鏡リュウジ先生と水晶玉子先生が、2025年の星の動きについて徹底トーク。価値観の逆転が始まり、新たな夢やビジョンの途中で世界や私たちも揺れ動く予感が――。鏡先生による12星座別の星占いは’25~’27年までの3年分の見通しつき。大充実でお届けします。
水晶玉子先生
占星術研究家。西洋・東洋の枠を超え、多様な占術を研究・執筆。『水晶玉子のオリエンタル占星術 開運暦2025』(集英社)が発売中。Xを始めとするSNSでは、暦や愛するうさぎについて発信も。
「迷う・揺れるのは当たり前のこと。しなやかに受け止め自分らしく前進を!」――水晶玉子
「“曖昧さに耐える力”を持つのが変化の多い時代を生き抜く知恵です。」――鏡リュウジ
上半期は選択肢を広げ、下半期は身近な環境を大事に
(鏡リュウジ×水晶玉子対談《前編》)
鏡 そしてユートピア的なビジョンを描く人が、世に出る可能性もあります。ただね、海王星と一緒に、現実的な星の土星もいるから、ワーッと盛り上がってガクッと期待はずれ、みたいな感も否めない(笑)。どちらにせよ、極端な意見が出がちになるので、バイラ読者の皆さんは“曖昧さに耐える”力を持つといいですね。19世紀のイギリスの詩人にキーツという人がいます。彼が提唱し、今また注目を集めるネガティブ・ケイパビリティ(不確実性に対する包容力)という言葉がありますが、これを大事にしてほしい。
水晶 そうですね。白か黒ではなく、グレーの優しさを持つこと。あとは牡羊座っぽい、少しサバイバルな感覚もあるけれど、急に仕事を辞めるとか、お金を一気に投資に突っ込むみたいな、極端な行動も避けたい年。東洋の占いでも、ヘビがうねうねと動いたり、草花がそよそよ揺れるというのは、悪いことの暗示ではないんですよ。何事も迷って当たり前だと思っておけば、変革する社会情勢や自分自身の心も、しなやかに受け止められるはず。それに迷いながら選択肢を増やしたり、試す生き方は、今の時代ではリスクヘッジにもなると思います。それが、双子座に木星がいる2025年上半期の開運行動でもありますよね。
鏡 確かに。拡大・幸運の星の木星は、6月9日まで双子座にいます。木星が双子座にいる期間は、多ジャンルをちょこちょこ勉強する、仕事ならタスクを同時進行させる、オフはショッピングや街歩きなんかを楽しむといいですね。
水晶 サイクリングなど、小さな遠出も素敵な気分転換になりそう!こうして双子座的に選択肢や視野を広げたのち、木星は6月10日に蟹座へ移動しますね。
鏡 2025年の下半期は、蟹座が得意とする身近な人への愛情が大事になる時期。蟹座の玉子さんみたいに、親しい人たちへ丁寧に優しく……が理想的ですね。
水晶 ちゃんと優しくできているか、わかりませんけれども(笑)。鏡さんが大事にされているような、ご近所のコミュニティやつながりも、開運アクション。地元に行きつけのお店があるでしょう?
鏡 そうですね(笑)。確かになじみの店は、下半期のラッキースポットです。ただし木星蟹座の期間には、身内への愛が強まってしまうあまりに排他的になる傾向もあるので、注意したいですね。
水晶 蟹座は、大切なものを“囲い込んで守る力”が強い星座なんですよね。
鏡 時代をつかさどる根底には風星座の水瓶座がいるので、昔のムラ社会的なクローズドなコミュニティは、ちょっと違うかなと。周囲に優しく、だけど風通しはよくという、このバランス感覚は重要です。
水晶 恋愛で言うと、最近、バイラ世代の皆さんから“マッチングアプリ疲れ”なんて話題も耳にします。もしこの上半期にアプリで出会いを探すなら、目的や期間をきっちりと決めてトライするのが吉。そして6月10日以降の木星蟹座期間は、ローカルな街コンなどへ足を運ぶのがいいですよ。住みたい場所に移住し、出会いを狙うのもありだと思います。
鏡 面白い。新たな地元をつくる決断!
水晶 とは言え濃い恋愛より、もう少しニュートラルな関係の星回りですよね。
鏡 水瓶座、双子座といった風星座の影響が濃く出るので、親友やきょうだいのような恋愛関係になってきそうですね。
水晶 出会い目的よりも、自分が夢中になれる趣味や習い事に打ち込むうちに、人づきあいの幅が広がる可能性も。今はいろんな習い事がありますから!
鏡 そうそう。興味がある分野に顔を出してほしいですね。結婚観も、冥王星水瓶座の影響で多様化していくでしょう。別居婚、同性婚。「家族とは?」と考える機会も増えるはず。その中で「家族制度って、実はそんなに長い歴史ではないのか」「でもその中で、みんな頑張ってきた」と気づきがあったりとかね。
水晶 結婚制度も変わりますか?
鏡 法律よりも先に、人々の意識や行動がどんどん変わっていくイメージです。
水晶 なるほど。鏡さんも私も、2025年は“揺らぐ”とお伝えしましたが、海王星が牡羊座に入るのは約165年に一度。この前に牡羊座に入ったのは、明治維新の少し前。迷い、揺れながらも先へと、希望を持って進んだ時代です。
鏡 小説『坂の上の雲』が描く時代ですね。
水晶 そう。大変だけど夢もあったはず。私たちも柔軟な心で、また次の視界が開ける2026年へと歩みましょう!
「恋愛では、マッチングアプリもいいけれども、街コンなど、ローカルな場所へ自ら出向くと、2025年は新たな展開が生まれそうですね。熱烈な展開よりも爽やかな関係を築くのがよさそう。」――水晶玉子
「幸運・拡大の星、木星が双子座にいる6月9日までは、フットワーク軽く!興味がある場所へ出かけたり、いろんな世界をのぞいてみて、自分の中にある選択肢を広げていきましょう。」――鏡リュウジ
イラストイラスト/岡崎マリー 取材・原文/石井絵里 ※BAILA2025年1月号掲載