)
TOD'S

©AFP/アフロ
TORY BURCH

©Splash/アフロ
「色の即効性! 迷ったらこの2色でたちまち秋めく」――エディター東原妙子さん
3.【SEASONLESS KNIT】シーズンレスニットが万能すぎ
池 少し前はゆったりオーバーサイズのウール系ニットが全盛やったけど、今季は薄手な上に、着丈短め&コンパクト。
東 羊たちが毛をもて余してると思うよ(笑)。確かに冬でも室内は暑いし、分厚いニットより薄手ニット+薄手カーデの重ね着で温度調節できるほうが快適だったりするもんね。
池 ジレやビスチェ、スウェットの下に着ればレイヤードでこなれ感もアップするし。一枚持っていて損はなし!

半袖ニット¥30800・カーディガン¥37400/デミルクス ビームス新宿(スローン×デミルクス ビームス)

キャミソールつきニット¥19800/カデュネ プレスルーム(カデュネ)

カーディガン¥31900/リトルリーグ インク(エブール)
「薄手でコンパクト。季節に合わせて重ね着できるのも◎」――エディター東原妙子さん
4.【RIGID DENIM】今、またリジッドデニムの気分が再燃
東 デニムって定番中の定番だけに、トレンドが顕著に反映されてるアイテムよね。
池 ローウエストやバレルシルエットも流行っているけど、きれいめ派には難しいかも。結局、リジッドのハイウエストデニムをセットアップで着て、+パールとかが一生好き。
東 池ちゃんっぽい! そう、いくら流行っていても、スタイルが悪く見えたり、カジュアルすぎたりするトレンドには無理に乗っかる必要なし!

シャツ¥27500・パンツ¥30800/カイタックインターナショナル(ヤヌーク) ベルト¥13200/フラッパーズ(レフィ エ) バッグ¥89000/ポレーヌ カスタマーサービス(ポレーヌ) 靴¥60500/ワークス インターナショナル(ツル バイ マリコ オイカワ)

パンツ¥27500/ゲストリスト(アッパー ハイツ)

パンツ¥42900/J&M デヴィッドソン カスタマーセンター(J&M デヴィッドソン)
「今季提案したいのは上品クラシカルなデニムスタイル」――スタイリスト池田 敬さん
5.【FIELD JACKET】フェミニン派こそフィールドジャケット
池 アウターはブルゾン系が引き続き人気。メンズライクだけど、ジャケットほどかっちりしてなくて実は着やすいしね。
東 ね。私も、フィールドジャケットをリアルバイした。しかし「北の国から」の五郎さんにならないよう注意せねば!
池 ならんやろ(笑)。全身辛口、とか全身カジュアルにしないで、きれいめフェミニンな服に合わせれば間違いないかと。

ジャケット¥176000/エイトン青山(エイトン) Tシャツ¥9130/ガジェス スカート¥55000/サードマガジン バッグ¥19250(アンドミューク)・靴¥69300(ペリーコ)/アマン

ジャケット¥63800/バブアー パートナーズ ジャパン(バブアー)

ジャケット¥86900/インターリブ(サクラ)
「スカート合わせで甘×辛にすれば失敗なし!」――スタイリスト池田 敬さん
6.【BUSTIER】ビスチェで楽しむレイヤード
東 ビスチェって使えるよね。読者の方たちと話していても、すっかり働く女性の新定番になっていることに喜びを感じてる。
池 難易度高そうでいて、実はシンプル服にプラスするだけでコーディネート感がアップして、一気に洒落て見えるし。
東 重くなりがちな秋冬スタイルにもメリハリがつくよね。私は夏も一枚で着てるから、本当に一年中フル稼働!

ビスチェ¥39600/サードマガジン(ザ サードマガジン) カットソー¥19800/デミルクス ビームス 新宿(デミルクス ビームス) パンツ¥35200/アマン(アンスクリア) バッグ¥19800/アンソロジー(アドカラム) 靴¥148500/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ)

キャミソール¥58300・半袖トップス¥72600/リトルリーグ インク(エブール) パンツ¥36300/ロンハーマン バッグ¥61600/オルサ(オルセット) 靴¥75900/ネブローニ
「シャツやニットに重ねて、夏は一枚で。一年中フル稼働!」――エディター東原妙子さん
7.【CHECK】チェック柄がいつになくバリエ豊富
池 チェックって秋になると毎年出てくるけど、今季はテイストもアイテムも本当に幅が広い。
東 マニッシュなグレンチェックから、古着っぽいオンブレチェックまで。色も白黒だったりカラフルだったり。自分のスタイルに合うチェックが見つかりそう。
池 思い切ってコートで取り入れたり、靴やバッグで効かせるのも可愛い!

シャツ¥41800/ボウルズ(ハイク)

コート¥209000/マッキントッシュ ジャパン(マッキントッシュ)

パンツ¥50600/リトルリーグ インク(ユニオン ランチ)

靴¥28600/ワークス インターナショナル(ツル バイ マリコ オイカワ)
VALENTINO

©Launchmetrics/spotlight/アフロ
LOUIS VUITTON

©Launchmetrics/spotlight/アフロ
「チェック初心者がトライしやすいアイテムも多数」――スタイリスト池田 敬さん
8.【OFF SHOULDER】オフィスもOKな上品オフショルトップス
東 あれ、もしかして巷で「鮨服」流行っちゃってる(笑)?
鮨服…東原さんの言う「鮨屋の大将に媚びを売って次回の予約を取らせてもらうための顔映えトップス」
池 ほんまに(笑)? けどカウンター映え=顔映えってことやし、すっきり女性らしく見えて困ることないですもんね。
東 今日私が着てるブラウスもそうだけど、たとえば、肩を上げれば会社でも着られて、鮨屋に入る前にぐいっと下げて肩を出すとか(笑)、シーンに合わせて2wayで着られるのが大人にはいいと思う!

ブラウス¥19910/オンワード樫山(アンクレイヴ)

ブラウス¥10450/ミラ オーウェン ルミネ新宿2店(ミラ オーウェン)
「肩を上げ下げできる2wayで上品な肌見せを」――エディター東原妙子さん
知りたいのはモードの最前線というより、働く私たちがデイリーに取り入れて洒落度が上がるリアルなトレンド。この秋乗っかるべき旬のキーワードを、エディター東原妙子さんとスタイリスト池田 敬さんがピックアップ! 今回は、「パール」、「バッグ」、「スカーフ」…小物アイテムのリアルトレンドをチェックして。
9.【SKIRT&TIGHTS】短めスカートと靴とのすき間は華タイツで
東 秋はたいていパンツのほうが売れるけど、今季はスカートの注目度が高め。
池 ミニ丈とかミドル丈とか新しいバランスが出てきて、スカートコーデが楽しそう。レースタイツもトレンドやし。
東 そう。いくら安室ちゃん世代だからって、スカート丈が短くなって、ひざ小僧だって急に裸で引っぱり出されても無理なのよ(笑)。だから、すき間は何とかタイツでおしゃれに乗り切りたい!

スカート¥121000/マディソンブルー

タイツ¥1650/タビオ(靴下屋)

タイツ¥4400/リトルリーグ インク(ブルーフォレ)

靴¥121000/ネブローニ
GUCCI

©Launchmetrics/spotlight/アフロ
「今季のスカートはソックスよりタイツで品よく、女らしく」――スタイリスト池田 敬さん
10.【LEOPARD】小物で取り入れるエレガントなレオパード
池 今シーズン人気のレオパードアイテム。コートとか服もたくさん出てますけど、さすがに会社に着ていったらざわつきそう(笑)。
東 「女豹」もしくは「サバンナから来た人」ってあだ名つくよね(笑)。バイラっ子たちはそんなリスクを冒さず、ぜひ小物で控えめに楽しんでいただきたい。
池 ですね(笑)。カジュアルなレオパードアイテムもあるけど、大人は控えめでエレガントなデザイン選びがポイント。

靴¥74800(ブレンテッラ)

バッグ¥199100(ザンケッティ×カオス)/カオス表参道
「シンプルでレディライクなデザインを!」――エディター東原妙子さん
11.【PEARL】パールアクセは“脱・クラシカル”が合言葉
池 パールって好きなんですよね。秋はニットやデニムに合わせたり。
東 けど、一連のネックレスとか、ひと粒ピアスとか、オーセンティックなパールアクセは冠婚葬祭っぽく見えて逆に難しいときも。
池 わかります。今季は、まさにクラシカルじゃないパールが狙い目! リボンや地金、ストーンなど異素材コンビのモダンなデザインを選ぶのがおすすめです。

ネックレス¥231000/リトルリーグ インク(ミズキ)

ピアス¥308000/リトルリーグ インク(ミズキ)
「異素材MIXならコンサバすぎず洒落見え!」――スタイリスト池田 敬さん
12.【STEADY BAG】10万円前後で洒落る! ステディバッグブランド3選
東 毎日使うバッグだけど、最近高すぎてやすやすと買えません(泣)。
池 スタイリングでいちばんよく使うのは、シンプルで一見どこのかわからないけど洒落て見える10万円前後のバッグ!
東 近頃、韓国発のバッグブランドも注目されてるよね。大人なら、手頃な価格でも素材や作りがしっかり上質なものを吟味したいところ。
OSOI

バッグ¥48400/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店(オソイ)
Polène

バッグ¥67000/ポレーヌ カスタマーサービス(ポレーヌ)
Wandler

バッグ¥152900/ブルーベル・ジャパン(ワンドラー)
「この3ブランドの『顔なしバッグ』私も愛用中♡」――エディター東原妙子さん
13.【SCARF】なじませるのが今っぽい地味スカーフ
東 昔はスカーフと言えば、ど派手なチェーン柄を一点効かせるイメージだったけど、今はむしろ服にすんなりなじむような、色も柄も地味なスカーフが合わせやすいし洗練して見えるよね。
池 ど派手は、妙子さんのコギャル全盛時代の話ですよね(笑)。
東 あ、ごめん。四半世紀を超えてはるか30年前の話だったわ(笑)。

スカーフ¥16500/マニプリ ジャケット¥88000/リトルリーグ インク(ユニオン ランチ) トップス¥8800/ノーク パンツ¥32500/シーニュ バッグ¥166100/ピエール アルディ 東京(ピエール アルディ) 靴¥83600/ネブローニ

スカーフ¥22000/マニプリ

スカーフ¥22000/マニプリ
「まずはシンプルなバンダナ柄やドットがおすすめ」――スタイリスト池田 敬さん
撮影/魚地武大〈TENT〉 スタイリスト/池田 敬 取材・原文/東原妙子 ※BAILA2025年10月号掲載
























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