バイラ世代の気になる体の悩みを、読者に代わり専門家に相談する連載。今回は、バイラ読者の、毎月のつらい生理痛の悩みについて専門医が回答します!
イーク表参道副院長 高尾美穂先生
産婦人科医、医学博士。産婦人科医として診療にあたるほか、ヨガドクターとしても活躍。著書は『超かんたんヨガで若返りが止まらない!』(世界文化社)。
まずは「生理痛」のお悩みについて、バイラ読者566人を対象にアンケート
Q 生理に関して悩みはありますか?
バイラ読者で、生理に関して何らかの悩みを持っている人は、なんと全体の88%!毎月のことだけに、何らかの悩みを抱えている人が多いよう
Q 正直、毎月生理がくることを憂うつに感じますか?
程度は違えど、毎月生理がくることを憂うつに感じる人がほとんどで、そのうち、とても感じるという人が60%と多数。逆に憂うつに感じない人はごくわずか
Q 特につらい症状は?
特につらい症状としては、おなかの痛み、つまり生理痛がやはり最も多い結果に。続いて、メンタル的な症状や肌荒れ、頭痛などが生じる人も多い結果に
Q かかりつけの婦人科はありますか?
Q 服用したことのある薬は?
生理痛が重いのは、月経困難症という病気。放置しておかず対処を
多くの人が悩んでいる生理痛だけど、そもそも、なぜ起きるの?「生理になると子宮を収縮させるプロスタグランジンという物質が分泌され、これにより経血が排出されます。このプロスタグランジンの産生量が多い人は、ギュッと収縮する力が強くなるため生理痛が起きやすいのです。また、このとき、出産経験がある場合は子宮口が広がりやすいので経血がスムーズに出ていきますが、出産経験がないと子宮口は狭いため経血がうまく出ていかず、余計に痛みや不調が生じがちです」
こうして起こる生理痛だが、何も対処せずやり過ごしている人も多数。
「生理痛が重いと1カ月のうちの何日も調子が悪いということで、そんな状態は周りにも影響を及ぼします。生理痛がつらいなら月経困難症というれっきとした病気なので治療をすべき。また、子宮内膜症や子宮筋腫の可能性もありますし、生理痛がひどい人は子宮内膜症に2・6倍もなりやすいというデータも。生理痛は鎮痛剤や低用量ピルなどで改善できます。プロスタグランジンを抑える鎮痛剤など、昔より薬は進化しています。早めに飲んだほうが効果的なので、我慢せずつらくなるより前に飲むのがおすすめです」
読者からの疑問にドクターがアンサー
Q1 生理痛といえる症状にはどんな種類がありますか?
A 生理が終わったら治るものは生理痛です
おなかや腰の痛み、頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、過多月経、胃の痛み、下痢、胸の張りなど、生理に伴って起き、終わると治る症状はすべて含まれます。
Q2 生理痛の個人差はなぜ起こるのですか?
A 個人の痛みに対する閾値が異なるから
痛みに対する閾値に個人差があるからです。また、プロスタグランジンの量や、子宮内膜症などの病気の有無によっても痛みの度合いに差が出ます。
Q3 痛みやすさは遺伝するものですか?
A 遺伝は関係ないと考えて
母親が生理痛がひどかったら子どももひどくなるわけではなく、遺伝は関係ありません。痛みやすさは、やはり痛みの閾値などの個人差が大きいです。
Q4 病院に行くべき“生理痛”の見極め方は?
A 自分自身が普通に生活していて困るかどうか
痛みがひどくて生活に支障が出るほどなら月経困難症なので婦人科を受診するべき。生活に支障が出ない程度なら市販の鎮痛剤を飲むなどの対処でOK。
イラスト/黒猫まな子 取材・原文/和田美穂 構成/田畑紫陽子〈BAILA〉 ※BAILA2020年12月号掲載
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