どう選び、どうつけるか。そのプロセスがジュエリーの価値をより一層高めてくれるから。ただいいものをつけるだけではたどり着けない、深みのある着こなしに近づくヒントを、素敵な先輩の言葉から深掘りします。
スタイリスト辻直子さんから学ぶ、ジュエリーを味方につけられる自分でいる方法
BAILAが提案してきた“きれいめフェミニン”の女性像をつくり上げたトップスタイリスト。ベーシックの中に“好き”を取り入れたブレないスタイルは、多くの女性の憧れ。Instagram/@naoko.ts
「今の私に似合うもの」を探し求める時間は自分らしさを構築するセンスにつながっていく

1・2.『マリーエレーヌ ドゥ タイヤック』のネックレスとリング。リングは20代の頃、パリでタイヤック本人に選んでもらったもの。3.キャッチーな『ALLNIQUE』のリングは会話のきっかけに。4.20代の頃から好きで集めているアートピースのような『David Yurman』のリング。5.3年かけて探したサファイア×ダイヤのピアスは一生の宝物。/すべて辻さん私物
誰かにとっての正解ではなく自分にとっての価値を見いだして
「とりあえずこれを持っておけば安心」「あの子も、あの人もつけているから」。そう思って手に取るジュエリーは誰しもあると思います。ブランドの名前、誰もが知っている定番、一生ものかもしれないという安心感。それはどれも間違いではないし、むしろ自然な選び方。でも、それだけで選ぶのはちょっともったいないと思うんです。だって本来、ジュエリーは安心のために身につけるものではないから。“これなら間違いない”ではなく、“今の私はこれが好き”と堂々と言えるかどうかが大事。たとえば同じ価格のものでもただ「流行っているから」で選ぶと時とともにどんどん自分と乖離していくけれど、「今の自分がどんな気分で、どんな女性でいたいのか」。それを起点に選んだジュエリーは、きっとその人を自然に引き立ててくれる。あくまでジュエリーはパーツなんです。
とはいえ大きい役割を担うパーツだから、闇雲に買うのではなく「絶対に自分に似合うもの」を丁寧に探すべき。ちょうどBAILA世代の頃、ダイアナ元妃がつけていたサファイアとダイヤがミックスされたジュエリーに憧れをいだいていた私は、自分が納得のいくものを3年かけて探し続けました(写真5)。
“私なら何をどう合わせる?”、そう考えながら理想のジュエリーを追い求めるその時間ってとても豊かだし、そんな「自分のとっておきを探す時間」は、それに見合う自分に導いてくれる時間だったりもするんです。
よく「長く使えるアイテムは何ですか」と聞かれることがありますが、私の正解はあなたの正解ではないから答えはなくて。しいて言えば「心底惚れ込んだものこそ、長く大事にできる」、それが答え。もちろんジュエリーの買い方にルールはないし、私にもたくさん失敗はあります。でもやっぱり、海外で「ジュエリーでも買っちゃう?」とノリで買ったものはその後全然つけずじまい。今の自分に最高のものをプレゼントしてあげる、そんな感覚で熱をもって選ぶことが、長くつきあっていけるジュエリーに出会う方法なんだと思います。
ジュエリーは高価な分慎重にもなるけれど、正解はひとつじゃない。だからこそ、選び続ける。素敵にジュエリーをつけることは、「自分自身を更新し続ける」ことなのかもしれません。

ネックレス(SV925+K18YG/P)¥49500/マリハ ピアス(SV925+K18YG/P)¥45100/エルディスト ショールーム(バー ジュエリー) リング(右手人さし指)(K18YG×DIA)¥230000/エム アネラ リング(右手薬指)(SV925)¥96800/エスケーパーズオンライン(ザ レタリング) リング(左手)(K18YG×Pt×DIA)¥209000/スタージュエリー表参道ヒルズ店(スタージュエリー) ブレスレット(右)(SV925+K18YG/P)¥51100・(左)(SV925)¥35100/トムウッド 青山店(トムウッド) シャツ¥26500/マルティニーク ルミネ横浜(マルティニーク) パンツ¥25300/カレンソロジー 新宿(カレンソロジー)
※YG=イエローゴールド、SV925=純度92.5%のシルバー、DIA=ダイヤモンド、Pt=プラチナ、/P=プレーティングの略です
プロたちの思考からひもとく、ジュエリーをつけるときに思い出したいひと言
ファッション、特にジュエリーの神髄は“足すのではなく引くこと”という引き算の美学を表したような名言。自信がないときほど色々と足したくなるけれど、つけている本人が埋もれてしまってはもったいないから。主役を埋もれさせる装飾は削る、という意識でジュエリーと向き合いたいと考えさせられるひと言。

スタイリスト
福田亜矢子さん
引き算の日、足し算の日、と洋服との合わせを意識してつけ替えて
流行りものをただ身につけるのではなく、その人に合ったものをうまくミックスしている人に惹かれます。BAILA世代は何をつけても似合う年代なので、気になるものは今のうちに色々トライして、どのバランスが合うかを探りながら楽しんでほしいです

スタイリスト
加藤かすみさん
ジュエリーとコーディネートの人格は変えず、何を素敵に見せたいのかを考える
あれこれ盛るよりも、“素敵なものをどう素敵に見せるか”に焦点を当てればおのずとバランス感につながるはず。ジュエリーだけに頼ろうとするのではなく、ほかのアイテムとトータルで見せることをゴールにするのが大事だと思います

美容家
大野真理子さん
ジュエリーは、自分への自信と応援
私にとってジュエリーは、仕事で結果が出たタイミングで購入してきた、自分への応援の気持ちも込めたアイテム。だからこそBAILA世代にも自らをチアアップさせてくれるジュエリーを楽しんでほしい。その上で、引きで見たときのバランスまで計算できたらセンスにつながると思います
撮影/生田昌士〈hannah〉、渡辺宏樹〈TRON〉 ヘア&メイク/笹本恭平〈ilumini.〉 スタイリスト/加藤かすみ モデル/佐藤晴美 ※BAILA2026年8・9月合併号掲載

BAILA編集部
30代の働く女性のためのメディア「BAILA」。ファッションを中心にメイク、ライフスタイルなど素敵な情報をWEBサイトで日々発信。プリント版は毎月28日頃発売。
















































































ガブリエル シャネル
常に取り去ること。決してつけ足さないこと