鏡リュウジ先生と水晶玉子先生が、2025年の星の動きについて徹底トーク。価値観の逆転が始まり、新たな夢やビジョンの途中で世界や私たちも揺れ動く予感?
水晶玉子先生
占星術研究家。西洋・東洋の枠を超え、多様な占術を研究・執筆。『水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦2025』(集英社)が発売中。Xを始めとするSNSでは、暦や愛するうさぎについて発信も。
「冥王星水瓶座の時代。人間と機械の“逆転”現象が起こるかもしれません!」――水晶玉子
「海王星と土星が牡羊座に接近。夢と現実、極端な意見が出そうです。」――鏡リュウジ
新しい時代が本格始動。土星と海王星の移動にも注目
水晶 鏡さん、今年もこの季節がやってきましたね。西洋占星術で言うと、破壊と再生を象徴する星・冥王星が、行きつ戻りつをしながら、山羊座から水瓶座へと本格的に移行したのが、2024年の11月20日。山羊座が象徴する、権力や大きな組織が偏重された価値観から、時代はまた新たな段階へと入りますね。
鏡 そうですね。ここから約20年間、冥王星は水瓶座に留まります。水瓶座は上下型のピラミッド的な世界ではなく、横の連帯やフラットな関係を大切にする星座。テクノロジーとの相性もいいです。そこに冥王星が入るので、20年かけて、世界の政治、経済、ビジネス、人々の心と様々な価値観が逆転しそうですね。僕たち、もう後戻りはできません(笑)。
水晶 歴史をひもとくと、前回に冥王星が水瓶座に入っていた1789年は、フランス革命で王侯貴族と市民の立場が逆転しました。その前は1540年代頃。
鏡 コペルニクスが「地動説」を唱えた時期ですね。天文学の世界で主流とされていた、地球の周りを惑星が動く天動説とは、真逆の考えが提示されました。
水晶 私は、今回の冥王星水瓶座の時代は、機械と人間の逆転が起こるんじゃないかと思ってるんですよ。2023年に一時的に冥王星が水瓶座に移動したときは面白いぐらいにChat GPTやAI関連の話題が盛り上がって。山羊座に逆行した途端に、「AIは本当に使えるのか?」なんて揺り戻しのような議論がされていたのも興味深かったです!
鏡 玉子さんの言う機械と人間の逆転・共存は、もうなされているのかもしれません。聞いた話では、仕事がデキる人の中には、ChatGPTを活用してメールや企画書を仕上げる人も多いとか。
水晶 変化は始まっているんですね。
鏡 そう。そして2025年の星の動きで最も重要になるのが、これまで魚座にいた海王星と土星が、牡羊座に移って0度で超接近することです。本格的に移るのは2026年ですが、この星の動きは、いちばんのターニングポイント。海王星は夢やイメージ、土星は現実を表します。この二つの星が、トップバッターの星座・牡羊座の、しかも最初の度数である、とても敏感な0度に近づくと……。理想と現実の間で、世の中の情勢も人々の気持ちも、極端から極端へと揺れ動く年になりそうなんですよね。
水晶 私のオリエンタル占星術では、2025年は柳宿の年。細かく枝分かれし、選択肢が増える意味合いを持ちます。干支は巳年。ヘビも蛇行しますしね。10年を1サイクルとする東洋の占いでは、「乙(きのと)」という、木の陰の年。こちらも草原のようなイメージで、“揺れる”という意味合いも含まれます。
鏡 2025年、何かと世の中が揺れそうですね。牡羊座はリーダーの星なので、海王星や土星が近づくと、理想を現実化させるという解釈もできるのですが。
イラストイラスト/岡崎マリー 取材・原文/石井絵里 ※BAILA2025年1月号掲載